検察側の罪人 下 (文春文庫)

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  • 文藝春秋
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本棚登録 : 784
レビュー : 85
  • Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167907853

感想・レビュー・書評

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  • 時効で罪の償いから逃れた男を許すことができるのか。

    上を読み終わった時こんな事、あるわけがないと思った。あってはいけないと思った。
    だけど下を読み終わった今、もう何が正しいのかわからなくなった。沖野のように…。

    白川弁護士が出てきて面白くなってきたと思ったけど、最後の最後に…。
    白川も松倉もいやらしい。
    だけど、これが白川の弁護士としての正義。

    最上はきっと変わらない。もし、過去に戻れたとしてもまた同じことをするだろう。
    そこに個人的な感情が入っているのが嫌だった。
    だけど、これが最上の検事としての正義。

    沖野の正義はなんだろう?
    沖野は、検察の汚さを見ては違うと思い、弁護士のえげつなさを見ては違うと思う。

    色々思うこともあるけど、好きな作品でした。
    映画も観た。

  • 途中から涙がポロポロと溢れて読み終わってしばらくは、涙が止まらなかった。こんなにやり切れなくて複雑な思いをして泣いた本は初めてかもしれない。多分、読んでる間に私自身が沖野になってた(苦笑)
    読み手である私は、上巻で何がどうなって事が起こったのか知っているから、下巻で沖野が真相に一歩一歩近付いて行く姿に、早く!早く気付いてくれ!犯人はすぐ近くにいる!という思いが強かった。
    しかし、ラスト少し前から全てが白日の下に晒された後の展開を読むのが怖くて変な動悸を起こしたけれど結局、最後の最後を知りたくてページを捲る手は止められなかった。
    それぞれが起こした事は本当に、正義だったのか。でも、正義感があったからやったんだよね?!その正義感があやふやで脆くて、ふとすれば形、姿までをも変えてしまう。。。
    私もこの本を読んで、正義って何だろうって分からなくなった。正義って、何なんだろう。

  • 事件の真相が明らかになってくるのが、次第に苦しくなってきます。理由はなんであれ殺人は犯罪であるのですが、正義について考えさせられました。後半の最上と友人の前川の接見の場面が泣けてきます

  • 上巻・下巻読了。
    ベテラン検察官と初任検察官の対立をメインに、それぞれの正義が対立する構図で物語が展開される。

    先週公開の映画も公開日(8/24)に見ましたが、その対比も楽しみに、一気に読みました。

    上巻・下巻合わせて、相当のボリュームにはなりますが、その厚みは、全く感じさせませんでした。著者の筆力でしょうか...

    それぞれ登場人物のキャラや立場、経歴が丁寧に書かれ、ストーリーの流れも、映画と異なり、なるほどと言えるものでした。
    表題からは、若干ネタバレの感はありますが...

    最後まで、最上検事が沖野検事を気にかけていたのは、自身の選択が、とても辛いものであったことをうかがわせます、ウルウル

  • どんなに法を用いようとも、それを扱うのが感情を持つ人である以上、程度の差は雲泥かもしれないが、人が人を裁くというということは否定出来ないのではないだろうか。検事もまた罪深い人なのだ。息つかせぬ展開に最後まで一気読みでした。
    あらすじ(背表紙より)
    23年前の時効事件の犯行は自供したが、老夫婦刺殺事件については頑として認めない松倉。検察側の判断が逮捕見送りに決しようとする寸前、新たな証拠が発見され松倉は逮捕された。しかし、どうしても松倉の犯行と確信できない沖野は、最上と袂を分かつ決意をする。慟哭のラストが胸を締めつける感動の巨篇!

  • 下巻は一気読み。読み始めたら続きが気になって何も手に付かず。しかし、読後感はモヤモヤッとする。法を犯してまでの正義の結末は仕方ないといえば仕方ないのだが。松倉はやっぱり嫌な奴。映画も見てみたいです。

  • なるほど…
    全てがすっきり!とはいかないけど、結局犯罪から端を発した正義は、結局こういう結末にしか本来はなりようがないんだろうな。
    ただただ喜んでるのは、松倉1人で、しかも、あろうことか自分が起こした事件まで否定して、人を罵る始末…。
    でも、実際は、犯罪者なんてそんなもんなんだろうな。
    犯罪に手を染めた時点で、問題解決がそれしか測れなかったって事なんだもんね。

  • 前半はなんだかもやもやが続きうーんという感じだったが、後半になり急激に展開がすすみ、夢中になった。最後はもう一気に読み進み、涙も浮かぶほど気持ちが入り込んだ。
    色々な形の正義があり、信念を貫いた主人公はすごい。

  • 正義とはなんぞや。不義とはなんぞや。最終的に判断するのは人間しかいない。

  • 映画より、断然良かった! ラスト、沖野が事件の真相に辿り着いてからの展開にハラハラドキドキ、そして泣けた。 生きにくくなったこの時代に何が正解だなんてわからない。だけど自分が正しいと思う道を行くのが正しくもあり悲しくもある。 最上が娘に言うお前は恵まれている。その言葉を大切に、最上をめぐる人々と安息のある日々であることを望んでやまない。 そして沖野のその後のストーリーを読んでみたいとも思う

    • きーちゃんさん
      私も面白くて一気読みしました。下巻のラストは、私も憑依(気持ち悪くて申し訳ないです;;;)して大泣きしながら、読みました。やるせないラストで...
      私も面白くて一気読みしました。下巻のラストは、私も憑依(気持ち悪くて申し訳ないです;;;)して大泣きしながら、読みました。やるせないラストですよね。。。
      2019/03/07
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著者プロフィール

雫井 脩介(しずくい しゅうすけ)
1968年、愛知県生まれの小説家・推理作家。専修大学文学部卒業後ひとたびは就職。出版社などを経て、1999年内流悠人(ないる ゆうと)という筆名で応募した『栄光一途』が第4回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞し、2000年同作でデビューする。
2004年『犯人に告ぐ』が、2004年版「 週刊文春ミステリーベスト10」で第1位、2005年版「このミステリーがすごい!」で第8位、第26回吉川英治文学新人賞の候補として選ばれ、第7回大藪春彦賞を受賞。豊川悦司主演にて映画化・ドラマ化。代表作となる。
2006年に恋愛小説『クローズド・ノート』を発表し、沢尻エリカ主演で映画化。2013年刊行の『検察側の罪人』は2013年度「週刊文春ミステリーベスト10」4位など評価を受け、2018年8月24日木村拓哉・二宮和也共演で映画化。

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