鬼平犯科帳 決定版 (5) (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2017年2月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784167907969

作品紹介・あらすじ

池波正太郎生誕100年企画として、歌舞伎界の大看板・松本幸四郎を「鬼平」こと長谷川平蔵役に迎え、
映像化、ドラマ化。
「鬼、新時代。」が始まります!

第5巻収録作品「兇賊」と、第4巻収録作品の「血闘」が、
2024年5月10日(金)公開の
映画『鬼平犯科帳 血闘』の原作です。
「本所の鬼銕」と呼ばれた若き日の平蔵の敵が
思いもかけぬ形であらわれる「兇賊」は、人生の因果の劇的なさまに唸らされます。


第5巻収録作品は、「深川・千鳥橋」「乞食坊主」「女賊」「おしゃべり源八」「兇賊」「山吹屋お勝」「鈍牛」の全7篇。
この中の「山吹屋お勝」は、後年、[著者が選んだ鬼平ベスト5]に入っている作品です。

みんなの感想まとめ

多彩な人間模様と緊迫感あふれるストーリーが魅力の作品です。収録されている7篇は、江戸時代の火付盗賊改・長谷川平蔵を主人公に、彼と仲間たち、そして盗賊たちとの複雑な関係を描いています。特に「兇賊」では、...

感想・レビュー・書評

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  • 久々に鬼平犯科帳続きを読みました。
    この巻から〈決定版〉を読むことに。アニメ「鬼平犯ONIHEI」のカバーを外すと、デザインが一新された表紙カバー。歌川広重『名所江戸百景』より「深川洲崎十万坪」の版画が薄紫色で印刷されています。確かに、揃えたくなってしまいます。
    うわぁ4巻までどうしょう~。

    「兇賊」一番、印象に残りました。
    平蔵の命を奪うために何の関わりもない料理屋の人々25人を皆殺しにした兇盗、甚五郎一味。この狂気の殺人者には平蔵も追い詰められますが、仲間と平蔵の心根に惚れ込んだ老盗九平の機転のおかげで甚五郎を成敗することが出来ました。この時の平蔵はまさに鬼、ですね。
    「きさまなど、どんな死にざまをしてもいいのだ」
    平蔵の中にあるレッドラインを超えた悪には、彼は容赦がありません。
    けれど、夜鷹の女や、知恵遅れの男など世の中で人として扱われることのない人々や弱者となるものたちには温かいです。その眼差しには何ら差別の意識もありません。平蔵の魅力に惹かれるのは、仕事仲間だけではないのです。
    でもそれを面白くないととるものもあるわけで、「鈍牛」で手柄を取りたい、そして取らしてあげたいの想いで、冤罪を作り出してしまった部下やその密偵の犯した罪への、平蔵への幕府からの風当たりは強いものがありました。彼らにとって平蔵はあまりにも強力な統率力とワンマンとも取れる捜査に、苦々しい部分もあるようです。
    御役目とはどういうものかを部下に厳しく告げる平蔵。善と悪の境目にある御役目、自らが欲を出せばいつでも悪に転がり落ちる。そんなギリギリのところにいるのが、彼ら火付盗賊改方なのでしょう。
    平蔵の中にある正義は、時に非情に、時に温情になります。でもそれは決してブレると言うことではありません。
    彼は自分の下した決断には全て責任を持っているんだと思うのです。そこには自らが手に掛けた悪人の憎悪も、奴らによって命を落とした罪のない人々の無念も全て背負って生きる覚悟があるのではないでしょうか。

    • 地球っこさん
      nejidonさん、こんばんは★
      コメントありがとうございます♪
      nejidonさんも池波さんがお好きとは!
      更にお好きな時代小説の作...
      nejidonさん、こんばんは★
      コメントありがとうございます♪
      nejidonさんも池波さんがお好きとは!
      更にお好きな時代小説の作家さんがおられ
      るのですね(*^^*)
      ぜひぜひ、また紹介してくださいね。
      今更ながら、本ってその人の人となりが
      映し出されるものなんですね。
      何だかちょっぴり恥ずかしいなぁ 笑
      時代小説って、読み出したら止まりません。
      幼い頃、祖母の部屋でテレビの時代劇を
      観ていたこと蘇ります。
      池波さんは鬼平犯科帳から読みはじめまし
      た。平蔵はかっこいいし、物語も面白い。池波さんの本は全部読んでみようと思って
      ます。
      あ、それに池波さんが職業訓練校を作っ
      たなんて、初めて知りました。
      良いこと聞きました。
      ありがとうございます♪
      2018/07/31
    • nejidonさん
      地球っこさん、こんにちは(^^♪
      ご、ごめんなさい。私の書きこみ方が曖昧で、誤解を招いてしまいました。
      日本初の職業訓練校を築いたのは、...
      地球っこさん、こんにちは(^^♪
      ご、ごめんなさい。私の書きこみ方が曖昧で、誤解を招いてしまいました。
      日本初の職業訓練校を築いたのは、長谷川平蔵そのひとなのです。
      主語が抜けていたので、池上さんと思われても仕方がないですね。すみません。。

      「天明の飢饉」後、何十万もの人が村を捨てて都市部になだれ込み、そこでも仕事にありつけなかったため、「無宿人」となって犯罪を犯すことが非常に多かったそうです。
      取り締まるだけでは一向に減らない犯罪数に、平蔵はある対策を講じたそうで、それが無宿人たちのために養育所を設けることだったとか。
      まぁこれを許可した松平定信も大きな人物ということになりますが。
      かくして幕府直営の授産・更生施設が「人足寄場」という名でスタートし、責任者は平蔵となりました。
      大工・鍛冶・桶屋・縄細工・紙漉きなどの技能を身につけて、そこで出来た製品は江戸市中で販売され、収入の2割は材料費として差し引き、残り8割は人足たちに与えて貯金させ、寄場を出る時の元手とさせたそうです。
      平蔵は、出所後の就職先まで探した上に職に就くための必要な道具や餞別まで渡していたのだとか。
      こうして社会復帰した人は200人にものぼったというから、その功績は大きいですよね。
      ただの「鬼の平蔵」ではないということで、私は尊敬の念を抱いているわけです。

      長くなって申し訳ありません。
      分かりにくいコメントをしたお詫びの気持ちなので、笑って許してやってください。
      あと、もうふたりの時代小説家さんは「隆慶一郎さん」と「柴田錬三郎さん」です。
      ふふ、初めての暴露です(笑)。
      2018/08/01
    • 地球っこさん
      nejidonさん、こんにちは!
      詳しい説明をありがとうございます。
      「人足寄場」あ、そっか!覚えがあります。
      確かに今まで読んだ5巻...
      nejidonさん、こんにちは!
      詳しい説明をありがとうございます。
      「人足寄場」あ、そっか!覚えがあります。
      確かに今まで読んだ5巻までに出てきたと
      思います。なるほど、なるほど。
      教えてもらって、本当勉強になりました!
      ありがとうございます(*^^*)
      そして、平蔵凄いです。尊敬ですね!
      そしてそして、nejidonさんの初めての暴露、しかと受け取りました~
      まだ読んだことのない作家さん、読んでみたい!
      新しい出会いをありがとうございます♪
      2018/08/01
  • ▼「鬼平犯科帳5」池波正太郎、文春文庫。初出は1967−1989、月刊誌「オール讀物」連載。江戸時代に実在した「火付盗賊改・長谷川平蔵」を主人公として、平蔵とその仲間、そして捕物相手になる盗賊たちを描いた連作捕物帳小説。

    ▼この巻収録は以下の7篇。

    ・深川・千鳥橋
    ・乞食坊主
    ・女賊
    ・おしゃべりの源八
    ・兇賊
    ・山吹屋お勝
    ・鈍牛

    【深川・千鳥橋】は盗賊に図面を売っていた大工が死病に冒されて余生を静かに過ごそうと金を工面するが・・・という話で、設定からして味わい深かった。
    【乞食坊主】は「平蔵の頼りになる仲間が意外なところから現れるシリーズ」とでも言うべき一編。ゲストの乞食坊主キャラが光る。
    【女賊】この話に味をしめた(失礼)のか、同じような女賊が今後も出てくる。
    【おしゃべり源八】このシリーズ2度目だと思うのだけど、記憶喪失ネタ。
    【兇賊】この話で出てくる九平という芋酒屋の親父(元盗賊)がいかにも池波正太郎テイスト。
    【山吹屋のお勝】現役盗賊と密偵が焼け木杭で・・・という珍しい一編。
    【鈍牛】この一冊の中でいちばん個人的に記憶に残る作品。いわゆる知的障害の若者が冤罪に問われる内容。一方で同心同士の手柄争いも大変だなあ、と思わせられる。木村忠吾なんて何だかんだミスをしていても「お頭のエコひいき、あいつは羨ましい」とか言われているんだろうなあ。

  • “「気に入った‼︎」
    「なんとね?」
    「いや。気に入りましたよ、平蔵さん」
    「なにが?」
    「その、いのちがけというやつがね」
    「ほほう、そうか」
    「その、いのちがけというやつを、私は、もう二十年もさがしつづけて来たのですよ」ーーー「乞食坊主」より”


    池波正太郎の『鬼平犯科帳』を
    ぽつぽつと読み続けている。
    シリーズ物は長続きしない自分だが
    なんとも珍しい。

    どの作品も味があって面白いが
    とりわけ『乞食坊主』がよかった。

    小さな社の裏手で、怪しい二人の男の
    会話を立ち聞きしてしまった乞食坊主。
    身なりこそ見すぼらしいが、
    乞食坊主の正体、井関録之助は元剣士。

    怪しい男たちの足取りを追ううちに
    昔の旧友菅野伊介が、今は悪党の
    手先のようなことをしていると知る。
    録之助は平蔵のもとを訪れ
    なんとか菅野を救い出そうとするという話。

    人殺しなどなんとも思わず
    盗みを働く悪いやつらがいる。
    一方で、身を持ち崩してしまい
    止むに止まれぬ事情で
    悪事を繰り返す者もいる。

    悪者だって時には被害者だ。
    平蔵の判断は公明正大だが
    時として正しさだけでは
    測りきれないことを
    自らの物差しで裁くこともある。

    “「この御役目はな、善と悪との境目にあるのだ。
    それでなくてはつとまらぬのだ。」”

    悪党も正義も、
    筋が通っていなければ
    なんの美学もない。
    確固たる意志を、生き様を、
    こんなにも貫けるだろうか。

  • 厳密にいうと、読んだのは1978年5月25日代一刷の文字がまだ小さい時のもの。収録作品は新しいものと同じ。別の版で一回別に読んでいるから、二度目。久しぶりではあるけれど、骨太のようで実に書き込んであって、それでいて無駄がない。前読んだとき泥棒の年表とプロフィールを抜き書きしたら、人物関係がわかって面白いかもと思ったのだが、実行していない。でてくる泥棒グループは大元をたどると、地域、人殺しをするかどうか、ひとりばたらき、縁故関係などで、わかれるのか。親子関係、男女関係、人間関係は泥棒さんたちのほうがバリエーションに富んでいる。

  • 鬼平犯科帳の「決定版」は活字が大きくて読みやすく、おまけに面白いので、言う事ない。過去に読んだはずだが、話のスジはほとんど忘れているので、初めて読む様な感じで楽しめた。

  • 個人的に3巻に並ぶくらい面白かった。
    「兇賊」が特にお気に入り

  • 止まりません

  • 池波正太郎のシリーズ5巻
    むろん面白いです(^-^)深い沼にハマったようです(^^;)

  •  「兇賊」テレビでは、米倉斉加年が演じていた。すっとぼけたお人好しの感じが、まさに、ぴったりのはまり役。原作に忠実に描かれていた。(7月6日)

  • 4巻目と5巻目を読んで、「なーるほど、これとあれを繋ぎ合わせていたのか?!」と納得した。映画の話。小説には、小説としての面白さがある。

  • 医学部分館2階書架 : 913.6/IKE/5 : https://opac.lib.kagawa-u.ac.jp/opac/search?barcode=3410170184

  • - 2 - 4 5 - 7

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    妻を亡くし、隠居の身であった平蔵の従兄・三沢仙右衛門が突如、茶屋女を「嫁にもらいたい」と言い出した。老父の情熱をもてあました長男に頼まれ、平蔵はその女に会いに行く(「山吹屋お勝」)。後年、著者自身が鬼平ベスト5に選んだ本作ほか、「深川・千鳥橋」「乞食坊主」「女賊」「おしゃべり源八」「兇賊」「鈍牛」の全七篇を収録。

  •  池波正太郎 著「鬼平犯科帳 5」、2017.2発行、7話。いよいよ佳境でしょうか! 7話中、5話が☆5つです。「深川・千鳥橋」「乞食坊主」「女賊」「兇賊」「山吹屋お勝」。今回は侠義のある賊が多かったです。信念のある?賊、それを認める平蔵、なかなか読んでて楽しいです。

  • 小房の粂八は蟹江敬三さんで脳内再生余裕。

  • 悪人さえも魅了する長谷川平蔵さんの人間臭さが魅力的なシリーズの第5巻。

    悪いヤツは平蔵さんの胸三寸でいたぶって即刻処刑とか、ある意味まどろっこしさがなくて良いなぁ!
    冤罪ではない場合に限るわけだけれども…。

    犯罪者が生きているってだけで、被害者やその遺族はものすごいストレスになったりするし、今の日本も私的な報復を国家が禁じて、国が処罰権限を独占するのであれば、それだけ国民の感情に沿った対応をしないとダメだと思う。

    机上の道徳理論で、自分が犯罪被害に遭ったわけでもない理想主義をほざく自分が大好き人間の声も壊滅する必要はないけれど、そこばかり大きくとらえてもいけないと思いました。

  • 鬼平誕生50年を記念してより読みやすい文字の決定版として登場。後年、池波氏が著者自身の鬼平ベスト5に選んだ「山吹屋お勝」ほか全7編を収録。

  • 脇役たちの魅力は、密偵に尽きる。善も悪も知ったうえで鬼平と世の平穏に尽くす。しかし、かつての仲間を売る彼らの心境は複雑だろう。「乞食坊主」「兇賊」「山吹屋お勝」などを収録。

  • 【アニメ「鬼平」観てから読むか、読んでから観るか】鬼平誕生五十年を記念し、より読みやすい文字の文庫決定版を順次刊行中。カバーも一新、二〇一七年は鬼平で明け、鬼平で暮れる。

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著者プロフィール

大正十二(一九二三)年一月二十五日、東京市浅草区聖天町生まれ。昭和十(一九三五)年、下谷区西町小学校卒業、株式仲買店勤務。昭和十四年より三年ほど証券取引所にあった剣道場へ通い、初段を得る。旋盤機械工を経て昭和十九年、横須賀海兵団入団。敗戦の翌年、東京都職員として下谷区役所の衛生課に勤務。昭和二十三年、長谷川伸門下に入る。昭和二十五年、片岡豊子と結婚。昭和二十六年、戯曲「鈍牛」を発表し上演。新国劇の脚本と演出を担当する一方、小説も執筆。昭和三十年、転勤先の目黒税務事務所で都庁職員を辞し、作家業に専念。昭和三十五年、『錯乱』で直木三十五賞受賞。『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』の三大シリーズや『真田太平記』等、数々の小説で人気を博す一方、食や映画、旅に関する著作物も多く上梓した。受賞歴はほか吉川英治文学賞、大谷竹次郎賞、菊池寛賞等。平成二(一九九〇)年五月三日、入院していた東京都千代田区神田和泉町の三井記念病院で死去。小社では同じく単行本未収録のエッセイ集『一升桝の度量』(二〇一一)と初期戯曲集『銀座並木通り』(二〇一三)を刊行している。

「2022年 『人生の滋味 池波正太郎かく語りき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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