- 文藝春秋 (2017年2月10日発売)
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感想 : 6件
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784167907976
みんなの感想まとめ
多様なエピソードを通じて、歌舞伎における女性の描写とその背景を深く掘り下げた作品です。特に、女形の存在が引き立つ一方で、立役が主役となることが多い歌舞伎の世界を、著者は「女」をテーマに解説しています。...
感想・レビュー・書評
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映画「国宝」鑑賞の流れで読んでみる。
現代の価値観との比較、考察が面白い。
(テクニカルなことではなく、ストーリーに沿った女性人物像を語っているので読み易い)
当時はストーリー作者が男性だったということもポイントかもしれない。(男性から見る女性像、理想の女性像)
当然、現代と当時の社会環境が違い、現代ではあり得ないストーリーもあるわけだが、今でも共感できる普遍的な人間の性もあるわけで、それを歌舞伎を通じて知ることも楽しみであり、感性を豊かにしてくれるのかもしれない。
以下抜粋~
・この作品もまた近松門左衛門の筆によるものであるわけですが、「強い男に従う女」という姿が常識であった時代に、近松は女の本当の強さと、男の本当の弱さを知っていました。その強さと弱さとをうまく芝居として描いたからこそ、観客のここをはもっていかれたのでしょう。
・道成寺もののベースとなるのは、紀州に伝わる安珍清姫伝説です。熊野修験の僧である安珍が、紀州のある家に逗留したところ、その家の清姫が、安珍に惚れてしまう。二人は夫婦の契りを交わしたけれど、とはいえ安珍は修行の身。そっと立ち去ってしまうと、清姫は恨みと嫉妬を募らせ、蛇の姿となって追いかけます。道成寺の鐘の中に身を隠した安珍でしたが、蛇となった清姫は鐘に巻きつき焼き殺してしまう、というストーリー。道成寺ものに登場する白拍子花子は、清姫の生まれ変わりということになっています。
・現代の恋愛・結婚関係のハウツー本においても、「あなたが男性を追いかけてはいけません。追われた途端、男性はあなたを重く感じるものです。女性は常に、男性から追われているべきです」といったことが記してありますが、歌舞伎の中でも「追う女は不幸になる」というセオリーは、守られている。
・「追う女」に限らず、「無理する女」でも「操を立てる女」でも同じことであるわけで、歌舞伎に出て来る女達をじっと見つめる女性客の視線に込められているものは、共感であり、同情であり、そして郷愁なのではないかと、私は思うのです。
・(女形について)好きな人を見る時にも、見たいけれども恥ずかしいという思いを、仕草で表すわけです。隠しながらも、自分は見たいという胸で押していって、ふっと目があうと隠れる。そういうところで優しさや恥ずかしさを表現していくのですが、その動きの中に、色気が出てくるのかなと思います。
・自分でやらせていただいた「女暫」のような、悪を退治して、それも強いだけでなく、最後にははにかみを見せて去っていく巴御前や、「天保遊侠録」の阿茶の局の、みんなをへへーとひざまずかせる強さ、「輝虎配膳」の越路というおばあさんの、理路整然とまくし立てるすごさーそういうおのはお客様にとっても受けている。やはり女性が溜飲を下げられるものをこれからも作れたら、と思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
いろんなエピソードを紹介してくれたけど、どの話もイライラするばかりでなにがおもしろいんだかさっぱり。
悪いやつが不幸になるのはいいけど理不尽なのは苦手だから歌舞伎あわないなーって思った。
そして歌舞伎好きな人ってそういうのみて喜んでるんだと思ったら今後ちょっと見る目変わるな。
ってひたすら歌舞伎に引いてたんだけど、特別対談読んだら役者さんはちゃんとそういうの時代に合わないって思ってるみたいで少し見直した。 -
女を観る歌舞伎。女形って歌舞伎の超特徴的な一面ですが、やはり時代背景もあってか、お芝居のなかで大活躍するのは立役(男役)であることが多い。女暫とか、女団七とか、あえて「女」を主役にしている演目もあるが、逆に何も言わなければ主人公はだいたい男性。私もどちらかというと立役の魅力を重視して見てしまう。そんな歌舞伎のいくつかの演目を、「性愛以外においては女にしか興味が持てない」というくらい女観察が好きな酒井さんが、女性の振る舞い、生きざまに焦点を絞って解説。複雑な時代物のあらすじも華麗にすっとばして、ただひたすらに女。
すごく雑にいうと、歌舞伎の中の女性はだいたい不幸、しかも自ら不幸な(、と私たちには思える)選択をすることさえあります。現代の人権意識ではあまりに理解不能すぎて、「そういうものなんだ…」とわかったようなわからんような感じで呑み込んで観てしまいがちですが、酒井さん、そこは同じ女同士と斬り込んで、私たちにも通ずるようにタイプ分けしていきます。「罪な女」「リードする女」「だめんず好きな女」等々。
これですっきり昔の女の気持ちがわかった!とまではいきませんが(そこまで封建社会甘くない)、あ~こういう女の人いるいる、こういうことあるある、という理解から歩み寄ることはできそうです。
実はこれが初・酒井順子さんだったがそういう意味ではチョイスを間違えたかも。初めて順子節を味わってみようとしている私からしたら、歌舞伎は題材として強すぎるというか…。せっかくいただいた新鮮な食材もカレーに入れたらカレー味だわな、みたいな。そっちは別のものでリベンジしようと思います。 -
最近歌舞伎に興味が出てきて、よく見に行くようになったので、手に取った。この本をガイドにして、どんどん見て行きたい。
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【歌舞伎の女たちを鋭く楽しく読み解く一冊】嫉妬する女、だめんず好きの女……歌舞伎に登場する女性たちには、時を越えた共感と驚きがある! 市村萬次郎氏との対談を特別収録。
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著者プロフィール
酒井順子の作品
