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Amazon.co.jp ・本 (192ページ) / ISBN・EAN: 9784167908003
作品紹介・あらすじ
NHK教育テレビ「さかのぼり日本史」で放送された内容をもとに作った単行本「NHKさかのぼり日本史②昭和 とめられなかった戦争」の文庫化です。
「それまで侵略はなかった」と主張し続けてきた安倍首相に真っ向から対抗し、歴史家としての気概を見せた加藤陽子東京大学大学院教授。いまいちばん旬な歴史学者の加藤教授が、語り下ろし形式で、日本の近現代史をわかりやすく解説した本です。
本書は、「なぜ戦争の拡大をとめることができなかったのか」「なぜ一年早く戦争をやめることができなかったのか」がテーマ。繰り返されてきたこの問いを、人々の思いが今なお染みついた土地と史料から考え、日本の近現代史をわかりやすく解説していく歴史ガイド。
第1章 敗戦への道――1944年(昭和19年)
第2章 日米開戦 決断と記憶――1941年(昭和16年)
第3章 日中戦争 長期化の誤算――1937年(昭和12年)
第4章 満州事変 暴走の原点――1933年(昭和8年)
感想・レビュー・書評
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直前に読んだ『昭和史 上』を補完するような形になった。『昭和史』が歴史を体系的に説明し、要因同士が密接に繋がって、戦争に向かっていった事実を伝えるものであるならば、本著はその中で、より社会的といおうか、情勢を伝えてくれる。より内面を詳しく、当時を生きる人がどう考えたのか、どういった思想のもとなのか、風潮としてやむに止まれぬところもあったのだというのが伝わってきた。
戦争教育とは、過去の過ちを見て見ぬふりをすることではなく、過去を省みて今後どうするかということ。これは歴史を学ぶ本質ともいえる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「太平洋戦争開戦時の太平洋」の図を見ながら読み進めましたが、今さらながらに、いかに広範囲にわたって戦闘を行ったか、サイパン失陥がどんな意味を持つのかがよくわかりました。時間軸を逆にたどっての説明もなるほどと思わせられました。
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圧倒的に国力の差があるアメリカ相手に、なぜ日本は開戦に踏み切れたのか?これには大和魂にあるという。
国民をまとめるためには、たとえば小学校などに国力の差をグラフ化した説明冊子を配り、日本が差を乗り越えるのには大和魂なのだと精神力から強調していったのだそうです。
当時の思想家や作家も「さわやかな戦争」「明るい戦争」と好意的だ。
日中戦争は弱いものいじめの戦争だけど、太平洋戦争は強い英米相手だからと、かなり大胆不敵になってしまった国民。
「緒戦に大勝すれば勝機はある」と支持する層も多く、国民感情をコントロールしていたのには恐ろしい。
現代人には通用しないだろう。 -
満州事変以後を扱った「それでも日本人は戦争を選んだ」のダイジェスト版という感じか。
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加藤先生のアジア太平洋戦争への「なぜ」を説くシリーズ。どれ読んでもわかりやすい。「なぜ」を考えることは大事だな。「なぜ」という問いを立てることがさらに大事だな。今の時代に対しても「なぜ」を忘れてはいけないな。
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著者買い
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敗戦の一年前、サイパン陥落の時に戦争を止めるべきだったという筆者の主張は、悲惨な結末を知っている視点から見るから言える事であって、本当に可能だったかと言えば疑問が残る。
仮に日本が停戦交渉をしようとしても、アメリカは無条件降伏に近い条件を出したのは間違いないし、戦闘力が十分に残っている状態での降伏を軍部や国民世論が許したとは思えず、やっぱり1年前終戦は不可能だったと思う。
柳条湖事件か盧溝橋事件のタイミングで止められた可能性もあるが、日米戦争はせずとも、アメリカの要求はエスカレートし、最終的には日本を植民地か保護国のようにしていただろう。当時は帝国主義時代であり、強いものが弱いものを支配する事は当然であった。
その中で、西洋だけの支配をよしとせず、自衛のため小さな可能性にかけた日本はやむを得なかったと思う。
もちろん個々の人間の誤った判断が犠牲を大きくした事はあったと思うが、世界の大きな渦に巻き込まれて抗いようがなかったのが現実だというのが私の立場である。 -
わかりやすい言葉で、戦争の悲惨さを読む人に伝えてくれる本。
思想の偏りは感じられず、なぜとめられなかったのか、転換点やとめられたとしたらどこがポイントであったか、などの史実を挙げ、読者に考えさせる。
読み終えて、著者が学術会議に任命拒否されたことの問題の大きさに改めて気づかされる。愚かな思想に扇動されないために、著者が与えてくれる「静かな」思索は絶対に必要であると感じる。 -
日本の敗戦までの流れとウクライナロシアの戦争における共通点を感じた。
1.成功体験
日本においては、日清戦争や日露戦争
ロシアにおいては、クリミア半島併合
2.戦略
奇襲による短期決戦であれば降伏させられるという読みが、実際は粘り強い抗戦と欧米からの支援により泥沼化していく。
3.当初戦争という表現を避ける
日本においては、満州事変
ロシアでは、特別軍事作戦
今日の戦争が一日も早く終結し、第三次世界大戦や核戦争など新たな争いが起きない事を心より祈っております。 -
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加藤先生のいつもの説をわかりやすくまとめたもの。時代を逆行させているのが工夫ですが、満州事変から敗戦までが一直線のように見えるので、そこはどうか?
バランスよくまとめられているが、今から見たらそう見えるという色が強い。あちこちで当時の人の立場に立とうと努めているのは読み取れるが、敗戦から教訓を学ぼうとするとそうなるか。 -
加藤陽子を嫌いな人は嫌いなんだろうけれども(先の政権とか、その支持者とか)、近現代史研究における、一流の学者だろうと私は思う。本書は、もともとNHKの番組がもとになっているだけあり、平易な書き方で、読みやすく分かりやすい。だが、しっかりと中身が詰まっている。サイパン陥落から時間を遡り、ターニングポイントとなった、日米開戦、日中戦争の長期化、満州事変の各事象について、それぞれの時期の前後にフォーカスして論じていく。詳細すぎず、かといって抽象的にすぎず、筆者の分析や見解に基づき、事実経過の流れが、なぜそうなったのかという理由を踏まえて述べられているので、理解が進む。論旨展開にも強引なところがなく良書である。敢えていえば、ここに述べられている事実それ自体の正確性は、もとより一読者に過ぎない自分には検証できない。前提としている事実それ自体が違うということであれば、本書で述べられている分析や筆者の見解に対して、異論を出てくるであろう。そうした理性的で知性的な反対論であれば、当然、あって然るべきだろう。
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加藤陽子さんの本は学校の勉強だけでは点で学んでいくことが面で俯瞰的に理解できる。
なぜ戦争になるまで止められなかったか?を知ることはそうならないためにどうできるかを知ること。 -
時間を遡ることで,歴史の因果関係を明確にする良書.遡る回数が3回と少なく,最も遡った満州事変の因果すら詳らかにされたい,と思う程度にのめり込める.できれば,中高の日本史は,常にトリガがあったことが明示的に理解できるため,このような形で近現代から遡って欲しいと切に願う.
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加藤陽子先生の本はたくさん読ませていただいている。特に『それでも。日本人は「戦争」を選んだ』は、太平洋戦争を語った名著である。この本は、その簡易版とでも思っていただければよいだろう。エッセンスは十分に詰まっている。
いたるところで出る話だが、東条英機(当時の総理大臣、陸軍大臣兼参謀総長)は、士官学校に巡察に行き、生徒に「敵は何で墜とす」と聞く話は、何度読んでも不愉快というか、心がざわめき、締め付けられるような思いがする。
東条は、生徒が機関銃で墜とすと答えると、言下に否定し「違う。敵機は精神力で墜とすのである。」という。
戦争被害受任論がある。軍人・軍属には恩給がでたが、死んでいった国民に当時の日本政府は責任を持たない。
戦争責任を日本人自らで裁いていないことが、今も続く民権より国権を優先する政治につながっている。 -
それでも日本人は戦争を選んだのダイジェストである部分が多いのが難点。その分コンパクトに満州事変から太平洋戦争までの日本の展開がよくわかる。
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加藤陽子先生の著作は分かりやすく、示唆に富むので愛読している。本作はテレビ番組をまとめたためか、短くまとめられすぎているためちょっともの足りない。
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時間があれば
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17/07/11。
著者プロフィール
加藤陽子の作品
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