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本 ・本 (400ページ) / ISBN・EAN: 9784167908041
感想・レビュー・書評
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渡瀬さんや!
それも新婚ホヤホヤの…長く続かんかったみたいやけど…
渡瀬さんの原点という感じやな。この事件が発端で、自分自身を問い詰める。
確かに、冤罪事件の当事者になるとツラい。更に死刑判決となれば、取り返しがつかない…
誰にでも、間違いはあるけど、これは訂正で済む問題ではないし…
こういう事を乗り越えてというか、背負って逃げずに刑事を第一線でやっていく。自身に課した償いになるんかな?
「司法に携わる者は自分を律していかなければならない。甘えは禁物だ」
これは、静さんの孫娘に言ったことはやけど、力を持った人には、それだけの覚悟が必要って事やな。
安易に就職先の1つとして決めるべからず!
どんでん返しもあり、面白かった!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
冤罪がテーマの作品。
昭和59年に発生した強盗事件、その事件を追う
ベテラン刑事の鳴海と主人公の若手刑事の渡瀬。
犯人として逮捕したのが冤罪だった。
無実な人間を犯人に仕立て上げる取り調べの描写が生々しくて一気読みでした。
冤罪だと発覚してからの渡瀬の苦悩、そしてそれを隠そうとする警察という組織、犯罪者家族の世間の風当たり、マスコミの過剰な報道、
もう中山七里さんお得意の世界でとても嬉しいです。
ただ、前半が素晴らしかった反面、後半の犯人に辿り着くところと最後のどんでん返しは個人的にはちょっと???を感じました。
冤罪だとわかった後の鳴海のセリフ
『世の中に正しいことなんて何一つない。あるのはその時々に都合がいいか悪いかだけだ。それを見誤ると得にならんぞ』
これを警察が言ったらダメでしょうと思いつつ、それを打破する主人公の勇気に憧れを感じてしまいます。 -
やっぱり中山七里さんの小説は面白い。
今作は冤罪事件のお話。すごく重いテーマで。出てくる登場人物もおじさんばかり。全体的に暗いんだけど、どんどん読める。先が気になって仕方がない。
刑事の渡瀬が若い頃、正義と信じて逮捕した犯人は冤罪だった。しかも間違われた被害者は獄中自殺をしてしまう。渡瀬はもう二度と間違わないことを心に刻み、28年前の真実を1人で明らかにしていく。渡瀬さんかっこよかった。 -
時間軸ととにかくテンポが良かったです。間違ってることをしてる時、正しいと思ってしていて、後から後悔する時あります。正しく生きたいと思う気持ちとそれを封印する気持ちと、答え出ないです。
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さまざまなジャンルの高品質なミステリーを鮮やかに、そして信じられないスピードで書き上げると噂の中山七里氏。『岬洋介』シリーズが気になっていたものの、図書館で本作『テミスの剣』を見つけたため、まずはこれからということで貸出手続きを終えた。
読み初めてすぐに思ったことなのだが、とにかく読みやすい。文体はそこまでライトではない上、作品自体は本格的なミステリーに仕上がっているのにもかかわらず、だ。
殺人現場の細やかながらも分かりやすい描写から、渡瀬や鳴海ら登場人物たちの個性までもが、わずか数十ページで強烈にインプットされ、物語に釘付けになる。この時点で、これから中山氏の作品を読もうと心に決めた。
さらに、この手の刑事ものミステリーの中では群を抜いてリアリティがある。まるで本職の刑事、もしくは刑事だった人物が描いているかのようで、知識は小説の色をグッと濃くするのだと再認識せざるを得ない。うーむ、感嘆から唸ってばかりだ。
さて、本作『テミスの剣』は発生してしまった冤罪事件を描く。
不動産屋の強盗殺人の罪で死刑となった楠木明大。彼は埼玉県浦和市配属の刑事・鳴海健児と渡瀬により連行され、取り調べを受ける。
厳しい取り調べの末に犯行を自白した明大だが、5年後に発生した別の強盗殺人にて、明大は無実であったことが判明。罪の意識に苛まれた渡瀬は真実を追うことを決意する。
まず、鳴海の暴力も辞さない無茶な取り調べに唖然とした読者も多いだろう。しかし意外にも私は、鳴海に対してそこまで嫌悪感を抱かなかった。
鳴海本人も「あれくらいしないと本音を吐かない」と言っているように、犯罪者は海千山千。
最近、呉勝浩氏の『爆弾』を読んだことも、私が犯罪者に対しては容赦ない尋問をするべきだと思うようになったきっかけだろう。とはいえやりすぎではあるのだが……。
渡瀬が言うように鳴海は一癖も二癖もある人物だが、検挙率から見て実力は紛れもなく本物。物語開始時点で新米だった渡瀬が敏腕刑事になれたのも、彼の背中から得るものがあったからだ。
無論、激しい取り調べにより、作中の楠木明大のように冤罪となった者もいるのだろう。しかし、捉えられた真の犯罪者は計り知れないはず。
だからといって、作中のような過ちをおかしてもいいのかと問われれば、迷わず首を横に振るつもりだが……。煮え切らない、というより一人の人間が答えを出してはいけない。それほどまでに重いテーマだ。
法の神であるテミスは冤罪を犯した者たちをその剣で断罪した。唯一それを免れた渡瀬だが、どこまでも独善的な彼に次々と試練を与えたのもまた、テミスなのだろう。
エンタメ性と社会派の二丁拳銃で読者を責め立てる、読む者の心を穿つ渾身のミステリーだった。 -
豪雨の夜の不動産業者殺し。強引な取調べで自白した青年は死刑判決を受け、自殺を遂げた。
だが5年後、刑事・渡瀬は真犯人がいたことを知る。
隠蔽を図る警察組織の妨害の中、渡瀬はひとり事件を追うが、最後に待ち受ける真相は予想を超えるものだった!
どんでん返しの帝王が司法の闇に挑む渾身の驚愕ミステリ。
ひやぁ~。
これは面白かった!!!
一気読み。
読み始めたら止まらなくなる面白さ。
渡瀬刑事の真っ直ぐさは、もう私のど真ん中!!!
事件解決の経過も面白いのだが、渡瀬刑事や判事の心情、
どれをとっても素晴らしい。
物語も目を離せないほどの展開で、次から次へと事件が起こるのだが、
全てが最終地点に全て繋がっているのが尚良い!!
あ~、もう私が求めるミステリの神髄だわぁ~。
いいわぁ~。
もう最後の最後まで最高潮のまま(*´▽`*)
中山七里先生、何を読んでも最高!!!
暫く中山先生ワールドにどっぷり漬かりたい(*´▽`*) -
若き渡瀬刑事担当した強盗殺人事件の死刑囚が刑務所で自殺する。その5年後、渡瀬はこれが冤罪であったことを知り、警察組織の圧力の中、真相を明らかにしようとする。冤罪が作られる詳細が描かれていて恐ろしい。実際に渡瀬のように動く刑事がいるだろうか。そもそも冤罪の実態はどうなのだろうか。闇に葬られたものが多いに違いない。
最後のどんでん返しがとってつけたようで、少々残念。 -
強引な取調べで自白させられて死刑判決→自殺までは背表紙のあらすじに書いてあるので、読者は冤罪とわかりながら取調べの一部始終を読むことになり、警察に対して強い嫌悪感を抱く。
こんな酷いことが今は行われていないことを願う。
どんでん返しというよりは、重たい話が積み重ねられていくような印象でやや長く感じられた。
最後の真相解明は唐突に感じたし、犯人への意外性もなく、満足感はやや下がってしまったけど、内容はおもしろい。
「正義のない権力は暴力」という言葉が頭に強く残った。 -
強盗殺人に対する強引な取り調べで自白した青年が死刑の判決で自殺。その後冤罪と判明し、主人公の刑事が真相を追うが警察組織が妨害を行う。
冤罪がテーマだがそれだけではなく、一気に引き込まれるストーリーだった。自分の正義を貫く渡瀬刑事が素晴らしい。
著者プロフィール
中山七里の作品





