テミスの剣 (文春文庫 な 71-2)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167908041

感想・レビュー・書評

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  • 渡瀬さんや!
    それも新婚ホヤホヤの…長く続かんかったみたいやけど…

    渡瀬さんの原点という感じやな。この事件が発端で、自分自身を問い詰める。
    確かに、冤罪事件の当事者になるとツラい。更に死刑判決となれば、取り返しがつかない…
    誰にでも、間違いはあるけど、これは訂正で済む問題ではないし…
    こういう事を乗り越えてというか、背負って逃げずに刑事を第一線でやっていく。自身に課した償いになるんかな?
    「司法に携わる者は自分を律していかなければならない。甘えは禁物だ」
    これは、静さんの孫娘に言ったことはやけど、力を持った人には、それだけの覚悟が必要って事やな。
    安易に就職先の1つとして決めるべからず!
    どんでん返しもあり、面白かった!

  • やっぱり中山七里さんの小説は面白い。
    今作は冤罪事件のお話。すごく重いテーマで。出てくる登場人物もおじさんばかり。全体的に暗いんだけど、どんどん読める。先が気になって仕方がない。
    刑事の渡瀬が若い頃、正義と信じて逮捕した犯人は冤罪だった。しかも間違われた被害者は獄中自殺をしてしまう。渡瀬はもう二度と間違わないことを心に刻み、28年前の真実を1人で明らかにしていく。渡瀬さんかっこよかった。

  • 時間軸ととにかくテンポが良かったです。間違ってることをしてる時、正しいと思ってしていて、後から後悔する時あります。正しく生きたいと思う気持ちとそれを封印する気持ちと、答え出ないです。

  • 豪雨の夜の不動産業者殺し。強引な取調べで自白した青年は死刑判決を受け、自殺を遂げた。
    だが5年後、刑事・渡瀬は真犯人がいたことを知る。
    隠蔽を図る警察組織の妨害の中、渡瀬はひとり事件を追うが、最後に待ち受ける真相は予想を超えるものだった!
    どんでん返しの帝王が司法の闇に挑む渾身の驚愕ミステリ。

    ひやぁ~。
    これは面白かった!!!
    一気読み。
    読み始めたら止まらなくなる面白さ。

    渡瀬刑事の真っ直ぐさは、もう私のど真ん中!!!

    事件解決の経過も面白いのだが、渡瀬刑事や判事の心情、
    どれをとっても素晴らしい。

    物語も目を離せないほどの展開で、次から次へと事件が起こるのだが、
    全てが最終地点に全て繋がっているのが尚良い!!

    あ~、もう私が求めるミステリの神髄だわぁ~。
    いいわぁ~。
    もう最後の最後まで最高潮のまま(*´▽`*)

    中山七里先生、何を読んでも最高!!!
    暫く中山先生ワールドにどっぷり漬かりたい(*´▽`*)

  • 若き渡瀬刑事担当した強盗殺人事件の死刑囚が刑務所で自殺する。その5年後、渡瀬はこれが冤罪であったことを知り、警察組織の圧力の中、真相を明らかにしようとする。冤罪が作られる詳細が描かれていて恐ろしい。実際に渡瀬のように動く刑事がいるだろうか。そもそも冤罪の実態はどうなのだろうか。闇に葬られたものが多いに違いない。
    最後のどんでん返しがとってつけたようで、少々残念。

  • 強盗殺人に対する強引な取り調べで自白した青年が死刑の判決で自殺。その後冤罪と判明し、主人公の刑事が真相を追うが警察組織が妨害を行う。
    冤罪がテーマだがそれだけではなく、一気に引き込まれるストーリーだった。自分の正義を貫く渡瀬刑事が素晴らしい。

  • 最初の取り調べのあたりは読んでてしんどかった。
    こんなことが行われていた時代もあったんだろうか?
    酷いよね。
    あの人は無罪だったのに。
    鳴海刑事に何もお咎めがなかったのが納得いかないなぁとモヤモヤしてしまったが、葬儀に来てくれていた人がまばらだったことから、そういう罰が下ったのかな、とも勝手に推測してしまった。
    渡瀬刑事の強さはここからきていることが分かり、続編を読んでからまたカエル男を再読してみるとさらに面白くなりそう!

  • 面白かったけど、中だるみしました。
    渡瀬さん、こんな過去があったんですね。
    渡瀬さん経由で中山作品を読んでいますが、高円寺さんシリーズに横道それてみたくなりました。

  • 初めての中山七里さん作品。
    絶対にあってはならない冤罪事件が発覚したとき、その事件に関わった人々はどのように感じ向き合っていくのかが描かれている。

    組織の防衛や体面、自己の昇進や経歴に拘る警察や検察、裁判官たちの描写は現実味があり、別著者のノンフィクション作品でも隠蔽や組織防衛の実態を読んだことがあったので、ほんとうに根深く深刻な問題だと思う。

    主人公の若手刑事:渡瀬がベテラン刑事の鳴海と共に容疑者を取り調べする場面は、読み進めるのが苦しくなるほど酷かった。渡瀬が取り調べのやり方に疑問を抱いても若手が大組織かつ上下関係が厳しい中で全面的に前に出て異議を唱えることは容易ではない。

    自分が犯した間違いに気づいたとき、逃げるでも隠すでもなく1つずつ向き合っていこうとする渡瀬の想いや行動が当然だけれど素晴らしい。また、渡瀬に冤罪の可能性を伝えられた際の裁判官:高遠寺静も人格者であり、渡瀬に向けた言葉も素敵だった。高遠寺判事のような思いをもって仕事に従事する人ばかりだったらいいのに。

    1つの冤罪事件が更なる負のループを作り、被害者遺族の想いもその通りだと思う。
    真相解明は最後まで驚きありで奥深かった。

  • 冤罪に加担してしまった葛藤と組織による隠蔽との戦い
    十字架を背負うことを覚悟し解決に導く道筋にドキドキ感満載でした
    最後の静判事のお孫さんとのやり取りが一種の清涼感を味わえどこかホッとした読後感も残った

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著者プロフィール

1961年岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年にデビュー。2011年刊行の『贖罪の奏鳴曲(ルビ:ソナタ)』が各誌紙で話題になる。本作は『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』『追憶の夜想曲(ノクターン)』『恩讐の鎮魂曲(レクイエム)』『悪徳の輪舞曲(ロンド)』から続く「御子柴弁護士」シリーズの第5作目。本シリーズは「悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の奏鳴曲~(ソナタ)」としてドラマ化。他著に『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』『能面検事の奮迅』『鑑定人 氏家京太郎』『人面島』『棘の家』『ヒポクラテスの悔恨』『嗤う淑女二人』『作家刑事毒島の嘲笑』『護られなかった者たちへ』など多数ある。


「2023年 『復讐の協奏曲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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