悪魔の勉強術 年収一千万稼ぐ大人になるために (文春文庫 さ 52-7)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167908188

作品紹介・あらすじ

就活・資格試験に必読!学生、ビジネスパーソン、学びを志すすべての人に!年間1500時間の勉強習慣を公務員試験は「理解」より「暗記」じつは難しくない司法試験留学は「今でしょ!」より戦略的に小説を読めば人生を先取りできる正しいウィキペディア活用術「神童」はなぜ伸びないのか役立つ神学こそ教養の原点「新約」から読むと聖書がわかる同志社大学神学部特別講義を完全収録。

感想・レビュー・書評

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  • この内容が面白いかどうかは、宗教に対しての興味の度合いにもよるだろう。何故ならこれは、同志社大学神学部に向けて行われた、OBである佐藤優の講義録だからだ。佐藤優の人となりがこれでもかという程味わえる一冊。私はこれが満足であり、実は、久々に読書の楽しさを確認できた一冊となった。何だろうか、やはり知的刺激あり、著書の紹介という意味で、本の中に更なる本がある、という連鎖が嬉しいのだろうと思う。

  • 大学生向けの授業を実況中継した作品。

    数学や外国語を学び直し、キリスト教の本を新たに学ぼうかと、経験や教養に満ち溢れた説得力には驚く。
    就職・留学のアドバイスが的確で、社会人だけでなく大学生には必読です。

    単なる評論家や学者ではない元実務家であるこの作者の授業は、学生時代に是非とも受講したかった。

  • ところどころ実践的でたしかに、と思う考え方を見つけることができる。佐藤優の自伝的著書を読んでからの方が納得度は高まるが、それを読んでいるならこの本はあくまで小手先、という印象も受ける。佐藤優の言葉より、その人生や経験から学ぶことが多いという意味で

  • 著者の佐藤氏が、同志社大学神学部で講義した全4回の特別授業を逐語録形式で収録した本。

    神学部生相手に授業をしているのだから基本的にはキリスト教についての話なのだが、佐藤氏の学生への親切心からなのだろう。
    「就職するために何を勉強したらいいか」「勉強法はどうすればいいか」「どういう進路が考えられるか」といった話もされており、その部分をもって、タイトルを「悪魔の勉強術 年収一千万を稼ぐ大人になるために」としているようだ。

    個人的には、一千万稼ごうと思っていたわけではなく、本の帯に「就活・資格試験に必読!」と書かれており、「来年度から始まる公認心理師の国家資格の勉強そろそろ始めようかな」と思っていたところだったので手に取ってみた。

    本書で言われている勉強法(語学等)はp.210やp239になるが、要約すると、
    「毎日平日3時間、土日5時間勉強して、週に25時間、1か月100時間、勉強時間を確保する。すると、入門段階を終えられる。入門段階では一気にやらないと身に付かない。これで大学の単位取得できるレベル。

    初級段階では、ここまでやらなくてもよくて、毎日1時間で、1か月に30時間、10か月で300時間。これで日本の大学院ならどこでも受かるレベル。語彙数にして7000~8000語になっているはず。

    さらにこれを10か月続けることで中級レベルになり、職業に生かせる、飯を食っていけるレベルになる」
    とのことだった。

    ちょうど、p.213に心理学(と経済学、法学)の記述もあって、「入門段階は同じく、基本書を100時間の間で、3~5回読むので十分。初級段階に行くのが、さらに100時間~200時間でできる。
    中級段階(司法試験レベル)は独学が難しいので、どれを中級段階に持って行くかは選択する必要がある」
    ということで、恐らく公認心理師試験も、臨床心理士試験と同じく、初級段階~中級段階の問題が出るだろうと推測されるため、余裕を持って今から勉強を始めようという見通しが持ててよかった。

    ちなみに、「これさえやれば大丈夫!」みたいな魔法の方法は書かれてないの?と思う人もいるかと思うが、残念ながら「何人かで集まってグループ学習すると勉強する習慣が身に付くよ。それが嫌なら、図書館よりは有料のスペースで勉強した方がいいよ」くらいしかアドバイスはない。

    しかし、勉強はやはり正攻法が一番というか「ある程度の時間の量が必要」というのは真理だろう。私の場合、勉強時間を1か月単位、1年単位で考えるということをしたことがなかったので、参考にしようと思った。

    あとは、キリスト教の考え方や宗派の違いについても色々書かれているので、キリスト教について勉強したい人にも使える本なのではないかと思う。というか、本当はこちらがメインと言うべきだろう。

  • 「天使のように貪欲に」「悪魔のように勤勉に」という章に惹かれて購入したものの、著者はそのような表現をしていないため、少し残念。
    同志社大学神学部の学生に、著者の洗礼を受ける経緯等を話すシーンは印象的だった。
    英語、数学、歴史と基礎的な学びを中学レベルからやり直す必要があると感じた。
    平日3時間、土日は5時間、1ヶ月100時間かけることによって、勉強の「踊り場」まで到達するという説も納得。
    まずは、目標設定から始めよう。

  • 「悪魔の勉強術」というタイトルから、勉強のノウハウ本だと思って購入し読んでみたら大違い。
    これは著者•佐藤優さんが、同志社大学の神学部で行った特別講義を収録した本である。そのため、キリスト教についての話が多い。

    私が興味深く読んだ内容は以下のもの。(ざっくり箇条書きにします。)

    •自己愛の問題について。柚木麻子さんの「伊藤くんA to E」や「ナイルパーチの女子会」、本谷有希子さんの「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」を、自己愛をマネジメントできない人が引き起こす物語として紹介している。読みたい。

    •就活をスタートするにあたって「数学」「英語」「歴史」をしっかり学ぶべきというもの。特に数学。


    •スーパーグローバル大学への警鐘。英語による授業において、先生の伝達率が3割、学生の把握率が2割だったら…6%しか伝わらない。うまくいくはずがないというもの。

    •動機づけ次第で暗記力はアップする。年号を暗記することの意味。それぞれの時代、出来事の関連性。

    •モスクワでロシア語が上達できないワケ。資本主義国の外交官は、モスクワ大学のロシア語が下手になる特別のコースに入れられるシステムになっている。「資本主義国の外交官は全員スパイである。スパイ活動させないようにするには、語学ができないのが1番いい。」という考えによるもの。

    •これでもかこれでもかと語学を学ぶ姿には、刺激をもらいました。

    •翻訳のあるものは全て日本語で良い、という考え。

    •テロ事件の話。

    •アラビア語を学ぶことの難しさ。アラビア語というのは1年ぐらい留学したって絶対にできるようにならない言語。

    •外務省のアラビア語養成について。アラビア語の難しさは、ロシア語の比ではない。外交官試験に合格した人たちは、研修所に缶詰になる。缶詰期間は7ヶ月。研修中は、朝の9時から夕方の5時まで、徹底的にアラビア語の授業だけをやって、おまけに1時5時間かけないとできない宿題が出る。

    •上記の7ヶ月で大体東京外国語大学の2年生レベルにまで一気に引き上げられる。それ以外にも本省で実務研修を約10ヶ月やると海外研修に出る。他の語学は研修期間2年だけども、ペルシャ語は2年半、アラビア語に至っては3年間。
    しかもその1年目はアラブ諸国、今は大体エジプトだが、そこの小学校3年生位のレベルに編入する。他の言語は高校生レベルだが、アラビア語だけは、小学校レベルの中から始めないと、習得できない。

    •それに加え、アラビア語の場合は、下記言葉ができないと意味がない。何故かと言うと、その地方の方言ができても汎用性がないから。アラブ首長国連邦でアラビア語を勉強したとしても、エジプトに行ったら話し言葉は全然通じない。オーメンへ行っても通じないし、イエメンもダメ。

    •では、全体に通じるアラビア語を学ぶなら、どこの国で学んだらベストかと言うと、シリア。ところが今は退避勧告が出されていて、入国できないし、そもそも在シリア日本大使館でさえ、レバノンに避難しているという状況。

    •現実的には、標準アラビア語を覚えても、実際、日常で使うアラビア語に慣れるためには、外務省で3年の研修をした後、さらに5年はかかる。

    ここまでして鍛え上げられたエリートも、通訳の場に立たされても相手が方言話者だったりするとさっぱり分からなかったというエピソードも…。すごい。

    •ある宗教を学び知るためには、他の宗教にも通じていなくてはならない。

    •遠藤周作「沈黙」の考察。これがとても興味深かった。「沈黙」は好きな作品ですが、また読み返したくなりました。

    •勉強をするモチベを上げるために読み始めましたが、また違った学びを得ることができました。

  • 読んで稼げるようにはなりません。同志社大神学部での集中講義録。

  • 大学の神学部での講義を文字にしたもの。
    神学部に関する内容がメインのため、読み飛ばした部分は多い。しかし、第二次世界大戦の誘発はナチスドイツの誕生やなイスラム教のラマダンの時期に関する話は、読んでいて面白かった。
    宗教に関する知識が全くないので、宗教上の慣習などの話は興味深く読むことができる。

    大学のときに読みたかった本。
    しかし、今からでも100時間を目安とした勉強を始めていきたいと思えた。

    宗教や歴史に関する読み物としては面白いので、いつか改めて読むために残しておく。

  • 学生時代に読みたかった。

  • 内容は2016年6月〜8月に、同志社大学神学部での
    特別講義を記録したものです。
    ゆえに勉強術について語られているのは、
    その一部分であって本旨ではないです。

    その一部である勉強術についてだけでも読む価値は
    ありますが他の内容は、題名と合致しておらずちょっと
    肩透かしを食う感じを持つかもしれないです。

    それでも佐藤優に私淑している人にはたまらない一冊です。

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著者プロフィール

1960年1月18日、東京都生まれ。1985年同志社大学大学院神学研究科修了 (神学修士)。1985年に外務省入省。英国、ロシアなどに勤務。2002年5月に鈴木宗男事件に連座し、2009年6月に執行猶予付き有罪確定。2013年6月に執行猶予期間を満了し、刑の言い渡しが効力を失った。『国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて―』(新潮社)、『自壊する帝国』(新潮社)、『交渉術』(文藝春秋)などの作品がある。

「2023年 『三人の女 二〇世紀の春 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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