宇喜多の捨て嫁 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 436
レビュー : 55
  • Amazon.co.jp ・本 (399ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167908263

感想・レビュー・書評

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  • 高校生直木賞受賞作。他の候補作を措いて、この作品が高校生に評価されたことに興味を持った。
    戦国の梟雄と言われた宇喜多直家。そんな男の真実を、彼と彼の一族たちの視点を用い、描き出した連作短編。
    自分の娘さえ謀略の手駒とし、彼女たちを捨て嫁と言わしめた表題作。
    次の作品では一転、不幸な才能ゆえ苦難な彼の幼少期が描かれる。
    他の短編でも、謀略暗殺を駆使し、隙を見てはまた裏切る、そんな繰り返しの彼の人生を、時系列を前後しながら、綴られる。
    時代の拘束の中で、梟雄とならざるを得なかった彼の哀しい運命が焙り出された。
    ドロドロとした戦国の世界が描かれているが、読後また読み返したくなる歴史小説。

  • 宇喜多直家の生涯を様々な視点で描いた作品。
    彼は彼なりに必死に家を守ったのだと思うのだけど。
    歴史はたくさんの視点から見なくては分からないということが、この作品を読むとよく分かる。

  • これは傑作だ。何といっても章立ての構成が秀逸。最初に「捨て嫁」で一撃の後に、「無想の抜刀術」で生まれついての業の深さを感じさせ、最後の「五逆の鼓」は江見河原が琵琶法師に見える、まさに平家物語。戦国時代が舞台の歴史小説にも関わらず、権謀術数が中心で合戦話が皆無、しかし人物がよく見通せるつくり。圧巻、脱帽。
    高村薫や東野圭吾が推したのに直木賞を逃し、非常に残念だが後世に残る作品だと思う。

  • これが、予想外の面白さ!でした。



    この本は、全国の高校生たちが集まって、

    直近の直木賞候補作品の中から1作を選ぶ

    {高校生直木賞}に選ばれた本です。



    「高校生直木賞」なんて言うのがあることさえ知らなかったけれど、

    高校生が、この本を選んだとということに、

    なんだかうれしさがこみ上げてきました。



    戦国時代の大名・宇喜多直家の生涯が

    様々な人の視点から描かれている。



    自分の娘たちの嫁ぎ先を攻め滅ぼすこともいとわず、

    悪徳非道の男であるはずの直家だが、

    読み進めていくうちに、様々な思いがよぎる。

    ラストのシーンが切ない。



    面白い本を読んで、本を閉じた時、

    すごい満足感というか、感動というか・・・

    胸にあふれるものがあるのだけど、

    それを、どんなふうに表現したらいいかがわからない。

    これを、ボキャブラリーが足りない、というのでしょうね・・・

    • chikako0420さん
      横入りすみませン。いやいや充分すぎるほど感動が伝わってきます。この作品の続編も(宇喜多の楽土)読んだと思いますが心にしみる作品だと思います。...
      横入りすみませン。いやいや充分すぎるほど感動が伝わってきます。この作品の続編も(宇喜多の楽土)読んだと思いますが心にしみる作品だと思います。時代物が多い作者ですが現代物も読んでみたいと思うのは欲張りなんでしょうかね。「敵は宮本武蔵」もオススメです!
      2018/09/01
  • 面白かった。
    各話短編を直家、というより、直家そのものを表す血膿で横串にして、繋ぎ合わせた構成は、良く考えられたものと思う。

  • 自分にとって戦国武将で宇喜多と言えば「宇喜多秀家」であった。
    この小説はその父「宇喜多直家」を中心に書かれている。
    妻や娘たちを犠牲にしてのし上がっていく冷血な戦国武将との思いで、読み進めんでいくと致し方なく犠牲にしなければならなかったところが分かってくる。
    六章からなる小説であるが、それぞれが時や視点を変えて書かれており何とも言えない面白みを出している。
    "腹裂き山姥"のオチはご愛嬌だ。

  • まだ織田信長が覇権を握る前の戦国時代、備前で活躍した宇喜多直家を中心とした権力争いが様々な人達の視点で描かれており、それが描写がグロテスクなまでにリアルで面白い。
    各章の出来事が全てに繋がっており最後はキチンとオチがある。できれば一気に読んだ方が理解できて面白く読める。

  • デビュー作

  • 五逆の戦慄・・・からの奥義が発動したことに100拍くらい遅れて気づいた時の戦慄・・・からのそれって本気の殺意を示してることに気づいた時の戦慄。畳み掛けてくる。このシーンが圧倒的に好きだ。 宗景の謀略は大成功して直家を傑物にしたのですね。息子に会いに行けなかった母君の想いが辛すぎる。 高校生直木賞大賞を読んだのは2作目だけど、既にどんな賞よりも信頼度が高くなった。

  • 今年の1番!
    人は多面体である。見る人に寄って、評価は変わる。もちろん、自分で自分を評価することもある。
    しかも、乱世である。宇喜多直家を、自らも含め、様々な人々から描く。人は、かくも複雑なり。

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著者プロフィール

一九七四年奈良県生まれ。二〇一二年「宇喜多の捨て嫁」で第九二回オール讀物新人賞を受賞。同作は直木賞候補となり、一五年に第二回高校生直木賞、第四回歴史時代作家クラブ賞新人賞、第九回舟橋聖一文学賞を受賞。一九年に「天下一の軽口男」で第七回大阪ほんま本大賞、「絵金、闇を塗る」で第七回野村胡堂文学賞を受賞。

「2020年 『秀吉の活』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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