鬼平犯科帳 決定版(八) (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2017年4月7日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784167908362

作品紹介・あらすじ

池波正太郎生誕100年企画として、歌舞伎界の大看板・松本幸四郎を「鬼平」こと長谷川平蔵役に迎え、
映像化、ドラマ化。
「鬼、新時代。」が始まります!

悪い事をしながら善い事をし、善い事を史ながら悪事を働く。心を許し合う友をだまして、その心を傷つけまいとする。全く人間とは奇妙な生き物よ……。
鬼平の名言と部下を思う心、そして悪党どもの跳梁に夜も眠れなくなるスリリングなシリーズ第8巻。

「用心棒」「あきれた奴」「明神の次郎吉」「流星」「白と黒」「あきらめきれずに」の
7篇を収録。

みんなの感想まとめ

人間の複雑な心情を描いた物語が展開されるこの作品は、長谷川平蔵を中心に織りなされる人情と友情のドラマが魅力です。登場人物たちの厳しさと温かさが交錯し、悪事を働く者たちとの対峙がスリリングな緊張感を生み...

感想・レビュー・書評

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  • 前巻はくすりと笑える話が多かったけれど、今巻は人の情けというものに思わず目頭が熱くなるような六篇でした。

    密偵同士の揺るぎない絆。火付盗賊改方長官平蔵からの部下や密偵への信頼関係。逆に部下や密偵からの平蔵への忠義心。平蔵と左馬之助の友情。たとえ偽りの姿だとしても、そこに隠された誠意は本物だという切なさ。どの繋がりにも愛を感じます。いろいろな愛が、今回はぐっと全面に押し出されていて、かなり胸に迫る展開が繰り広げられました。

    なかでも『流星』は今回いちばん気にいったストーリーでした。
    “大阪の〈もぐさ問屋〉山家屋。その主人・仙右衛門は二人の浪人に平蔵への復讐を依頼する。
    それから一ヶ月後、火付盗賊改方の同心、与力の家族が次々に殺害されはじめ、さすがの平蔵も青ざめる。同時に急ぎばたらきの惨殺な盗みが連続して起こり、ついに平蔵は凄まじい殺気さえたたえ怒り叫ぶのだ。「おのれ。いまに見ておれ!!」
    そんな物騒な事件の影で、お盗めから足を洗っている友五郎の前に、お盗めに引き入れようとする昔馴染みが現れる。断る友五郎に、男はどうしても断ることができなくなる脅しをかける。友五郎の様子に不安を抱く密偵の粂八から話を聞いた平蔵は……”

    〈大川の隠居〉事件で、ほんのいたずらごころから平蔵愛用の銀煙管を盗んだ、あの元盗賊が友五郎です。平蔵の心意気に感化されてから、平蔵のために命をかけたいと密偵を熱望していた爺つぁん。そんな爺つぁんに対して平蔵はどこまでも情深く向きあいます。きっと会うのは最後になるであろう二人のやり取りには、わたしも粂八とともに目を真っ赤にしちゃいました。
    やっぱり平蔵かっこいい。ううぅ、かっこいいよ。かっこよすぎるよ。やっぱり好きだよー。うゎーん。

    そして今回は、長谷川平蔵の剣友にして親友の岸井左馬之助が主役級のストーリーが二篇ありました。
    左馬さんの愛されキャラ全開、『明神の次郎吉』
    平蔵がつぶやきます。
    「だれか、左馬のところへ、嫁に来てくれるこころのやさしい女がいぬものかな……」
    うん、うん、わたしも思いますよ。
    左馬さんて恋に対しては臆病なのかな。いいなと思う人は今までもいたと思うんだよね。左馬さんの身近な女性って誰だろ。もしかして平蔵の奥さん久栄さんくらい?あちゃー、久栄さんと比べたらなかなか難しいんじゃないの?でも、左馬さんて一度好きになったら絶対よそ見しないと思うんだよね。
    「え、左馬くん?あー、彼っていい人だよねー。え、彼氏?っていうかぁ、友だちだったら楽しそうだよね~」
    ああ、だめだめ。わたしのなかで左馬さんて、そんなイメージだから、左馬さんが結婚……なかなか思い浮かばない。

    ところが『あきらめきれずに』では、そんな左馬さんにもついに恋というか、婚姻の予感が!? 
    きたーっ、お嫁さん(の話)。左馬くんにお嫁さん(の話)!
    平蔵と久栄さんの前で、なんともまぁモジモジしている左馬さん。
    平蔵が皮肉を言います。
    「四十をこえた、むさ苦しい大の男が、何やら気恥ずかしげにもぞもぞしている。まさか虱がたかっているわけでもあるまいに……」
    とはいえ、一筋縄で行かぬが左馬さんの恋というもの。でもね、障害があればあるほど燃え上がっちゃうのが恋の道なんすよ。
    そして、なんやかんや毒舌を振り撒きながら、やっぱり左馬さんのことはほっとけない平蔵。まるで剣道部の男子高校生の熱き友情(想像……)みたいな二人。なんだか青春ぽくていいっ!

    さて、左馬さんの恋(婚姻)の行方を、勝手に友だちとなって応援させていただきましたわたしですが、「鬼平犯科帳」には、ここ最近、気になる人ができたんですよ。うふふ。
    冷静な男で柳剛流の使い手。尺八が得意な平蔵の配下である与力、酒井祐助さま。酒井さまにときめきをもらってます。(誰じゃ、さっきまで平蔵好き、うわーんと言っていたのはっ)

    • 地球っこさん
      淳水堂さん、こんばんは。
      コメントありがとうございます。

      淳水堂さんの「鬼平犯科帳」レビュー、読み返させていただき、そうなのよ、そう...
      淳水堂さん、こんばんは。
      コメントありがとうございます。

      淳水堂さんの「鬼平犯科帳」レビュー、読み返させていただき、そうなのよ、そうなのよと嬉しくなっちゃいました。
      そうそう、だんだん人情噺が増えてきましたよね。今巻はよかったなぁ。
      それにそれに、忠吾や辰蔵のこれからも楽しみですね。
      彼らのちょっと情けないところやお茶目な言動は、鬼平犯科帳にはなくてはならないものだなぁと7、8巻を読んでホントそう思いました。
      わたしはしばらく鬼平から離れてましたが、最近読みはじめたらやっぱり面白くて、たぶん人物名がすっかり覚えられたのと、自分のなかで人物像が固まったのが大きかったからかな。
      あと、平蔵以外にも酒井さんの活躍も気になりますし えへへ。
      これからは月1冊は読みたいなぁと思ってるのですが、まあ無理せず楽しみたいと思います。
      淳水堂さんのレビューも楽しみにしてます。もちろん何年でも楽しみに待ってます。お互い、思い出しあいながら「鬼平」の世界を満喫しましょう(*^^*)
      ありがとうございました。

      2020/07/08
    • 淳水堂さん
      地球っこさん
      私は家にあるので油断しちゃって積んだままに(^_^;)
      ちょうど地球っこさんと同じ進み具合なのでこれもご縁、
      じゃあ私も...
      地球っこさん
      私は家にあるので油断しちゃって積んだままに(^_^;)
      ちょうど地球っこさんと同じ進み具合なのでこれもご縁、
      じゃあ私も月1冊で進めて行きます!(^o^)
      なんか楽しいですね(笑)


      名物盗賊が出てくると、「ぜひあなたも鬼平の密偵に!」とスカウトしたくなっています(笑)
      2020/07/09
    • 地球っこさん
      淳水堂さん、こんばんは。

      わぁーい、〈鬼平月1読書会〉ですね!
      淳水堂さんのレビュー楽しみです(*^^*)
      お互いムリせずいきまし...
      淳水堂さん、こんばんは。

      わぁーい、〈鬼平月1読書会〉ですね!
      淳水堂さんのレビュー楽しみです(*^^*)
      お互いムリせずいきましょう。

      たしかに!
      密偵にしたい盗賊いますよねー。
      もう密偵だらけになりそう 笑
      わたしも「久栄」か「おまさ」なら、「おまさ」になりたいんですよ 笑
      家庭で大好きな人を待つよりも、大好きな平蔵さまのために(今は酒井さまも)命をかけて働きたい。そしてたまに優しい言葉をかけてもらえたら、もうたまりませんっ!
      ……失礼しました 笑
      2020/07/09
  • 数年振りにふと読みたくなって、8巻を。
    人情だねぇ。の一言に尽きる。
    長谷川平蔵の厳しくも温かな人柄、その周囲を取り巻く登場人物が織りなす物語。どうにも私の琴線に触れるのである。
    今回は明神の次郎吉と流星の2話が好きです!

  • 最近、感想を書きやすくする「問い」まである。
    チャットGPTもどきかな? 笑。
    至れり尽くせりだ。

    もう一回読むなら左馬の婚礼話かなぁ。平蔵と左馬の男の友情が垣間見られる。明神の次郎吉の話も悪くない。岸井左馬之助の人柄についつい惹かれてしまう。
    久しぶりに読んだけど、このシリーズはやはり安心して読むことができる。

  • 【「鬼平」決定版、アニメ化で読者じわじわ拡大中】読みやすく、何度読んでも新たな発見があると大人気の決定版シリーズ。今月刊行の8巻と9巻では、密偵たちの関係が大きく動く。

  • 第8巻も人の心を描いたしみじみとした話が多く、単なる盗賊と火付盗賊改方との戦いにとどまらない。人の生き方を考えさせる時代小説。

  • 「あきれた奴」 
    火付盗賊改方の同心・小柳安五郎
    罪人を逃し、その相棒を
    捕まえて戻るのを待つ覚悟は
    並々ならないものだった。

  • 登場人物のキャラが立ってきて、特定の誰かにフォーカスするような話が増えてきた印象。

  • シリーズ8巻目
    岸井左馬之助が師匠に会いに行き娘をもらってくれないかと頼まれいよいよ身を固めるか!?さて!?

  •  テレビで観た何編か。「用心棒」ジョニー大倉。気弱な人の好い浪人者。「明神の治郎吉」ガッツ石松。これまた盗人らしからぬ朴訥なお人好し。「あきらめきれずに」純朴な剣豪。江守徹。いずれも、見事な配役。おそれいるばかり。

  • 1 2 3 4 - 6

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    火付盗賊改方の同心・小柳安五郎は、一昨年、妻と子をうしなった。以来、人が変わったように、われから危難に立ち向かっている。そんな小柳が罪人を逃した胸の内とは(「あきれた奴」)。四十をこえた平蔵の剣友・岸井左馬之助が思い悩む(「あきらめきれずに」)ほか、「用心棒」「明神の次郎吉」「流星」「白と黒」の全六篇を収録。

  •  第8巻、6話は読み応えがありました。第1話「用心棒」、先日フジ系のTVで見ました。映像より活字がはるかにいいと思いました。演技がいかに難しいかということと、そして想像の世界が素晴らしいということだと・・・。第2話「あきれた奴」、同心・小柳安五郎が魅せます。罪人・又八が応えます。あ・うんの呼吸! 平蔵があきれるほどのいい話。 第3話「明神の次郎吉」:「掟の三ヶ条、殺さず・犯さず・盗り過ぎずだったでしょうか、盗人に本格派がいるかどうかw。明神の次郎吉、いい男です!

  • 白と黒、がよかった。

  • 相変わらずの面白さ

  • 妻と娘を失った、火盗同心・小柳安五郎が主人公の「あきれた奴」、四十をこえた平蔵の剣友・岸井左馬之助が思い悩む「あきらめきれずに」等々全六編を収録。

  • 岸井左馬之助さんが奥さんをもらったけれど、ちょっと訳ありでした。

    出戻りだろうが、過去に悪人の奥さんになっていようが、一度きりの人生なんだから、好きなように生きればいいと思う。

    他人にメイワクをあまりかけない範囲で、人生を全力で生きて、燃え尽きて死ねたら。
    それはそれでいいなぁ…。

  • 「鬼平犯科帳」の最大の魅力は、苦労人である長谷川平蔵の、酸いも甘いもかみ分けた人情あふれる沙汰と鮮やかな剣の腕前である。「用心棒」「あきれた奴」「流星」「あきらめきれずに」などを収録。

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著者プロフィール

大正十二(一九二三)年一月二十五日、東京市浅草区聖天町生まれ。昭和十(一九三五)年、下谷区西町小学校卒業、株式仲買店勤務。昭和十四年より三年ほど証券取引所にあった剣道場へ通い、初段を得る。旋盤機械工を経て昭和十九年、横須賀海兵団入団。敗戦の翌年、東京都職員として下谷区役所の衛生課に勤務。昭和二十三年、長谷川伸門下に入る。昭和二十五年、片岡豊子と結婚。昭和二十六年、戯曲「鈍牛」を発表し上演。新国劇の脚本と演出を担当する一方、小説も執筆。昭和三十年、転勤先の目黒税務事務所で都庁職員を辞し、作家業に専念。昭和三十五年、『錯乱』で直木三十五賞受賞。『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』の三大シリーズや『真田太平記』等、数々の小説で人気を博す一方、食や映画、旅に関する著作物も多く上梓した。受賞歴はほか吉川英治文学賞、大谷竹次郎賞、菊池寛賞等。平成二(一九九〇)年五月三日、入院していた東京都千代田区神田和泉町の三井記念病院で死去。小社では同じく単行本未収録のエッセイ集『一升桝の度量』(二〇一一)と初期戯曲集『銀座並木通り』(二〇一三)を刊行している。

「2022年 『人生の滋味 池波正太郎かく語りき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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