- Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167908492
作品紹介・あらすじ
奥田英朗、荻原浩、原田マハ、窪美澄という実力派の直木賞・山本賞作家に、新鋭の中江有里を加えた、豪華執筆陣によるアンソロジー。テーマは〝恋愛〟。28歳の彩子は、付き合って3年の恋人が相談もなく会社を辞めたことにショックを受ける。女友達は条件のいい男を紹介してくれ、彩子は恋人との別れを考え始めるが……。(奥田英朗「あなたが大好き」)16歳の僕は、夏を海で過ごすためにばあちゃんの家に来た。夕暮れの砂浜で、その人は子守歌を歌っていた。……とても悲しそうな声で。(「銀紙色のアンタレス」)1969年、中学生だった僕と彼女は50年後に一緒に宇宙に行く約束をした。その年まであと4年のいま、彼女は病院のベッドの上にいる。(荻原浩「アポロ11号はまだ飛んでいるか」)生まれも育ちも京都の善田は、半年前に妻を亡くし、会社を追われ、タクシー運転手となった。ある日、ボストンから来た老婦人をタクシーに乗せ京都を案内することに……。(原田マハ「ドライビング・ミス・アンジー」)両親が離婚したミサトは、クラブを経営する母親行きつけの美容院のシャンプーボーイと、偶然海の家で会うが……。(中江有里「シャンプー」)
感想・レビュー・書評
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色んな作家さんが描く恋愛のお話。
原田マハさんはもちろん素敵な物語で大好きでしたが、アポロ11号やシャンプーも初めて読んだ作家さんだったけれど、とても良かった。他の作品も読んでみたくなる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
自分、相手、場所、立場…いろんなものがちがうから、おなじ“恋”は、この世の中にひとつもないんだ。
あなたの中にある“恋”も、ただひとつだけのもの。
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5人の作家たちによる、恋愛をテーマにしたアンソロジー集です。
窪美澄さんの短編目当てに図書館で借りましたが、すでに単行本で読んだことがある作品でした。(「銀紙色のアンタレス」)
5作品とも全然おもむきがちがい、ものすごく存在感のあるお話ばかりで、すごいなと思いました。
恩田英朗さん「あなたが大好き」は、主人公の思考に少々イライラしましたが、ステータスや将来性ばかりを追い求めすぎて、相手そのものが見えなくなり、しあわせを逃すときってこんな感じなんだろうな…と、妙に納得しました。
つき合ってる彼氏がなかなか結婚しようと言ってくれない…とモヤモヤしているときに、オススメな短編です。 -
奥田英朗「あなたが大好き」オール読物2015.1月号
付き合って3年の恋人が会社をやめてしまいあわてる、28歳のOL彩子。あせりを感じ友人の紹介で市役所職員とデートをしたが・・ 経済力じゃない、愛情と相性だよ、とわりと平凡なオチ。
2017.5.10第1刷 図書館 -
奥田英朗の小説が読みたくてググったら出てきたアンソロジー。
日本の文芸界の最先端を駆ける5人の共演は、美しい交響曲のようだった。
「あなたが大好き」奥田英朗
自他友に認める平凡なOL・渡辺彩子、28歳。
結婚を真剣に考えている。
つきあって3年にもなる恋人香坂真二は、勝手に会社を辞めて放浪の旅に出てしまう。
親友に相談すると、さりげなく素敵な男性を紹介される。
誠実で堅実な彼に惹かれていくが、ある出来事をきっかけに自分の本当の気持ちに気がつく。
「銀紙色のアンタレス」窪美澄
夏と海が大好きな高校1年生の真(まこと)は、海沿いの祖母の家に泊まり込む。
そこに幼なじみの同級生・朝日が訪ねてくる。
もう、少女ではない朝日。美しくなった朝日を意識する真だが、思いはすこし複雑だった。
「アポロ11号はまだ空を飛んでいるか」荻原浩
21世紀のホスピスで向き合う老夫婦。
昭和44年アポロ11号の月面着陸生中継をみつめる中学生。
二つの舞台が交錯する時空を超えた愛の物語。
「ドライビング・ミス・アンジー」原田マハ
元会社専務のタクシードライバー善田雄二。
部下の不祥事の責任を取らされて会社を追われる。
妻の死に目にも会えなかったことから、既に嫁いだ一人娘との距離が出来てしまう。
英語が堪能な善田は、京都観光中に自転車にひっかけられて尻餅をついた彼女に声をかける。
そこから始まる小京都旅行。
二人の人生が、少しだけ動き出す。
「シャンプー」中江有里
両親が離婚して母と暮らす中2のミサト。
理容師の父とは月1回、父の「職場」で髪を切ってもらうだけのルール。
母のいきつけの美容室の新人美容師タケルと仲良くなったことで、ミサトはいじめにあってしまう。
タケルとミサトが考え抜いた、仰天のいじめの対策とは。 -
前からの気になっていた本。図書館で見つけて読めた。いいタイトルだな。恋愛どっぷりの者もあれば、回想のようなものもあり。マハさんのお話はやっぱり好き。
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表紙にマハさんの名前を見つけて、即購入。
マハさんのお話を1番に読みました。
読後のこの幸せ感、爽快感、読んで良かった感を味わわせて貰える読書って、本当にいいなぁ。
短いお話の中にも、マハさんの大好きな美術の事がちゃんと入っていました。 -
私にとって、よく名前もみるし、代表作も分かるけど、読んだことはない作家さん達の恋愛小説アンソロジーとのことで面白そうだなと思い購入しました。
それぞれに面白かったり、感動したり、共感したりしてとても良かったです。 -
良く考えたら印象の薄い話ばかりだったので☆2つに。
本屋さんの福袋に入っていた本。自分では絶対選ばないからうれしかった。
どれも「恋愛ってこういうことあるよね」が共通の感想。一見不幸に見えてハッピーエンドみたいな不思議さが恋愛にはときどきある。前半4名の皆さんはその絶妙な空気感が上手だなと感じた。
さて中身。想像より良かった。一番は奥田英朗さん。初めて読んだけど作家さんだけどちょっとイメージと違う(いい意味で)文章で、他の作品も読んでみたくなった。
次に原田マハさんもさすが。京都に行きたくなった。あと親子・家族の描写書かせたらほんとにお上手。
その次は荻原浩さん。
若干弱かったのは窪美澄さんの作品か。この話は短編じゃない方が面白そう。
中江さんはちょっと、文章がこなれていないのが残念。なんとなく先が読めてしまう展開も含め、他の4名と比べたらやはり見劣り感が否めなかった。
そして文庫の表紙デザインだけが謎。
もっと他にあっただろうに!猫…? -
いろんな作家さんが書いた短編集。私は原田マハさんのお話が好きかな。