恋愛仮免中 (文春文庫)

  • 文藝春秋
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本棚登録 : 425
レビュー : 55
  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167908492

作品紹介・あらすじ

奥田英朗、荻原浩、原田マハ、窪美澄という実力派の直木賞・山本賞作家に、新鋭の中江有里を加えた、豪華執筆陣によるアンソロジー。テーマは〝恋愛〟。28歳の彩子は、付き合って3年の恋人が相談もなく会社を辞めたことにショックを受ける。女友達は条件のいい男を紹介してくれ、彩子は恋人との別れを考え始めるが……。(奥田英朗「あなたが大好き」)16歳の僕は、夏を海で過ごすためにばあちゃんの家に来た。夕暮れの砂浜で、その人は子守歌を歌っていた。……とても悲しそうな声で。(「銀紙色のアンタレス」)1969年、中学生だった僕と彼女は50年後に一緒に宇宙に行く約束をした。その年まであと4年のいま、彼女は病院のベッドの上にいる。(荻原浩「アポロ11号はまだ飛んでいるか」)生まれも育ちも京都の善田は、半年前に妻を亡くし、会社を追われ、タクシー運転手となった。ある日、ボストンから来た老婦人をタクシーに乗せ京都を案内することに……。(原田マハ「ドライビング・ミス・アンジー」)両親が離婚したミサトは、クラブを経営する母親行きつけの美容院のシャンプーボーイと、偶然海の家で会うが……。(中江有里「シャンプー」)

感想・レビュー・書評

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  • 奥田英朗の小説が読みたくてググったら出てきたアンソロジー。

    日本の文芸界の最先端を駆ける5人の共演は、美しい交響曲のようだった。



    「あなたが大好き」奥田英朗

    自他友に認める平凡なOL・渡辺彩子、28歳。
    結婚を真剣に考えている。
    つきあって3年にもなる恋人香坂真二は、勝手に会社を辞めて放浪の旅に出てしまう。

    親友に相談すると、さりげなく素敵な男性を紹介される。

    誠実で堅実な彼に惹かれていくが、ある出来事をきっかけに自分の本当の気持ちに気がつく。


    「銀紙色のアンタレス」窪美澄

    夏と海が大好きな高校1年生の真(まこと)は、海沿いの祖母の家に泊まり込む。

    そこに幼なじみの同級生・朝日が訪ねてくる。
    もう、少女ではない朝日。美しくなった朝日を意識する真だが、思いはすこし複雑だった。


    「アポロ11号はまだ空を飛んでいるか」荻原浩

    21世紀のホスピスで向き合う老夫婦。
    昭和44年アポロ11号の月面着陸生中継をみつめる中学生。
    二つの舞台が交錯する時空を超えた愛の物語。


    「ドライビング・ミス・アンジー」原田マハ

    元会社専務のタクシードライバー善田雄二。
    部下の不祥事の責任を取らされて会社を追われる。
    妻の死に目にも会えなかったことから、既に嫁いだ一人娘との距離が出来てしまう。

    英語が堪能な善田は、京都観光中に自転車にひっかけられて尻餅をついた彼女に声をかける。

    そこから始まる小京都旅行。

    二人の人生が、少しだけ動き出す。


    「シャンプー」中江有里

    両親が離婚して母と暮らす中2のミサト。

    理容師の父とは月1回、父の「職場」で髪を切ってもらうだけのルール。

    母のいきつけの美容室の新人美容師タケルと仲良くなったことで、ミサトはいじめにあってしまう。

    タケルとミサトが考え抜いた、仰天のいじめの対策とは。

  • 五人の作家さんによる恋愛短編集。

    短編集らしく、各物語が、それぞれの恋のストーリーを上手く切り取って集めた感じで、読んでいて読みやすく心地よかったですねぇ。

    どの話も短編なのに上手いなぁ、と思ったけど、やっぱり原田マハさんの「ドライビング・ミス・アンジー」が一番気に入りました。

    もともとマハさんファンではありますが、やっぱ自分が京都出身のため、ついつい入り込んでしまいます。三十三間堂、、超懐かしく、自分もジーっと眺めていた青春時代とオーバーラップし、感慨深いものがありました。本当に観音様が猛烈に並んでいるのは壮観なんです。こうやって自分の思い出の地を素敵なストーリーにして頂けると、ついつい顔がほころんでしまいます。

    それぞれの恋の形、長編の合間に肩をほぐすように読んで見てはいかがでしょうか。なんだかほっこりしますよ。

    • kanegon69 さん
      ク、ク、クリアファイルですか、、^ ^ 観光都市あるある ですかねー。 三十三間堂、出来れば観光シーズンを外すか、早目にいくなどで、ジ...
      ク、ク、クリアファイルですか、、^ ^ 観光都市あるある ですかねー。 三十三間堂、出来れば観光シーズンを外すか、早目にいくなどで、ジーックリ一体一体の観音様のお顔を拝見されるといいと思います。パパッと見て、凄いね〜で、サクサクと通過する人が多いですが、時間をかけると味わい深いですよー。
      2019/03/03
  • いろんな作家さんが書いた短編集。私は原田マハさんのお話が好きかな。

  • どれもジーンとくる感じの話。
    煮え切らない彼氏が急に会社を辞め、他を探そうとする28歳女性、予命いくばくかの妻との天体に関する思い出を思い返す話、京都の英語ができるタクシードライバー、両親が離婚していて、母はスナック経営父は理容室経営している中学生の話ともりだくさん。

  • *人気、実力とも当代随一の作家5人が腕を競う、恋愛小説アンソロジー。3年越しの恋人が無断で会社を辞めてショックを受け、結婚を焦るOL。夏の日、大人の異性との出逢いに心を震わせる少年と少女。長年連れ添った夫婦の来し方、そして行く末。人の数だけ恋の形はある―。人の心が織りなす、甘くせつない物語の逸品*

    どの作品も本当に素晴らしいです。どうにもならない、やるせない想いが行間から滲み出てくるかのよう。それぞれの結末の、その後の物語を読者にゆだねるような終わり方も秀逸。様々な角度から恋愛の繊細さに触れることが出来る、素敵な1冊。

  • このストーリーの中の人の繋がりは美しくて素敵だと感じたものを2つ挙げて、レビューに代えます。

    荻原浩さんの
    「アポロ11号はまだ空を飛んでいるか」

    原田マハさんの
    「ドライビング・ミス・アンジー」

    奇しくも2編ともタイトルが長いです。

    ほおっと息をつきたくなるあったかさ。
    胸の奥がつーんとなる切なさ。
    どちらも長い年月が解してゆく人の心が
    とても聡明な美しさで描かれています。

  • 恋愛「仮免」中というタイトル通り、何とも不器用な恋模様。ほろ苦いながらもほのかに甘い、様々な味のするアンソロジーだ。
    ・奥田英朗「あなたが大好き」
    う~んこの作品は、個人的にはあまりハマらなかったな、ちょっとありきたりというか…。恋愛に求めるもの、結婚に求めるもの…何が大事かって簡単には決められないからね…結婚に焦るアラサー彩子の、決断のその後が知りたいよ。
    ・窪美澄「銀紙色のアンタレス」
    「ひと夏」での少年の成長が瑞々しく描かれていて、爽やかながらちりっと切ないところもツボでした。主人公の真が恋する儚げな年上女性も素敵だが、幼馴染・朝日の、真に対する恋心もまた健気でねえ…。窪さんの長編は割と濃厚な空気が漂うが、今回のようなアンソロジーの短編はまた違った雰囲気で、ホントいい作品が多くて大好きなんです!
    ・荻原浩「アポロ11号はまだ空を飛んでいるか」
    泣いた、泣いた。夫婦の絆って何だろうと考えさせられて。そういう意味では色々タイムリーで、すごく心に刺さってしまった。病床の妻との残り少ない日々と交互に語られる、若かりし頃の思い出エピソードもまたかわいくっていじらしくって…だからこそ、たまらなかった。
    ・原田マハ「ドライビング・ミス・アンジー」
    舞台は京都、妻と仕事を失ったタクシー運転手が出会った、ボストンからやってきた初老の金髪女性。数日間の京都観光でそれぞれの心模様が浮かび上がり、凝り固まっていたものがほどけていく様を丁寧に描けるのはマハさんだからこそだなぁと。
    ・中江有里「シャンプー」
    こちらは少女の成長が瑞々しく描かれていて、繊細な年頃の恋心を上手に掬い取って表現しているなと思った。中江有里さんの作品、すごく久々に読んだけど、いくつもの文学賞を受賞した錚々たる面々との競演でも全く引けを取らないクォリティの高さ!主人公ミサトが恋するシャンプーボーイのタケル、私も恋に落ちました。シャンプーのシーン、すごくドキドキしちゃって、私も彼にシャンプーして欲しい…とうっとりした。ミサトの髪をさり気なくアレンジするシーンもまた大好きです!

  • 表紙にマハさんの名前を見つけて、即購入。
    マハさんのお話を1番に読みました。
    読後のこの幸せ感、爽快感、読んで良かった感を味わわせて貰える読書って、本当にいいなぁ。
    短いお話の中にも、マハさんの大好きな美術の事がちゃんと入っていました。

  • 作家五人による恋する気持ちを主題にした集。
    それぞれの作品に男女、世代が違う主人公が人に恋する、好意を持つ気持ち、行動が描かれる。恋愛感情というものは年代、世代、男女を超えて読者に共感を与えるものだと感じる。どの作品も心に残るものだった。

  • 好きな作家さんばかり。面白かった。すぐ読んじゃった。全部好きだなー

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著者プロフィール

おくだ・ひでお
1959年岐阜県生まれ。プランナー、コピーライターなどを経て1997年『ウランバーナの森』でデビュー。2002年『邪魔』で大藪春彦賞受賞。2004年『空中ブランコ』で直木賞、2007年『家日和』で柴田錬三郎賞、2009年『オリンピックの身代金』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『最悪』、『イン・ザ・プール』、『マドンナ』、『ガール』、『サウスバウンド』、『無理』、『噂の女』、『我が家のヒミツ』、『ナオミとカナコ』、『向田理髪店』など。映像化作品も多数あり、コミカルな短篇から社会派長編までさまざまな作風で人気を博している。近著に『罪の轍』。

「2019年 『ヴァラエティ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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