舫鬼九郎 (文春文庫 た 26-19)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167908522

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  •  舫鬼九郎、天竺徳兵衛、柳生十兵衛。3人の最強剣士が江戸の闇を明かしていく。この説明は間違っていないはずだが、実際は3人は三つ巴の敵として登場し、十兵衛以外の架空の2人は未だ身元ははっきりしていない。故に2人の正体や3人が手を組んでいく過程が物語の面白さを増していると思う。
     他にも宇都宮駅前でお馴染みの初代横綱・明石志賀之助、天海僧正、左甚右衛門など有名人も続々登場し史実と虚構が上手く構成させれていて楽しい。最後の"海戦"も派手で良かった。
     細かい点では、最後の勝負でいくつか作戦を挙げて実現可否を検討していくのが高橋先生らしいと思った。決まった作戦を紹介するだけで物語的には良いはずだが、あえて詳細を示すことでそれぞれのキャラの輪郭を短い間ではっきりさせてくれる。今回は天海の豪快さが一気に垣間見えた。
     幡随院長兵衛の性格は非常に好きなのだが、強すぎる武士・浪人・乱破に隠れて存在感が薄かったのが残念。次作以降での際立った活躍を期待したい。

  • とても面白い歴史ヒーロー活劇でした。
    左甚五郎をこんな悪者にしちゃってとか、柳生十兵衛が脇役なんて贅沢なとか、いろいろ突っ込みどころがありながら、最後まで一気に楽しく読めました。後書きにも書いてありましたが、山田風太郎氏を彷彿する作品です。

  •  女の謎の死体を巡って、柳生十兵衛、天海大僧正、左甚五郎たちを巻き込む壮絶な戦いに挑む、凄腕の美剣士、舫鬼九郎の活躍を描く。

     新しい時代劇のヒーローといってもいい、謎の美剣士、舫鬼九郎が大好きな柳生十兵衛とともに活躍する展開とあって、それだけで読むのに夢中になってしまいました。

     魅力的で多彩な人物、剣劇シーンやエロティックな場面、そしてミステリー仕立てな展開など、娯楽時代小説の王道といった感じで十分楽しめました。

     多彩な登場人物たちは今後もまだ絡んでいく感じがしますし、主人公の生い立ちも少しずつ明らかになっていくようなので、次巻からの展開も気になります。

  • 柳生十兵衛、左甚五郎、番随院長兵衛、天海僧正、沢庵和尚、相撲取りの明石志賀之助など有名人をたっぷり登場させ、派手な剣戟や荒唐無稽な道具立て、娯楽に徹した時代小説だ。
    舫 鬼九郎の正体は、未だ靄の中だが、少し想像させる。
    テンポの良さに乗せられて、楽しんで読めた。

  • 【家光の治世を背景に、壮大なスケールで展開する時代活劇!】首を落とされ背中の皮が剥がれた無残な女の死体。謎のスーパー剣士・鬼九郎が柳生十兵衛、幡随院長兵衛らと江戸の怪事件に立ち向う。

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著者プロフィール

1947年岩手県生まれ。早稲田大学卒業。83年『写楽殺人事件』で江戸川乱歩賞、87年『北斎殺人事件』で日本推理作家協会賞、92年『緋い記憶』で直木賞、2000年『火怨』で吉川英治文学賞を受賞する。他の著書に『炎立つ』(全5巻)、『天を衝く』(全3巻)などがある。

「2009年 『To Tempt Heaven』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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