きみは赤ちゃん (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
4.17
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本棚登録 : 1111
レビュー : 121
  • Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167908577

作品紹介・あらすじ

35歳で初めての出産。それは試練の連続だった!芥川賞作家・川上未映子のベストセラー出産・育児エッセイ待望の文庫化!〇本書は、妊娠が判明したときから、出産を経て、1歳の誕生日まで、出産・育児という大事業で誰もが直面することを、芥川賞作家の鋭い観察眼で赤裸々かつユーモラスに描き、多くの共感と感動を呼んだ異色エッセイです。つわり、マタニティブルー、分娩の苦しみ、産後クライシス、仕事と育児の両立……妊娠&出産という個人的かつデリケートな出来事を、己の身体と精神の状況を赤裸々に描くことによって、単行本刊行時に圧倒的な読者の支持を得たベストセラーエッセイです。本書への反響を通して、「読者のみなさんの人生に一瞬でも触れるような感覚をいただけたこと」は、書いてよかったと思うことの第一だと、川上さんは「文庫本のためのあとがき」で述べています。あの感動を、改めて文庫版で!〇本書は女性読者はもちろん、男性読者にもぜひ読んでいただきたい!「父とはなにか、男とはなにか」「夫婦の危機とか、冬」「夫婦の危機とか、夏」などの章では、出産・育児における男性の役割を鋭く考察しています。〇号泣して、爆笑して、命の愛おしさを感じる一冊。「きみに会えて本当にうれしい」。〇「文庫本のためのあとがき」付き。

感想・レビュー・書評

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  • 「お腹の赤んぼうは100%こちらの都合でつくられた命で、100%こちらの都合で生まれてくるのだから、それならば、われわれはその『生』を100%の無条件で、全力で受け止めるのが当然じゃないのだろうか。
    それが筋、ってもんじゃないのだろうか」

    妊活、妊娠、つわり、マタニティブルー、分娩の壮絶な苦しみ、産後クライシス、仕事との両立 etc...

    改めて、子供を授かることがどれだけ奇跡なのか、健康で産まれて、健康で育ってくれることがどれだけ凄いことなのか感じることができた。

    〝産前産後はホルモンの奴隷”

    号泣して、爆笑して、命の愛おしさを感じる一冊。


    2020年読了、42冊目。

  • ーいとしくていとしくて、たまらない


    35歳、はじめての妊娠、出産、そして子育て。未知なる現象にあわてふためく毎日と、突然襲う体調変化や不安、、、。小説家という仕事と育児の両立の中で訪れる限界突破。それでもかわいくていとしくてたまらない、わが子。女性としての一大イベントであり、太古より繰り返される生の営みをエッセイとして綴られた一冊。

    エッセイってはじめて読んだかもしれないです。
    読み終えて思うのは「母は偉大!!」ということにつきます。
    妊娠中から(なんなら、妊娠前から)わたしたちは守られて生まれてきたんだなぁと、ひしひしと感じます。
    つわり、マタニティーブルー、破水、出産、授乳、離乳食、、、。次々訪れる試練の連続に、お母さんたちは真剣に立ち向かってくれたんだなぁと、お母さんありがとう!の気持ちが芽生えます。

    赤ちゃんのいとおしさが溢れて止まらない一冊です。

  • 妊娠初期に友人にいただいたものの、自分自身の状況よりも未来の出来事が描かれているとなかなか実感がつかめずに読み進められず止まりがちだったところ、臨月に入ったタイミングで後半を一気読みしてしまった。

    私自身が、妊娠中そこまでマタニティブルーにならず(少しはあったけど)安定した日々を過ごすことができていたため、川上さんの感受性の豊かさ・感情の起伏の激しさ(!)に「作家だなぁ…」と思いながら、ときにお勧めベビーカーのブランドをメモしたり、お勧めケアグッズをその場でポチったりしながら、少しずつ読み進めていた。

    が、最後オニ君が産まれてからの川上さんの溢れ出る愛情の描写が本当に素晴らしく、心をつかまれそこからは一気読み。
    感受性の振り幅が「愛情」に振れたときのパワーに驚きつつも、産まれてくるわたしの天使との対面が一層楽しみになった次第。
    とてもよいエッセイでした。

    「まだ言葉をもたないオニ、しゃべることができないオニは、まるでみたものと感じていることがそのままかたちになったみたいにして、私の目のまえに存在している。オニはそのまま、空であり、心地よさであり、空腹であり、ぐずぐずする気持ちであり、そして、よろこびだった。」(p326)

  • 妻が妊娠している、という状況で読むと恐怖を感じます。
    今後、こういう感じで妻は泣くのかしら、とか喧嘩になるのかしら、といった不安がムクムクと湧き起こり、冷静でいられなくなりました。
    母親になる、女性のツラさ、社会に根強く残る社会的な風潮など、傾聴に値する部分も多々ありましたし、妊娠出産育児に追われる女性の心情を、(体験はしないので根本から「理解」はできなくとも)男にもわかるように、そしてもちろん女性にも寄り添って描写しているところは流石だと思います。
    妻には読んで欲しくないですし、むしろ男友達に読んでもらいたいという珍しい作品でした。

  • ずっと読みたいと思って買っていた本、息子が10ヶ月になる頃にやっと読めた。というか、読書自体が本当に久しぶり。

    共感の嵐で、一気読みでした。
    もうすぐ1歳を迎えると思って読んだら尚更感慨深かったな…

    現在後追いで私が立ち上がっただけでも泣く息子。夜中はまだまだ何回も起きるし、お昼寝は抱っこでしかしないし、もちろんとっっってもかわいいけど、疲れたー!ってなることも。
    でも、そんな今は当たり前の日々を、いつか懐かしく思って泣くんだろうなぁ…
    きっと、1日で良いからあの日に戻って、赤ちゃんの息子を抱っこしたいって思うんだろう。

    この本の中にあったように、この一年の事、息子は忘れてしまうんだろうし、それでかまわない。でも、このかけがえのない一年のことを、私は一生覚えていよう。と改めて思いました。


    そして世の中のお母さん達、皆さま本当にお疲れ様です…!

  • 文庫本ってこんなにサクサク読めたっけ?と思うくらい一瞬で読み切れた。
    川上未映子さんの本は初めて読んだけど、こんなに読みやすいと思わなかった。

    妊娠中のネガティブの描写量がちょうどよく、読んだあとに落ち込むこともなく「わかる」「なるほど」と読み進められた。

    体験記すぎもせず、でもフィクションでもないので、読み物としても参考としても良い一冊でした。

  • 娘が一歳になるこの時期に読むこの本は
    1年間をフラッシュバックするような、そんな本当に共感の嵐でした。

    とくに旦那さんへの想いとかは本当に共感が多くて
    なぜ自分はなにもかも変わったのに
    旦那は髭をそる時間もあるのか
    自分の子どもに対する想いと旦那の子どもに対する思いは決して一緒ではない。
    それくらい何もかも子ども基準で進んでいく毎日
    だからこそ、誰よりも我が子を愛し幸せになって欲しいという想いが大きいと思う。

    最後のあとがきは思わず涙が流れていました。
    たのしいこといっぱいあるよ!
    それは何よりも魔法の言葉な気がしました。

  • 好きなモデルさんやインスタグラマーさんが
    みんなオススメしていた「きみは赤ちゃん」

    BOOKOFFに寄ったらたまたまあったから
    読み始めたけどこれはすごい!

    面白いし全てに共感でしかない!
    妊娠発覚からマタニティブルー
    旦那さんへの気持ち
    子供を作るということ
    無痛分娩に対する考え方

    わたしはまだ中期だけれど、
    後半は産後について書いてあって
    母乳の乳首への恐怖

    後半になるにつれて作者さんの
    子供を愛おしく思う気持ちを
    いかにして文章で表現しようかってくらい
    丁寧に鮮明に例えなどを使って書いてあって、
    早く私も我が子に会いたいな
    という気持ちが強くなった♪

  • 妊娠出産育児までの精神的身体的な変遷のエッセイです。ひらがな多めで口語体に近い文章なので、読みやすいです。川上未映子さん独特の表現が面白く、特に授乳後の胸を「カレーのナン」と表現していたのは笑えました。
    アラサーの子なし既婚者として、子どもを作ることに関するサンプルの一つとしても読みました。かなり、恵まれてる方の話だと思いました。高額の無痛分娩、料理以外家事をやってくれる夫、月25万ベビーシッターに払える経済力。1番恵まれていると思ったのは、息子のオニくんが健康ですくすくと育っている事です。作者自身も自分は恵まれているという自覚をした上で、産まざる性としての旦那に対する不満や、オニくんの発育や体調などの変化に対する不安や焦燥を記述しているのですが、逆に言うとこれだけ恵まれていて、順調に育っている子どもさえこんなに大変な思いをするのだなと思ってしまいました。家事をやってくれない夫や、病気がちだったり発育の遅れが見られる母親の不安や孤独はいかほどのものだろうかと思いを馳せました。

  • とても時間をかけて読みました。
    誰かから聞く出産、育児の話が聞きたいのではなく、
    大好きだった卵の緒の作者の、この人の話が読みたかったので、買って良かったです。
    出産前後の必要な情報をソースを確かに教えてくれ、またその時々の自分の心情を事細かに教えてくれるので、
    読んでいてとてもわかりやすく、興味深かったです。とてもためになりました。

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著者プロフィール

川上未映子(かわかみ みえこ)
1976年大阪府生まれ。大阪市立工芸高等学校卒業。2002年から数年は歌手活動を行っていた。自身のブログをまとめたエッセイ『そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります』で単行本デビュー。2007年『わたくし率 イン 歯ー、または世界』『そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります』で早稲田大学坪内逍遥大賞奨励賞、2008年『乳と卵』で芥川賞、2009年詩集『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』で中原中也賞、2010年『ヘヴン』で芸術選奨文部科学大臣新人賞、紫式部文学賞、2013年詩集『水瓶』で高見順賞、『愛の夢とか』で谷崎潤一郎賞、2016年『マリーの愛の証明』でGRANTA Best of Young Japanese Novelists、『あこがれ』で渡辺淳一文学賞を受賞。2017年、『早稲田文学増刊 女性号』で責任編集を務める。2019年7月11日に『夏物語』を刊行し、注目を集めている。

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