あじフライを有楽町で (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2017年6月8日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (307ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167908737

作品紹介

平松洋子さんの本を読むと、お腹が空くだけでなく、食べること、生きることへの活力をいただける。――戌井昭人(「解説」より)【主な目次】Ⅰ 危うし、鴨南蛮どっきり干瓢巻き/トリュフvs松茸/ヤバい黒にんにく/どぜう鍋を浅草で/レモンサワーの夏/歌舞伎座で、鰻/羊羹でシンクロ/ステーキ太郎、見参/熊タン、鹿タン/海苔弁アンケート/インドのお弁当/最初は鯨めしだった/パンケーキ男子Ⅱボンジュール、味噌汁久慈でもたまごサンド/外ジュース、家ジュース/冷麺あります/生ウニは牛乳瓶で/えいね! 土佐「大正町市場」/砂糖じゃりじゃり/無敵なスープ/パリのにんじんサラダ/ちょっとそばでも/ムルギーランチ健在/品川で肉フェス/Ⅲ エノキ君の快挙ちくわカレー!/もっとアミの塩辛/出たか、筍/とうがらしめし!/シビレる鍋/朝顔とドライカレー/夏の塩豆腐/いちじく祭り/ごぼうアセンション/わたしの柚子仕事/朝も夜も、湯豆腐/今年も焼きりんご/冷やごはん中毒/煮物ことことⅣ 鶏肉は魚である征太郞少年のカキタマゴ/栗の季節です/居酒屋ごっこ/白和えフリーク/牛鍋屋へいらっしゃい/かけそばと目玉焼き/志ん生の天丼/キャラメル夢芝居/塩豆とビール

あじフライを有楽町で (文春文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 年末年始を東京で、過ごすことにした。それで食べ物系の文庫本を物色した。グルメガイド本には、食指は伸びなかった。グルメ旅に行くわけじゃない。でもせっかく行くからには、幾つかの店には「物語」が欲しかった。最初、手にとっていたのは池波正太郎の本。しかし、彼の人の行きつけは70年代、80年代の店である。今もその味で残ってあるかは疑問だと思い直した。

    次に手に取ったのが本書。最近小川洋子さんとの対談本を読んで、平松さんが同年代でしかも我が家から自転車で行く事が可能な距離に住んでいたと分かり、一挙に親近感が高まったと言うのもあるけど、グルメ本や料理本や料理薀蓄本ではなさそうだ、では何なのだろう、という興味が1番の選んだ理由である。

    もちろん、東京散歩の参考にもさせてもらう。行きたいのは、題名になっている有楽町東京交通会館「大正軒」のミックスA定食(メンチ・あじ・エビ)950円、新有楽町ビル一階「はまの屋」の玉子サンド、JR中野駅前の中野商店街入口右手「田舎そば うどん かさい」田舎そばかき揚げ370円、昭和通り沿い東銀座「ナイルレストラン」のムルギーランチ、志ん生行きつけだった湯島の天ぷら屋「天庄」。

    その他、作ってみたい料理も、幾つか。塩豆腐、イチジクの赤ワイン煮、ごぼう茶、柚子ポン酢、柚子ジャム、湯豆腐、白菜と豚肉の重ね煮、肉豆腐、白和え。全て、「自由な」生活の中に溶け込んでいるから、真似したくなるのである。
    2017年12月27日読了

  • 平松さんの食のエッセイは、何冊か読ませていただいている。
    しかし、かぶっている、とか、デジャヴ、みたいなことが一つもない。
    毎回新しい発見なのだ。
    毎日、ごはんとお味噌汁の食事でも、その時のちょっとした加減や、自分の心持で、一度として同じ食事は無い…みたいなものだろうか。

    この本で、アッと言わされたというか、長年生きていれば自分でも気付いていたはずなのに、初めて気付かされたと思ったのは、“鴨南蛮”
    そうね~、その辺のお蕎麦屋さんで、鴨なんて入ってないけど、誰も偽装だ嘘だ、と怒ったりしませんよね。
    落語の演目にちなんだ鰻料理、自分では食べられないので、お話を聞く(読む)だけでも素敵な味わい。
    “海苔弁”に関する、アンケートのみの潔さ。
    あらゆる“知人”から、あらゆる到来物が平松さんの元に届けられ、それらを誠心誠意をもって料理する様子。
    映画に登場する料理、料理屋を描いた絵画…
    話題の多様性が、驚くばかりに無限だ。

    気がついたら、前作『ステーキを下町で』、手元に買ってあったのに、まで読んでいなかった…不覚!!

  • 「ひさしぶりの海苔弁」に続き読む。

    あとがきに、「食べ物は無数の記憶や物語をもたらす。」とある通り、自分の食の記憶を掘り起こしたり、平松さんの文と対話したりする読書だった。
    平松さんの文章は、威勢がいいけど、すっきりして、押し付けがましさがない。

    神戸の昭和の佇まいのお好み焼き屋でビールを飲んでる図なんて、渋いなあ。こういうのが似合う人はなかなかいないと思うよ。

    沢山の柚子を仕込む台所仕事とか、筍料理とか美味しそうだなあ。

    「ひさしぶりの‥」にも深夜の料理の話があったが、
    (引用)はっと我に返ると、深夜に台所に立ってごそごそやっていることがある。ワインを飲んで相当楽しくなっているときで、知らないうちに包丁でざくざく刻んでいたり、鍋に火がかかっていたりするから不気味だ。

    考えずに手が勝手に料理をしているという。家のオカーサンが夜中に変な料理してたら怖いだろうなあ。

    東銀座のナイルレストランのムルギ―ランチの話もあった。僕はムルギランチと伸ばさず呼んでいたが。
    いつだったか、僕は別の料理も食べてみたいと他のカレーを頼んだのだが、番頭さんから「ダメ、それ遅いね。ムルギランチ美味しいよ」と無理やりムルギランチにさせられてしまったことがある。まあ、ムルギランチ美味しいから文句はないんだが。それから、あの真っ赤で、悪魔的に辛いラサムスープの話も欲しかったな。

    表紙口絵の水丸のイラストは、他からの出典とのこと。水丸さんとのタッグもこれで見納め。

  • ミスマッチのような、ベストマッチのようなユニークな題名にまず魅かれた。
    食を巡る78編のエッセイ。
    どの単元を読んでいても、口中に唾がたまり、よだれも出るかと思えるほど。
    食べること、生きることに意欲がわいてくる。
    ただ、空腹時に読むことはお勧めできません。

  • 平松洋子『あじフライを有楽町で』文春文庫。

    様々な食をユーモアと蘊蓄と共に描くエッセイ集。安西水丸のイラストと共に綴られた食のエッセイ78編。安西水丸との饗宴はこれが最後らしい。

    平松洋子が描くリズミカルな文章からは食の大切さと面白さと共に美味しさまでもが伝わってくる。鹿タン、熊タン、ちくわカレー、塩豆腐、霜柱など食べたことのない美味そうな食のオンパレード。

    谷口ジローのファンだったことからシリーズ最初の『サンドウィッチは銀座で』を読み、平松洋子のエッセイの面白さを知った。以来、『ステーキを下町で』『ひさしぶりの海苔弁』とシリーズを読んできたのだが、本作もまた間違いなく美味しい。

  • 解説にもあるよう、平松さんのエッセイには物語がある。食事とそれらをめぐる記憶と物語がとても心地よく、いつまでも読んでいたいと思う。

  • 約3ページほどのエッセイがみっしり詰まっている。食エッセイといえど多岐にわたるジャンルをネタに書かれており全く飽きない。塩豆腐は作ってみたくなった。万人におすすめ。

  • 相変わらず平松さんの文章は美味しい。


    有楽町「はまの屋パーラー」

  • 食に関するエッセイを読むのは、僕にとっては精神安定剤の服薬にも似た行為である。その中で、特に著者の本は常に手元に置いておきたいほど愛好している。

    前作の「ひさしぶりの海苔弁」と同じく、安西水丸のユーモラスな挿絵も楽しめる本書では、あじフライ、羊羹、立ち食いそば、湯豆腐、どじょう鍋などの食材を通じて、食べることが生きることであり、よく食べることはよく生きることである、そうしたテーゼを実感できる。

    東京交通会館のあじフライを早く食べにいきたい。

  • ちくわカレーが食べたくなりました。

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