侠飯4 魅惑の立ち呑み篇 (文春文庫 ふ 35-5)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167908843

感想・レビュー・書評

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  • 就活生、ブラック企業のサラリーマン、ヤクザ見習い、ときて今回の水先案内人は国会議員秘書。毎回毎回、料理というメインテーマはブレずに持ちながらジャンルの違う小説世界に溶け込ませるのはすごいなぁと感心。今回も政治小説としての体裁がしっかりできているように感じた。
    ただ個人的にはドラマの盛り上がりは前作の方が良かったかな。今回は柳刃さん達が裏方に徹しすぎて、後半まであまり活躍がなかった気がした。
    ただ毎度お馴染みプロローグの、前作の登場人物のゲスト出演は今回の方が良かった。なんだかほっこりした。

    そして料理。今回のは特に作ってみたくなったな。簡単そうだったし。

  • 福澤徹三『侠飯4 魅惑の立ち呑み篇』文春文庫。

    シリーズ第4弾。今回は政界がテーマで、立ち呑み屋が舞台。面白い!シリーズを読んでいれば、パターンは分かっているので、そろそろ柳刃竜一が…と思うのだが、柳刃の作る料理と時々繰り出す人生訓に惹かれてしまい、ストーリーにのめり込んでしまう。

    この作品が何故パターンが分かっていても面白いのかと考えてみると、このパターンは水戸黄門の黄金パターンと同じなのだ。

    ①実際の主人公は柳刃竜一なのだが、最初は一般人が主人公として描かれる。②謎の男、柳刃竜一が主人公の前に現れ、料理で魅了する。③いよいよ大詰めを迎えると、柳刃が自らの正体を明かし、主人公の背後に居る悪を懲らしめる。④柳刃は次なる悪と対決するために、静かに去る。

    多忙な毎日を過ごす国会議員秘書の28歳の藤堂旬一郎が心を安らげるのは、永田町近くの妙齢の小梅が店主の立ち呑み屋・チドリヤ酒店だった。その小梅が新店長に眼光鋭く、頬に傷がある柳刃竜一だった。再び柳刃竜一と火野丈治のコンビが美味しいつまみ料理で人びとを魅了しつつ、政界に巣くう悪と対峙する。

  • 俠飯(おとこめし)シリーズ、第4弾。

    国会議員の第二秘書を務める、藤堂旬一郎28歳。
    多忙な毎日をただこなすだけになっていないか?
    行きつけ(と言っても忙しくてめったに行けないが)の「チドリヤ酒店」の小梅に会うのが唯一の楽しみだったが、ある日、酒造メーカーの社員と名乗る強面の二人組がカウンターに入るようになる。

    毎回、悩める青年たちを見守り、ある時は厳しく突き放し、あるいは叱り、励ます柳刃さん。
    男子のお仕事小説的な面も毎回楽しみ。
    今回は議員秘書の仕事を勉強できました。
    政治家は何で金を欲しがるんだろう、と常々思っていましたが、金がないと回らないんですね…
    よくわかりました。

    裏表紙の紹介文に「読めば読むほど腹が減る」とありましたが、のんべの自分は、おつまみの数々が美味しそうすぎて、呑みたくて呑みたくてたまらなくなりました。
    最後になつかしい人も登場して、3巻を読み返したくなりました!

    プロローグ――強欲な国会議員と秘書の愉しみ
    ①ひと手間で旨さ倍増、五分で作れる缶詰フルコース
    ②超お手軽なのに絶品、毎晩でも食べられる常夜鍋
    ③宅呑みでもバル気分、ちょこちょこ旨い簡単ピンチョス
    ④極上ハイボールで乾杯、旨さに驚く激安オードブル
    ⑤赤ワインがどんどん進む、我が家で作れるビステッカ
    ⑥浴びるほどビールが呑める、美味しすぎる豆料理
    ⑦つらい夜こそしみじみ旨い、冷酒が沁みる酒肴の逸品
    ⑧金はなくとも夢だけはあった。あの頃が蘇る、おふくろの弁当
    エピローグ――青雲の志は消えず。心で受け継ぐ任侠の味

  • 永田町を舞台に政治と金の汚職を取り扱った回。
    前回の任侠さんときと展開が似てるのと、居酒屋で作り方の蘊蓄をお店側が語るのが違和感あった。
    美味しいものをお店で食べてる時に、作り方知りたいと思うかなー?作ったものを食べにきてるんだけど。
    まあ、簡単に作れますよって説明を入れたい主旨は理解できるんやけど、違和感はある。
    あと、女性がやっぱり変。一歩も二歩も下がって、ひたすら忍耐強く不遇に耐える女性像は作者の趣味なのかもしれないけど、そんな女性いない。
    自分を堕ろせってゆった父親を慕う娘って、どんな人?そんな女性をあっさり美化してる書き方も違和感。
    まあ、政治にお金がかかるからくりはよくわかったし、おもしろかった。

  • シリーズ第四弾。今回の舞台は政界、議員秘書のお話。料理は立ち呑み屋で出される酒のツマミ。これが美味しそうで、かつ簡単に作れそう。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    藤堂旬一郎、28歳、国会議員秘書。あまりに多忙な日々に、青雲の志も忘れがち。そんな彼の心が安まるのは、永田町近くの立ち呑み酒屋で店主の小梅に逢うとき。だがある日、眼光鋭く、頬に傷を持つ“新店長”が現れた。この怪しい男のつくるつまみが滅法旨い!読めば読むほど腹が減る、文庫書き下ろしシリーズ第4作。

    男たるもの行きつけの飲み屋の1軒や2軒持っておきたいものでありますね。しかもそれが立ち飲みだったりするとさらに大人ですよね。近所にこれだけいい飲み屋有ったら通いたいですが、実際は早く帰って家族団らんしたいので有っても行かないだろうなあ。
    さて、今回もお腹が空くメニュー目白押しで、しかも今回は酒の肴がメインで見ているだけで酒飲みたくなってきます。ピンチョスっていう爪楊枝に刺さっているおつまみに憧れますねえ・・・。
    話しの筋はいつも通り水戸黄門みたいなものなんでございますが、この勧善懲悪は昔ながらですきです。この路線で続けて貰ってよろしいかと思います。

  • 20220130読了

  • お酒飲みたいなー

  • あいも変わらず【美味しい小説】!
    4作目は、角打ちですよ( ̄∀ ̄)
    缶詰アレンジ、ピンチョス、イタリア風ステーキ!豆ご飯のプチおにぎり!キリッと美味しいハイボール!
    うぉぉぉ、行きたい、こんな角打ち!!
    しかも場所は麹町。
    政治のお膝元ですから、治安も良さそうで(笑)
    なので、主軸になる登場人物は政治家秘書でしたね。
    見事に胃袋掴まれて、高飛車自信過剰の若造がだんだんと素直にもだつき始めるのが良いです。
    しょっぱなの上から目線は、前作までのブラック企業の社員や詐欺師の若者にはなかった感じで、柳刃さんや火野さんを見下してましたからね。
    鼻っ柱折られてからは応援できました(笑)
    柳刃さんのこだわりがすごいんですよね、塩ひとつオリーブオイルひとつにしても。
    手間隙かければ美味しいのがわかる文中の料理解説には、惹かれるんですけど作るの大変だなぁと葛藤します。

  • 実際食べると多分それほどでもないおつまみが
    すごく美味しそうに見えるのが
    小説のいいとこだなぁ〜!
    久々過ぎて過去作の設定丸っと忘れてた…

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著者プロフィール

福澤 徹三(ふくざわ・てつぞう):1962年、 福岡県生まれ。ホラー、怪談実話、クライムノベル、警察小説など幅広いジャンルの作品を手がける。2008年、『すじぼり』で第10回大藪春彦賞受賞。著書に『黒い百物語』『忌談』『怖の日常』『怪談熱』『S霊園』『廃屋の幽霊』『しにんあそび』『灰色の犬』『群青の魚』『羊の国の「イリヤ」』『そのひと皿にめぐりあうとき』ほか多数。『東京難民』は映画化、『白日の鴉』はテレビドラマ化、『Iターン』『俠(★正字)飯』はテレビドラマ化・コミック化された。

「2023年 『怪を訊く日々 怪談随筆集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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