こいしいたべもの (文春文庫)

著者 : 森下典子
  • 文藝春秋 (2017年7月6日発売)
4.18
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  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167908942

作品紹介・あらすじ

前作『いとしいたべもの』が好評で重版を重ねている中で、待望の続編の刊行です!母手作りの、バターがとろける甘いホットケーキ。父が大好きだった、少し焦げ目がついたビーフン。遅い青春時代に食べた、夜明けのぺヤング……。味の記憶をたどると、眠っていた思い出の扉が開き、胸いっぱいになった事はありませんか? 150篇のエッセイの中から22篇を厳選し、丁寧に推敲を重ね大幅に加筆修正した珠玉のエッセイを収録。著者自ら描いたイラストも、繊細なタッチの優しい絵で評判を呼んでいます。ほっこり、じんわりするカラーイラストエッセイ集です。

こいしいたべもの (文春文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 「いとしいたべもの」に続く、美味しいイラスト入りの、森下典子さんのエッセイ。
    この、イラストがとても好きだ。

    食べものの描写を読めば、鼻腔に香ばしい香りが流れ込み、舌の上には甘くとろける、あるいはホロホロと崩れる美味しいものが出現する。

    思い出と共に語られる味は、とくに胸がジーンとするものが多かった。
    単なる懐かしさに加えて、帰らない物への哀惜の念が込められているからだろう。
    おわりに書かれているように、平和が続くことを願ってやまない。

  • 母手作りの、バターがとろける甘いホットケーキ。父が大好きだった、少し焦げ目がついたビーフン。遅い青春時代に食べた、夜明けのぺヤング・・・。22品の美味しいカラーイラストエッセイ集。
    前作「いとしいたべもの」がすごく素敵だったので、新作と聞いて迷わず購入。森下さんの言葉には食べ物だけでなくその奥にある思い出や出来事に対する愛情がこもっていて、読むと自分の記憶もよみがえってほろりとします。あったかい気持ちになれる。いろんなことを知らないまま大人になっているけれど、ほんの少しのことを知って日々生きていくことが一番大事なんだろうな、丁寧に過ごしたいなと思いながらあとがきを読みました。

  • 「いとしいたべもの」の続編。著者の食べ物にまつわる思い出や体験のエッセイである。
    著者は私と同世代ということもあり、前作同様子供の頃の日常生活や家族関係等懐かしく楽しい思い出の数々に共感できた。
    しかしその中で私が一番胸打ったのは、著者自身の体験ではなく、著者の父親の戦争体験である。父親が焼きビーフンが好きだったこと、それは戦争中インドネシアで初めて食べたビーフンの味につながっていく。
    父親は直接的な戦争体験の話を娘にはしてはいない。亡くなった後、母親から聞いたという話だ。船で南方の戦場へ向かう途中アメリカの魚雷によって撃沈され、48時間海を漂ったのち九死に一生を得たという。救難船に何とか救い出されたのは体力のある者だけ、海を漂う仲間達の「おーい、おーい」という声を聞きながら、その仲間達を海に残し救助された。
    このような話は戦時中は多々あったのだろう。またそれを家族、特に子どもたちには話せないという気持ちも理解出来る。辛い経験を経て、日本へ戻り、そういう人たちが戦後日本を作り上げてきたと著者も書いている。すでに戦後70余年となり今の日本を担う世代は誰も戦争体験をしていない。しかし誰もが少し前の世代、自分につながる家族がこのような体験を経て、今の自分が存在することを改めて痛感した。

  • 前作が本当に楽しかったので、喜び勇んで読んだ。
    「いとしいたべもの」ほどの共感を持たなかったのは
    多分私と森下さんの、ティーンの頃の生活経験が違う
    ためで、面白かったけれど、サラリと読んだ。

    横川の釜飯は、私には小学生の頃、車で東京から
    軽井沢へ向かい、家族で別荘に着く前に頂く、
    腹ごしらえの味であり、焼きビーフンは、土曜の
    おいしいお昼ごはんだった。

    ワッフルはかつての恋人が、ここのは美味しいんだよと
    銀座で焼きたてを買ってくれて、車の中で頂いた味。

    経験が味の共感をつくるのだなということを
    教えてくれる一書であった。

    ともあれ。

    この方の視線のやわらかさ、落ち着いた筆致は
    さすがで、読んでいる間、お煎茶やほうじ茶など
    あたたかいお茶を淹れて、ゆったり読ませて頂いた。

  • 「女はね、まだまだ立場が弱いの。結婚だって、未だに女は『もらわれる』立場なのよ。だからあなたたちは、若くてきれいなうちにちゃんと恋をして、好きな人と結ばれなさいね(P36より)」



    『ちゃんと恋をしてね』って、
    若い(私もまだ若いと思ってますがw)子に偉そうに言及するならおんなじことをいうなぁ。
    愛の伝え方も感じ方も人それぞれだから、一生懸命にひとを好きになって、依存したり、喧嘩したり、ふってふられて憎らしくなって。両思いだってわかった時の最高の幸福感と色んな感情がまとわりつく苦しさを味わって、愛する喜びと苦しみを全力で感じて欲しい。

    ただ若い=きれいだと、負け惜しみでなく一度も思ったことはなくて、歳を重ねるってすごく素敵なこと。10年前と比べるとシミもシワも増えたけど、いまの方が絶対いい女だたと断言できます。何がいい女か言語化できませんがね(笑)。


    そんなことを考えながら、ホットケーキを食べたくなりました♪


    思い入れのあるたべものと共に残る記憶が温かくってやさしいエッセイ集です(๑>◡<๑)

  • 前作に引き続き、こちらもとても美味しそうでした。
    しんみりと切なくなる思い出もたくさん…わたしの亡くなった祖母も、貝を捕るのが上手だったことを思い出しました。鳩サブレーは幼い頃の思い出のおやつです、母方の実家でよく食べました。
    今回も、素敵なイラストもいっぱいでした。和菓子の美しさにうっとりしました。実際に見て、味わいたくなります。
    しんみりとしてしまいますが、ほっとする良い本です。

  • 思い出とか、人の優しさとか、忘れかけてたことをひとつひとつ思い出させてくれる本だった。この時代に、これだけ繊細な感受性で色々なことを受け止めて、それをどの場面も情景が浮かんでくるくらい繊細な言葉で書き続けている人ってそう多くないと思う。終始ほっこりしたり小さい頃のこと思い出したりしてた。また読み返したい。

  • 職場の人に薦められて読んだ本。
    イラストの温かさ、上品に流れる文章が素敵だった。
    ほっこりがほしいときに読むのがいいと思う。

  • 『いとしいたべもの』の続編、文庫オリジナル。家庭料理、おみやげのお菓子、身近な食べものにまつわる思い出話を集めた22篇のイラストエッセイ。淡々としているけれど、ところどころでぐっとくる。食べたかったコロッケパン、高校時代の先生を思い出させる桃まんじゅう、亡き父親を思い出させるカレーライスやビーフン…同じではなくても、似たような体験や記憶が自分にもあるような…自分だったらそのトリガーとなるたべものはなんになるだろうかと、思いを巡らしながらゆっくり味わう。

  • タレントさんが「おいしい」を連発して食べる映像にいつもうんざりしている
    これは食べ物の紹介ではなく思い出
    こころがふんわりする
    お母さまがきちんとしたものを作って育てられたのだろうなあ
    カラーイラストもやさしい
    ≪ 思い出は 一口の味 あの香り ≫

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