こいしいたべもの (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
3.95
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  • (11)
  • (1)
本棚登録 : 1998
感想 : 103
  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167908942

作品紹介・あらすじ

前作『いとしいたべもの』が好評で重版を重ねている中で、待望の続編の刊行です!母手作りの、バターがとろける甘いホットケーキ。父が大好きだった、少し焦げ目がついたビーフン。遅い青春時代に食べた、夜明けのぺヤング……。味の記憶をたどると、眠っていた思い出の扉が開き、胸いっぱいになった事はありませんか? 150篇のエッセイの中から22篇を厳選し、丁寧に推敲を重ね大幅に加筆修正した珠玉のエッセイを収録。著者自ら描いたイラストも、繊細なタッチの優しい絵で評判を呼んでいます。ほっこり、じんわりするカラーイラストエッセイ集です。

感想・レビュー・書評

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  • 食べ物にまつわる思い出のエッセイ。
    「いとしいたべもの」が子供時代お母さんが作ってくれたおいしかったご飯のお話が中心で、コミカルな内容中心だったのにくらべて、本作「こいしいたべもの」は割と現在に近い作者が物思うたべものにまつわるお話中心で、じんわり切ないお話が多いように思いました。

    家族のことが大好きで、家族に大事にされてきた人の、大切な思い出が垣間見れて、幸せな気分を味わえます。

  • 小さい頃、必ず食べたであろう食べ物がたくさん出てきて、夜中にも関わらず色んなものが食べたくなる本です。

  • 母手作りの、バターがとろける甘いホットケーキ。父が大好きだった、少し焦げ目がついたビーフン。遅い青春時代に食べた、夜明けのぺヤング・・・。22品の美味しいカラーイラストエッセイ集。
    前作「いとしいたべもの」がすごく素敵だったので、新作と聞いて迷わず購入。森下さんの言葉には食べ物だけでなくその奥にある思い出や出来事に対する愛情がこもっていて、読むと自分の記憶もよみがえってほろりとします。あったかい気持ちになれる。いろんなことを知らないまま大人になっているけれど、ほんの少しのことを知って日々生きていくことが一番大事なんだろうな、丁寧に過ごしたいなと思いながらあとがきを読みました。

  • 前作『いとしいたべもの』に続く森下典子さんによる食べ物エッセイ。今回も味わい深いイラストと共にとても面白かった。

    この本を読むと、食べ物というのは思い出と深く結びついているんだなぁと。わたしは森下さんが子供時代を過ごした1960〜70年代を知らないが、昭和の古き良き時代ってこの辺りの年代なんだろうなと思う。

    学校から帰って日の当たる縁側で読書をしながら食べたおやつのこと、夏休みに田舎の岩手の祖父母の家にひとりで行って親戚の子たちと毎日楽しく遊んだことをふと思い起こさせた和菓子『沢辺の蛍』、中学受験のほろ苦い思い出と共にある横浜元町の老舗洋菓子店嬉久屋のチョコレートケーキ、小説『風と共に去りぬ』の古き良きアメリカ南部の農園主の暮らしぶりの中で描かれていた朝食のワッフルを自分が初めて食べたときのこと、どれも美味しい食べ物と共に幸せでときに切ない雰囲気を感じられるお話ばかり。

    晴れた日曜の午後、陽当たりの良い部屋でお昼前に和菓子屋から買って来たばかりの鶯餅とほうじ茶を愉しみながらこの本を読んだ自分(日曜日最高!)も、鶯餅にまつわる思い出として、何気ない今日のことが後から懐かしくなったりするのかなぁと思った。

  • ペヤングにホットケーキ、柿ピー
    潮干狩り、カレーにダックワーズ

    いちいち あー、あるある
    あのねあのね、私はね
    って いちいち言いたくなる本だった

    思い返すと
    食べ物に纏わる思い出って
    特別な、何処ぞのナンチャラとか
    高級レストランだったり
    流行りの食べ物のじゃなくて

    その辺に 今もすぐあるものだし
    自分が子供のころだったり
    娘が小さかったころだったり
    家族絡みが多いんだなー ってね

    イラストも可愛いかった

    てか、こっちが続編なのね?
    前編の いとしいたべもの
    もう手元にあるから
    読むことといたしましょう
    (*´艸`*)

  • 「いとしいたべもの」に続く、美味しいイラスト入りの、森下典子さんのエッセイ。
    この、イラストがとても好きだ。

    食べものの描写を読めば、鼻腔に香ばしい香りが流れ込み、舌の上には甘くとろける、あるいはホロホロと崩れる美味しいものが出現する。

    思い出と共に語られる味は、とくに胸がジーンとするものが多かった。
    単なる懐かしさに加えて、帰らない物への哀惜の念が込められているからだろう。
    おわりに書かれているように、平和が続くことを願ってやまない。

  • 「いとしいたべもの」の続編。著者の食べ物にまつわる思い出や体験のエッセイである。
    著者は私と同世代ということもあり、前作同様子供の頃の日常生活や家族関係等懐かしく楽しい思い出の数々に共感できた。
    しかしその中で私が一番胸打ったのは、著者自身の体験ではなく、著者の父親の戦争体験である。父親が焼きビーフンが好きだったこと、それは戦争中インドネシアで初めて食べたビーフンの味につながっていく。
    父親は直接的な戦争体験の話を娘にはしてはいない。亡くなった後、母親から聞いたという話だ。船で南方の戦場へ向かう途中アメリカの魚雷によって撃沈され、48時間海を漂ったのち九死に一生を得たという。救難船に何とか救い出されたのは体力のある者だけ、海を漂う仲間達の「おーい、おーい」という声を聞きながら、その仲間達を海に残し救助された。
    このような話は戦時中は多々あったのだろう。またそれを家族、特に子どもたちには話せないという気持ちも理解出来る。辛い経験を経て、日本へ戻り、そういう人たちが戦後日本を作り上げてきたと著者も書いている。すでに戦後70余年となり今の日本を担う世代は誰も戦争体験をしていない。しかし誰もが少し前の世代、自分につながる家族がこのような体験を経て、今の自分が存在することを改めて痛感した。

  • 前作「いとしいたべもの」の続編。
    前作同様、それぞれの食べ物のエピソードに、あるある!と共感し、我が家は…と思井を馳せる一冊。

    おすすめは「クリーム白玉あんみつ」。それぞれの具材が組み合わせって見事なハーモニーを奏でるこの一品への作者の描写は「わかるわかる!」と一番共感できた。

  • 前作が本当に楽しかったので、喜び勇んで読んだ。「いとしいたべもの」ほどの共感を持たなかったのは多分私と森下さんの、ティーンの頃の生活経験が違うためで、面白かったけれど、サラリと読んだ。

    横川の釜飯は、私には小学生の頃、車で東京から軽井沢へ向かい、家族で別荘に着く前に頂く、腹ごしらえの味であり、焼きビーフンは、土曜のおいしいお昼ごはんだった。ワッフルはかつての恋人が、ここのは美味しいんだよと銀座で焼きたてを買ってくれて、車の中で頂いた味。

    経験が味の共感をつくるのだなということを教えてくれる一書であった。

    ともあれ。

    この方の視線のやわらかさ、落ち着いた筆致は、さすがで、読んでいる間、お煎茶やほうじ茶などあたたかいお茶を淹れて、ゆったり読ませて頂いた。

  • 食べ物の匂いや温度、食感、その食べ物を囲む景色、すべてが色鮮やかに目に浮かぶ、五感を刺激する言葉の表現が好き。このシリーズは本当にお腹が空く。

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著者プロフィール

森下典子(もりした のりこ)
1956年生まれのエッセイスト。『週刊朝日』のコラム執筆を経て、1987年その体験を記した『典奴(のりやっこ)どすえ』を出版。代表作『日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ』は、大森立嗣監督・脚本、黒木華主演により2018年10月13日映画化され、樹木希林の遺作ともなり、大きな話題となった。他に、『いとしいたべもの (文春文庫)』『猫といっしょにいるだけで』などの作品がある。

森下典子の作品

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