歴史・時代小説 縦横無尽の読みくらべガイド (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 98
レビュー : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167909345

作品紹介・あらすじ

紹介した作家176人! 取り上げた作品488作!時代小説大好き――だけれど次に何を読めばいいのかわからない。そんなひとのために「次の一冊」を教えてくれる歴史・時代小説ガイド決定版。 書店の店頭をにぎわせる時代小説に歴史小説。巨匠から新進気鋭の書き手までがひしめく中で、「何を読めばいいのかわからない」という悩みをかかえる読者は多いはず。そんな読者のために、「三国志読み比べ」「関ヶ原の小説あれこれ」「幕末」といったワンテーマの読み比べから、大河ドラマや時代劇の原作や原案となった小説、果ては「江戸のお花見」「和菓子の話」「僧侶モテモテ小説」など歴史トリビアにまつわる時代小説まで、いま時代小説について楽しく紹介させたら日本一の大矢博子氏が楽しそうにオススメします! もちろん歴史女子たちが萌える「新撰組」も。 ほかに司馬遼太郎・池波正太郎・藤沢周平・平岩弓枝といった巨匠の名作の紹介、書き下ろし時代小説シリーズについても「歴史・剣豪編」「市井・人情編」の2タイプにわけて紹介しています。

感想・レビュー・書評

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  • とても面白かったです。
    文章に笑い過ぎて、読みたい本がたくさん増えました。大矢さんのセンス好きです。
    夢枕獏「陰陽師」(ごん、おまえだったのか)、中路啓太「獅子は死せず」、山田風太郎「警視庁草紙」、山本兼一「火天の城」、吉川永青「誉れの赤」「治部の礎」「裏関ヶ原」、馳星周「比ぶ者なき」、武内涼「妖草師」シリーズ…一周目で読みたくなったものだけでこれだけ。
    紹介されていた本はいくつか既読のものもありました。「戦国自衛隊」「城塞」「着物始末暦」は推します。「みをつくし料理帖」も。
    「司馬遼太郎はもはや宗教に近い」って激しく同感です。司馬史観=史実、みたいな…司馬遼太郎は小説、と書いてあってほっとしました。
    三国な天使のテーゼ、蒼天よ神話になれ!」はパワーワード過ぎてしばらく笑いました。
    図書館本ですが、書店で買って手元に置きます。
    あとがき…続編もあったらいいなぁ。

  • 488作品中、私が読んだことがあるのは50数作品でしたが、それで判断するに、彼女が面白いと思った本は私も面白いと思ったものがほとんどなので、多分このガイドは私的にははずれが少ないと思われます。
    なので、前のめりにリストに追加。

    特に、最近どっぷりハマっている幕末・明治についての作品を紹介した第三部は、私にとっては宝の山。
    章のタイトルで紹介すると
    『着いてるね、乗ってるね~飛脚と日本鉄道事始め』
    『萌え予見~女子がときめく新撰組小説』(なんて秀逸な章タイトル!)
    『奥州連合離脱~東北諸藩の戊辰戦争』(とっさに気づかなかったけど、これはイギリスの欧州連合(EU)離脱に引っ掛けていたんですね)
    『新徴組!~庄内藩の戊辰戦争』
    あたりに読みたい本がどっさりと。

    そのほかにも
    『それにつけてもおやじはヒール~真田昌幸の「最期」読みくらべ』
    「そして輝くウルトラ僧!~直虎だけじゃない尼城主』
    『三国な戦士のテーゼ~「三国志」冒頭読み比べ』
    『負けるは西だが後で勝つ~関ヶ原で動かなかった者たち』
    『世界の尾張とハードボイルド・ワンダーランド~藩邸のテーマパーク』
    『四百年と十年前から愛してる~築城に賭けた思い」
    『時をかける症状(後編)~SFで歴史を読むということ』
    などなど、章タイトルを読んでいるだけでもわくわくしますでしょう?

    学校で習う歴史は、一つ一つのできごとの名前と年号。
    でも、本当の歴史って、デジタルな点のつながりではなく、アナログな流れなのだと思う。
    ”歴史は断章ではない。連綿と続いている。だから面白いのだ。”
    全く同感。

    白虎隊についてすらほとんど知らなかった私。
    庄内藩の戊辰戦争なんて、全然知らなかった。
    会津と違って全戦全勝だった庄内藩。負けはしなかったけれど、同盟藩がことごとく負けてしまったのだから、これ以上戦っても無意味と戦いから降りたのだ。
    それに対して薩摩藩の戦後処理は、領地は安堵、藩主は隠居させられたが弟が家督を継いで家名存続。ほとんど罰せられなかった。
    これって、関ヶ原の時の、薩摩藩と同じだ。
    西軍で唯一領地を安堵された薩摩藩だからこそ、庄内藩にこのような対応ができたのではないか。
    対して、会津に対する長州の手厳しさは、関ヶ原の戦後処理で、吉川広家をだまし討ちにした形で中国地方のほとんどを取り上げたられた恨みは250年たっても消えなかった。
    まさに歴史は断章ではない。連綿と続いている。

    大いに満足して本を閉じたのだけど、ちょっとだけ。
    ちょっとだけ、いい?

    せっかく築城で一章設けたのだから、白井喬二『富士に立つ影』は入れて欲しかったなあ。
    築城家が主役の話って、なかなかないのだから。
    築城にも流派があって、現代のプレゼンよろしく城主の前で討論をして優劣を決めるのが、面白かったなあ。
    もちろんそれ以外にも人物設定や、物語の構成なども面白かったけれど。
    何しろ高校生の時、誕生日プレゼントとして友達に買ってもらった全7巻のうち、主人公が出てくるのが1巻の最後か2巻の最初か…そのくらい。
    死んじゃってからもしばらく話が続く、超大河小説。
    今はちくま文庫から全10巻で出ているらしいです。おすすめ。

    あと、これは児童小説なんだけど、伊藤遊の『鬼の橋』と『えんの松原』
    これは絶対入れて欲しかったなあ。
    大人でもなじみのない平安時代を舞台に、平安京という都市が持つ闇と、人の持つ業が、そして『えんの松原』では天皇家の持つ闇というか業というかしがらみまでもが、怖ろしく、恐れ多く、そして切なく迫ってくる、すっごくいい小説なの。

    あと個人的に気になっていることがあるのですが、妖怪と畏れられ忌み嫌われていた鳥居耀蔵が、いかにして宮部みゆき『孤宿の人』の加賀様のような人になったのかを書いた小説、誰かご存じないでしょうか?
    私の中では加賀様と鳥居耀蔵が全然つながらないのです。
    歴史は断章ではない。連綿と続いている…はずだよね。

  • ダジャレやツッコミを交えながら、歴史小説・時代小説を楽しく紹介してくれる本。特に三国志の読み比べが面白かった。けっこう著者の特徴が出るものだな。北方謙三のハードボイルド三国志が読みたくなった。
    紹介されている作家さんも大御所から最近の方まで幅広いので、いろいろ読んでみたい。

  • おかげで探書リストが増えました

  • やっぱり「時代小説」って言うと、戦国時代から江戸時代が1番人気があるから、圧倒的にそっちが多いけど、ちょこっとだけ王朝モノも紹介されています。あと、明治モノもね。
    ところで世は改元間近ですが、平成時代もいずれは「時代物」の対象になるんだろうねえ。

  • 大河ドラマ「真田丸」「おんな城主直虎」にはまってツイッターで盛り上がった人にぴったりな時代小説紹介ガイドと言えるのではないか?(はい、まさに私がその人)
    手帳片手に気になった本メモしつつ、ノリノリの文章にくすくす笑いながら楽しく読ませていただきました。

  • 2017年10月19日購入。

  • 買おうかどうか迷っていて、書店でサラッと眺めた結果、購入を決意。で、結構な期待を持って読んでみたけど、う~ん。基本的に本の本というか、オススメ特集みたいなものは好きだし、それを頼りに読むものを決めることが多いんだけど、本書から”是非読みたい!”と思った作品は、驚くほど少数でした。「次の一冊」を謳い文句にしているから、そもそものとっかかりの一冊を選ぶ向きには適していないってことなのかな。寒々しいギャグの数々はさておき、”是非ともこの作品を!”っていう、推薦者の熱意がいまひとつ伝わってこないのです。そこで思ったのが、そもそも本作のターゲットが自分みたいな層ではないのかも、ってこと。ある時代のある事件(人物でもいいけど)に興味が沸いて、じゃあ次ってなったとき、ある程度ネット環境に馴染みのある人なら自分で検索してしまいますもん。という訳で本作、ネットに疎い高齢者を対象としてるんじゃないかな。歴史・時代小説が好きな年齢層だし。きっとそうに違いない。でも、もともとはネットで連載されたものを纏めたものだっけ?あれあれ?

  • 「本の話WEB」での連載を楽しく読んでました。
    しかも主に職場で(←ダメだろ)

    小粋なジョーク(ダジャレ)と真面目な書評のミックス具合がちょうど良い。
    また、ちょいちょいぶっこまれてる「ガン○ム」ネタがうれしい。

    歴史・時代小説の入口を広げてくれる、入門オススメ基本ガイドブックだと思います。
    同郷の大分県人として、大いに推すものであります。

  • 【歴史・時代小説、読むものに困ったらこれを読め!】書店の店頭にあふれる時代小説、歴史小説。でも次に何を読めば? 時代小説を愛する書評家が傑作約五百作を楽しくオススメします!

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