利休の闇 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 74
レビュー : 13
  • Amazon.co.jp ・本 (361ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167909383

感想・レビュー・書評

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  • 利休と秀吉が道を違えた過程が描かれているけど、茶道具の描写も多くあまり興味が持てなかった。

  • 作者の加藤廣さん、初めから作家ではなく実社会で活躍の後、75歳から書き初め『信長の棺』での堂々たるデビュー、歴史小説家となられた由。

    読んではいませんがニュースは知っておりまして、ある政治家が愛読書とおっしゃっていましたね。

    つまり、退職後作家で​藤沢周平の『三屋清左衛門残日録』​の清左衛門の仕事を彷彿させます。
    しかも、この『利休の闇』お書きになったときは84歳になっていらした。
    この年齢に親しみを覚え、尊敬しますね。

    さて、「利休」はいろいろ小説に登場したり、たくさんの伝や論が書かれています。
    わたしも野上弥生子さんの『秀吉と利休』を読んでいます。
    ほとんど忘れていますから、比較ができないのが残念ですが・・・。

    茶の湯の師匠と尊敬していた利休を秀吉が、なにゆえに切腹を命じてしまうのか?
    これが作家の創作魂に火をつけるのでしょう。

    この本には「茶道とはどんなものか」も描かれています。
    茶道のたしなみのないわたしから見ると、七めんどくさい作法のような気がします。

    道を究めるのにも気質や出自も影響しますね、秀吉がだんだん離れていくのも道理かなと思います。
    それに利休が秀吉を嫌ったということもありそうです。嫌いは相手にすぐ響きます。

    これが加藤廣さんのたどり着いた利休の闇です。


    ​「最初に自分を取り立ててくれた―自分と同じ長身で眉目秀麗な―信長に対する憧憬。
    ​その対極として短躯醜悪な秀吉への軽蔑がなかったとは言い切れまい。」(347ページ)​


    人間臭ふんぷんのいやらしさです。本当は秀吉自身にこそそれがあるはずなのに。

    「断捨離」の見本のような茶室、静謐な空間と簡素な美。到達した簡素美への驕り。

    あの有名な
    庭中の朝顔のつるを全部刈り取ってしまい、茶室に一輪の青紫色の朝顔が露も滴るように活けてある床。

    映像を思い描いても、人間臭さがいいのか、到達した清澄がいいのか、凡人は迷います。

  • 秀吉と千利休。感情のもつれがよく分かる。現代でも大体こんなもん。

  • 今春に亡くなられた著者の渾身の作品。75歳で作家デビュー、信長の全ての謎を説いた男。

  • 利休目線の内容もありながら、最後の切腹に至る流れは全くなくあっさり終了。今までの利休のイメージとは少々違い、その説得力も感じられず。

  • 茶道をめぐる豊臣秀吉と千利休の諍いの物語。なんだか歴史の解説書を小説的な形に仕上げたような体裁で、ところどころに筆者の解説が入ったり、「現代で言えば・・・」といった記述が目に付いてしまったのが残念。

  • 確かに利休は独善的すぎたかもね。世界観も含め。

  • 出世欲があり、女好きで、人間臭い利休を描いた作品。秀吉と利休の茶道への考え方の違いを教えてもらえる。

  • 秀吉も悪いが利休も悪い!

    先月、新刊の平積みの本として目に入る。帯の『利休は何故切腹したのか?』が何故か引っかかり購入した。


    本書を読み千利休のイメージが変わった、後書きにも書かれているが、日本人特有の判官贔屓により傲慢な成り上がりの秀吉に利休が切腹を命じられた事で理由はどうあれ秀吉悪の利休善と思ってしまう。しかし本書を読むと一概にそうとも言えない。


    何れにしても晩年の利休と切腹を命じた秀吉の二人ともに出逢った頃の茶を思い出して欲しかった・・・


    何事もルールやマナーなど概念的なものを規則化し文章化してしまうと、解る人には解りやすく、興味を持たない人を遠ざけてしまうのでは?と思った。
    千利休の功名心により茶道は一歩、民衆から遠い物になってしまったような気がします。


    因みに作中に登場する利休の妾の琉球女とは花の慶次のリサのお婆さんでしょうかね。
    本当にいたんだ!?と思いました。

  • 喫茶が 茶道へ
    最高の内容 素晴らしい 秀吉像と 利休像

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著者プロフィール

加藤 廣(かとう ひろし)
1930年6月27日- 2018年4月7日
東京都生まれ。東京大学法学部卒業後、中小企業金融公庫(現日本政策金融公庫)に勤務し、調査部長などを歴任。山一証券経済研究所顧問、埼玉大学経済学部講師を経て経営コンサルタントとして独立し、ビジネス書執筆や講演活動を行う。
50歳頃から、人生を結晶させたものを残したいと考えるようになり、歴史関係の資料類を収集。2005年、『信長の棺』で作家デビュー。当時の小泉純一郎首相の愛読書との報道があって一気にベストセラーになり、高齢新人作家としても話題になった。のちに大阪経済大学経営学部客員教授も務めた。
『秀吉の枷』『明智左馬助の恋』を著し、『信長の棺』を含めて本能寺3部作と称される。ほか『水軍遙かなり』、『利休の闇』。その一方で『戦国武将の辞世 遺言に秘められた真実』、『意にかなう人生 心と懐を豊かにする16講』など歴史エッセイや教養書も刊行を続けていた。

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