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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784167909444
作品紹介・あらすじ
池波正太郎生誕100年企画として、
歌舞伎界の大看板・松本幸四郎を「鬼平」こと長谷川平蔵役に迎え、
映像化、ドラマ化。
「鬼、新時代。」が始まります!
21世紀の国民的時代小説ともいえる
「鬼平犯科帳シリーズ」全24巻の【決定版】は、
カバーデザインも見どころで、
全巻揃うと圧巻の広重の世界となります。
シリーズも終盤をむかえつつある20巻は「おしま金三郎」「二度ある事は」「顔」「怨恨」「高萩の捨五郎」「助太刀」「寺尾の治兵衛」の全7篇を収録。
平蔵の会話に、「当代、まれに見る名人であった」とあの秋山小兵衛が登場したりと、著者の遊び心が随所に窺える。
感想・レビュー・書評
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この巻では「盗賊の仁義を守り、隠居した盗賊」のその後の身の振り方が印象的でした。時効とかないだろうから、身元が割れたら捕縛されたり財産没収されたりする。しかしそれを覚悟で盗賊やっていたり、また鬼平と仁義でつながることもある。
もちろん盗賊はやってはいけないことですが、物語として読むと仁義を守る盗賊たちは隠居したら穏やかに暮らしてほしいなあって願ってしまいますよね。
あと、時代柄しょうがないんですが、池波正太郎の「女ってのは…」の価値観が現れていて、女の私としては複雑(-_-;)
『おしま金三郎』
今は小さな飲み屋の主人松波金三郎は、かつて同心として鬼平のもとで働いていたが、手段を選ばない探りの方法が問題視されて放逐されていた。
その松波金三郎のもとに元盗賊一味の引き込み役「おしま」が訪ねてくる。
松波金三郎は、同心だった頃に小柳安五郎とともに日陰の長右衛門一味を捕らえるきっかけを作った。その時に利用したのがおしまだった。おしまは「あのときの生き残りが小柳同心の命を狙っている」という。だがこの女を信じてよいのか。
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時代柄しょうがないんだろうけど、池波正太郎の「おんなというものは…」の決めつけがちょっと気にはなる…
『二度ある事は』
元勘定方で今では市中見回りに取り立てられた細川峯太郎は、逢引き現場を二度も鬼平に見つかっている。その浮ついた心根をきつく叱られたために大人しくしていたが「二度ある事は…」である。
そっとかつての逢引き相手の様子を見に行った細川峯太郎は、怪しい老人を見かける。実は老人は引退して眼鏡師になった盗賊の市兵衛だった。
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名物同心で、木村忠吾からも「最近の長谷川様のお気に入り」と嫉妬されてる細川峯太郎ですが、やっぱりまだまだ考えが甘かったですね。
そして引退しても盗賊仕事から離れられない盗賊の身の振り方、一度盗賊になった者の覚悟も書かれます。
『顔』
市中見回りに出た鬼平は、死んだはずの道場の先輩井上惣助を見かけた。道場長が跡継ぎにとも望んだほどの腕利きだが、家を継ぐために道場を辞め、だが不始末のため切腹を申し付けられ家も断絶した井上惣助。死んでいなかったのか?
あとを探る鬼平は、井上惣助が浪人たちに襲われる現場を見る。かつてあれほどの腕利きだった井上惣助なのに、あまりに情のない逃げっぷり。やはり彼は井上ではないのであろうか…。
『怨恨』
大滝の五郎蔵は今は鬼平の密偵だが、かつては盗賊の頭であり、仁義の人として盗賊たちからも慕われていた。大滝の五郎蔵は大切な情報源がある。隠居した元盗賊の老人、桑原の喜十だ。その桑原の喜十の元に、見知りの老盗賊・今里の源蔵が訪ねてくる。大滝の五郎蔵へも、今里の源蔵へも義理を立てる桑原の喜十は…。
『高萩の捨五郎』
鬼平の密偵の中でも、相模の彦十は鬼平が若く無頼漢だった頃からの知り合いだ。その相模の彦十は馴染の老盗賊・高萩の捨五郎を見かけた。後をつけた鬼平は、高萩の捨五郎が通りすがりの百姓親子を助けて大怪我を負った現場に助けに入る。高萩の捨五郎は昔なじみの相模の彦十と、その連れ合いである鬼平にすっかり気を許してある使いを頼む。
『助太刀』
こ・れ・は!池波正太郎の「まったく女というものは」という観念が現れていて、女の私としてはひじょーーに複雑ではある(-_-;)
鬼平は男女の揉め事を目にした。なんと男は若い頃に知っていた横川甚助ではないか。横川甚助は、鬼平や今は与力の岸井左馬之助が通っていた道場の金を持ち逃げしたことがある。まったくどういう暮らしをしているのやら。
横川甚助に声をかけてみると、今ではお峰という女と夫婦のような暮らしをしているらしい。そのお峰から「母を殺した市口又十郎を討って欲しい。謝礼はする」と声をかけられてからの関係らしい。
だが市口又十郎の様子を覗いてみたらたいそう強そう。横川甚助はこっそり逃げようとしていたのだった。
鬼平は横川甚助に「喝!!」を入れて、いざとなったら俺が助太刀してやるから、と言って市口又十郎のところに向かわせる。
『寺尾の治兵衛』
鬼平の密偵となった大滝の五郎蔵は、かつては多くの手下を率いて昔気質の仁義を守る盗賊の頭だった。いまでも昔気質の盗賊たちからは「最近は血を見る盗みばかりで嫌になる。大滝の五郎蔵親分のような方のもとでまた働きたいものだ」と言われるくらいだ。
その大滝の五郎蔵に声をかけてきた者がいる。口合人(盗賊のお頭に、一人働きの盗賊を斡旋する)の寺尾の治兵衛だ。寺尾の治兵衛は引退前に、今度は自らが指揮を取る大仕事を計画している。その仕事にぜひとも大滝の五郎蔵に力を貸してほしいというのだ。
密偵としてその申し出を受けた大滝の五郎蔵は鬼平とともに、寺尾の治兵衛の盗みの計画を進めてゆき…。
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もちろん盗みは絶対ダメなんだけど、寺尾の治兵衛があまりにも大滝の五郎蔵と、彼から紹介された鬼平(浪人のふりをしている)を信じ切っているために、盗賊の計画が全部バレまくってるのでなんだか痛ましくさえ…(-_-;)
密偵って、ここまで自分を信頼する者を裏切ることでもあるんだよなあ。
最後は、うん、まあ、切ないですがこれが一番良かったのだろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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おしま金三郎
二度ある事は
顔
怨恨
高萩の捨五郎
助太刀
寺尾の治兵衛
▼若手の細川峰太郎さんという同心が活躍?する話が多い。だらしない点も含めて木村忠吾の焼き直し感があり、悪くはないが、それほどでもないというのが自分の好みです。
▼この巻は特に、「女性蔑視」 「ミソジニー」的な言及が多かった印象で、それはやっぱりどっちかという減点な印象になってしまいますね。仕方ないしのですが。 -
『寺尾の治兵衛』泣けた…
やはり、正統派の盗賊って素敵です(雲切仁左衛門ファンとしては)
ひさしぶりにお熊婆さんも登場して、何だか嬉しかった -
鬼平さんの部下の方々には、若くて人間がそれほどできていない人もいるんだけど、みんな怒られて悔しがっても、自分の能力が足りないためだと反省できるし、逆恨みしないから良いと思いました。
今はすぐにすねて逆恨みするタイプが多いから、成長できずにオヤジやオバサンになる人が増えちゃって、社会の損失だと思いました。
……な~んて思いながら、今回も読了!
似たような話も多いけど、ある意味、読み捨てに出来る気楽さが良いんだろうなぁ。 -
※2008.6.22読書開始
2008.7.3までに読了 -
肴は豆腐一品のみの、味も素っ気も無い居酒屋、店の亭主は以前、火付盗賊改方同「心をつとめていた金三郎。の「おしま金三郎」ほか、「二度ある事は」、「顔」、「怨恨」、「高萩の捨五郎」、「助太刀」そして、「当代、まれに見る名人であった。」と平蔵の会話にあの「剣客商売」の秋山小兵衛を登場させたりと、著者の遊び心が随所にうかがえる。
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池波正太郎の連作時代小説『決定版 鬼平犯科帳〈20〉』を読みました。
池波正太郎の作品は先日読んだ『決定版 鬼平犯科帳〈19〉』以来ですね。
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女は、いきなり甚助へつかみかかり、「何をしゃあがる」立ちあがった甚助に突き飛ばされると、「か、敵討ちの約束がまもれぬなら、わたした金を返せ、返せえ!!」白眼をつりあげて叫んだ。
逃げ廻る甚助に旧知の平蔵は助太刀をするが、事は意外な方向に展開して行く。
女心の奇妙さに、さすがの鬼平も苦笑い。
花も実もある鬼平の魅力──「助太刀」。
ほか「おしま金三郎」「二度あることは」「顔」「怨恨」「高萩の捨五郎」「寺尾の治兵衛」の全七篇収録。
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文藝春秋が発行する月刊娯楽小説誌『オール讀物』に1979年(昭和54年)8月号から1980年(昭和55年)5月号に連載された後1991年(平成3年)に刊行された作品……実在の人物である火付盗賊改方長官・長谷川平蔵を主人公とする捕物帳、鬼平犯科帳シリーズの第20作です。
■おしま金三郎
■二度ある事は
■顔
■怨恨
■高萩の捨五郎
■助太刀
■寺尾の治兵衛
肴は豆腐の一品のみの、味も素っ気もない居酒屋が麻布にある……その夜、訪ねてきた女が「小柳安五郎が殺されても、いいのかえ?」といって、帰った、、、
店の亭主は、以前、火付盗賊改方同心をつとめていた金三郎であった。(「おしま金三郎」)。
ほかに「二度あることは」「顔」「怨恨」「高萩の捨五郎」「助太刀」「寺尾の治兵衛」の全7篇を収録。
テレビドラマでもお馴染みの鬼平犯科帳シリーズ……原作となる小説も面白いです! 本作品の収録作では、
同心・細川峯太郎は父母の墓参りに行った際、平蔵から叱責される発端となった情事の相手お長のことが忘れられず、ついついお長が働く茶屋へ足が向いてしまうが、そこで偶然、怪しい人物を見かけて尾行し、アジトを見つけるが、お長への想いを断ち切れないことを平蔵に気付かれたくなく、正直に報告することができない……木村忠吾に代わるいじられキャラの細川峯太郎の行動により事件は思わぬ方向に転がる『二度ある事は』、
高杉銀平道場に平蔵と岸井左馬之助をも凌ぐ剣士・井上惣助という男がいた……井上惣助は何らかのお咎めを受け、切腹したはずであったが、平蔵は、その井上惣助を見かけ興味をそそられ調べを始める『顔』、
農家の子どもが木の上から放尿したところ、通りかかった侍に尿が降りかかってしまい、侍たちが子どもと父親の農夫を斬りつけようとしたところへ、盗賊・高萩の捨五郎が2人を助けようと飛び出し、侍に斬りつけられてしまう……それを見ていた密偵の彦十と平蔵が、侍を蹴散らし、高萩の捨五郎を助けたことをきっかけに、盗賊・籠滝の太治郎の計画が明らかになる『高萩の捨五郎』、
平蔵は剣客・橫川甚助がお峰に追いかけられているところに出くわす……橫川甚助はすでに剣客としての腕は鈍っているのだが、お峰に敵討ちを約束しており、いつまでも腰を上げない橫川甚助にお峰が激怒していたのだ! その敵討ちは成功するのか? 女の逆恨みの恐ろしさを描いた『助太刀』、
が印象的だったかな……連作短篇のカタチを取っており、1篇ずつでも愉しめるのですが、それぞれの短篇が繋がって大長篇としても読める構成なので、順番に読み進めると大河ドラマ的な愉しみがありますね。
平蔵を取巻く登場人物の存在感も幅広く、関係性も濃くなり、それぞれの人間味に深みがでてきて、巻が進むに連れてどんどん面白くなっていきますね……第21作以降も順次、読んでいこうと思います。 -
各エピソードと、過去に登場したキャラクターの接続がうまい。
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内容(「BOOK」データベースより)
肴は豆腐の一品のみの、味も素っ気もない居酒屋が麻布にある。その夜、訪ねてきた女が「小柳安五郎が殺されても、いいのかえ?」といって、帰った。店の亭主は、以前、火付盗賊改方同心をつとめていた金三郎であった。(「おしま金三郎」)。ほかに「二度あることは」「顔」「怨恨」「高萩の捨五郎」「助太刀」「寺尾の治兵衛」の全七篇を収録。 -
ヤンチャでお茶目な鬼平もイイ
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おしま金三郎
二度ある事は
顔
怨恨
高萩の捨五郎
助太刀
寺尾の治兵衞
決定版になって字が大きくてびっくりする!あと振り仮名が多くて読みにくい。(しかも新装版と振り仮名が違うところある)
「二度あることは」同心 細川に二度あったことといえば。
「怨恨」磯部の万吉が再登場。元盗賊 粂原の喜十に振り回される五郎蔵がおまさにからかわれていて面白い。
「高萩の捨五郎」相模の彦十が高萩の捨五郎を見つかる。久しぶりに本格派の盗賊。 -
「おしま金三郎」、「二度あることは」「顔」「怨恨」「高萩の捨五郎」、「助太刀」、「寺尾の治兵衛」の七編を読了。
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【鬼平決定版シリーズ終盤突入、名人芸とはこのことである】「当代、まれに見る名人であった」と平蔵の会話にあの秋山小兵衛が登場したりと、著者の遊び心が随所にうかがえる。これぞ円熟!
著者プロフィール
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