ほんとうの花を見せにきた (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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レビュー : 14
  • Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167909567

感想・レビュー・書評

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  • 感受性が豊かで、ガラスみたいに透き通って繊細な時期に出会っていたかった、そういう作品。

    私はもう大人で家庭だって持ってて社会人としての経験も人並み…以下かもしれないけどあるわけで、そういう立場の大人が読むと、物足りなさやいわゆる寒さを感じかねない作品ではあった。

    けれどもし私が10代で、傷ついていたあのころに読んでいたなら、この作品はかけがえのない物語となって心に残ったと思う。
    愛とは何か、この作品に教えてもらうことができたのだろう。

    大人なので、このスケールの物語ならもっと長く濃密な形で読みたかったなあと思ってしまった。でももっと年を取る前に読めてよかった。

  • 止まった時間と進み続ける時間が重なる瞬間を小説に捉えた話。
    直木賞の授賞式で桜庭一樹自身が言った言葉が、その感覚が、切なさと心地よさと懐かしさを引き出し魅力となっていると思う。
    全力で愛して、無垢なまでのその愛情は他人を裏切りながら続いていく。それでもあまりの無垢さに裏切りさえも受け入れられていくように感じる。

  • 生きるって心が動くこと
    儚いものに人は美しさを感じる
    だからこそ人生も美しいとされる
    限りがあるからこそ生まれる尊さ
    死なないわけではないけれど、時が止まったように生き続けなければバンブー
    人間とは対照的のように描かれるバンブー存在のおかげで、人間の愚かさ、無知の恐ろしさ、忘れてしまうことの虚しさが浮き彫りになったと思う
    でも、大切なのは種族の違いなんかじゃなくて、相手を知ろうとする気持ちなのではと感じた

    素敵でした

  • バンブーって純粋な生き物だなぁと思った。

    何だか切ない話だったけど、生きることが大変で、嫌になったとしても、火は消してはいけないんだよね。

    それにしても、切なかった!
    ただ、梗ちゃんが最後に愛してるを伝えられて良かった。

  •  桜庭一樹の他の作品と比べると、けっこう切れ味が鋭いなあ、というのが最初の印象。全編通して“生死”が関わってくるから、それも納得かもしれない。

     大きく分けると3編の物語が収録されてるけど、どれも後味が違う。それぞれ過去作に似たものを感じるようで、でも新鮮さもある。
     例えば『伏』が好きな人は『あなたが未来の国に行く』(3編目)も好きかも…いや、どうかな?とおもって両方を読み直してたらキリが無くなったので、この辺りで筆を擱きます。

  • 残酷な童話のような作品。胸がきゅっと苦しくなり、切なく悲しい、でも美しく暖かい、なんとも不思議な作品でした。

    短編作品のオムニバスになっていますが、一作目と二作目の繋がりが物凄く好きです。

  • のっけから残酷なシーンで始まり、ファンタジー要素を絡ませながらも容赦ない情景があって、ちょっぴり切なくなる...。
    三篇から構成されていますが、最初の『ちいさな焦げた顔』から表題作の『ほんとうの花を見せにきた』が良い。
    ただ桜庭作品に馴染みが無い方には理解できないかも。

  • この小説を書き始めた頃、
    著者は久しぶりにまた犬を飼い始めていて、

    人間の目から吸血鬼を見たら、ずいぶん寿命の長い、変化しない生き物に見えるだろうなというところから本作に繋がったらしいのです。

    確かに人間から見た不死のバンブーという存在は
    それはそれで大変だなぁと思わせるところもあるわけで
    死ねない辛さという人間が勝手に想像する難しさとそうでないところと。

    時間軸が違うからこその邂逅が
    ずっと一緒にいることはできないからこそ
    小さな思い出を小さな幸せとしてではなく
    1つ1つ積み上げることも大切だなぁと。

    バンブーの大罪である
    人間と暮らすということがなぜそうなったかも
    最後の章を読むとより胸が苦しめられます。

  • ずっと読みたかった一冊。ハードカバー版の方がイメージに合っているけれど、読み終わったらそれも気にならなくなるくらい、いい一冊。泣いちゃった。こころがあたたかい。
    2018.01.10

  • 読んでいて涙が出た。ちょっと切ないファンタジ。桜庭作品は何冊か読んでいるが,こういう作品も描けるのかと驚いた。
    あらすじ(背表紙より)
    中国の山奥からきた吸血種族バンブーは人間そっくりだが若い姿のまま歳を取らない。マフィアによる一家皆殺しから命を救われた少年は、バンブーとその相棒の3人で暮らし始めるも、人間との同居は彼らの掟では大罪だった。禁断の、だが掛けがえのない日々―。郷愁を誘う計3篇からなる大河的青春吸血鬼小説。

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著者プロフィール

桜庭 一樹(さくらば かずき)
1971年、島根県生まれの小説家。
1999年「夜空に、満点の星」で第1回ファミ通エンタテインメント大賞小説部門佳作を受賞しデビュー。
『赤朽葉家の伝説』で第60回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編部門)、『私の男』で直木賞を受賞。他の代表作に『GOSICK -ゴシック-』『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』『赤朽葉家の伝説』などがある。
ゲームのノベライズやライトノベル作品や、山田桜丸名義でゲームシナリオを手がけるなど幅広く活躍している。

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