鬼平犯科帳 決定版(二十三) 特別長篇 炎の色 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2017年11月9日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784167909659

作品紹介・あらすじ

池波正太郎生誕100年企画として、
歌舞伎界の大看板・松本幸四郎を「鬼平」こと長谷川平蔵役に迎え、
映像化、ドラマ化。
「鬼、新時代。」が始まります!

21世紀の国民的時代小説ともいえる
「鬼平犯科帳シリーズ」全24巻の【決定版】は、
カバーデザインも見どころで、
全巻揃うと圧巻の広重の世界となります。

第23巻は、平蔵の身辺に大きな変化あり。
謹厳実直で温厚な人格者であった平蔵の亡父・宣雄の隠し子が出現。平蔵は、腹違いの妹・お園を妙に気に入り、お園のためにひと肌脱ぐ(「隠し子」)。
そして特別長篇「炎の色」では、二代目の首領を継いだ女盗賊・お夏に気に入られた密偵おまさと、平蔵の役宅で働くようになったお園、平蔵の配下の女性二人の活躍がめざましく、ときに妖しい。
お園の出現に、新たなる物語の始まりの予感。

みんなの感想まとめ

物語は、主人公・平蔵の身辺に訪れた変化を中心に展開します。平蔵の亡父の隠し子である妹・お園の出現や、女盗賊・お夏との絡みが新たな物語の幕開けを感じさせ、読者を引き込む要素が満載です。特に、平蔵の周囲で...

感想・レビュー・書評

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  • ▼一冊丸ごとの特別長編「炎の色」。なんですが、大まかは前半と後半で二つの話。
    そして、個人的には「鬼平」「剣客」の特別長編の中でいちばん好きでした。
    (「梅安」は割とすぐに、シリーズそのものが連作短編ではなくなるので、ちょっとカテゴリが違いますね)



    ▼前半は、「鬼平に、今まで知らなかったが、腹違いの妹がいた」というお話。

    (以下ネタバレ)




    ・古老が妹がいることを告げに来て
    ・その妹は男勝りに居酒屋をひとり切り盛り
    ・その妹に悪い奴が絡んできたので
    ・鬼平が助けて自家の女中さんにしてあげる(「妹」とは明かさない)

    というのが前半です。

    ▼後半は、よくあるパターンですが、きっかけは「密偵おまさ」です。

    (通読してみて分かるのは、つまり池波さんは「おまさ」が大好きでたまらないということですね。真田太平記の「お江」と同じで、脇役なんだけど、作者愛情的には完全にナンバーワンです)

    ・おまさがかつての盗賊仲間に声をかけられて
    ・当然、まだ現役の盗賊のふりをして仲間に入り
    ・そこからじわじわ鬼平たちが調べて、最後はみんなお縄にしました

    というよくあるパターンなんですが、趣向があって。

    ・女性の、盗賊首領が出てくる。それがまだ色気のあるイイ女で、
    ・その女盗賊がどうやら同性愛者で、おまさに惚れて良い寄る。

    という趣向です。

    それからもう一つの趣向は、

    ・この後半の事件で、前半に出てきた「鬼平の妹」が、盗賊改めの一員として活躍する。
    ・そして盗賊改めのレギュラーと添うことになる。

    というもの。

    ▼この二つの趣向以外は、実は連作短編の世界観とあまり変わりません。そこが個人的には「いちばん好き」な理由だと思います。

     なぜだか、「鬼平」も「剣客」も、特別長編になると、悪役がものすごく強く、凶悪になる(笑)。
     従って、ひとがいっぱい死ぬ(笑)そうぢゃないと「悪役強いぞ」感が出ない。
     そして主人公にとにかく死の危険が押し寄せる(笑)。

    ▼というのがパターンで、なんかこう、「暢気さ」みたいなものが無くなりますね。でも実は池波さんの勧善懲悪ヒーローものは、その「暢気さ」が大きな魅力のひとつなのです。だって、少なくとも悪い奴と肉体的に戦う段になれば、「絶対負けない、絶対死なない」のだから(笑)、リアリズム的なストレスとは無縁で、それが魅力。

    ▼「梅安」の場合はちょっと違いますが。主人公そのものが、ときには罪のない人でも殺してしまうという「殺し屋稼業」なので、そこの胃のもたれ具合はあります。だから、あんまり分量を書けなかったんぢゃ無いかと。まして、途中から完全に連作短編では無くなり、「殺し屋から足を洗おうとする梅安と、それを許さない闇社会」のやりあいになってしまう。つまり「カムイ外伝」方式とでも言いますか。

    ▼というわけで、「炎の色」はそのあたりのバランスが程よかったです。そして、女盗賊首領のキャラも楽しくて。捕まらずにこの話は終えているので、池波さんが生きていたら、きっと「新宿鮫シリーズ」の「悪役・仙田」みたいに、彼女であと何冊か書いてたんだろうなあ。

  • 平蔵の差配が神がかっている。

    ただ、浪人の丹羽庄九郎の絡みがちょっと唐突感あった。あと岸井左馬之助や息子の辰蔵の活躍も丁寧に書かれているともっと良いのにな、と。

    おまさと因縁がついた登場人物は今後への伏線?

  • 後味スッキリ!
    と思いきや、お夏だけが気になります。
    本当にどうやって、逃げたのでしょう?
    おまさか!?とも思ったけど、そこは書かれていなかったし、平蔵さんなら見破るはずなので、お夏はお夏なりの勘が働いたのかな?
    荒神一味を乗っとる計画もあったし、初蔵を警戒したのかもしれない。

    あと1冊で終わり
    鬼平ロスが近づいている…

  • 鬼平に⚪︎がいた!?
    密偵おまさが⚪︎⚪︎に目覚める?

    いつもの面白さにさらなるキャラが登場!

  • お夏の、その後が気になるな

  • 「隠し子」23巻にして濃いキャラクターが初登場。まさか平蔵に異母兄弟がいたとは。肝の強さは平蔵と似ている。「妹め、…」と言うのは新鮮。

    「炎の色」平蔵の妹 お園が早速活躍。お園が父と似ているところがあったり、小柳への片想いを平蔵が見破ったり…。お園と小柳の今後の話をもっと読みたかった。
    ところで、おまさは荒神のお夏に好意を抱いていたんだろうか。こちらも続編が気になる。
    今回の長編は前巻ほど重たくなく、平蔵の采配や勘ばたらきが冴えていてスイスイ読めた。残り1巻というのが本当に惜しい。

  • 池波正太郎の連作時代小説『決定版 鬼平犯科帳 特別長篇 炎の色〈23〉』を読みました。
    『新装版 鬼平犯科帳 特別長篇 迷路〈22〉』に続き、池波正太郎の作品です。

    -----story-------------
    夜鴉が無気味に鳴くのを聞いた翌日、おまさは旧知の盗賊・峰山の初蔵に声をかけられた。
    「頼みがある。荒神の二代目に力をかしてもらいたい。
     二代目は女だ。先代の隠し子さ」
    ―荒神の先代にかわいがられたおまさの心が騒いだ。
    …平蔵の亡父の隠し子と盗賊の隠し子がからんで、事件のいとは段々ほぐれて行く。
    期待の長篇。
    -----------------------

    文藝春秋が発行する月刊娯楽小説誌『オール讀物』に1984年(昭和59年)12月号から1987年(昭和62年)1月号に連載された後1993年(平成5年)に刊行された作品……実在の人物である火付盗賊改方長官・長谷川平蔵を主人公とする捕物帳、鬼平犯科帳シリーズの第23作です。

     ■隠し子
     ■炎の色
      ・夜鴉の声
      ・囮
      ・荒神のお夏
      ・おまさとお園
      ・盗みの季節
      ・押し込みの夜

    テレビドラマでもお馴染みの鬼平犯科帳シリーズ……原作となる小説も面白いです! シリーズ23作目は短篇『隠し子』と4作目の長篇『炎の色』が収録されており読み応えがありましたね。

    謹厳実直な亡父・長谷川宣雄の隠し子が出現……平蔵は、腹違いの妹・お園を妙に気に入り、お園のためにひと肌脱ぐ(「隠し子」)、、、

    夜鴉がしきりに鳴いた翌日、おまさは旧知の盗賊・峰山の初蔵に声をかけられる「新しい荒神のお頭を手伝ってもらいたい。2代目は女だ。先代の隠し子さ」……2代目の首領を継いだ女盗賊・お夏に気に入られた密偵おまさと、平蔵の役宅で働くようになったお園、平蔵の配下の女性2人の活躍がめざましく、ときに妖しい(「炎の色」)、、、

    お園の出現に、新たなる物語の始まりの予感。

    平蔵の亡父の隠し子・お園、そして女盗賊・荒神のお夏という新しい女性像が物語を揺さぶり、密偵おまさの存在感も際立つ作品でした……この3人の女性キャラクターが物語の中心に据えられていることが特徴で、お園の明るさ、お夏の妖しさ、おまさの揺らぎ、という三者三様の炎の色が重なる展開が印象的でしたね、、、

    特にお夏の存在感は強烈で、おまさが彼女に惹かれ、善悪の境界が曖昧になる瞬間があり、そこに人間の感情の複雑さを感じましたね……面白かったです。

    平蔵を取巻く登場人物の存在感も幅広く、関係性も濃くなり、それぞれの人間味に深みがでてきて、巻が進むに連れてどんどん面白くなっていきますね……残りは最終作の第24作を読もうと思います。

  • 字が大き過ぎ

  • 池波正太郎鬼平犯科帳シリーズの19巻
    池波正太郎にハマったので仕方ない(^^;;;
    読み始めると止まらないシリーズもあと1巻
    最後まで読み続けます。

  • 1 長編 ○

  • 特別長編、炎の色。
    亡父の隠し子、平蔵の妹が出現する。いろいろ苦労してきた身の上であるが、さすがに平蔵の妹、度胸はすわっていて、早速に平蔵の手助けとして、潜入する働きを見せる。
    おまさが、旧知の盗賊のお頭に声をかけられたのを、きっかけにして、一網打尽にすべく、探索がはじまる。怪しい魅力の女盗賊のお頭、お夏も登場する。
    江戸情緒に、どっぷりと浸れる池波正太郎先生の名作。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    謹厳実直な亡父・長谷川宣雄の隠し子出現に、平蔵は苦笑い(「隠し子」)。夜鴉がしきりに鳴いた翌日、おまさは旧知の盗賊・峰山の初蔵に声をかけられる。「新しい荒神のお頭を手伝ってもらいたい。二代目は女だ。先代の隠し子さ」。先代の助太郎親分を思い、おまさの心が騒ぐ(「炎の色」)。二人の隠し子登場で、新たなる物語が始まる。

  •  二人の隠し子が登場する「鬼平犯科帳 23」(2017.11)、隠し子と炎の色。平蔵の父の隠し子、平蔵の腹違いの妹、お園が登場。30歳で男知らず、男勝りで彫りの深い大柄な女性が大活躍! 鬼平犯科帳、ぐっと盛り上がりました(^-^) 平蔵の計らいで、妻子を亡くし剣に生きるダンディな小柳安五郎と一緒になるのでしょうか~w!

  • いよいよ鬼平犯科帳も終盤、「特別長編 炎の色」は平蔵の謹厳実直な亡き父・長谷川宜雄の隠し子出現から始まり、おまさが大活躍し、彼女の心を騒がさせるストーリーで大展開する。大作です。

  • 特別長篇『炎の色』
    &この人間関係の前提として、鬼平さんの半分血の繋がった妹であるお園さんを登場させた短編の『隠し子』が収録された1冊。

    リリーな盗賊のお頭が登場し、密偵のおまささんの心も妖しく揺れてしまう…なんてお話だったけど、男性が好きそうな百合モノって感じがちょびっとしました。

    それよりも最後に亡くなった奥さん一筋だった小柳さんが…。

    やはり周りのお膳立てがあれば、ムリそうな恋愛も成就するし、それなりに顔を合わせる機会を多く持たせて接近させるってのは男性をゲットするのに有効なのだな…と思いました。

  • 【鬼平決定版、新たなる物語の始まりの予感】謹厳実直な亡父に隠し子がいた。衝撃の事実と妹の存在を知り、平蔵はひと肌脱ぐ。一方、おまさは女盗賊に気に入られ、満更でもない。

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著者プロフィール

大正十二(一九二三)年一月二十五日、東京市浅草区聖天町生まれ。昭和十(一九三五)年、下谷区西町小学校卒業、株式仲買店勤務。昭和十四年より三年ほど証券取引所にあった剣道場へ通い、初段を得る。旋盤機械工を経て昭和十九年、横須賀海兵団入団。敗戦の翌年、東京都職員として下谷区役所の衛生課に勤務。昭和二十三年、長谷川伸門下に入る。昭和二十五年、片岡豊子と結婚。昭和二十六年、戯曲「鈍牛」を発表し上演。新国劇の脚本と演出を担当する一方、小説も執筆。昭和三十年、転勤先の目黒税務事務所で都庁職員を辞し、作家業に専念。昭和三十五年、『錯乱』で直木三十五賞受賞。『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』の三大シリーズや『真田太平記』等、数々の小説で人気を博す一方、食や映画、旅に関する著作物も多く上梓した。受賞歴はほか吉川英治文学賞、大谷竹次郎賞、菊池寛賞等。平成二(一九九〇)年五月三日、入院していた東京都千代田区神田和泉町の三井記念病院で死去。小社では同じく単行本未収録のエッセイ集『一升桝の度量』(二〇一一)と初期戯曲集『銀座並木通り』(二〇一三)を刊行している。

「2022年 『人生の滋味 池波正太郎かく語りき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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