伶也と (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2017年12月5日発売)
3.67
  • (6)
  • (8)
  • (11)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 106
感想 : 17
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784167909765

みんなの感想まとめ

結末から始まる大胆な構成が特徴のこの作品は、40年にわたる一人の男性への愛と、その愛がもたらす人生の深淵を描いています。主人公の直子は、人気絶頂の伶也を支え続け、彼の堕落を見守ることで、愛の本質や幸せ...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 出だしで結末を描くという大胆な構成と、そこに向かってひた走る物語に引き込まれ、あっという間に読み終えた。40年も1人の男を愛し続けることができるというのは、とても想像できないが、こんな人生もありだよね、と思える一冊でした。

  • 伶也が人気絶頂のところから、どんどん堕ちていってダメになっていく様はある意味あるあるなんだけど、読んでで全然飽きないし、ラストがわかっていながらも楽しめた。

    雲の上の人だった伶也が最後どんな姿になろうと、自分が看取ることが出来た直子は、幸せな気持ちで人生を終えられたと思う。

  • 71歳の直子と64歳の伶也が餓死死体で発見されるシーンから始まります。なかなか衝撃的です。どうしてそんなことになったのか、40年にも渡るファンとミューシャンの物語です。
    あらすじで想像しているのと相当違いました。狂信的なファンの話か、ファンに付け込むクズな話かと想像していました。
    ファン心理というのは僕にはわからなくて、どんなに好きな芸能人でも心を全部持っていかれるような事は無いし、何十年にも渡って変わらず好きでいられるというのは凄い事です。
    直子は初めてみたゴライアスというバンドの伶也に魅了され、なんと伶也と親しくなって長きに渡ってバンドの相談役みたいな立場になっていくのですが、荒唐無稽と感じるのは確立の問題であって、そのバンドが好きで一生懸命ファンやっているうちにスタッフになるって意外とある気がします。
    そして伶也がそれを利用しているのかといえばそんな事は無く、心の弱さはあれど基本嫌な奴では全くないんです。この心の弱さが転落の原因なんですけどね・・・。
    71歳になるまで40年間も思っているって異常な感じがしますけど、最後まで読むと幸せってなんなんだろうかと深いため息が出る。そんな物語でした。

  • なんとなく想像してた恋愛小説を軽く超えていきました

    見返りを求めず、全てを投げうってでも相手に尽くせるのってすごい
    究極の愛だと思うけど、好きだからって誰でも出来るものではないし直子は伶也を愛する才能があったんだと思います

    結末が冒頭で明かされているので、直子と伶也が出会った瞬間からハラハラしながら読みました

  • バンドマンに恋をする。
    よくありそうな話かと思ったら、その熱量が尋常じゃない。
    私もバンドとかミュージシャンが大好きで、たくさん応援していた時期がありましたが、ここまで入れ込んだことはなかったなと。
    本気で恋をするとかじゃなくて、本気で応援するスタンスがもはや異常。
    恋愛関係になりたいと願う方が、まだ共感できる。

    どうしてここまで彼女はすべてをかけられるんだろう。
    ファンとして応援すること。
    簡単なようで関係じゃない。
    ずっと一人だけを応援するって、意外と難しい。
    ここまで一途に、一心不乱にいられるって、羨ましいような怖いような。

    冒頭で結末がわかってからのストーリーなので、ぞくっとしながら読みました。

  • 久々にのめり込んで読んでしまった。おもしろい本というのはあらすじじゃないんだなあ、とつくづく思う。バンドボーカルに熱をあげたある女性の半生、ってなだけ見たら、なんだかなあ、と思うけど、その女性、直子は地味だけど魅力的だわ、ちょろっとしか登場しないお兄さんも出るとこ出るとこでいい味出してるわ、伶也もダメダメながらも、だからこそ、って思えるわ。丁寧。人物描写がとても丁寧。さすが教科書や受験に採用される作家だけある(この本は絶対採用されないけど。またそこがいい)。

    冒頭に結末が書いてある。だからこそその結末に向かっての狂気の、でもしずかな恋。絶対イヤだけど憧れてしまう部分もある恋。てか、少しでも、こういう感じで人を好きになったことのある人なら、共感する部分もおおいに、ある。直子が本当に幸せだったんだろう、と理解もできる。

    わかりやすいキャッチで泣けます泣けます、ってあおる恋愛小説の、何倍もいい話だった。

  • 直子の人生は幸せだった。

    そう決めつけないとやってられないような人生。
    悲しいね。

  • 狂おしい・・・。無理。

  • 平凡で刺激のない人生を過ごしていた32歳の直子に訪れた衝撃的な出会い。バンドボーカルの伶也に捧げた彼女の人生は、恋愛を超えた究極の感情だった。狂おしいほどの愛と献身を描く問題作。
    相手に尽くす愛とは、結局は自己満足に過ぎないと思ってしまうのは、所詮は客観的な見方だからだろうか。人はどこまで人を愛せるのか。欲望なき愛情に勝る美しきものは、この世に存在しない。

  • ふたりが迎えた衝撃の結末は最初のページで明かされる。

    32歳の直子は初めて訪れたライブで「ゴライアス」のボーカル・伶也と出会う。

    持てるお金と時間を注ぎ込み、すべてをなげうち伶也を見守り続ける直子。
    失われていく若さ、変わりゆく家族や友人たちとの関係。

    恋愛を超えた究極の感情を描く問題作。

    **************************************

    ただただ、日々の出来事を読み進める感じやけど、気づいたら、内容に入りすぎて、こんなにも時がたってたんかと思った。

    主人公の直子も、毎日が楽しすぎて、この状況を変えたくなかってんやろうなと。

    目を覚まして現実を、と言うよりは、最後まで読んで思ったのは、直子は幸せ者やなと。

    一度きりの人生、何が幸せかは人それぞれ。
    いざ振り返った時に、何をしててんやろと思うよりは、こういう人生を送ってる方が、例え波乱万丈でも生きてる感がする。

  • 衝撃的だった。

    餓死で亡くなるという悲劇的な結末だが、
    主人公の直子はなんて幸せなんだろうかと
    私は物語のほとんどの部分で感じていた。
    国民的スターの栄華と没落をずっと影で支え、
    最期には一緒に死ぬ。
    現実にはありえないことだと思いながらも、
    どこかには直子のような女性がいるんじゃないかと思えてしまった。

  • 71歳で伶也とともに餓死するまで、彼のためにすべてをなげうった直子の半生。

    恋愛を超えた究極の感情・・・うーん、無理っ!!ww

    号泣必至の問題作・・・ってなことは全然ありませんなーwww

    まぁ、30歳すぎて、年下のボーカリストに恋しちゃって、そのまままっしぐら、でも男女の関係にもなれずにって・・・フツーは途中でストップしますけどねぇ?w

    しないところが、純愛なんだか、狂気なんだか?www

  • 【狂おしいほどの愛と献身!】七十一歳で伶也とともに餓死するまで、彼のためにすべてをなげうった直子の半生。恋愛を超えた究極の感情を描く、号泣必至の問題作!

  • これは恋ではなく愛。無償の愛に近いのか?
    バンドボーカルにひたすら尽くした直子の生き様。
    その献身は静かにでも確かに狂おしい。
    あっという間に読み切ってしまった。

  • 仕事で嫌なことがあってストレス解消とばかりに一気に最後まで読んだんですが、老後への不安に押しつぶされそうです。

    登場人物のうちのほとんどに潜む狂気と死の香り。あと悪意。レイコさんみたいに割り切って生きていくことってとても大事。

    主人公の直子は、献身的ではあるけど、ちっとも伶也を「支えて」はいない。
    始めから終わりまで何があろうと「側にいられるだけで幸せ」って思いながら文字どおりただ“側にいるだけ”。肯定と心配しかせず、どこまでいってもファンでしかない。パートナーにはなり得ない。
    こういうのを「本当のファン」っていうのかもしれないけど、じゃあ本当のファンなんていたって全然意味がないように感じた。
    伶也の主観に視点を置いてみると、最期以外のどの人生の岐路にも直子はほとんど居ないのではないだろうか。

    と思う一方で、直子は院卒の賢い人だしネットを駆使することもできるのに、最後の窮地ですらサラに援助を乞うたり生活保護を受けたりせず何の手も打たなかったことから邪推すれば、無意識的に「あえて何も打開策を打たない」ことであの終わり=「側にいること」の最終形態、に自ら突き進んでいったのかもしれない。とも考えられてぞっとした。

全15件中 1 - 15件を表示

この本が好きな人におすすめの本

著者プロフィール

1970年神奈川県生まれ。2002年、第42回講談社児童文学新人賞を受賞した『十二歳』でデビュー。07年『しずかな日々』で第45回野間児童文芸賞、08年第23回坪田譲治文学賞、17年『明日の食卓』で第3回神奈川県本大賞、20年『昔はおれと同い年だった田中さんとの友情』で第69回小学館児童出版文化賞を受賞。『明日の食卓』は21年映画化。その他の著書に『消えてなくなっても』『純喫茶パオーン』『ぼくたちの答え』『さしすせその女たち』などがある。

「2021年 『つながりの蔵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

椰月美智子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×