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Amazon.co.jp ・本 (192ページ) / ISBN・EAN: 9784167909772
作品紹介・あらすじ
私小説への殉情、無頼派の矜持。横浜での生活立て直しに失敗した北町貫多は再び都内に戻っていた。そして二十歳になった彼は、その日も野良犬のように金策に奔走するが……(「無銭横町」)。筆色冴えわたる六篇に、芥川賞選考会を前に藤澤清造の墓前にぬかずく名品「一日」を新併録。 解説・伊藤雄和(「オールディックフォギー」)
みんなの感想まとめ
若者の苦悩や成長を描いた短篇集で、主人公の北町貫多は金策に奔走する日々を送ります。彼の姿は、自己客観視をしながらも憎めない一面を持ち、読者に共感を呼び起こします。収められた六篇は、同じテーマを異なる視...
感想・レビュー・書評
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芥川賞の方が読みたい
ひたすら本買って飲んでアパート追い出されて詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
短篇集。時系列では作家としての地位を確立して以降の北町貫多を描いたものが多め。青年期と比較するとやはり爆発力に欠けるか。
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この主人公は
ちゅうちょうてきいえばくず
しかし
小説家をめざし自分を客観視している。多くの小説家名が出て来る
小説が好きという一本の芯があるのみである
しかしどこか憎めないところがある -
「菰を被りて夏を待つ」、「邪煙の充ちゆく」、「朧夜」、「酒と酒の合間に」、「貫多、激怒す」、「無銭横町」の6編が収められている。
いずれの短編も内容的にはこれまで読んできたものと変わらないが、それを手を変え品を変えて読ませてしまうのは流石である。
同じ話なのにけっしてマンネリにはならない。
そこが西村作品の魅力であり、力でもある。
読まずにはいられないのである。
中毒性の強い作家だ。
6作のなかで特に印象に残るのは、表題作である「無銭横町」。
例のごとく家賃を滞納、大家から立ち退きを迫られた貫多が、金策に走り回る様子が事細かに書き連ねられていく。
まずは手元に残ったわずかの金を工面して町田に住む母親を頼るが、自分の生活だけで精いっぱいだと体よく断られてしまう。
日頃没交渉で都合のいい時にしか現れず、度々迷惑をかけられている母親にすれば、これは当然の態度といえよう。
それでも帰りの電車賃だけは無理やりむしり取る。
アパートに帰った貫多は、仕方なく読みかけの文庫本を古本屋に持って行くが、ここでも断られそうになる。
だが悪戦苦闘の末に、何とか100円で売ることに成功する。
さっそくインスタントラーメンを買うが、コンロも調理器具も持っていないので料理ができない。
そこで考えたのが「水ラーメン」。
ビニール袋に入れたラーメンに水を注ぎ、ある程度ふやけたところで手でもみほぐすという方法。
とても食べられた代物ではないが、空腹を我慢できない貫多は残らず平らげてしまう。
そして「ヘンな胃のもたれと軽ろき吐き気」を感じながら、また次なる金策へと奔走するのである。
何とも情けなくやるせない話である。
しかしこんな愚行を繰り返すのが、若さというもの。
似たようなことは、ひとり暮しをしたことのある者であれば、身に覚えがあるはず。
斯くいう私もそのひとり。
読んでいてどうしようもなく愚かで、その日暮しだった若かりし頃を思い出したのである。
しかしその恥多き愚かな日々が、とてつもなく懐かしく愛おしい。
そしてそんな馬鹿々々しいことをやれたことが、今ではとても貴重な経験だったと思えるのであった。 -
6編を収めた短編集。全体に小粒な仕上がりで、食い足りない。
たとえば、一編だけある「秋恵もの」の「邪煙の充ちゆく」は、北町貫多が煙草を吸わない秋恵を慮り、「煙草はベランダで吸う」と宣言するものの、自分で決めたそのルールをすぐに破ってしまい……という話。
秋恵との同棲生活も小説にほとんど書き尽くし、あとはこんな小ネタしか残ってないのだなァ、という印象。
また、「酒と酒の合間に」という短編は、西村が玉袋筋太郎(名前は作中に出てこないが)の著作の文庫解説を書く顛末を綴っただけのもの。
もちろん、小説として読ませるだけの工夫はされているのだが、それにしても小ネタすぎ。
貫多の青春時代を描いた短編も2編入っていて、それらはわりと読ませる。
2編とも、時系列でいくと『疒(やまいだれ)の歌』の後日談に当たる内容である。
いずれも、貫多が田中英光にのめり込み始めたころの話。貫多が英光に向ける異様な執着が、物語の駆動力となる。
とくに、表題作「無銭横町」は、本書の中では一頭地を抜く出来。
もう20歳になったというのに母親に金をせびり、住みついた安アパートの家賃を堂々と滞納し、「そもそも、自分のような者に部屋を貸した方が馬鹿なのである」とうそぶく“セコい無頼派”ぶりを全開させて、「西村賢太はこうでなくちゃ」と思わせる。
そう、西村は(というか、作中の北町貫多は)無頼派なのにやることなすこと妙にセコく、そのギャップが笑いとペーソスを生むのだ。
「無銭横町」でも、食事代にも事欠くありさまの貫多が、文庫本1冊だけを古書店に売りに行く(そして店主に冷たくあしらわれ、怒鳴りつけて逃げ去る)あたりのディテールが、えも言われぬ「味」になっている。 -
【平成の無頼派、筆色冴えわたる新境地!】田中英光の作に出会い、人生が変わりゆく十代最後の日々。原稿用紙を前に呻吟する現在の姿。彩り豊かな六作に名品「一日」を新併録。
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随筆と区別がつきにくい作品集。
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