血脈 上 (文春文庫 さ 18-29)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 63
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (640ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167909789

作品紹介・あらすじ

佐藤愛子といえば、やはり『血脈』!それは、妻子ある佐藤紅緑が、新進女優を狂おしく愛したことに始まった。大正から昭和へ、因縁の炎が佐藤家を焼き尽くしていく。圧倒的迫力と感動の大河長篇。圧巻の三部作を、読みやすくした新装版で刊行。【旧版からの変更点】①人名・地名・難しい字に、ふりがなを増やしました。②登場人物の系図を栞にして、上・中・下巻に挟み込みました。(上)のあらすじ物語は大正4年、当代随一の人気作家・佐藤紅緑が妻子を捨て、新進女優の横田シナを激しく愛したことに始まる。父親・紅緑への屈折した思いを胸に、散り散りになっていく八郎、節、弥、久の4人の息子たち。シナのつれなさに苦悩する紅緑が半ば別れを覚悟した矢先、シナの妊娠が判明。大正12年、愛子の誕生で、シナは紅緑と離れられぬ宿命をようやく受け入れる。

感想・レビュー・書評

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  • 虚実ないまぜなのか、どれだけ強烈に描けば済むのだ。家族たちのハチャメチャ不良ぶり。こんな血脈は大変だ、どこの家にもあるってもんじゃない。

    変態家族の父「佐藤紅緑」作家はわたしの読む時代ではなかったけど、異母兄のサトウハチロー詩人の作品は知らないうちに歌っている。佐藤愛子随筆家は何冊か読んでいる。そこに沢山のきょうだいとその連れ合い、しかもその連れ合いはとっかえひっかえの大人数で、一筋縄ではいかない気質の人達がずらり、文字通りのくんずほぐれつ、だけどなぜか憎めない大家族だなと、佐藤愛子の筆運びに誘導されてしまうのだ。

  • 間もなく100歳を迎える佐藤愛子の超大作。
    佐藤愛子の父、佐藤紅緑(洽六)と、紅緑が愛した女、シナ(万里子)、長男八郎(ハチロー)を始めとした不良少年の息子たちの物語。明るいストーリーではないが、もはや百年近くも経ってしまい、令和という時代となった今の時代には完全に失われてしまったこの時代ならではの明るさが感じられる。こうした時代を生きてきた佐藤愛子だからこそ、『九十歳、何がめでたい。』という、現代を生きる人たちの心に響く著作を書くことができた。

  • 余りにも滅茶苦茶な佐藤家だけど、ホントのホントに実話なのか。上下と思って読み始めたけど、上中下なのね。

  • サトウハチローの人間像にびっくり。まあ、それはいいんだけどさ、ここで検索すると、単行本の中・下巻はヒットするのに上巻さけは文庫本しかヒットしないのはなぜ?

  • どこまでがフィクションか分からないけど激しい佐藤ファミリー。もっとさくっと読めるかと思ったけどなかなかスピードに乗れず。続きはもう少ししてから読も。

  • 【佐藤愛子といえば、やはり『血脈』!】物語は、佐藤紅緑が新進女優を狂おしく愛したことに始まった。大正から昭和へ、佐藤家を焼き尽くす因縁の炎。迫力と感動の大河長篇。

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著者プロフィール

大正12年、大阪生まれ。甲南高等女学校卒業。昭和44年、『戦いすんで日が暮れて』で第六十一回直木賞を受賞。昭和54年、『幸福の絵』で第十八回女流文学賞を受賞。平成12年、『血脈』の完成により第四十八回菊池寛賞、平成27年、『晩鐘』で第二十五回紫式部文学賞を受賞。平成29年4月、旭日小綬章を授章。近著に、『こんな老い方もある』『こんな生き方もある』(角川新書)、『破れかぶれの幸福』(青志社)、『犬たちへの詫び状』(PHP研究所)、『九十歳。何がめでたい』(小学館)などがある。

「2018年 『新版 加納大尉夫人 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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