羊と鋼の森 (文春文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167910105

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  • 「羊と鋼の森」
    公開日:2018年6月8日
    高校時代、外村は調律師がピアノを調律する様子を目の当たりにして、後を追うように調律師への道を目指した。修行を積むさなか、勤務先の楽器店では板鳥をはじめとした様々な先輩から教えを受ける。そして、ある家ではふたごの姉妹と出会った。彼ら彼女らとの交流から、外村はゆっくりと成長し始める。
    キャスト: 山﨑賢人、三浦友和、上白石萌音、上白石萌歌、鈴木亮平
    監督: 橋本光二郎
    http://hitsuji-hagane-movie.com/
    Twitter https://twitter.com/hitsuji_hagane
    Youtube https://youtu.be/tOsD7qSG3V0

  • ピアノ弾きたくなります。
    弾けないけど…w

  • 僕はピアノや、ましてや調律師には全く馴染みが無く、ストーリーの起伏も大きくはなかったがとても穏やかで温かい話で楽しめた。また森で育った素直な主人公はそのような環境をを知らない自分にとってとても魅力的で、その周りの主人公の先輩たちも派手さはないが個性的で魅力的な人たちで面白かった。読んでいる途中までタイトルの意味が分かりかねたが、読み終わってみるとまさにぴったりなタイトルだった。

  • 音楽への情熱。調律への情熱。美しい音への情熱。
    宮下さんの文章の美しさが、主人公の情熱を
    きらきらとこちらに訴えてくるようで、
    読んでいてとても気持ち良い本でした。
    世界は美しい音で溢れているなあと
    イヤホンを外して外を歩いてみたくなる、
    そんな素敵な本に出会えたことに感謝します。

  • 以前、だいぶ前かな、テレビでやっていたピアノコンクールのドキュメンタリー番組の中で、調律師さんの仕事についての紹介、説明がちょっとだけあり、調律というものにとても興味が湧いていました。

    今年「蜜蜂と遠雷」を読んだ際に調律師さんの事をちゃんと知っていたら作品をもう少し深く理解できて、もう少し楽しむ事ができたのではないかなぁと思いました。

    で、ネットで調べて何となくの知識は得られましたが調べている際にこの小説の存在を知りました。

    タイトルを見て以前映画であったなと思いましたがそれまで内容は全く知りませんでした。

    先日ニコラーエフさんのピアノコンサートに行く際に無性にこの小説が読みたくなり、コンサートの後に近くにブックオフがないか探し、この本を探し、見つけて即買いして帰りました。

    それから少しずつ読んで今日読み終え、すごく面白かったです♪

    ガツンと盛り上がるエピソードがある訳ではないのにすごく心に沁みました。

    とても良いお話しでした♪

    そしてたくさん勉強になりました。

    ピアニストの力量、調律師の腕、ピアノそのもののポテンシャル、弾く環境の良し悪しなど、たくさんの要素がうまく調和できて初めて素晴らしい音になるのかなぁ、なんて思いました。

    それから主人公の性格がちょっと自分に重なるところがあり、物事の考え方も参考にもなり色々と考えさせられました。

    僕と主人公にはすごい年齢差があるので今更共感しているなんて大人として大問題なダメ男なんですけどね。

    まぁ主人公にこれからも頑張れ!と思いつつ僕も頑張ろうと思いました。

  • まるでポエムの様な綺麗な世界観。手元に置いておこうと思える一冊。

  • とても静かで美しい作品だった。
    明るく静かに澄んで懐かしい。甘えているようで厳しく深いものを湛えている。夢のように美しいが現実のようにたしかな音。引用されている原民喜の言葉がそのままこの作品のように感じる。


    P27 ピアノは弾かれたい。常に開いている。あるいは開かれようとしている。ヒトに対して、音楽に対して。そうでなければ、あちこちに溶けている美しさを掬い上げることもできない。

    P72 ピアノの音がよくなっただけで人がよろこぶというのは、道端の花が咲いてよろこぶのと根源は同じなんじゃないか。自分のピアノであるとか、よその花であるとか、区別なく、いいものがうれしいのは純粋なよろこびだと思う。

    P109 変わらないはずの基準音が、時代とともに少しずつ高くなっていくのは、明るい音を求めるようになったからではないか。わざわざ求めるのは、きっとそれが足りないからだ。「みんなで焦ってる感じがするんです。基準音がどんどん高くなっていくって。」

    P115 どこにいても落ち着かない違和感が、土や草を踏みしめる感触と、木の高いところから降ってくる鳥や遠くのけものの声を聞くうちに消えていった。ひとりで歩いている時だけは、ゆるされている、と感じた。僕がピアノの中に見つけたのは、その感覚だ。ゆるされている、世界と調和している。

    P134 何一つ無駄なことなどないような気がすることもあれば、何もかもが壮大な無駄なような気もするのだ。ピアノに向かうことも、今、僕がここにいることも。

    P162 あのピアノは、あの家で、あの彼が引くためにある。それでいいのだ。あのひそやかなよろこびはホールで味わえるものではない。子犬の匂いを嗅ぐように、やわらかな毛並に触れるように味わう、ピアノ。それは一つの極上の音楽の形だ。

    P246 才能があるから生きていくんじゃない。そんなもの、あったって、なくたって、生きていくんだ。あるのかないのかわからない、そんなものにふりまわされるのはごめんだ。

    P251 あまりにも自然に始まったので、身構える暇もなかった。その辺に漂っていた音楽をそっとつかまえて、ピアノで取り出してみせているみたいだ。

  • 主人公である"僕"の調律師の仕事を通しての成長物語。
    蜜蜂と遠雷を読んだ流れで読んでみる。

    求道者のように良い仕事を突き詰める姿勢は、完全には自分のする仕事と重ならないものの、一部はとても共感が持てる。
    特に努力は才能を埋められるか?という問いは少なからず誰でも感じることなのでは無いかと思う。それに対する主人公の解答も訴えかけてくるものを感じる。

  • 主人公外山の調律師として育っていくというストーリー。山の中で育ったが故に現代的な若者の取り柄はない代わりに木のざわめきや木の実が落ちる音という、自然の音に関する感性の豊かさでピアノの音を彼なりの世界観である「森」に例えながら腕を磨いていく。個性の立つ先輩と、顧客である双子の姉妹と共に成長していく姿に感銘を受けた。音という目に見えないものを文字だけでここまでリアルに体験させてくれる表現が大好きです。

  • ★真摯な、調律師たちの話。
    こんなふうに仕事ができたら、と思う。

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著者プロフィール

宮下 奈都(みやした なつ)
1967年福井県生まれ。上智大学卒業。2004年、「静かな雨」で文學界新人賞に入選し、デビュー。日常に起こる感情の揺れを繊細で瑞々しい筆致で描きだす作品で知られる。『スコーレNO.4』が書店員から熱烈な支持を集め、注目を浴びる。代表作に、2016年本屋大賞、ブランチブックアワード2015大賞、「キノベス!2016」などを受賞した『羊と鋼の森』があり、2018年6月映画化。『静かな雨』が2020年新春映画化が決まり、2019年6月6日文庫化される。ほか、福井からトムラウシに移り住んでいた頃の日々を描いた『神さまたちの遊ぶ庭』や、福井での身辺雑記や本屋大賞受賞前後のエピソードなどを描いた『緑の庭で寝ころんで』がある。

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