変わらないために変わり続ける 福岡ハカセのマンハッタン紀行 (文春文庫)
- 文藝春秋 (2018年2月9日発売)
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感想 : 11件
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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784167910235
作品紹介・あらすじ
「週刊文春」の人気連載を集めた第三弾の単行本「変わらないために変わり続ける マンハッタンで見つけた科学と芸術」の文庫化。
2013年4月から2015年1月までの2年弱、著者の福岡伸一氏がニューヨークに滞在していた時期の連載をまとめたもので、かつて研究員として働いたロックフェラー大学に客員教授として赴任すつところから始まるので、この巻だけで「福岡ハカセのニューヨーク滞在記」として独立して読むこともできる。
著者が特に愛着があるというこの書名は、「動的平衡」という、生物を定義するキーワードとして著者が提唱する概念を分かりやすく表現したもの。生物は、大きく変わらないために、小さな部分でつねに変わり続けなければならない。これはそのまま、大学にも、街にも当てはまると著者はいう。ロックフェラー大学は「生命科学研究の最先端」であり続けているが、その中で行われている研究内容はめざましく変化している。そして、ひさしぶりに滞在したニューヨークという街も同じだ。
本書の中で、著者はその大学で出会った最先端の科学研究の成果を、高揚しつつも平易に解説し、科学に対する興味を掻き立ててくれる。そんな中で日本では「STAP細胞」騒動が起きるが、この件についての著者の「先端科学者としての分析」にも鋭いものがある。
そして、ニューヨークの日常生活も発見の連続。文化、芸術の分野でも一切の停滞を許さないダイナミズムが満ち溢れる。中でもフェルメールに対する作者の愛が溢れる章はすばらしい。
ニューヨークで暮らす著者の興奮、感動、喜びが、そのまま読者に伝わってくる一冊。
感想・レビュー・書評
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ニューヨークでの息遣いが聞こえてくる。テンション上がる。
ルイストマス賞、知らなかった。科学の美しさを称賛する。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
変わらないために変わり続ける 福岡ハカセのマンハッタン紀行。福岡伸一先生の著書。ロックフェラー大学に客員教授として研究生活をしていた福岡伸一先生、福岡伸一博士。福岡伸一博士から見たニューヨークの移り変わり。研究者としてのご経験が豊富な福岡伸一博士ならではの一冊。
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2年間ほどのサバティカルの間に感じたあれやこれやの明文化.激流の渦中で冷静に周りを見渡し,静かなる情熱を持って事にあたることは簡単なようで難しい.
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p.2018/3/7
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2020.1.19 5
神保町の古本屋で購入。職場では読書。
題名がいい。ニューヨーク行きたい。いろいろと、思うところがあった。よきエッセイ。 -
先日、非常に遅ればせながら『生物と無生物のあいだ』を読んだ。
……が、動的平衡がどのようなことを指すのかを理解するので一杯一杯。これ、ベストセラーってすごいな、と感心する始末。
そこで、随筆なら!と期待を抱いて購入。
ニューヨークでの話が多く、中でもご飯ネタが上手(笑)飯テロ系エッセイ。
STAP細胞について言及しているページは、現在という時間軸から読んでみても、福岡ハカセはやっぱりすごい方なんだな、と思う。
「未来の研究者の卵たちを鼓舞すればよいのだが、メディアがその点だけをさわぎすぎるのはどうだろう。
逆に、若い人たちの射幸心、一発志向を触発してしまって、『つくりました・できました』というテクノロジー的・工学的な方向に生物学がどんどん行ってしまいかねない」
「不正の解明は、科学コミュニティに委ねられても決して解決しない。
だからこそ、どこまでが過失で、どこからが作為なのか、この点が明確にならないと、科学界に広がった多大な混乱と浪費は行き場を失ったままとなる。」
他にも、最近よく目にするグルテンフリーの理由や、血の純潔性とは?という話など、あ、気になる!という視点で話が展開されている。
末尾にはフェルメールが大量。
まさに動的平衡なタイトル「変わらないために変わり続ける」も、いい。
変わることばかりに目が行きがちだけど、中身は入れ替わっていても、大きくは揺るがないことの強さってあるなー。
人間の中身もそうだけれど、自然だってそうで、社会だってそうだと言える。
移り変わり、破壊や死がなくては、大きなものの状態は保てない。この考え方に、とても惹かれる。 -
【大学も街も「動的平衡」で生きているのだ】福岡ハカセが若き日を過ごしたニューヨークの大学に、再び留学する。最先端の科学を紹介し、生き生きと変化する文化、芸術を語る。
著者プロフィール
福岡伸一の作品
