変わらないために変わり続ける 福岡ハカセのマンハッタン紀行 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2018年2月9日発売)
3.32
  • (1)
  • (7)
  • (8)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 117
感想 : 11
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784167910235

作品紹介・あらすじ

「週刊文春」の人気連載を集めた第三弾の単行本「変わらないために変わり続ける マンハッタンで見つけた科学と芸術」の文庫化。

2013年4月から2015年1月までの2年弱、著者の福岡伸一氏がニューヨークに滞在していた時期の連載をまとめたもので、かつて研究員として働いたロックフェラー大学に客員教授として赴任すつところから始まるので、この巻だけで「福岡ハカセのニューヨーク滞在記」として独立して読むこともできる。

著者が特に愛着があるというこの書名は、「動的平衡」という、生物を定義するキーワードとして著者が提唱する概念を分かりやすく表現したもの。生物は、大きく変わらないために、小さな部分でつねに変わり続けなければならない。これはそのまま、大学にも、街にも当てはまると著者はいう。ロックフェラー大学は「生命科学研究の最先端」であり続けているが、その中で行われている研究内容はめざましく変化している。そして、ひさしぶりに滞在したニューヨークという街も同じだ。

本書の中で、著者はその大学で出会った最先端の科学研究の成果を、高揚しつつも平易に解説し、科学に対する興味を掻き立ててくれる。そんな中で日本では「STAP細胞」騒動が起きるが、この件についての著者の「先端科学者としての分析」にも鋭いものがある。

そして、ニューヨークの日常生活も発見の連続。文化、芸術の分野でも一切の停滞を許さないダイナミズムが満ち溢れる。中でもフェルメールに対する作者の愛が溢れる章はすばらしい。

ニューヨークで暮らす著者の興奮、感動、喜びが、そのまま読者に伝わってくる一冊。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ニューヨークでの息遣いが聞こえてくる。テンション上がる。
    ルイストマス賞、知らなかった。科学の美しさを称賛する。

  • 変わらないために変わり続ける 福岡ハカセのマンハッタン紀行。福岡伸一先生の著書。ロックフェラー大学に客員教授として研究生活をしていた福岡伸一先生、福岡伸一博士。福岡伸一博士から見たニューヨークの移り変わり。研究者としてのご経験が豊富な福岡伸一博士ならではの一冊。

  • 2年間ほどのサバティカルの間に感じたあれやこれやの明文化.激流の渦中で冷静に周りを見渡し,静かなる情熱を持って事にあたることは簡単なようで難しい.

  • p.2018/3/7

  • 2020.1.19 5
    神保町の古本屋で購入。職場では読書。
    題名がいい。ニューヨーク行きたい。いろいろと、思うところがあった。よきエッセイ。

  • タイトルが今のところ自分にぴったりと思い、読んでしまった。
    何が人生起きるかわからない

  • 先日、非常に遅ればせながら『生物と無生物のあいだ』を読んだ。
    ……が、動的平衡がどのようなことを指すのかを理解するので一杯一杯。これ、ベストセラーってすごいな、と感心する始末。
    そこで、随筆なら!と期待を抱いて購入。

    ニューヨークでの話が多く、中でもご飯ネタが上手(笑)飯テロ系エッセイ。
    STAP細胞について言及しているページは、現在という時間軸から読んでみても、福岡ハカセはやっぱりすごい方なんだな、と思う。

    「未来の研究者の卵たちを鼓舞すればよいのだが、メディアがその点だけをさわぎすぎるのはどうだろう。
    逆に、若い人たちの射幸心、一発志向を触発してしまって、『つくりました・できました』というテクノロジー的・工学的な方向に生物学がどんどん行ってしまいかねない」

    「不正の解明は、科学コミュニティに委ねられても決して解決しない。
    だからこそ、どこまでが過失で、どこからが作為なのか、この点が明確にならないと、科学界に広がった多大な混乱と浪費は行き場を失ったままとなる。」

    他にも、最近よく目にするグルテンフリーの理由や、血の純潔性とは?という話など、あ、気になる!という視点で話が展開されている。
    末尾にはフェルメールが大量。

    まさに動的平衡なタイトル「変わらないために変わり続ける」も、いい。
    変わることばかりに目が行きがちだけど、中身は入れ替わっていても、大きくは揺るがないことの強さってあるなー。
    人間の中身もそうだけれど、自然だってそうで、社会だってそうだと言える。
    移り変わり、破壊や死がなくては、大きなものの状態は保てない。この考え方に、とても惹かれる。

  • 【大学も街も「動的平衡」で生きているのだ】福岡ハカセが若き日を過ごしたニューヨークの大学に、再び留学する。最先端の科学を紹介し、生き生きと変化する文化、芸術を語る。

全8件中 1 - 8件を表示

著者プロフィール

福岡伸一 (ふくおか・しんいち)
生物学者。1959年東京生まれ。京都大学卒。米国ハーバード大学医学部博士研究員、京都大学助教授などを経て、青山学院大学教授。2013年4月よりロックフェラー大学客員教授としてNYに赴任。サントリー学芸賞を受賞し、ベストセラーとなった『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書)、『動的平衡』(木楽舎)ほか、「生命とは何か」をわかりやすく解説した著書多数。ほかに『できそこないの男たち』(光文社新書)、『生命と食』(岩波ブックレット)、『フェルメール 光の王国』(木楽舎)、『せいめいのはなし』(新潮社)、『ルリボシカミキリの青 福岡ハカセができるまで』(文藝春秋)、『福岡ハカセの本棚』(メディアファクトリー)、『生命の逆襲』(朝日新聞出版)など。

「2019年 『フェルメール 隠された次元』 で使われていた紹介文から引用しています。」

福岡伸一の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×