モダン (文春文庫 は 40-3)

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  • 文藝春秋
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レビュー : 49
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167910464

感想・レビュー・書評

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  • 原田マハ『モダン』文春文庫。

    原田マハの短編集は初めて読んだ。これまで原田マハの作品は長編しか読んだことがなかったのだが、短編の中にどんな世界を見せてくれるのだろうか……いずれの短編もアートを巡る人びとの心の交流が描かれている。やはり、短編であろうと原田マハは凄い。物凄く心が洗われた。

    ニューヨーク近代美術館、MoMAを舞台にした短編『中断された展覧会の記憶』『ロックフェラー・ギャラリーの幽霊』『私の好きなマシン』『新しい出口』『あえてよかった』の5編を収録。

    『中断された展覧会の記憶』。東日本大震災を題材にしたアートを巡る物語。福島県に暮らす者にとっては、嬉しくて、目頭が熱くなる短編だった。

    『ロックフェラー・ギャラリーの幽霊』。奇妙な物語だが、夢があり、アートに対する考え方が変わってくる。

    『私の好きなマシン』。モダン・アートの世界に導いてくれた人との出会いと別れ……アートと共に!

    『新しい出口』。9.11アメリカ同時多発テロ事件で友を失い、心に深い傷を負ったローラの決意……アートの力!

    『あえてよかった』。兎に角ラストの余韻が良い。それ以上、語るべきことの無い秀作。

  • 初めて読む原田マハさんの作品でした。
    美術館の職員に関する描写がとても具体的で、物語というよりも職業図鑑の一項という感覚で読んでいた気がします。短編集ということも手伝って、終始力が抜けた状態で何とも楽に読めて、良いトリップが出来ました。
    トリップ。何も考えたくない気分で、MoMAというあまりに有名だけど行ったことの無いまだ見ぬ美術館、まだ見ぬニューヨークの町に飛び込むのもいいかもしれない、と読むことにして。案の定、なんとなく粋な感じの人々が、粋な感じの美術館の中で町の中で、生きていて、カッコいいです。ただ、あまりに自分の中の曖昧な妄想上のお洒落なニューヨークそのままが描写されていたからでしょうか、何だか読んでも読んでも縁遠い冷やかさみたいなものがあって、それが不思議でした。きっとリアルなニューヨーカーが描かれているはずなのに、現にファンタジーが含まれているせいもあって、寓話性が物凄く強くて。だけど、実在する名画が随所に登場していて。「夢うつつ」という感じで、ゆーらゆーら、あまりむつかしく考えまい、どうせ知らない町の話しなのだ、と開き直るのがちょうど良いです。
    トリップ感覚と呼ぶのがしっくりくる違和感のもう一つの要因は、日本人が日本語でアメリカ人が英語で話したり考えたりしている様を描いていることかもしれません。それくらいよくあることですが、翻訳小説ではないのに翻訳小説でよく見かける文体の特徴が見受けられるような気がして。意識の外で脳が混乱しているような感じがします。
    閑話休題。とかく、芸術と、それを愛でて、向き合って、仕事にする人の日常生活を切り取るとこのような美しい物語になるのか、と単純な感動がどこまでも続く作品です。自分も、芸術に仕事で接することは出来ずとも、少しでも芸術に多く接して豊かな生活をしたい、と切に思わされます。

  • 原田さんの美術系小説のファンなら間違いなく楽しめる、原田マハキュレーションブックというべき作品。おなじみのメンバーがいろいろ登場します。「モダン」って、MoMAの愛称なのねー。朽木ゆり子さんのあとがきも素敵。

  • 原田マハは短編もいけるのか!
    MOMAを舞台に、時代や人種を飛び越えて交錯する物語。
    美術作品よりも、登場人物に焦点が当てられた本作。しかし、読み進めながら登場する美術品を、思わずGoogle検索せずにはいられない。
    もちろん人物一人一人もとても魅力的で、生き生きしていて、まるで本当にその人がMOMAに携わっていたのではないかと感じる。
    本作のある短編に登場する人物が、他の短編にも登場していたり。「楽園のカンヴァス」の登場人物が再登場したり。まるで昔の知人の名前を見つけたような気分になる。
    「楽園のカンヴァス」や「暗幕のゲルニカ」と一緒に楽しめて、するすると読めてしまう一冊。

  • ニューヨーク近代美術館MoMAの絵画と、そこで働く人々の短編集。大昔にニューヨークは行ったことがあるが、そういえばMoMAには行ってないぁ・・・もったいないことをしたなぁと考えながら読み進めた。馴染みのない風景でも、マハさんの文章は分かりやすくて情景が自然と頭に浮かんでくる。
    個人的には「私の好きなマシン」がお気に入り。アルフレッド・バーが幼いジュリアにかけた言葉に一等感動して、心を鷲掴みにされた。人がどうしてアートを愛しているのか、彼の言葉にすべてが詰まっている気がした。

  • MOMAに働く人を主人公に据えた短編集。
    美術界の話を書かせると絶品。
    一気に読ませる魅力がある。

  • やっぱり原田マハのかく美術関連の話はピカイチ

    絵を見て物語が広がるようになったのはこの人のおかげ。

  • 20180919

  • ニューヨーク近代美術館MoMAを舞台にした短編集。
    9.11や3.11なども作品内で出てきます。
    原田さんの『楽園のカンヴァス』と『暗幕のゲルニカ』を読んでからなので、ルソーやピカソの名前が出ると、気になってた人に再会できたような気持ちになりました。

    アートが与える希望。
    アートと向き合う姿。

    いつかMoMAに行きたい!

  • モダンアートの殿堂といわれる
    〝ニューヨーク近代美術館(MoMA)〟が舞台となった短編集です。
    良く知ったアーティストや作品がたくさん登場します。
    ニューヨークには行ったことないけど、
    MoMAを訪れたような気分になれますよ。
    MoMAはこれまで美術館が収蔵しなかった、
    建築や商品、ポスター、機械の部品など
    デザイン的に優れたものをコレクションに加え、
    芸術界に大きな一石を投じる役割を果たした美術館です。
    毎週金曜日の夕方4時以降は
    〝ユニクロ・フリー・フライデー・ナイト〟といって、
    無料で入場ができるそぉですよ。
    もちろん、サポートしているのは、あの〝ユニクロ〟です。


    べそかきアルルカンの詩的日常
    http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/
    べそかきアルルカンの“スケッチブックを小脇に抱え”
    http://blog.goo.ne.jp/besokaki-a
    べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ”
    http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2

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著者プロフィール

原田 マハ(はらだ まは)
1962年東京都生まれ。小6から高校卒業まで岡山で育つ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部美術史学専修卒業。
馬里邑美術館、伊藤忠商事株式会社、森美術館設立準備室、ニューヨーク近代美術館での勤務を経て、2002年よりフリーのキュレーターとなる。
2005年小説化デビュー作の『カフーを待ちわびて』で第1回日本ラブストーリー大賞を受賞。2012年『楽園のカンヴァス』で第25回山本周五郎賞、『キネマの神様』で第8回酒飲み書店員大賞をそれぞれ受賞。2013年には『ジヴェルニーの食卓』で第149回直木賞候補、2016年『暗幕のゲルニカ』で第155回直木賞候補となる。2017年『リーチ先生』で第36回新田次郎文学賞受賞となり話題になった。

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