モダン (文春文庫 は 40-3)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 206
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167910464

感想・レビュー・書評

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  • とても細かいところまで完璧で、原田マハさんの文章は素晴らしいなと感動しました

    短編だけど、出てくる人物や出来事で繋がっていて、美術に疎い私でも興味が湧く、とても素敵な内容でした

    特にロックフェラー•ギャラリーの幽霊が好きです

  • 読ませる本も、思いが伝わる本もどちらも好いですよね。アートって色んな人に支えられてます。

  • MoMA(ニューヨーク近代美術館)を舞台にした短篇集。

    戦火を逃れやってきた「ゲルニカ」。

    ピカソの母国スペインが民主化されるまで飾られていたMoMA。

    本作はそんなMoMAで働く人々を主人公とした短篇集です。

    いつもながらアートを愛するマハさんにしか書けない傑作。

    ヤバイ。

    また美術館に行きたくなった^^;

    次はポーラ美術館かなぁ♪



    説明
    ピカソ、マティス、ワイエス…。現代絵画の巨匠たちの代表作に材を取り、アートを愛する者たちの様々な人間模様を描き出す短篇集。

  • ニューヨーク近代美術館(MoMA)を舞台とした5つの短編(「中断された展覧会の記憶」、「ロックフェラー・ギャラリーの幽霊」、「私の好きなマシン」、「新しい出口」、「あえてよかった」)収録。何れもごく短い作品。

    タイトルの「モダン」は、MoMAのニックネーム「ザ・モダン」からきているという。

    「私の好きなマシン」では、ボール・ベアリングやコイルなどの工業製品や実用品をアートの領域に組み入れたMoMAの功績が描かれている。「中断された展覧会の記憶」は311東日本大震災もの、「新しい出口」は911同時多発テロもの。「あえてよかった」では、「アメリカ美術業界のヒエラルキー、キュレーターたちの恐るべきエリート意識」(Ph.D.を持っていないとまともに相手してもらえない)なども描かれていて、この点も興味深かった。

  • 死ぬまでにMoMAに行こうと決意しました。
    原田マハさんの本は、これまで自分が訪れた美術館や、目の前で立ち尽くすほど魅力的だった絵画達を反芻しながら、ずっと味のするガムのように美術館の思い出を楽しみながら読めるのでとても好きです。

  • 原田マハのMoMAシリーズ。

    9.11の時、実家の居間では母がドラマを見ていたはずだった。いきなり飛行機がビルに突っ込んだ映像にかわったので、なんで映画にいきなりチャンネルを変えたんだろ、と現実に起きたことだと認識するまで、時間がかかった。

    3.11の時、あの大津波や原発の事故で、この世の終わりかと思った。実際は終わったのかもしれないけれど、今は日常を取り戻している。

    この世界的な出来事は多くの人の人生を劇的に変化させ、世界の思想をも大きく変えた。

    全くもって世の中にはしらないことが多すぎる!!

  • 展示室の奥、「STAFF ONLY」の向こう側。観客は立ち入れないバックヤードでは人が働いてて、企画とともに数多のドラマが生まれる。

  • 『モダン』原田マハさん

    短編5つによって成り立っており、『楽園のカンヴァス』『暗幕のゲルニカ』の登場人物が出てきている。
    近年の災害やテロがに関わる話もあった。
    読みやすく、あっという間に読み終わる。
    今回も美術の勉強になったし、安定的に面白かった。
    私が一番よかったのは、『中断された展覧会の記憶』。
    福島で開かれていた美術展が、東日本大震災と原発事故によって貸し出されていた作品が貸出元の美術館へ帰る話。作品のエピソードとそれに携わる方々のストーリー。とても良かった。私もクリスティーナのように前向きに生きたい。

  • 4.3

  • ニューヨーク近代美術館MoMAを舞台にした現代アートとそれに関わる周辺の人々の日常を切り取った短編集。

    どれも心に沁み渡る佳作ばかりでした。
    なんだろう、古典的な芸術作品も素晴らしいのだけど、現代アートは画家と鑑賞者との年代的な距離が近いからなのか、その人生、人間性も含めてエビソードが描かれやすく、また読みやすく、心にわかりやすく響いてくる、そんな印象を受けました。

    また、多くの人々にトラウマを植え付けた東日本大震災やアメリカ同時多発テロの2つの事件を色濃い影のモチーフとしてうまく作品に絡めさせているところも、この作品に深みを与えていると思います。
    現代アートというモチーフで、これだけ人生の深みとほろ苦さと前向きさを描いているのはすごいなと感じました。

    どれもすごく心に響いて印象的だったんですけど、ラストの作品の「あえてよかった」が舞台になった年に気づくと、悲しかったです。でも、このメッセージ、伝えられてよかったのかな、とも。

    原田マハさんは他にも現代アートをモチーフにした作品を書かれているので、そちらもぜひ読みたいなと感じました。

    • kyocooさん
      麻美が帰国した年…
      こちらのレビューを読ませていただき初めて気が付きました。。
      悲しみと会えたらよかったという切なさが襲って来ます。
      読ませ...
      麻美が帰国した年…
      こちらのレビューを読ませていただき初めて気が付きました。。
      悲しみと会えたらよかったという切なさが襲って来ます。
      読ませていただきありがとうございました!
      2021/01/01

著者プロフィール

1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。森美術館設立準備室勤務、MoMAへの派遣を経て独立。フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍する。2005年『カフーを待ちわびて』で、「日本ラブストーリー大賞」を受賞し、小説家デビュー。12年『楽園のカンヴァス』で、「山本周五郎賞」を受賞。17年『リーチ先生』で、「新田次郎文学賞」を受賞する。その他著書に、『本日は、お日柄もよく』『キネマの神様』『常設展示室』『リボルバー』『黒い絵』等がある。

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