- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167910501
作品紹介・あらすじ
京都を舞台にスター探偵が駆ける!京都の街で相次いで起きた殺人事件。なぜかすべて、シャーロック・ホームズ譚を模していた。解決に乗り出したのは、日本探偵公社の若きスター・天親獅子丸と、助手の大河。大河は獅子丸をモデルにした『キングレオ』シリーズのスクリプトライターでもあった。無関係に思われた事件を追っていくと、謎の天才犯罪者の存在が浮かびあがってくる。エスカレートする犯人の挑発。獅子丸はついに、師である老獪な名探偵と対決することに!有栖川有栖さんも「なるほど、これは名探偵だ。その推理は、速い、鋭い、面白い」と推薦!!ロジッックとキャラクターの魅力を兼ね備えた新たな名探偵小説の誕生です。解説・円堂都司昭
感想・レビュー・書評
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あんまりこういう本は読まないのだけどたまに息抜きがてら出来心で読んでしまう。たまに「アタリ」もあるけど今回は微妙…。明治時代から警察と協力して「推理」だけを請け負ってきた機関「日本探偵公社」という設定は面白いと思う。京都が舞台になっているけれど、登場人物の9割は標準語を喋っているし、京都ならではの事件というのもないので、あまり意味はなかった気がする。京都出身の人間が読むメリットは、よみがななしでも地名がスラスラ読めること、程度。
人気探偵・天親獅子丸(あまちかししまる)通称キングレオは容姿端麗、頭脳明晰、運動神経抜群という全方位隙なし文武両道無敵の俺様キャラ。その従兄弟で助手を務める天親大河(あまちかたいが)は小説家志望だが、探偵公社の広報活動の一環として探偵キングレオの活躍を小説として書くスクリプトライターの仕事も請け負っている。
ミステリー連作であると同時に、ホームズとワトソンを模したこの二人のバディものでもあるのだけれど、正直このキャラクターのどこにも新味がない。俺様キャラに献身的な助手、あまりにもベタな組み合わせで既視感だらけ。そして二人の関係を女性部下に誤解させるなど、あからさまな腐女子ホイホイな展開も、あからさますぎてむしろ萎える。大河の妹・陽虎(ようこ)は美少女だがボクっ娘、美少年にして犯罪の天才・城坂論語など、ラノベ的キャラが大渋滞。
赤影連盟/踊る人魚/なんたらの紐/白面の貴公子/悩虚堂の偏屈家、とサブタイトルと事件内容もホームズのパロディにもなっていて、ミステリー好きなら唸るものがあるのだろうか、私はそれほど得意ジャンルではないので、なんとも言えない。ヒマつぶしにはなるけれど、つぶしたいほど暇があるわけでもないので、読んだ時間がちょっと勿体なかった・・・ごめんなさい。 -
世界館に入るまでにちょっと時間かかったー
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完全にシャーロックホームズへのオマージュだと思って楽しく読んでいたら、まさか若かりし頃の城坂論語が登場してビックリ。
しかもかなり邪悪な存在で、彼が登場したといことで後半はやはりルヴォワールシリーズのような屁理屈ディベート合戦の雰囲気が強くなってきた。
個人的には前半のような一話完結の名探偵ものの方が面白かった。 -
このお話は京都が舞台で実際にある地名やスポットが出てくるし、なんなら自分の生活圏内も出てくるというのに、架空の世界に同じ地名が出てきたような感じがして、なんか勿体なかったです。街は移ろいゆくものなので、実在の地をあまり詳細に描きすぎてもいつかはほとんど意味がなくなるのかもしれませんが(実際2021年の四条河原町にはもうマルイは存在しない)情景描写がもう少しあればいいのにと思いました。
これは個人的な意見ですがキャラクターにほとんど愛着が持てなかったので、ライトノベル風ミステリーなのも、せっかくミステリーの部分がいい感じでも中途半端に見えてしまうというか、ミステリーかラノベかもっとどちらかに寄ればいいのに…とか素人ながら思いました。スクリプトライターという設定も今回はあまり生かされてなかった気がします。
主人公コンビは京都生まれの京都育ちで他にも京都近辺出身のキャラが多いのに訛りのある喋り方をするのがひとりだけしかいないというのも、いっそみんな標準語で喋ればいいのに!と地元の人間は思いました。シャーロック・ホームズ×京都という組み合わせも、そうじゃなければこの物語は成り立たないという理由も感じれなかったので、このふたりの、この世界観の物語の続きが気になるとは思いませんでした。 -
キングレオこと天親獅子丸と、従兄弟で助手の天親大河が京都を舞台に事件を解決していく短編集。
キャラの設定からして、楽しんで書かれてるなぁと感じました。会話のテンポがよく、私自身バディ物が好きなので普通に楽しめました。ただちょっと浅い気がきたので、キャラ同士の関係性を深堀してくれればなと思います。
ルヴォワールシリーズは読んだことないですが、私はこれ単品でもさらっと読めて好きでした。 -
なんかうまく入り込めなかった。外連味のあるストーリー、名探偵と助手、設定は好みのはずなんだけど、妙に大袈裟というか……わざとらしいというか。JDCシリーズっぽさはわかる。作者がJDC好きっていうのも。でもなんか……うーん……
赤影同盟
名探偵と助手の紹介。事件がどうこうより、名探偵に心酔しすぎる助手がこれまた探偵として有能で、探偵が大賞を取れなかった小説より自分の小説が評価されるのがおかしいとか、ううむ…設定盛りすぎというか、なんか。
踊る人魚
助手のピンチに格好よく登場する探偵。
助手にほのかに恋心を抱きかけた新入社員が、探偵と助手の関係を誤解して冷める。
ストレートに狙いすぎというか。うーん。
なんたらの紐
まあ、うん。
白面の貴公子
この論語と大河のやりとりを見て、獅子丸と大河の、二人の深いところが良くわからないのに、やたら絆が強調されているのが、上滑りしている感じを受ける理由なのかなと思った。絆が深いと言われても、……みたいな。物語の根っこが張られている感じがしないというか。
ルヴォワールシリーズを読んでいればもっと楽しめたのかな。世界を理解しきれていないというか、根っこがないというか、うーーーーーーん。
期待して読み始めたので、ちょっと残念だった。 -
あんまし天才とか美少年とか美少女とかばっかりだと胸ヤケするんだな