卜伝飄々 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2018年4月10日発売)
3.55
  • (2)
  • (2)
  • (7)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 55
感想 : 6
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784167910518

みんなの感想まとめ

剣豪塚原卜伝を主人公にした短編集は、彼の意外な一面や人生の知恵をユーモラスに描き出しています。名声や富を求めず、日常の中に剣のヒントを見出す卜伝の姿勢は、読者に深い洞察を与えます。彼が抱える悩みや、戦...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • R1.6.16 読了。

     塚原卜伝氏を豪傑のように思っていたが、違っていた。名声も富も求めず。おなごに持てないことを嘆いていた話は、思わず笑ってしまった。
     日常の中にも剣へ活かせるヒントは潜んでおり、そのヒントに気付けるかどうかが大切であることを学んだ。

    ・「あの者たちはまもなく起きる危険をも予想できず、すぐそばにいた。馬が暴れだすかもしれない気配を察知し、さりげなく遠くへ離れていてこそ、わが流派のよき学び手と言えるのだ。」
    ・「人というのは、なんと罪深い生きものなのかと思う。なぜ、この世はもっと過ごしやすくできていないのか。なぜ、ふんだんな食いものに恵まれていないのか。それでも上手にやるしかないのである。1つずつ、事態を見極め、避けられる戦いなら避け、適当なところで戦いをおさめ、加減しながら飄々とこの世を渡っていくしかないではないか。」
    ・「卜伝の無手勝流というのも、たしかに1つの極意ではあるだろう。戦うときには、すでに勝敗は決している。だから、戦わなくて済んだりもする。」

  • 【晩年の塚原卜伝の心境を描く新感覚剣豪小説】剣豪は、やがて剣を使わぬ境地へとたどり着いた…。無敗の男・卜伝の伝説はいかに作られたのか。「耳袋秘帖」の著者が描く剣豪小説。

  • 剣豪とうたわれる塚原卜伝を主人公とした短編集。壮年以降の卜伝を描く。まあ軽い読み物という感じで、読みやすいが深くはない。

  • 私の大好きな作家、風野真知雄。
    この時代小説は、面白いだけじゃない。

    室町幕府末期、唯一剣を極めることにだけ、人生を捧げた人物である。
    物語はすでに60代半ばを過ぎ70歳に手が届きそうな剣豪の日常を淡々と物語る。
    一度は領地を持つ殿様として過ごすも、全てを手放し剣の修行の旅を続ける。日本各地には彼を師匠と仰ぐ人物が何人も存在し、旅をしては弟子の住まいを尋ね、稽古をする。

    まだ日本の国は統一なされず、軍割拠の状態。
    まだまだ剣の腕は売り物にもなった時代だ。

    この物語は、実は大きな主題は他にあり、
    強いということは?生きること、死ぬこと。
    常に自分の今を把握し、剣も戦い方も変えていた卜伝。
    それは自分の今を知るという、実は難しいことを目を背けずに考え続けた人物だからこそ。

    足捌きは、動きは胆力は?と自分を見つめ工夫を常の重ねる。何が必要で何が不必要か?
    戦いは本当に必要なのか?
    できれば、戦わない、できれば殺さない。
    逃げることも厭わない。

    決して見えとか体裁とか功名とかに惑わされない。
    老いて死す。人も生き物も全て同じ。
    自然でさえ、彼は学ぶ。

    中高年齢に差し掛かった人にこそ、読んで欲しい。
    なんとも平和で心穏やかにさせてくれる良書。

  • 剣聖と言われた塚原卜伝の老年をユーモアを混じえて語ったもの。強そうに見えなくて強いのが一番だね。

全5件中 1 - 5件を表示

著者プロフィール

かぜの・まちお
1951年生まれ。’93年「黒牛と妖怪」で第17回歴史文学賞を受賞してデビュー。主な著書には『わるじい慈剣帖』(双葉文庫)、『姫は、三十一』(角川文庫)『大名やくざ』(幻冬舎時代小説文庫)、『占い同心 鬼堂民斎』(祥伝社文庫)などの文庫書下ろしシリーズのほか、単行本に『卜伝飄々』などがある。『妻は、くノ一』は市川染五郎の主演でテレビドラマ化され人気を博した。2015年、『耳袋秘帖』シリーズ(文春文庫)で第4回歴史時代作家クラブシリーズ賞を、『沙羅沙羅越え』(KADOKAWA)で第21回中山義秀文学賞を受賞した。「この時代小説がすごい! 2016年版」(宝島社)では文庫書下ろし部門作家別ランキング1位。絶大な実力と人気の時代小説家。本作は「潜入 味見方同心」シリーズの完結作。



「2023年 『潜入 味見方同心(六) 肉欲もりもり不精進料理』 で使われていた紹介文から引用しています。」

風野真知雄の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×