玉依姫 八咫烏シリーズ5 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 1097
レビュー : 94
  • Amazon.co.jp ・本 (363ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167910617

感想・レビュー・書評

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  • 八咫烏シリーズ第5巻。今巻の八咫烏は脇役である。前巻までで、山内は人間界となんらかのつながりがあることがわかったが、この玉依姫では、八咫烏らが『外界』と呼ぶ人間界から始まる。

    高校生の志帆は、両親を交通事故で亡くし、祖母に育てられた。ある日、「伯父」が現れ、かつて祖母が母を連れて村を飛び出したのだと教えられる。志帆は伯父に誘われ、祖母に黙って山内村を訪れるが、そこで待ち受けたのは脈々と受け継がれてきた村の恐ろしい儀式だった…。

    すごいな、、、3巻からが本編だと思っていたら、4巻の最後、禁門が開いてからが本当の始まりだったのかしら。
    山内の成り立ち、消えたままの金烏と閉ざされた禁門、外界との綻び、大猿と八咫烏の関係、形骸化した神事、大地震…、まだ謎だった世界観の全容が見えてくる(全容ではないのかもしれないが)。それにしても、時間軸が現代だとは思わなかった。
    八咫烏の存在意義、そして山内という異世界の成り立ちから考えると、今後、八咫烏がどのような道を辿って行くのかと心配でもある。

    今巻の最後、椿と志帆の会話がよくわからずに戸惑った。どこからどこまでが志帆だったのか…?結局あなたは何者なのか?
    しかし、次の『弥栄の烏』は、この玉依姫と対になる話だというから、詳しい感想はそのあとにしよう。『烏に単は似合わない』の時と同じ轍は踏まないために(笑)

    巻末には荻原規子さんとの対談もあり、阿部さんは空色勾玉などから影響を受けていたことがわかる。
    荻原さんが、「古代的な世界でボーイ・ミーツ・ガールものを書くことにして、いったん『古事記』からは離れようとしたけれど、『古事記』のほうが寄ってきたんですよね。やはり私はこの日本の土地で生きているから、私の足の下に水脈が通っていて、出てきちゃうんだろうかと思いました」というのが印象に残った。
    勾玉三部作を読んだのは中学生の頃だったか、高校生の頃だったか…。それからもうずっと読んでいないけれど、未だに忘れ難い作品である。こちらもまた読み直したい。

  • 文庫で再読。

    シリーズ次巻の『弥栄の烏』と対になっているので、第一部を読み終えてから再読すると、より一層物語の奥行が増したことを感じることができました。
    はじめて読んだときには、急に舞台が現代になったことに驚き、若干の戸惑いを感じながらストーリーについていくのに必死だったので、改めて読んで、自分の中でも物語の展開を整理することができました。

    高校生のときに『玉依姫』の原型を書き上げた著者の才能に改めて驚きました。
    その物語では脇役だった八咫烏を主役にして書いた小説がデビュー作…すごい!

    巻末の著者と荻原規子さんの対談も豪華…!
    お互いにおすすめ本を紹介しているのですが、荻原さんが紹介している本が気になったので、読みたい本リストにメモ。

  • 山内の謎、というか起こりの話とその後の話、というのかな。面白かったけれど、あれ?ともなった。それに若宮の脇役感というか小物感というか。これまでがむちゃくちゃ面白かっただけに、少し残念。

  • 前作までとは趣が違う。正直言うと,こちら側との関係を持ち出してほしくなかった。せっかく作り上げた世界観が薄れてしまう。
    あらすじ(背表紙より)
    高校生の志帆は、かつて祖母が母を連れて飛び出したという山内村を訪れる。そこで志帆を待ち受けていたのは、恐ろしい儀式だった。人が立ち入ることを禁じられた山の領域で絶体絶命の少女の前に現れた青年は、味方か敵か、人か烏か?ついに八咫烏の支配する異世界「山内」の謎が明らかになる。荻原規子氏との対談収録。

  •  山内とこの世界の関係が明らかになった。こっちの世界と繫がってる設定だったらあんまり好きな設定じゃないなぁ、と思っていた。雪哉も出てこないしなー。
     でも、結局ノンストップですごい勢いで読み終わってしまった。民俗学的な要素とか、日本神話の話とか出てきて大好物だった。そして最後。てっきり二人は別々の道へ向かうのかと思ったら。終わり方もモヤモヤした不完全燃焼ではなく、とても良かった。
     山内の政治的な話は今回まったく出ておらず、本編というより番外的な感じ。次巻は雪哉の出番があるといい。
     

  • 八咫烏シリーズの5冊目。
    外伝みたいなお話かと思ったが、作者が語るところによれば、この話が一番最初に書かれ、ここから八咫烏シリーズに展開したみたい。
    元よりマンガみたいなシリーズであるが、今回はまた輪をかけたお話で、村人に生贄を要求する山神とそれに仕える烏と猿、そして生贄として差し出された女子高生という図だが、この差し出された志帆という子が何ともけったい。
    天狗が出てきたり、途中からは日本古代の神々の話になり、これは「RDG」に似てきたなと思っていたら、巻末には阿部智里×萩原規子の対談が載っており、さもありなん。
    荒魂やら和魂、生贄譚と巫女、八百万の神々への信仰など、色々語られる割に分かったようで分からない話で話を締められ、何だか消化不良だわな。

  • 八咫烏シリーズ第五弾。母の故郷山内村を訪れた、志帆。
    山神、猿、八咫烏との出会いと繰り広げられる、数奇な運命。
    玉依姫とは?そして「山内」の謎も明らかになる。
    序章  第一章 雨宿り  第二章 荒魂  第三章 過去夢
    第四章 糺す  第五章 神名  第六章 落花
    終章 帰還
    登場人物紹介、玉依姫考
    ・自著を語るー『玉依姫』によせて
    ・対談 阿部智里×荻原規子→これ、かなり楽しい(^^♪
    異世界であるの「山内」外界、人間界からの視点で描く。
    「山内村」は祖母が娘である母と共に逃げ出た場所。
    伯父の申し出でそこへ訪れた志帆は、村の儀式の御供に
    なってしまう。荒れる山神の母親役となる彼女の前に現れたのは、
    大猿と八咫烏・・・奈月彦だった。そして玉依姫とは何者なのか?
    日本の神話との接点は薄々感じていましたが、
    今回の舞台が1995年という現代には、驚きました。
    しかも、「空棺の烏」ラストの大地震の後の話とは!
    山神と八咫烏、猿との関係。禁門と先代の『真の金烏』の謎。
    人間界との接点や大天狗の正体等、「山内」世界の謎だった部分が
    更に明らかになってきます。
    志帆を通して描かれるのは、母と子の関係、家庭、愛しき者。
    お人好しだと言われてきた彼女の持つ強い意志に、導かれる。
    荒魂と和魂、「山神」と『英雄』の関係・・・そしてその正体までも、
    解き明かしてしまう。同時に成長するのも、さもありなん。
    志帆と山神が中心で物語が進行し、奈月彦は動く割には存在が
    薄い感じでしたが、第一部終了の次巻に外界が何か影響するのか、
    ちょっぴりですが予感を感じました。どうなるのかなぁ。
    それにしても『玉依姫』の原型が高校生の頃の作品で、
    シリーズのエピソード0とは、驚愕!

  • 山内の根源みたいなのや、若宮の記憶など、ずっと疑問だった事が、ようやくわかった感じ☆なくてはならないストーリーでしたね。山神様の成長ぶりが、ホッと安心した。志帆の幸せに対する考え方は、志帆の芯がちゃんとあっていいと思う。この小説を高校生の時にとは、作者様凄すぎですよね☆次は、第1部完結編どうなるのだろうか?

  • 薄々予感はしていたがそう来たかぁって感じ。もちろん全然悪くはないんだけど、今まで物語を紡いできた烏達が脇役感があって少し寂しかった。ここがすべての物語なのであまり文句は言えないっていうか、ここから四巻までの物語を作り出したことには素直に脱帽だけど、いままでの緻密な設定の回収がちょっと駆け足に感じられた。完結編に期待。

  • 首を長くしてまっていました。
    なるほど、この話がもともとあったのですね。
    そこから作者は”山内”を深堀したらしい。なるほど。
    神様と自然と人が渾然一体になっている話って好きだ。
    20180531

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著者プロフィール

1991年群馬県生まれ。2012年早稲田大学文化構想学部在学中、史上最年少の20歳で松本清張賞受賞。デビュー作から続く「八咫烏シリーズ」は、松崎夏未氏による漫画化、中台翻訳など進行中。19年『発現』(NHK出版)刊行。

「2021年 『烏は主を選ばない(1)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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