死はこわくない (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2018年7月10日発売)
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本 ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784167911102

作品紹介・あらすじ

「死ぬというのは夢の世界に入っていくのに近い体験だから、いい夢を見ようという気持ちで人間は自然に死んでいくことができるんじゃないか」。

自殺、安楽死、脳死、臨死体験研究…。長きにわたり、人の「死」とは何かをいうテーマを追い続けてきた「知の巨人」、75歳。がん、心臓手術を乗り越え、到達した心境とは?

〈目次〉
第一章 死はこわくない
1「死」を怖れていた若き日
失恋で自殺?
安楽死についてどう考えるか
「死後の世界」は存在するか
2ここまでわかった「死の瞬間」
心停止後も脳は動き続ける
体外離脱の謎
「神秘体験」はなぜ起こるのか
人生の目的は心の平安
3がんと心臓手術を乗り越えて
理想の死に方
延命治療はいらない
生命の大いなる環の中へ

[特別エセー] ぼくは密林の象のごとく死にたい

第二章 看護学生に語る「生と死」
人は死ぬ瞬間に何を思うか
死にゆく者へのインタビュー
厳しい看護師の現場
葛藤に次ぐ葛藤
燃え尽き症候群
難しいがん患者のケア
筑紫哲也さんの場合
余命の告知はどうすべきか
勝手に告知した、と激怒した家族
人間は死んだらゴミになる?
ナチスに殺された子どもの絵
「肉体は人間存在の外殻に過ぎない」
見えない存在との語らい
臨死体験はなぜ似ているのか
長期療養病棟の現実
尊厳死とどう向き合うか

第三章 脳についてわかったすごいこと
「意識」とは何か
脳科学「最大の謎」とは
脳はケミカルマシン
夢は思い通りに変えられる
意識を数式化できる?
心を持つ機会はできるのか
死んだときに意識はどうなるのか
東洋の世界観に近づく

あとがき
文庫版のためのあとがき

感想・レビュー・書評

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  • 《追悼》立花隆さん「“死”が自然とこわくなくなりました」 75歳の時に語っていた“死にどき”を迎える心境 | 文春オンライン
    https://bunshun.jp/articles/-/46369

    文春文庫『死はこわくない』立花隆 | 文庫 - 文藝春秋BOOKS
    https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167911102

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      ジャーナリスト・作家 立花隆さん死去 幅広いテーマ取材 | おくやみ | NHKニュース
      https://www3.nhk.or.jp/n...
      ジャーナリスト・作家 立花隆さん死去 幅広いテーマ取材 | おくやみ | NHKニュース
      https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210623/k10013098951000.html
      2021/06/24
  • 立花隆氏が本当に頭の良い方だった事がわかりました。臨死体験の科学的根拠が少し理解出来ました。

  • 立花隆先生の本。

    スピリチュアル的な“死後の世界”を信じる人にとっては、なかなか厳しい本。

    臨死体験をあちらの世界の片鱗を見ることと捉えている人にとっては、なかなか辛い本。

    要するに私にとって、なかなか受け止めるのに(心理的に)難しい本だったというわけで…。

    でも救いになるデータや言葉も載っていて、とても興味深く読めた一冊であった。そしてタイトル通り「死はこわくない」そう思える一冊であった。

    しばしば引用されるギリシャの哲学者エピクロスの言葉が印象深い。「人生の最大の目的とは、アタラクシア=心の平安を得る事だ」

    他にも印象深かったものを挙げようと思う。


    ☀︎いくつになっても死ぬのがこわいといって大騒ぎする人はまだまだ若いのだ。

    ☀︎死ぬのが怖いなんて考えている暇はありませんでした。昔、宇宙飛行士で、医師の向井千秋さんに、大事故を想定した訓練中、パニックになる人はいないのかと聞いたことがあります。彼女の答えはこうです。「みんな自分がいま何ができるかを考えて、必死で作業をはじめますから、プロとして意識が全面に出て、怖いとか言ったことは、あまり感じなくなるんですね」
    いざ死の危機に直面すると、人間って、その状況を把握したり、その対応に駆け回ったりするのに精一杯で、死を心配している余裕なんてない。それが普通なんです。暇な人だけが死の恐怖にとらわれるんじゃないでしょうか。

    ☀︎象は、死期が近いことを悟ると、仲間から離れてただ一頭、ジャングルの奥深くにある、人間は誰も知らない象の墓場に向かうといく。そして、墓場にたどり着くと、一人静かに、そこに山なすの象の骨と象牙の上に身を横たえるのだという。

    ☀︎死の床にある子どもたちに会う時に見せて言うんです。「あなたはいまはまだ繭なのよ。でも、もうすぐ蝶になって飛び立つことができるのよ。蝶なるのは繭のままでいるよりずっと素晴らしいことなのよ。」

    ☀︎個人の価値観を否定するために科学があるのではない


    他にも立花隆さんの伯父さんの死の話や、立花隆さんの父親のことも興味深く読めた。

    死を怖がり、死にたくないと思っているうちはまだ死から遠いようです。

    個人的には 第二章 看護学生に語る「生と死」
    が面白かった。

  • 人間にとって恐怖というのはその存在が「わからない」から。

    だから物陰に何かがいる恐怖も、それが猫だとわかると怖くなくなる。

    では「死」というのはどうだろうか。

    「わからない」のか、それとも「わかろうとしない」のか。

    著者の視点で臨死体験や生死について書かれたこの本は内容的な面白さと同時に「死」について深く考えさせられる一冊です。

  • 臨死体験の著者が書いた本。ある程度の年月を生きてきて親にいつお迎えがきてもおかしくない年齢になった。でも当の本人は「死」を異常に怖がっている。最近は臨死体験も死の恐怖を和らげるための脳の現象というところまでわかっているらしい。でも脳の機能が止まったあとはどうなるのでしょう。やはり無になるのでしょうか。あと幽体離脱で隣の部屋の会話を聞いたという体験談もよく耳にしますがあれは科学的にも説明できるのでしょうか。まだまだ脳には解明されない不思議な能力を持っているのかもしれない。

  • 義父の本棚に置いてあって気になり。
    すぐ読み終えるボリュームでした。
    死の瞬間なんて結局誰にも分からないが、少しだけヒントがあって面白かった。後半の脳に関する話は難しかったな。

  • もうちょっと突っ込んだ思考や考察を期待したのだが割と表面的な議論に終始してたイメージ。立花氏の別の著書、「臨死体験」への序章みたいな。臨死体験も読んでみたい。

  • 誰にでも公平に必ず訪れるもの死。死後どうなるのか。
    生とは何であり、死とは何であるのか、人が生涯追いかけざるを得ない難問である。立花隆氏の書籍という事で、ある意味安心して、かつ論理的に、さまざまな実証を交え考える事ができる。
    誰しもが読むべき必読書かも知れない。

  • 良書。
    淡々と冷静に死について語る。さすがの見識。

  • 前半の生い立ちのような記事は楽しく読めた。看護師の卵に向けての講義内容が秀逸。医師として頭に入れておくべき対応集「がん診療レジデント」という3年ごとに改定される本の存在に興味を持つ。kindleには対応していないし図書館にもない。後日、本屋で確認、専門家が使うハンドブックだった。一般人には敷居が高過ぎるのと、自分が見たかった本人や家族への接し方についての記述はほんの一部だった。

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著者プロフィール

評論家、ジャーナリスト、立教大学21世紀社会デザイン研究科特任教授

「2012年 『「こころ」とのつきあい方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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