錆びた滑車 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2018年8月3日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784167911201

作品紹介・あらすじ

【仕事はできるが不運すぎる女探偵・葉村晶シリーズ最新長編!】



葉村晶は、吉祥寺のミステリ専門書店のアルバイト店員をしながら、本屋の二階を事務所にしている〈白熊探偵社〉の調査員として働いている。

付き合いのある〈東都総合リサーチ〉の桜井からの下請け仕事で、石和梅子という老女を尾行したところ、梅子と木造の古いアパート〈ブルーレイク・フラット〉の住人・青沼ミツエの喧嘩に巻き込まれ、怪我を負ってしまう。

住み慣れた調布市のシェアハウスを建て替えのため引っ越さなくてはならなくなった葉村は、青沼ミツエの申し出で〈ブルーレイク・フラット〉に移り住むことになるが、そこでは思いもかけぬサバイバル生活が待っていた。ミツエの孫・ヒロトと父の光貴は八ヶ月前に交通事故に会い、光貴は死に、生き残ったヒロトも重傷を負った。事故の前後の記憶をなくしたヒロトは、なぜ自分がその場所に父といたのか調べてほしいと晶に頼む。

その数日後、〈ブルーレイク・フラット〉は火事になり、ミツエとヒロトは死んでしまう……。



解説・戸川安宣



前作「静かな炎天」は文庫書き下ろしながら、「このミス」2位とミステリランキングでも好調、「読書芸人」のカズレーザーや、のん(能年玲奈)も絶賛など、話題になりました。



【2018年12月追記】「このミス」3位、「週刊文春」6位、「ミステリが読みたい」5位にランクインしました!

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

テーマは、不運な女探偵・葉村晶の成長と苦悩を描いたミステリーで、彼女が直面する複雑な事件を通じて、心の痛みや人間関係の深さが浮き彫りになります。登場人物が多く、ストーリー展開には頭を使う場面もあります...

感想・レビュー・書評

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  • 今年初めに彼女(葉村晶)のことを知ってから、ずっと人生を追いかけてきた。そして現代に近づいてきた。2018年8月文庫書き下ろし。物語は、その冬の真っ最中に終わる。2017年秋には、東京オリンピックのことも知っていたし、40代中頃だと言っていた。物語の最後には、吉祥寺の知る人ぞ知るミステリ専門古書店の二階に探偵社を兼ねて住み着くことになった。いよいよ逢いにいけるかもしれない(←いや、ムリだけど)。

    「世界で最も不運な探偵」という冠はそのままに、けれども今回の解説子はそのことには触れずに「古今東西の推理小説や、場合によっては映画に関する蘊蓄」を持つ「マニアックな探偵」として紹介している。ちょっと我が意を得たり。物語のキーマン、ヒロトの信頼を勝ち取るきっかけになった会話で、葉村晶は、昔読んだ本でタイトルを思い出さないヒロトに易々古本屋の棚から当該本を渡す。 
    「夏休みに金貸しが殺されて、緑色のズボンとパン屋が出てくるやつ。警部さんが食べる、焼きたてのクリームパンがうまそうだったんだよなあ」もちろん「罪と罰」じゃない。「カッレくんの冒険」(岩波少年文庫)である。葉村晶によると、「児童ミステリの基本中の基本」らしい。そうなのか?

    それと、歳はとってもやはり彼女は自己肯定感が少なくて友だちに優しい。
    「わたしが瑠宇さんを傷つけたわけではない。彼女も勝手に傷つき、しかも傷ついたのをわたしに知られて、さらに傷ついていた。何ひとつわたしのせいではなかったが、後味は悪かった」(102p)果たして葉村晶は瑠宇さんの恋のキューピットになれるのか?

    それと、現代に近づいてスマホはどんどん高性能になってきたけど、葉村晶の詩的な呟きは健在である。
    「引き戸の脇に日本酒メーカーのポスターが貼ってあったが、徳利を差し出している着物姿の女性は三十三回忌を過ぎた魂魄並みに消えかけていた」(188p)
    「遊園地は祝祭の上に祝祭を重ね、非日常の上に非日常を乗せて、訪れる人々をめいっぱいもてなそうとしていた」(305p)

    例によって、わたしは葉村晶の事件のことは一切語らない。ミステリ好きならば決して裏切らない、と保証しておこう。伏線回収好きな読者も十分満足できる。「錆びた滑車」の文句がまさか此処で出てくるとは!とは思った。タイトルさえ、伏線だったのか!
    あと一冊しかない。次回を紐解くまで、いつまで我慢が持つのか。

  • 久しぶりの葉村晶シリーズ。
    冒頭、「青沼ヒロトと出会い、ひとつ屋根の下で暮らした」なんて葉村の追想記で始まるのでドキっとした。
    葉村にそういう展開が?と思ったが、やっぱり違った。

    文化の日の翌日、<東都総合リサーチ>の桜井経由で受けた、最近ちょっと様子がおかしい(若返ったように見える)母親の身辺を調べて欲しいというの息子からの依頼のため、ターゲットの石和梅子の足取りを尾行していた葉村。
    敷地内にアパートを有する「青沼」の表札のある家を訪れた梅子。
    ミツエと呼ぶ女主人と共に母屋からアパートの方へ向かい、線香を上げるかのような話しぶりだったが、しばらくすると喧嘩の声が。
    様子を見に行った葉村の上に、梅子とミツエが落ちてきた。。。

    と、さも葉村らしい幕開けに始まる。
    また携帯壊してるしw
    青沼ヒロトは、ミツエの孫。
    はっきりと年齢が書かれていなく、どの程度の年頃の人物を想像してよいのか最初戸惑ったが、後に出てくる友人達と同い年だとすると就職間近の大学生というところか。
    半年前にもらい事故で父親の光貴を亡くし、自身も怪我を負い、松葉杖が手放せない生活を送らざるをえず、祖母のミツエの世話になっている。
    ちょっと世話を焼いたことで繋がりが出来た葉村とヒロト、<東都>の桜井からは冒頭の喧嘩の間を取り持つために青沼家に取り入って欲しい(破格の報酬付)との依頼もあり、あれよあれよという間に、ミツエのアパート<ブルーレイク・フラット>の201号室に住むことに。

    というところまでは、ふむふむなるほどの展開だったし、ああきっとこの半年前の事故というのが今回の話の本当の鍵となる事件なんだろうなと、程よいつかみで引き込まれたのだが、ここからはちょっと複雑過ぎた。

    怪しい薬物取引に手を出していたのではと疑惑の残る光貴、まさかその残留品でおこぼれに預かっていたのかヒロトとその友人達、ヒロトの部屋を訪れる謎の女、青沼家の事情に通じているようないないようなミツエのいとこだと名のるアートメイクの眉を持つスピリチュアル女ハナエ、葉村を影で操り調査に横やりを入れてくる『さよならの手口』でも絡んだ当麻と郡司の警察官コンビ、スタインベック荘の同居人瑠宇さんの何とも困った悩み。
    色んな人の思惑や過去の事情、噂がからみ合い、もつれ合い何が何だかよくわからなくなってしまった。

    とにかく葉村が引き寄せるすじ悪案件達が、人の愚かさばかりを強調し、救いがなくうんざりしてくるのだ。
    勧善懲悪であればすっきりするのだろうけど、それはそれでこのシリーズらしからない。
    とするとこのもやもや感はもはや必然なのか。

    次は『不穏な眠り』。
    とりあえず、現在刊行されている葉村晶シリーズ最新刊になるのかな。

  • 本作品でもしっかりハードボイルドしている葉村晶。今回もボロボロになりながら、事の真相にたどり着きます。ただし、葉村晶が動いたその結末ほろ苦い物ではあるのだが。

    星は一応4にしたが、事件が少々複雑で登場人物も多く、頭の中で整理するのにだいぶ苦労した。リーダビリティは少し多作品に比べて劣るかな。
    星は3.5が正直なところ。

    このシリーズはシリアスなだけでなくコミカルな面があるのが特徴であると思うが、本作でもその特徴は存分に発揮されていて、重くなりすぎないのは好感が持てた。


  • 『このミステリーがすごい!2019年版』第3位受賞作品。仕事はできるが、不運すぎる女探偵・葉村 晶シリーズ第6弾❗️

    『このミス』の上位作品ということで期待値も高くなって読み進めましたが、結果から言うと『さよならの手口』に比べると若干読み足りなさが残った作品でした❗️

    シリーズ全体を通して、ストーリー展開はテンポも良く多少のユーモアもあって、本格ミステリーとはいかないまでも、そこそこの無骨なミステリーを求めている方には、オススメのシリーズです♫今回のミステリー紹介も殆ど読んだことがない作品ばかりでした❗️

  • 葉村晶は長編の方が私は好き。
    毎度のこと話が進むにつれ痛みつけられる葉村だが、今回は肉体よりも心の方が痛かったか(怪我も酷いけど)。
    伏線もきっちりと回収されている。
    冒頭の文で、今回はもしかして…と思ったが哀しい話だった。読み終わってから冒頭に戻って、タイトルの意味もわかった。

  • 葉村晶シリーズ最新作。
    老女の尾行を依頼された晶は、老女同士の喧嘩に巻き込まれいきなり大怪我をするという不運から始まる。
    喧嘩相手の懐に入り込むことになってしまった晶は更にその家族の謎に魅せられのめり込むことになる。

    相変わらず晶の周りには良く言えばマイペース、悪く言えば自分本位な人間ばかりがいる。
    富山店長や桜井(こちらはたまには気を遣ってくれるが)は言うまでもなく、警察の当麻、大家の姪、成り行きで住むことになったアパートの持ち主ミツエ、その孫ヒロト、その周囲の人々…。
    彼らの主張は端から見れば全くの身勝手で受け入れる必要はないのに、それを拒否すればどんな悪意が跳ね返ってくるかわからないだけに恐ろしい。
    こんな人々に囲まれていたら精神がどうにかなりそうなものの、それでも自分を保ち自分がやるべきことを見失わない晶のタフさには感心しかない。
    だが次々降りかかる不幸とお願いと悪意とでさすがの晶も推察力が翳っていたような。真犯人については俯瞰で見ていた読者の方が早く気付くだろう。

    これほど頻繁に骨折していたら骨の形がおかしくなるのでは…などと素人ながら心配してしまう。
    なんとか次の住居も確保出来たらしいのでその点は安心したが、経済的な安定からはまだまだほど遠いようだ。

  • 若竹七海『錆びた滑車』文春文庫。

    仕事はできるが不運すぎる女探偵・葉村晶シリーズ。『葉村晶史上、最悪最低な事件』とは……

    吉祥寺のミステリ専門書店のアルバイト店員にして、白熊探偵社の調査員の肩書を持つ葉村晶が今回請け負うのは石和梅子という老女の調査。調査の過程で葉村晶はとんでもないことに巻き込まれ……

    『静かな炎天』が非常に面白かっただけに本作はイマイチ感が……魅力はあるのだが。

    • hiroki-musashinoさん
      吉祥寺が地元なので気になります!
      吉祥寺が地元なので気になります!
      2019/07/21
  • 女探偵、葉村晶シリーズ。

    葉村は尾行していた女性石和梅子と、青沼ミツエの痴話喧嘩に巻き込まれ、怪我をする。
    ミツエが所有する木造アパートに移り住むことになった葉村に、ミツエの孫であるヒロトからある調査を依頼される。
    ヒロトは交通事故で重症を負い、記憶を失っていた。
    大学3年の夏休み、スカイランド駅前ロータリーのバス停に、アクセルとブレーキを踏み間違えたワゴン車が突っ込んできた。何故父親と2人でその場所に行ったのか調べて欲しいと、、、

    その後ヒロトと葉村は火災に巻き込まれてしまう。



    相変わらず伏線が多すぎ!次から次へと覚えなくては行けないことが多すぎて(^◇^;)
    頭が良くないとやっぱり葉村晶のシリーズは難しい(-。-;

    畳み掛けるように物語が進んでいくところは、流石
    若竹先生。
    あっちもこっちも最後は綺麗に纏まりスッキリ。

  • 葉村晶シリーズの長編を初めて読んだが、短編集しか読んだことがなかったためか、読むにつれ中だるみのような気がしたのだが、そこを乗り切るとやはり面白い作品だった。次はシリーズの発表順に読んでみたい。

  • 「タフで不運な探偵」葉村晶は、例によってヒドイ目に遭う。こんなたびたび怪我する人も珍しかろう。少しは良いことがあってもいいものだが、作者はあくまで彼女に厳しいのだった。

    愛想笑いなどしない葉村のクールさが格好いい。人の悪意がしっかり描き込まれているのに、読んでいてイヤな気持ちにならないのは、彼女が中途半端な正義面をしないからかもしれない。脇役たちも類型的な善人ではないところが味わい深いと思う。でもお風呂ぐらいつけてあげて、富山店長。

  • 若竹さんは本当にハズレ無い!「えっっっ」と驚かされる場面が何度もあった。ほろ苦い事件と人間模様、いつにも増して葉村晶の巻き込まれっぷりが読み応え充分。

  • ある依頼を受け老女を尾行していた葉村。その老女と知り合いとみられるミツエと老女の喧嘩に巻き添いを食らい早速、怪我をする。その後、ミツエのアパートの空室に住むことになるが、ミツエの孫・ヒロトから依頼を受ける。ヒロトは交通事故に遭い、父を亡くし(母は失踪中)、自分は事故の記憶をなくしている。その時のことを調べて欲しいとのことだ。しかし、ヒロトはアパートの火事により死んでしまう。ヒロトの死の背後にあるものは…。
    歳とっても頑張っているのね、葉村。今回も葉村はバリバリ探偵の道を進んでいました、タフでユーモアもあり好きです。”熊”は良くないみたいだけれど、引越後の葉村、今後の活躍に期待です。このシリーズは続いて欲しいです。
    伏線はきっちり回収だし、ミステリーだけでなく本の紹介もあり、それも魅力。そして、ミツエのキャラが良かったです。

  • 葉村晶シリーズの長編。
    探偵の仕事として高齢女性を尾行していた晶は、ターゲットのトラブル現場に遭遇して怪我を負ってしまう。
    それがきっかけで、青沼家と近づき、なぜか青沼のアパートに暮らすことになる。
    青沼ヒロトから「自分が交通事故にあったとき、父となぜあの場所にいたのか調べてほしい」と頼まれる。また、事故死したヒロトの父の遺品整理も頼まれる。
    遺品整理を翌日に控えた日の夜、アパートは火事により全焼、晶は助かるが、火元になった部屋にいたヒロトは死んでしまう・・・。
    壮絶すぎませんか?!
    ヒロトとの生前の約束を果たそうとする晶に、様々な人間が関わってきて、次々と問題がおき、事件はふくれあがっていく。
    晶は、ヒロトが頼んだことの結論にたどり着くことができたけど、もしヒロトが死んでおらず、真実を知ったら、ヒロトは生きながら苦しんだことだろう。

    タイトル「錆びた滑車」とは、星の王子さまの一節から。
    すべての星が錆びた滑車のついた井戸になり、飲み水をそそいでくれる・・・。
    ラストで晶も、空の星を見上げる。
    冬の冷たい風に吹かれても、ミツエとヒロトを失ったことに対する、悲しみと悔しさの涙を乾かすことはできない。
    星が晶に注いだ「飲み水」は、夢のような時間の回想から現実に引き戻されたことによる涙だったのか…。

    葉村晶シリーズは、ちょこちょこ星の王子さまモチーフが出てくる。今作では、「狐とバオバブ」という料理店。ミツエの遺体を見た晶が、体は抜け殻と思ったこと・・・。
    事件のすべてが解決した後、晶は、ヒロトとミツエと過ごした数日間のことを、「魔法のような時間」、「時として人生に訪れる素晴らしい時間」と振り返る。
    これはまさに「大切なものは目に見えない」という、星の王子さまの格言に繋がる気がした。

    晶ってすごく優しいし、だからこそ、事件の幕引きでは晶がかわいそうに思った。
    今作のラストでは、晶が暮らしていたシェアハウス「スタインベック荘」からも退去し、心を寄せた青沼家は死に、一緒に過ごした場所もなくなった。
    晶の孤独が、私の心にも染みた。

  • 葉村晶シリーズでもかなり読みごたえのある話。でも冒頭で語られている通り、なんとも悲しい話だったか。
    いつのまにやらNHKでドラマ化されちゃって、映像化される前に読まなくては!と思っていたが、この話は採用されなかったらしい?新しめだから?
    運が悪いとかそういうことでもなく、ほんとに体も心もぼろぼろ。それでも葉村はやるよねと思わせる。
    葉村と一緒に推理を巡らせるのだけど、これでもなかったかと進んでいく。
    それにしてもほんとに休ませてもらえない葉村。ようやく眠れそうなのに、一時間おきにそれぞれ別の人から畳み掛ける電話など、読んでいる自分まで辛くなりそうになりながら、この書き方うまいなとちょっとだけ笑っていたりもした。
    とても救いようのない感じの話だったけれど、葉村にはちゃんと居場所はあるというような終わりかたで、ちょっとだけほっとしたような?気もする。

  • 葉村晶シリーズの長編。
    冒頭から尾行対象のケンカに巻き込まれて、またもや怪我をおってしまう葉村。その縁で知り合った老婦人の持つアパートで暮らすことになり、交通事故で記憶が抜け落ちている彼女の孫から「事故のときなぜ自分がそこにいたのか」を調べてほしいと依頼される…
    ストーリーがけっこう複雑で登場人物も錯綜しているが、読みごたえがあって面白かった。ただ、後味は苦い。
    いつものようにボロボロになりながらも、淡々と一途に真相に迫る葉村がハードボイルドでかっこいい。

  • 日本一不運な探偵葉村晶シリーズ最新刊。
    いろいろあって古本屋兼探偵の葉村晶が尾行中の女性の揉め事に巻き込まれることから始まるストーリー。
    相変わらず、不運でタフではあるのだけど、昔に比べて丸くなっていてクールでありながら情深くなっているよう。前は鉄仮面というか硬質な感じだったのが、年齢による体力の衰え、身体への負担等と共に人間らしくなっていってるよう(というと以前の葉村さんが人情がなかったかというとまた違うのだが)
    それでいて周りからは一向に大事に扱われない感じがウェットになりすぎない、
    お話は読んでいてカチリカチリとはまっていくのでテンポよく読めた。
    話の中にミステリ好きをくすぐる書名が出てきたり巻末の富山店長の解説もいつも通り楽しませてくれる。

  • 葉村晶シリーズ最新作。
    新作が出ていることを知らずに、発売から1か月以上経ってしまった…
    今作は長編。ある老女の身辺調査を依頼された葉村は、老女同士の言い争いの場に巻き込まれ、怪我を負ってしまう。
    この件が発端となり、葉村はまた大きな事件へと巻き込まれていってしまう。
    やっぱりオーソドックスな探偵小説は面白い。
    ハイテク機器を使う訳でもなく、相変わらず不運は止まらないんだけど、それでも真相に辿り着く葉村はかっこいい。
    度重なる怪我を自分の加齢のせいなのか、考え込むシーンに共感!葉村が同じ年代だからこそ、さらに応援したくなる。
    頑張れ、葉村!

  • 筋書き自体は比較的シンプルなのに、そこに至るまでの道のりは随分複雑なプロットだったな…というのが率直な感想。長編は相変わらず一筋縄でいかない葉村晶シリーズ。詰め込み過ぎて窮屈な印象はありながらも、良質のハードボイルドを楽しめた。年月を経て自身を取り巻く人々や環境が変化しても、探偵・葉村晶は変わらない。いや、正確には変われない。頑固で不器用で、時折不憫に思えてしまうが、読者としては『歩けない探偵は探偵ではいられない』と言い張る彼女が愛おしい。良くも悪くも【相変わらず】な富山店長は本編の清涼剤になっています。

  • 葉村晶シリーズ第5弾
    長編がやっぱり好き
    今回もしっかり不幸に愛される探偵だった
    でも不幸な目に遭うのは身体だけにしてほしい
    いやそれも可哀想ではあるのだがちゃんとタフだからなんとかなるし なんとかする

    あんたもね、探偵

    束の間とは言え 魔法のような時間を過ごした者には堪える
    どんな経験をしても 心はタフになれない

  • 葉村晶シリーズの長編新作。安定しておもしろかった。
    不運な探偵の異名の通り今作も酷い目にのお約束もしっかりあり気の毒です。
    加齢によるぼやきが近い将来自分の身にも起こることなのね……としんみりも。

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著者プロフィール

東京都生まれ。立教大学文学部史学科卒。1991年、『ぼくのミステリな日常』でデビュー。2013年、「暗い越流」で第66回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞。その他の著書に『心のなかの冷たい何か』『ヴィラ・マグノリアの殺人』『みんなのふこう 葉崎は今夜も眠れない』などがある。コージーミステリーの第一人者として、その作品は高く評価されている。上質な作品を創出する作家だけに、いままで作品は少ないが、受賞以降、もっと執筆を増やすと宣言。若竹作品の魅力にはまった読者の期待に応えられる実力派作家。今後ブレイクを期待出来るミステリ作家のひとり。

「2014年 『製造迷夢 〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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