- Amazon.co.jp ・本 (495ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167911508
感想・レビュー・書評
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映画化で話題の本なので読みました。12人の子どもたちの最後の選択はどうなるのか、13人目の子どもは誰なのか、かなり気になるところだと思います。ミステリー要素が多く、楽しめました。
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そういえば冲方丁の作品読んだことなかったなぁと思い、ちょうど映画やってるし装丁好きだし原作当たるかと読んでみた。
章の終わり毎に次へのヒキがあって、早く続きをとサクサク読んでしまった。ミステリ要素強いのかと思ってたけどそれが主眼ではなさげ。でも面白かった。 -
続きが気になってスイスイ読めた。
登場人物が多くて少し大変だったけどそこが面白いところ。 -
ストーリーの面白さというより、子供たち1人1人の際立った個性が面白かった。みんな死にたがってるどけあって世の中や自分に絶望を感じてて、その主張がどれも正しいのだけど間違っている感じが痛々しく、現実味があって心に刺さった。
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2019年1月25日に公開が迫った堤幸彦監督作品、『十二人の死にたい子どもたち』。本書はその原作小説である。
作者冲方丁の小説が実写映画化されるのは岡田准一主演の『天地明察』に続き2度目。前作は時代物だったが、本作は一応現代ミステリーに分類されるだろうか。
冲方丁ほど多ジャンルで才能を発揮する作家もなかなかいないだろう。デビュー作『黒い季節』は現代が舞台の異能バトルものであったが、『マルドゥック・スクランブル』『シュピーゲル』シリーズなどのSF作品、『麒麟児』『花とゆめ』などの時代小説、さらには異世界ファンタジーから官能小説まで(!)、ジャンルにとらわれず多彩な作品を発表している。
また小説の執筆だけでなく、アニメ脚本、漫画原作、ゲームのシナリオライターとしても活動している。アニメ脚本の例を挙げるとしたら、ロボットものの『蒼穹のファフナー』やSFサスペンス『PSYCHO-PASS』などだろうか。
こうして冲方作品を列挙してみると、現代が舞台でしかも異能や武器銃器が登場しない作品というのはとても珍しいと感じる。
閑話休題。本作の内容に目を戻すと、ジャンルはミステリーとされているように思う。確かに正体不明の「十三人目」の死体の謎は、この作品の軸となる大事な要素だが、本書の主題は決して謎解きではないように思う。実際作中でも十三人目が発見された当初は、不自然な状況にも関わらず、集団自殺を決行しようとしたほどだ。(2番君の活躍で謎を放置したまま自殺、完!の展開は回避された。実際に彼が同級生だったら「ウザい」と感じてしまうだろうが、この点はナイスプレーである。)
解説で吉田伸子氏はこの作品を『十二人の怒れる男』や『12人の優しい日本人』に連なる「十二人もの」の作品だと述べている。廃病院に集った子どもたちは裁判を開くわけではないが、集団自殺の実行には参加者全員の賛成が必要になるため、十三人目の謎を放置したまま自殺を決行するか、謎を解き明かしてから自殺するかで議論が始まる。この議論というのが作品の本筋であり、それによる子どもたちの心情の変遷が最大の見所ではないだろうか。
章が進むに連れて語り手となるキャラクターも次々と入れ替わる。語り手となるキャラクターの心情だけでなく、そのキャラクターが別のキャラクターをどう評価しているかも細かく書かれていて面白い。
個人的なお気に入りキャラクターは11番のマイである。いわゆるおバカキャラの少女で、議論の展開に理解が追いつかず、ずれたような発言を繰り返すが、中盤から終盤にかけてとても重要な役割を果たす。彼女の不用意な発言による盛大なちゃぶ台返しは必見です! -
12人の子供たちが集団自殺しようと廃病院に集まるところから始まるんだけど、なんせ人数が多いのでそれぞれが目撃した違和感の関連性が最初は全然見えなくて行く末がわからなかった。そして数字というどうしても目が行きやすい要素もまた混乱に陥れるポイントになっていてすごいなと思った。
順に話し合いで謎が解き明かされていく中でそれぞれが抱えているものが顕になっていくのは辛い部分もあった。
ただ、この話し合いで思いとどまることになったのは良かったと思いつつ、それぞれの闇はそのままなのはなんとも言えない気持ちになった -
「もったいぶってないでさっさと結論言えよ」って何度も思ったし「話が進まんだろちょっと黙れ」ってイライラして、自分が十四人目になったみたいだった笑 登場人物覚えられるかなって心配したけどみんなしっかり個性があって問題なかったし最後はハッピーエンド?で面白かった。