世界を売った男 (文春文庫)

著者 :
制作 : 玉田 誠 
  • 文藝春秋
3.67
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本棚登録 : 43
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167911829

作品紹介・あらすじ

第二回島田荘司推理小説賞受賞作。台湾の出版社が企画し、島田荘司が選考を努める、華文(中国語)による本格推理小説の新人賞を受賞したのは、香港の新進気鋭、陳浩基(サイモン・チェン)。最先端と前近代の町並みが混在したエネルギッシュな過密都市を、「記憶を失った男」が、事件の真相を追って失踪する。秀逸な構成、驚愕の結末。アジアに新しい「新本格」ブームの幕が開いた。車の中で目覚めた刑事。つい先日起きた夫婦惨殺事件を捜査していた・・・はずが、警察署に出てみれば建物も顔ぶれも全く変わっている。そこに現れた女性記者から、事件は6年前に起きたもので、その犯人は逃走中に事故死、事件はすでに解決している、と知らされる。自分は6年間の記憶を失っている? 何故? しかし、刑事には何故か確信があった。「死んだ男は、真犯人ではない!」事件の真相を求め、女性記者とともに香港島、九龍、新界と、かつての事件関係者を訪ね回る。次々に出くわす意外な事実、そして不可思議な違和感。自分の記憶はなぜないのか、なぜ自分は「真相は別にある」と知っているのか。そして、自分は何者なのか。どんでん返しの連続、アクロバティックな謎解き。これぞ新本格ミステリーの誕生、という新鮮な感動を、我々日本人はこの一冊で思い起こすことができるだろう。そして、主人公の「アイデンティ・クライシス」は、今の香港に生きる作者の切実なテーマでもある。今年、陳浩基の新作「13・67」は大きな話題となり、ウォン・カーウァイが映画化権を取得した。返還から中国支配により激しく変化する香港の歴史を辿った連作集だ。激動を香港をリアルタイムで活写している陳浩基のメジャーデビュー作に、改めて注目が集まる。

感想・レビュー・書評

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  • 香港舞台の小説に関心があったので購入。スピード感があり面白かったが、登場人物の名前がややこしいです。最期の結末はさっと読んだだけではちょっと分かりにくい。

  • 『13・67』で大ブレイクした陳浩基の、第2回島田荘司推理小説賞受賞作。
    謎が謎を呼ぶ導入部、スリリングな中盤、ラストのどんでん返しと、お手本のような本格ミステリだった。『13・67』も買おうかな……。

  • 【六年間の記憶を喪った男が真相を追い香港を駆ける】目が覚めると六年後! 事件を追う刑事に何が起こったのか?「13・67」でミステリ界を席巻した香港の気鋭、衝撃のデビュー作。

  • デヴィッド・ボウイの同名曲がモチーフの華文ミステリー。華文翻訳初体験だが、北欧ミステリーに比べ断然馴染み易い文体なのは、やはり原文との言語的相違が少ないからかと思ったり。本編はクールなトーンでサクサク進み、主人公と相棒役が香港の街を練り歩く描写には紀行小説の趣きも。記憶喪失の真相が明かされる中盤以降は緊張感が薄まり、肝心の終盤は盛り上がりに欠けたが、伏線回収を含め、トータルでは綺麗にまとまって好印象。香港映画をノベライズした雰囲気と表せば割としっくりくるかも。話題作となった「13.67」も読むのが楽しみ。

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著者プロフィール

陳浩基(ちん こうき、サイモン・チェン、Chan Ho Kei)
1975年生まれの作家。香港中文大学計算機科学系を卒業。Webサイトのデザインやゲームの企画、脚本の執筆、漫画の編集者などを務める。
2009年、「藍鬍子的密室(青髭公の密室)」が台湾推理作家協会賞を受賞。2011年、『世界を売った男』が台湾の出版社が主催する公募の長編推理小説賞・第2回島田荘司推理小説賞を受賞。2015年、『13・67』で第6回ブクログ大賞、台北国際ブックフェア賞(小説部門)、第1回香港文学季推薦賞をそれぞれ受賞。

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