ママがやった (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (2019年1月4日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784167912062

作品紹介・あらすじ

或る家族の半世紀を描いた、愛をめぐる8つの物語。



小料理屋の女主人・百々子(79歳)と、若いころから女が切れない奇妙な魅力をもった夫・拓人(72歳)。半世紀連れ添った男を、ある日水で濡らしたタオルを顔にかぶせ、その上に枕をおき全体重で押さえ、殺した。

急きょ集まった三人の子供たちに向かって「あんたたち、お昼食べていくんでしょう」と、百々子は米をとぎはじめる。

「ママはいいわよ。べつに、刑務所に入ったって」警察に連絡するしないでもめている三人に、のんびりした口調で話す。

死体処理の相談をする姉たちは弟・創太にブルーシートを買ってくるよう命じるが、創太の足は父親との思い出の店・小鳥屋へ向いていた――



表題作ほか、「五、六回」「ミック・ジャガーごっこ」「コネティカットの分譲霊園」「恥」「はやくうちに帰りたい」「自転車」「縦覧謝絶」の全八篇。



解説:池上冬樹

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

家族の複雑な絆とブラックユーモアが交錯する物語が描かれています。父親が母親に殺されるという衝撃的なスタートから、家族の淡々とした日常が展開され、思わず引き込まれます。登場人物たちの奇妙なやりとりや、父...

感想・レビュー・書評

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  • この作品はまず、79歳の百々子が夫の拓人71歳を殺したことを家族に知らせて、息子の創太と娘の時子、文子がどうやってそれを隠そうかとするところから始まります。
    夫は女性に若いころからだらしなく、妻の百々子は、何故今頃になってという感すらありました。

    井上荒野さんの作品のレビューに、よく「白い方の荒野さん」とか「黒い方の荒野さん」とかいう言い方をされていらっしゃる方がいらっしゃいますが、その言い方で言うとこの作品は「真っ黒」だと思います。

    こんな気持ちの悪い家族の関係の家族。
    こんな家族でよく子供がぐれたりしなかったと思うほど、一致団結しています。
    なんでこんな拓人のような男性に女性が多いのかもわからない。それぞれの女性に拓人に魅かれる理由は描かれてはいますが、気持ちが悪いと思いました。
    当の正妻の百々子でさえ結婚のきっかけは、当時、高校の教師だった百々子が、女生徒と交際中だった拓人を生徒から略奪したことであり、その後女生徒は、自殺未遂をしています。
    それぞれ語りが非常に上手いので、そういう状況ならこんな、男性でも好きになることがあるかもしれないと思わせますが。
    でも、家族の団結の固さも恐ろしい。
    この親にしてこの子供ありです。
    母親が、父親を殺して、でも家族だからかばって、家族だから隠そうと画策します。
    この母親も、父親も、子供達には親であり、家族だった。誰もどちらも責めていない。
    隠すことに必死です。

    最後はどうなることか、はらはらして読みましたが、これは限りなく純文学に近いホラーではないかと思いました。
    上手い小説だとは思いますが、気分がよくなる話ではないので、星は減らしました。

    • やまさん
      まことさん、おはようございます。
      いいね、有難う御座います。
      まことさん、おはようございます。
      いいね、有難う御座います。
      2019/10/31
    • やまさん
      まことさん
      こんばんは。
      いいね!有難う御座います。
      やま

      【レビュー番外】
      「なんとなく・青空」は、何十年ぶりで読む詩集です...
      まことさん
      こんばんは。
      いいね!有難う御座います。
      やま

      【レビュー番外】
      「なんとなく・青空」は、何十年ぶりで読む詩集です。
      ブクロクの方のレビューに、いいね!のお礼のコメントを書いていて、それが、たまたま「なんとなく・青空」の本でした。
      そのレビューの先頭に「工藤直子さんが身のまわりのモノや風景相手に、にこにこ微笑みながらおしゃべりしているような詩集。」と書いて有るのを見て。
      え—、゛にこにこ微笑みながら゛にすごく反応してしまいました。
      そして、すぐ読みたくなり図書館に予約を入れました。
      その時の気持は、相当疲れていたのかもしれません?
      この詩集は、短いものです、詩が25話 載っています。
      もう何度か読み返しました。
      読んでいると、心がニコニコしてきます。
      是非読んでみてください。
      2019/12/11
    • まことさん
      やまさん♪こんばんは!
      私も、そのレビューは拝見して、読んでみたいとは思うのですが、私の住んでいる地域の図書館にはないのがわかっているので...
      やまさん♪こんばんは!
      私も、そのレビューは拝見して、読んでみたいとは思うのですが、私の住んでいる地域の図書館にはないのがわかっているので、登録しませんでした。残念です。
      2019/12/11
  • 井上荒野『ママがやった』 #読了
    母が父を殺した。会話の端々から狂気が覗き、背筋が凍る。当たり前の家族像が崩壊していく様にゾッとした。
    https://amzn.to/4oRjPIw #PR

  • 父親が母親に殺される。

    そこからスタートする家族の話。
    なんだかな、ブラックジョークのやりとりのような家族たちの生活がとっても魅了されます。笑

    え?そっち?

    え?なにそれ。

    え?そんなんあり?

    みたいなやりとりを、案外みんな淡々と受け入れて過ごしていく。
    特に、謎にモテるお父さんの浮気。笑

    すっごい憎くて殺されたわけでもない。
    そんなお父さん、案外幸せだったのかもしれないし、それはそれでお父さん恨まない気もするな。

    なんか書いてること以外の本の裏側の背景がしっとりと読者を包み込んでいって、なんとも言えない気持ちにされる一冊。

    すっごい心を動かされるわけでもないのに、ついつい止まらなくなるし、この家族のやりとりから目が離せない。

    #ママがやった
    #井上荒野
    #面白かった
    #飛行機で読みきった
    #夢中
    #不思議な魅力の家族
    #止まらない
    #他も読みたくなった
    #★★★★
    #気になる作家

     

  • タイトルだけを見て買った小説でした。

    最初はママが掴みどころのない不思議な人物だと思っていたら、家族もみんな変わってて、共感はできなかったけど続きが気になってどんどん読み進めてしまいました。

    終わり方があまり納得出来ずもやっとしてしまったのですが、読解力があればまた違う見方もできたのかもしれません。読書家としてはまだレベルが低い自分なので、力をつけていつかもう一度読んでみたい作品です。

  • この親父さんのどうしよう無さも手に負えないし、家族全体が不可解。出頭しないと思う。

  • このボリュームですし、「ママ」と呼ばれるにふさわしそうな若い母親が何かやらかす軽めのイヤミスかと思って読み始めました。予想は冒頭で裏切られます。

    傘寿を迎えようかという居酒屋の女将が、7歳下のモテモテ亭主を殺す。母親から電話を受けた娘や息子が大集合。各々の人生が語られる章仕立てで、池上冬樹の解説どおり、まさしく純文学の世界。

    もしも井上荒野をお読みになったことがなくても、角田光代がお好きならハマると思います。ここまで耐えてなぜ殺す。ここまで耐えたから殺したか。女にだらしない人は睡眠中も気をつけましょう(笑)。

  • 一見何も思ってないようにふつうに生活している人たちも、彼らなりの考えとか思いを持って生活してるんだよなあ

  • さほど現実離れしていない設定で誰もが道をふみはずす可能性を秘めている。狂気の家族。先が気になって割と問題なく読み進めることが出来ました。

  • ママがやった…なにを?
    誰のママ?
    あらすじも知らずに読み出した。
    小さな初老の女が営む居酒屋。
    女癖の悪い7才年下の夫を、殺ってしまったママの息子の目から、ママから、殺された夫から、過去の出来事が短編風に書かれていく。
    夫の女癖など、もう見限っていたママは、どこで切れてしまったのか?
    女心って、こんなものなのかな〜

  • 79歳の母親が、浮気が絶えない72歳の父親を殺した。母親と3人の子供たちは、さてどうしようと家族会議。

    70過ぎても愛人がいる父親がすげえと思ってしまう。
    その時父親は「推理小説家ごっこ」をしていたのではないか。

  • タイトルからイメージしていた内容とは全く異なり ママ=小料理屋を営む女主人、百々子79歳が7つ年下の夫、拓人を殺めた所から物語がスタートします。

    2話から7話までは、家族それぞれの歴史が綴られ、そこにも絶えず不穏な空気が存在するものの、家族を殺めるまでの深刻さなどは全く感じられません。

    ラストの8話が1話からの繋がりとなってエピローグへと向かいますが、インパクトのある結末は余韻が残りました。

    共感出来る人物は1人もいませんが荒野作品にいつも流れる不思議な空気感は今回も健在でした。

  • 純文学に対してまだまだ未熟者の当方には、面白いのは途中までだった、というのが正直な感想となる。『噛めば噛むほど味が出る』作品と思われるので再読の必要があるでしょう。

  • 肝心の結末が書かれていない危うさやバカバカしいやり取りがフィクション味を感じさせるのに、コメディととるには生々しくてドロドロしすぎている面もあるところが気に入った

  • なんで今まで井上荒野さんという作家に出会わなかったのか。1発で好きになったよ。
    視点と時空を変えながら細やかに描写された家族の物語。幸せなストーリーじゃないけど俺も家族が欲しいな。もし家族を持ったら結末はこの父親と一緒かもしれなくても。

    この本は図書館から。

  • 物語はつまりは、人間を描くことで、そのためには、その人間を理解してそして、描写することが必要で、それらをあまりにも見事に、しかもさりげなく、迷いなく、バッサリと、その潔さにドキドキしながら読みました。この作者の著者は、好き嫌いが分かれるかも。私はもう、ものすごく好き。

  • 自由奔放な旦那拓人を殺しても平然としている妻百々子。百々子だけがおかしいのかと思いきや、2人娘と1人息子のそれぞれの話もどこか掴み所がなく不思議。皮肉にも拓人が入っているトランクを皆で見つめる最後のシーンでこの5人が家族であることを実感。

  • 2020年読破

  • おもしろかった。だらしない男の人書かせたらピカイチだなこの人。この小説は家族みんなおかしいけど。

    次女が娘の恋人一家と食事するシーンで、すごく洒落てる、と思いながら対抗心を燃やすあたりの心理がわかりすぎて笑えた。

    結局、百々子は教え子と再会した旦那に今までの数々の女遊びとは違う許せない何かを感じたのか、あっけらかんとした始まりとは打って変わってラストは狂気と正気に挟まれて一気に持っていかれた。

    トランクを見つめる百々子の表情、どんな女優ができるかとつい想像してしまった。大竹しのぶかな。

  • 「ママがやった」タイトルがすごい!

    家庭をかえりみない父親(夫)だけど
    他人には理解できない何かがあるのだろう
    意外と家族のことを理解していることが憎い

    結局 ママがパパを殺してしまったけど
    半世紀を共にした夫婦ということを考えたら
    わからなくもないような気がしたかな

    自分が80歳になる時まで想像もつかないけど
    はたしてここまで愛しきれるだろうか。。

  • 高齢の母が父を殺害、といっても重苦しくはなく、母と父のありようが複数の視点から浮き上がってくる連作短編集。
    本当に家族のことって他人には分からないなと思った。外から見て変わった家族でも、当事者の視点を通してうっすら感じ取れるのは、変わっているが特別問題があるでもなく不幸でもないということ。ちょっと試した結果の殺人なのか、確信犯なのか、母にしか分からない又は母にも分からない、と思わせるのがなんだかリアルだ。
    様々なエピソードから見えてくる父は、本当にしょうがない人という感じだけど、その時々の瞬間だけは誠実なのかも、と思ってしまったところで、あ、こうやって吸い寄せられるんだなと思った。

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著者プロフィール

1961年東京生まれ。成蹊大学文学部卒。1989年「わたしのヌレエフ」でフェミナ賞、2004年『潤一』で島清恋愛文学賞、2008年『切羽へ』で直木賞、2011年『そこへ行くな』で中央公論文芸賞、2016年『赤へ』で柴田錬三郎賞、2018年『その話は今日はやめておきましょう』で織田作之助賞を受賞。他の作品に『もう切るわ』『ひどい感じ 父・井上光晴』『夜を着る』『リストランテ アモーレ』『あちらにいる鬼』『あたしたち、海へ』『そこにはいない男たちについて』『百合中毒』『生皮 あるセクシャルハラスメントの光景』『小説家の一日』『僕の女を探しているんだ』『照子と瑠衣』『猛獣ども』『しずかなパレード』などがある。

「2025年 『私たちが轢かなかった鹿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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