日本史の探偵手帳 (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (2019年1月4日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784167912161

感想・レビュー・書評

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  • 磯田道史氏の著作は初体験。

    第1章に記載ある、ノーベル経済学賞受賞者ダグラス・ノースの『経路依存』の考え方がまず面白かった。曰く、「経済制度は、前の制度の道筋にとらわれながらしか発展できない」という考え方で、経済のみならず社会全般に当て嵌まるよう。武士の時代千年の後、未だ明治維新後150年ちょっと。
    ローカルの話をする際には、県よりも藩の区分の方がしっくりくるし、現代人も歴史の延長線上で生きている、ということなのだろう。

    雑誌連載が初出らしく、カバー範囲が多岐に渡って飽きの来ない内容。

    出色は、戦後大きく評価を落としたものの、明治維新の精神的基盤に寄与した「頼山陽」に関する文章。世界観、歴史観、というのは、ある個人に大きく影響され得る、という点も新鮮だった。

  • 経済の話も自分でも理解できるような内容で家計簿が出てきて映画になったのには驚き。そして学問の今と昔の比較と明治の政府のあり方や整形手術があって鼻を高くしたいとか、美しすぎて眉をちぎったり歯を抜いたりと知らなかった事がたくさんありすごくためになるのか分からないが知識が増えた一冊。

  • 巻末の歴史・文学含めた100冊を読めば磯田道史
    先生が日本史を語る上での問題点・着目点を得られ
    るわけか・・・

  • 歴史で学ばないけど面白く興味惹かれるネタばかり。

  • 『日本史の探偵手帳』読了。
    江戸時代の教育システムはリアリズム重視で、その中から維新や日露戦争を牽引した有為な人物が生まれた。
    しかし…第二次世界大戦を指揮したのは明治以降に生まれた、いわゆる学校秀才ばかり。その結果、日本を破滅へと導いた。
    教育一つで国はどうにでもなってしまう。
    今の我が国の教育システムは、あまり芳しくはなさそうだ…。

  • 磯田道史ファンです!
    2019.1.10発行

  • 磯田氏が歴史学者の視点から読み漁った膨大な古文書から、現代の日本社会に通じる事例を列挙しているのが面白い。
    例えば⋯
    ◎ 江戸時代、武士は税金を払っていたのか。
    ◎ 明治維新を支えた武士の人材育成術
    ◎ 豊臣秀吉の処世の極意
    ◎ 武家女性が殿御を寝室に迎える時の武士道論とは
    まあ兎に角、磯田氏が古文書から学んだ分野は呆れる程に広い。
    がしかし、氏が古文書から得た情報は、現代の社会に生きる我々にも為になる情報として大いに役立つのである。

  • 磯田さんの熱意が伝わる。
    小ネタが楽しい。

  • 「中世武士と近世の武士の違い」では猪山家が面白い。細かく数字を分析しているところと能力の高め方は教訓になる。安定するとそこが評価されるが非常時には家柄だけじゃ没落するという日本史のスパンも納得がいく。
    「歴史を動かす英才教育」では豊臣秀吉の子育ての失敗(わしが帰るまで女中を縛って置けとか)と乃木希典の読書(○、△、×をつけて批評する精読)が参考になった。
    「古文書を旅する」ではアイドルとかイケメン大名鳥居とか整形の話が出て普遍性のある読み物。
    「歴史を読む」でお勧めの本を紹介。「日本史」の織田信長が自分と同じ生年月日で同じ時刻に産まれた人物を探させて質問したというエピソードは面白い。考えて実行することが同時代の人に比べても出色であることが分かる。

  • 2年6月3日読了

  • 磯田氏が2003年から2015年までに文芸春秋などの雑誌に書いたももの21編をまとめたもの。
    内容別に
    「中世の武士と近世の武士の違い」
    「歴史を動かす英才教育」
    「古文書を旅する」
    「歴史を読む」に分かれている。

    中世の武士は家臣団といっても寄せ集め、主人が不利とみるや逃げ出すが、織田信長あたりから戦の最後まで主人に付き添っている形になった。また現代のものの考え方のルーツも鎌倉とかまでは遡らず、江戸時代で、それは織田・豊臣・徳川の美濃・尾張・三河の濃尾平野で作られた、と考えていいいという。

    教育が成果を出すには3代かかる。
    なぜ太平洋戦争で軍部は独走したが、それは教育システムのせいだという。江戸も中期になると家柄にとらわれず優秀な者もとりたてようと藩校などが作られた。維新の英雄は教育に力を入れた藩から出ており江戸時代からの生き残りで下級武士が多かった。次の世代、日露戦争あたりの乃木将軍や大山巌などは第一世代をみつつ新しい組織になじんだ。次の第3世代、東条英機あたりになると維新は知らず、出世するのは筆記試験に強い秀才が集まり、人材の多様性が無くなり、専門知には長けているが総合知が無かったから、という。
     そして現代、重要視されるべきは技術知だろうという。

    最後の「語り下ろし日本史「必読の百冊」」では、原始から現在まで古今の著作100冊を引き合いにざっと、日本史を通観していて、これがとても分かりやすい。

    氏が当たった史料の多さには恐れ入る。それでこそプロなのだなあ。ただ文が、ですます調と、だ調が混じっているので読んでて調子が狂う。

  • 【単に江戸は歴史の中のものだけでなく、私たちが生きる現代にも脈々と流れている点も考えねばなるまい】(文中より引用)

    現代を代表する歴史の語り手である磯田道史が、日本史の面白さや巷間には知られていない小話について紹介する作品。日本のアイデンティティから江戸の街中に落ちた隕石の話まで、多様な分野の多様な話を収めています。

    どっしり構えて対面する歴史ではなく、ちょこっと脇に控えて手に取りたくなるような歴史の面白さを教えてくれる一冊。一次資料をかき分けた著者でなければわからない好奇心をくすぐるエピソードが満載で、日本史熱に日を付けてくれる嬉しい体験ができるかと。

    磯田氏が出演しているNHKの『英雄たちの決断』を毎週見ています☆5つ

  • 蘊蓄が楽しい。1冊1テーマをじっくり読み通す集中力がない時は、こういうのがちょうどいい。

    常体と敬体入り混じった文体は読みにくいので、どちらかに統一されてたら良かったな。

    3.5

  • まえがき
    第1章 中世の武士と近世の武士の違い
    第2章 歴史を動かす英才教育
    第3章 古文書を旅する
    第4章 歴史を読む
    初出一覧

  • 磯田先生は、NHKの「英雄の選択」という番組のMCをされていた事でファンとなり、著書を読む様になった。
    この作品は日本史全般に渡り触れられたもので、興味のある時の部分しか頭に残らなかった。ただ、今迄興味のなかった縄文、弥生時代も少し気になり始めたのは良いことかもしれない。

  • 磯田先生のご本は面白いものばかりなので、見つけると読んでます。
    今回はどの時代とは限定せず(江戸は多いですが)いろんな小話が入っているご本。戦前エリートの劣化の過程はびっくりとナルホドがの連続で、そう読み解いていくのかー!と目から鱗。歴史の面白さを感じました。「濃尾システム」の話や、隕石、活断層、古文書の偽装まで、何が飛び出すかわからないびっくり箱のよう。
    ちょっと読みにくいと思ったのは、ですます調とである調が混ざる部分があること。語り口調を感じられるけど…うlーん、私は混ざるのは好きじゃないなー

  • 執筆のほかTVなどでも活躍する著者。第1章はけっこう学術的な書きぶり。第2章からだんだん柔らかくなっていく。特に第3章は三面記事を読んでいる感じ。それはそれで面白い。文章がどことなく司馬遼太郎や池波正太郎に似ている気がして、TVで見る著者とは違う印象を受ける。それも悪くはない。

  • 著者は最近はマスコミに売れに売れ、毎週どこかのテレビ局に出演している影響で堕落したのか、出版される本は、新聞の連載で書き散らしたものを集めた雑文が読き、同じ歴史学者の本郷和人の方がじっくりと読ませるような感じがしていた。
    しかしこの本は、最近としてはやっとまともな姿に戻った感じがした。

    面白かったのは、「江戸から読み解く日本の構造」で、中国の科挙と日本の世襲(宗族と小家族)との比較でその弊害を見ると、どっちもどっちという感じがした。
    日本では1000年も続いた武士の時代の後に、最後の300年で世襲制が完成された。このシステムを著者は、信長・秀吉・家康が完成させた「濃尾システム」と呼んでいる。
    そういう意味で、明治政府が、身分制度(つまり世襲制)を廃止して大量の武士の失業者を出すのが、分かっていたにもかかわらず、これを実行した(暫くは藩閥政治が残ったとしても)のは、凄いことだと思うし、よく明治政府が持ちこたえたものだ。
    しかし1000年の武士の時代に対して、現代の非武士社会はまだ150年しか経っていない。「経路依存」という経済学の考え方は、日本では経済だけでなく制度としての日本史に根強く残っていると著者はいう。

    また「元禄時代のリフレ政策」も面白い。
    日銀黒田総裁のリフレ政策から説き起こし、過去の日銀の体質や、元禄時代のデフレ派の新井白石と対立して、最後には失脚させられたリフレ派の勘定奉行・荻原重秀の話も面白かった。
    荻原は「通貨は発行する国家への信頼が強力であれば、たとえ瓦礫で造っても通用させることが出来る」と、時代を超越した通貨思想を持っていた。惜しむらくは、彼はその超絶した経済思想を文字に残さず、最後には「自分には非がない」と、食を絶ち壮絶な餓死を遂げたとされている。
    経済史が語られる場合にも、新井白石や松平定信が「清廉潔白な正義者」であって、彼らと対立した荻原重秀や田沼意次はわいろにまみれた「経済通の悪者」としてのイメージが焼き付けられ、日本ではリフレ政策をやった人間が終わりをまっとうしたことが少ないという。
    ・・・等々、久々に楽しい読書が出来た。

  • 磯田節絶好調。
    最終ページまで飽きさせず、歴史のおもしろさ縦横無尽に伝えてくれます。

    そこで、要望ひとつ。
    宗久翁相場全集を現代語にして出版してほしいな。

    巻末の100冊紹介はうれしい。読んでみようとおもいます。

  • 深い、深いなあ、磯田さんの蘊蓄は。感動しました。

    100冊推薦の最後のところでいきなり出てきた奇本。
    読みたい。

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著者プロフィール

磯田道史
1970年、岡山県生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(史学)。茨城大学准教授、静岡文化芸術大学教授などを経て、2016年4月より国際日本文化研究センター准教授。『武士の家計簿』(新潮新書、新潮ドキュメント賞受賞)、『無私の日本人』(文春文庫)、『天災から日本史を読みなおす』(中公新書、日本エッセイストクラブ賞受賞)など著書多数。

「2022年 『日本史を暴く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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