西洋菓子店プティ・フール (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
3.79
  • (60)
  • (145)
  • (98)
  • (12)
  • (2)
本棚登録 : 2005
感想 : 134
  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167912222

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 章ごとに主人公が変わる短篇連作。
    フィクションではあるけれど、相手からの見え方とその人自身の考えていることは必ずしも一致しないということを実感した。だから、相手の反応に一喜一憂することはないんだなと実生活に思いを馳せたりした。商店街に古くからある洋菓子店が主な舞台。地域に根付いてショートケーキやふわふわのシュークリームなど、昔ながらの日本の洋菓子も提供するお店で、懐かしい感じが良かった。ほっこりだけではない苦さも感じる内容もあったが、たくさんのパティスリーの描写や商店街の雰囲気に癒された。

  • 甘いだけではない、大人のハナシ。
    読んでいて無性にお気に入りの菓子店に行きたくなった。

    カラメルの苦さ、サヴァランやボンボンのリキュールを美味しく感じたのはいつからだろう?と思い返した。千早さんの描く世界観が好きだなぁと思う。

  • いつも行く本屋さんのコーナー歩き回って今回手に取ったのがこれでした。
    重い話もなかにはありますが、手間暇かけたお菓子を味わうことで落ち着くというか、少しほっとする時間ができて頑張ろうと自分に言い聞かせた本でした。

    短編のタイトルは洋菓子の名称なので、それぞれ登場する主人公の心情や話の内容になぞらえているのだと思いました。
    お菓子を作る描写が丁寧で甘い物が無性に食べたくなります。

  • 普段、スイーツはほとんど食さない(間食もしない)が、スイーツを楽しんでいる人を眺めている時間は心地いい。それと同じ感覚。
    嫉妬、甘え、憧れ、焦り...。あるよ、あるよ! ただ蓋をして包んで平静を装っているだけ...。身も心も溶けてしまいたい。
    とにかくじいちゃんがカッコイイ。

  • いや、なんだこれお菓子の話かと思ったら
    大人の甘くないお話だった。
    登場人物たちのその後が気になる


    でも、嫌いじゃない。面白かった。
    アフリカのザンビアに住んでたというパワーワード。

    他の作品も読んでみたくなったぞ。 

  • お菓子を通して赤裸々に語られる人物の気持ちが分かりやすく、少し重く感じる部分もありましたが人の黒い気持ちを感じるのにちょうどよい作品だと思います。

  • 甘い話ではなく、ほろ苦い話。
    かわいいオシャレな女の子ではなく、芯を持った職人の話。
    少しせつなく、もどかしい話だった。

  • さすがの千早先生。スイーツへの造詣が深い。スイーツに対する語り(特に美佐江)など、共感する部分も多く、まるで甘い物を食べたときのように、脳内がセロトニンで溢れた。

    読み終えて、ほぼ毎日シュークリームを食べているという、危険な作品。

  • お菓子がもつ甘さ、ほろ苦さ、酸味、それらは人が日々の中で抱く感情と似ているんだなぁ、と思う。お菓子は幸せの象徴なんかじゃない、と繰り返し語りかけてくる、独特な味わいの物語。
    夫との関係にストレスを感じる妻が、シュークリームをはけ口にしてしまう『カラメル』、どろりとしたチョコレートの不穏さと頓挫している結婚話が呼応するような『ショコラ』がよかった。パティシエ・亜樹と婚約者の弁護士・祐介が、嗜好品と必需品の違いからすれ違っていくのが悲しい。お互いに尊いものと思っているのに。

    「日光ですっかりあたたまってしまった生クリームが指の間からあふれ出た。てらてらと光って、白い内臓のようにこぼれていく。」
    「かすかに傾いていたチョコレートの塊は、フォークを刺すとぐしゃりと崩れた。」
    こんな描き方がされていながらなお、お菓子はやっぱり幸せをもたらすものでもあるのだ。日々の中に時折おとずれる幸せのように、とろける味わいをもって。
    「夢みたいにいい香りです。世界に色がつくみたい」

  • 連作短編。1話目で、読むのやめようかなとチラリと思う。主人公と恋人との間の空気がギシギシしてたから。今はそういう気分じゃなくて。2話目で視点が変わり、美味しそうなスイーツも次々出てきてたまらない。何度もネットで検索してスイーツの姿を確認。あぁ食べたい。最後の2話はぐっと引き込まれて一気読み

全134件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1979年北海道生まれ。2008年『魚神』で小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。09年に同作で泉鏡花文学賞を、13年『あとかた』で島清恋愛文学賞、21年『透明な夜の香り』で渡辺淳一賞を受賞。他の著書に『からまる』『眠りの庭』『男ともだち』『クローゼット』『正しい女たち』『犬も食わない』(尾崎世界観と共著)『鳥籠の小娘』(絵・宇野亞喜良)、エッセイに『わるい食べもの』などがある。

「2021年 『ひきなみ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

千早茜の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
米澤 穂信
凪良 ゆう
恩田 陸
有効な右矢印 無効な右矢印
ツイートする
×