西洋菓子店プティ・フール (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 1092
レビュー : 47
  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167912222

感想・レビュー・書評

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  • さすがの千早先生。スイーツへの造詣が深い。スイーツに対する語り(特に美佐江)など、共感する部分も多く、まるで甘い物を食べたときのように、脳内がセロトニンで溢れた。

    読み終えて、ほぼ毎日シュークリームを食べているという、危険な作品。

  • とにかくケーキが食べたくなる

    難しいフランス語のケーキの名前
    あー、どれにしよう
    迷ってしまう

    ながめて、そっと口に入れた時の至福

    つくる人は……
     
    ちょっともどかしい職人気質

    ラストはほんわり甘かった

    ≪ パティシエは 科学と体感 明日へと ≫

  • 何という鮮やかな小説!
    匂いも、味も、色も、温度も、
    くっきりと想像できました。

    美味しい本を読んで、「食べたい!」
    「お腹が空いた!」と思うことは多いですが、
    この小説を読んだら「もうお腹いっぱい!」
    「とても美味しかった!」と思いました。

    「透明な夜の香り」では、
    嗅覚なのか色覚なのか味覚なのか
    五感が分散されてしまって
    いまいち集中できなかったのですが、
    このお話はお菓子を中心に
    そこから色々なものが見えてきて
    わかりやすかったです。
    とてもワクワクしました。

    主人公の女性の真っ直ぐで、
    でもちょっと未熟で、
    周りから愛されていて、
    頑張っている姿が
    甘さと酸味とがミックスされた
    ケーキのようでした。



    私は例えばチョコレートは
    チョコレートだけで、
    ただひたすら濃厚でシンプルな味が
    好きです。
    アクセントのフルーツなどは
    邪魔だとすら思っていました。
    チョコレートの中にある香りを味わいたい。
    ケーキも全般にシンプルで
    短調なものが好きです。

    しかしこの小説では、確か3回ほど
    「甘さが短調になる」という表現が
    出てきました。
    だからフルーツと合わせたり、
    ソースを添えたり香りを足すと。

    主人公が作るケーキは
    私が今まで好きだと思っていたケーキとは
    違う種類のものだと思いました。
    でも、食べてみたい。
    彼女の作るケーキを
    食べてみたいなと思いました。

  • 甘い話ではなく、ほろ苦い話。
    かわいいオシャレな女の子ではなく、芯を持った職人の話。
    少しせつなく、もどかしい話だった。

  • 洋菓子は甘くて、優しくて、でもそれだけじゃない。

    連続で千早茜さんの本を読みました。
    フランス修行をしたパティシエールの亜樹は、菓子職人の祖父のもと、商店街中の洋菓子店で働いています。
    シンプルで素朴な味わいながらも、商店街の中で長く愛される祖父の洋菓子たちに囲まれて、亜樹やお客さんたちのことが丁寧に描かれた短編集です。
    たくさんのカタカナのお菓子たちが出てきます。どんなお菓子なんだろう、、、と毎回インターネットで検索して、あぁ、こういうお菓子見たことあるなぁと思うこともありました。
    それぞれの章のタイトルがお菓子にまつわるタイトルになっていて、甘かったりほろ苦かったりアクセントがあったりと、タイトルと絡めて読むのも面白かったです。

    いつか読んだ本で、「ケーキは美味しいだけじゃ買ってもらえない。買う人は夢も一緒に買うんだ。」という言葉があったのを思い出しました。
    このお話に出てくるお菓子はケーキだけじゃありませんが、甘いだけでも、綺麗なだけでも、たしかにわたしたちは買わないなぁと思います。お菓子って嗜好品だと何度も話の中で出てきますが、この嗜好品がどれだけ日常を彩ってくれているか、そして思い出を共有してくれているかということを実感しました。
    世の中から見たら、なくても生きていけるもの。ですが、一人ひとりにとってはなくてはならないもの。
    甘くて優しい気持ちにさせてくれるお菓子って素敵、そしてそれを教えてくれるこの本も同じように素敵だなぁと思いました。

  • 苦味がなければ甘みも引き立たないですよね。
    人生も一緒です。

  • 面白かったです。
    パティシエールが主人公ですが、お話は苦くて好きでした。
    亜樹さんは鈍感過ぎるし言葉が足りないしで苦手かな…と思ってたのですが、とても不器用なんだ!と気付いてからは好きになりました。
    でも亜樹さんの作るお菓子はどんなものか想像出来なくてとても惹かれます。
    亜樹さんのおじいちゃんのお菓子もとても美味しそうだし、長岡さんの紅茶専門店も素敵です。
    食べることが大好きなのを、主にTwitterからうかがっている千早さんの描くお菓子はそれはもう…たまりませんでした。
    亜樹さんのおじいちゃんの、「菓子の魅力ってのは背徳感だからな。こんな綺麗なものを食べていいのかって思わせなきゃなぁ」というのはぐっときました。
    登場人物たちの悩みをお菓子で解決!ではなく、でもお菓子でそれぞれ思うところがあり前向きになっているのがいいなぁと思います。悩みを解決するのがパティシエールではなく、あくまで自分の力とか気付き、というのが良いです。
    フェイドアウトしていった登場人物たちも気になりますが、亜樹さんと祐介さんのこれからに幸あれ!と思いました。
    見目麗しいお菓子が食べたいです。

  • あきちゃんの個性的なケーキが食べてみたいです。良くあるラノベ風お仕事小説かと思いきや普通の小説で良かった。

  • 甘いだけじゃなく、ほろ苦く
    後味引かなない感じで
    ゆっくり味わいながら読めるような感じでした

  • 美味しそうなケーキがたくさん出てくる。甘いにおい、焦がしたにおい、苦味。色んな香り、味、見た目があって体中に感じることのできるもの。誕生日などの特別な日に食べたり、悲しい時にドカ食いしたり、帰り道にふらっとお店に寄ったりと様々なシチュエーションで必要とされているもの。甘味や苦味の奥にあるもの。そういう深い味に出逢う喜び。日々の生活のなかにあるのは苦味が多いのかもわからないけれど、だからこそその先にある甘さ、喜びに気づくことができる。どちらかひとつだけでは満たされない。主人公の亜樹のじいちゃんがとてもいい味を出していて楽しかった。

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著者プロフィール

1979年北海道生まれ。2008年『魚神』で小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。09年に同作で泉鏡花文学賞を、13年『あとかた』で島清恋愛文学賞を受賞。他の著書に『からまる』『眠りの庭』『男ともだち』『クローゼット』『正しい女たち』『犬も食わない』(尾崎世界観と共著)『鳥籠の小娘』(絵・宇野亞喜良)、エッセイに『わるい食べもの』などがある。

「2019年 『夜に啼く鳥は』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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