西洋菓子店プティ・フール (文春文庫 ち 8-2)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167912222

作品紹介・あらすじ

フランスて菓子作りの修業をしたパティシエールの亜樹は、菓子職人の祖父のもと、下町の西洋菓子店「プティ・フール」で働く。女ともだち、恋人、仕事仲間、そして店の常連客たち……。店を訪れる人々が抱える様々な事情と、それぞれの変化を描く連作短編集。巻末にパティシエール・岩柳麻子さんとの対談を収録。解説・平松洋子

感想・レビュー・書評

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  • 主人公の女性は、フランス留学もしたパティシエ。有名店で働いていたが、今は下町の祖父の店「プティ・フール」で、その技術も受け継ごうとしている。
    ですので、短編6編それぞれに、日頃食べることができないような、洋菓子がストーリーに甘さを添えます。(ケーキ王子等このパターンは時々出会う。)
    女友達との関係の変化、昔の仕事仲間との関係性、婚約者との未成熟な繋がり。危うかった繋がり、不安と秘密と危惧。ハラドキな状況が、なんとなく落ち着くところに収まりました。

    • 1Q84O1さん
      直木賞作品はまわってこないですね〜
      慌てずまずは旧作ですね(≧∇≦)b
      直木賞作品はまわってこないですね〜
      慌てずまずは旧作ですね(≧∇≦)b
      2023/06/20
    • ひまわりめろんさん
      なんか申し訳ない
      来週あたり候補作を読む予定でなんか申し訳ない
      なんか申し訳ない
      来週あたり候補作を読む予定でなんか申し訳ない
      2023/06/20
    • おびのりさん
      5年遅れぐらいで読むわ。
      5年遅れぐらいで読むわ。
      2023/06/20
  • お菓子の表現はもちろん、それぞれの思い(片思い)が混ざって苦しくもなるけれど温かみも感じるそんなお話だった。

    連作短編集で文量も軽いけれどしっかり世界観に入り込める。

  • どのお菓子も美味しそう。
    ものすごく向上心のあるパティシエさん。
    研究熱心だし、ケーキに対して真摯に向き合ってる。
    でも人間としてはどうか?と問われると、まだまだなところがまた面白い。
    おじいさんとおばあさんが素晴らしく魅力的。

    よくわからなかったのが、珠香の話。
    じいちゃんと同じように、自分にも影響を与えた人物がいたって言いたかったのかな?
    続編がでてもおかしくないな。

    読んでいて「ピュイダムール」が食べたくなって、検索したけど自分の住んでいる周りには売ってなかった。
    すごく残念。
    まさか自分では作れないし…

  • 物語の舞台は、東京下町の商店街の中ほどにある創業四十年を超える洋菓子店『プティ・フール』
    菓子職人に憧れて、じいちゃんの店を手伝う孫娘の亜樹。
    読んでいくうちに、洋菓子のなめらかさ、艶やかさ、その美しさに、次第に魅了されていく。

    紅茶専門店の長岡さんや、亜樹の婚約者の祐介、正統派フランス菓子の店で亜樹と一緒に働いていた澄孝と、彼に好意を寄せているネイリストのミナなど、亜樹を取り巻くさまざまな人たちの、ちょっと複雑な人間模様が描かれていて、彼らの感情が、見えないところで交錯していた。
    大人っぽい連作短編だった。
    ただ甘いだけじゃない。時に苦くて酸っぱくて、ひとときで消えてしまう自己満足のように見えるスイーツだけれど、きっと心の栄養にもなっているはず。

    朱色の重箱に詰められたプティ・フールを、私も一度食べてみたいです。

  • 菓子職人のじいちゃんの言葉が粋でかっこいいので、もれなく皆さん惚れてください。
    ほろ苦い人間模様に添えられた甘いお菓子も魅力的です。

  • 章ごとに主人公が変わる短篇連作。
    フィクションではあるけれど、相手からの見え方とその人自身の考えていることは必ずしも一致しないということを実感した。だから、相手の反応に一喜一憂することはないんだなと実生活に思いを馳せたりした。商店街に古くからある洋菓子店が主な舞台。地域に根付いてショートケーキやふわふわのシュークリームなど、昔ながらの日本の洋菓子も提供するお店で、懐かしい感じが良かった。ほっこりだけではない苦さも感じる内容もあったが、たくさんのパティスリーの描写や商店街の雰囲気に癒された。

  •  恋愛とスイーツは似ている。人間に許された極上の嗜好品で、最高のエンタメだと思う。どちらもとびきり甘くて、ほんのりと、或いはふんだんにスパイスが効いていて、時々苦い。感度を高くもって、思うままに、心ゆくまで、味わい尽くしたくなる。そんな一冊!

  • フランスで修行した亜樹が手伝う祖父のお店西洋菓子店プティフールが物語の舞台となる。章ごとに目線が変わる連作短編集。西洋菓子の描写が細かく美味しそうで画像で見たくなる。一つ一つのお話も友達夫婦家族恋人の話でとても良かったです。

  • 甘いだけではない、大人のハナシ。
    読んでいて無性にお気に入りの菓子店に行きたくなった。

    カラメルの苦さ、サヴァランやボンボンのリキュールを美味しく感じたのはいつからだろう?と思い返した。千早さんの描く世界観が好きだなぁと思う。

  • ケーキの描写から美味しさが伝わってきて口の中が甘くなった。登場人物のその後が気になります☺︎

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著者プロフィール

1979年北海道生まれ。2008年『魚神』で小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。09年に同作で泉鏡花文学賞を、13年『あとかた』で島清恋愛文学賞、21年『透明な夜の香り』で渡辺淳一賞を受賞。他の著書に『からまる』『眠りの庭』『男ともだち』『クローゼット』『正しい女たち』『犬も食わない』(尾崎世界観と共著)『鳥籠の小娘』(絵・宇野亞喜良)、エッセイに『わるい食べもの』などがある。

「2021年 『ひきなみ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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