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Amazon.co.jp ・本 (480ページ) / ISBN・EAN: 9784167912376
感想・レビュー・書評
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主人公はもちろんですが、登場人物が豊かな設定で濃いです。さらに、もちろんですが、人物像設定以外も濃いです。
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篠田節子さんは初読みの作家さん
男性心理をメインに描いた作品で大人のディープな世界観だった。
『冬の光』
東日本大震災のボランティア後に、四国遍路を終えた帰路フェリーから冬の海に忽然と消えた父
高度成長期の真っ只中で企業戦士として働き、専業主婦の妻に家庭を任せ順風満帆だったはずの父
何故、父は帰らぬ人となったのか・・・
物語は、四十年にも及ぶ父とその愛人との繋がりと、長年裏切られた憎しみと恨みを抱えた母、
その影響を受けた姉妹の関係性が軸になっている。
父の死がどこか釈然としない次女の碧は、数日間の休暇を使って父の最期の旅路に出掛ける。そこに過去の父の経験が重なる形で物語は進行する。
感想
これは人生も程なく折り返し地点を過て、ゴールを自然と意識し始めた年齢層の方がより入り込み易い作品だと思った。
父と愛人との繋がりは、肉体的なもの以上に精神的な部分が相当に強かったのだろう。義父が言うように素人女はダメだが、学生時代から惹かれる部分をそのまま強固に磨き上げて来た女性はそう容易く代わりがきく存在でも無かったんだろう。
妻の怒りもご尤もだが、その役割はきっと家庭を完璧に守ってくれた良妻賢母の妻では難しかったのかもしれない。
でもなぁ愛人との付き合い、四十年は長過ぎる。
自立した大人同士の繋がりは希少だし、ましてや男女の仲であれば、長くなる程、形を変えて意味を持つのかもしれない。若い頃と違い一定の距離感は保ちつつも、心の奥底に根付いている関係。日常的に意識しなくとも特別なのだろう。
描いていた企業戦士の目標に辿り着けなかった父は何を胸に秘めて、何を感じていたのか・・・
旅路の終わりに次女の碧が、父の心情に少し寄り添えたのが救いだった。
本作は、家族や会社といった社会との関わりにおける「孤」の存在の意味を問われていると感じた。
四国遍路では地位も名誉も肩書きも関係ない。
退職した父の大企業を名乗る名刺も必要ない。
そこにあるのは圧倒的な弧の存在だろう。定年退職を控えた世代には特に響く内容だと思う。
読み進める内に、結局のところ父は妻にも愛人にも心の内を曝け出せていなかったことが、切なくて虚しく感じた。
これは男の美学なのかプライドなのか、それとも世間体なのか、はたまた世代の問題なのか?
そんな父が震災での生死に直面し、生涯独身となった愛人の死に様を胸に秘めた追悼旅の道すがら、不貞行為に及んでしまったのは、男のさがというよりも短期間で凡ゆる局面を目の当たりにした人間の、種の本能のように思えた。善悪はさておき、それによって補えた部分が確かにあったのだろうと思う。
二十代の頃に本作を読んでいたら、碧と同じく、父という存在に生々しい性的な要素がみえて拒否反応を起こしたかもしれない。もうすっかりそのお年頃は越えたんだなぁと自覚させられる大人向けの作品だった。
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重くて長かった。話しに引き込まれてたけど、後半のお遍路の展開に読むのがしんどくなった。
精神を病んだお遍路の女性と知り合い、性行為を行ったのにはガッカリしたし、その描写が気持ち悪くて吐き気がした。この男は結局はそうなるの、妻があんな気持ちになるのは当然。なんか、最後は後味が悪かった。 -
四国の八十八か所めぐりのあと
帰りの船から行方不明になり後に死体で発見
された父
それから次女は父の足跡をたどる
次女の視点、父の視点で物語は展開していきました
その人の人生は時に違う解釈で受け止められる
本人にしかわからないこともまた多い
そんなことを読みながら感じました -
これを書いているのが女性だというのが不思議でならない
不倫の話をここまで男に寄り添った視点で書けるものだろうか
結局は家族を想って亡くなったという、最後は優しい話でした -
良かったです。とても良かったです。一気読みです。
こういうヒューマンドラマ好きです。
主人公康宏の人生を描いた作品。紘子との関係がメインで書かれているが、家族や震災・自身の仕事を通して人生の儚さを私は感じました。切なく儚い。心に残る作品になりました。 -
はぁ〜‼︎ やっぱり篠田節子さんの小説は、大人のお話なのだ。というか、歳をとってから読む方が、この味わいがわかる気がするのです。読んで良かった。
四国遍路を終えた帰路、冬の海に消えた父、康宏。企業戦士として家庭人として恵まれた人生、のはずだったが…。死の間際、父の胸に去来したのは、20年間、愛し続けた女性のことか、それとも? 足跡を辿った次女、碧が見た冬の光とは…。
こんな短い紹介文では表現しきれない、464ページでした。
読んでる間ずーっと感じていたのは『人生は長く、人は強いけれど弱い。一生、清廉潔白な人などいるだろうか?』ということ。
紹介文では20年間愛し続けた、とあるけど、それだって、実際そうなのか?というと、私は違う気もした。卒業後、学生運動からきっぱり足を洗って企業戦士になった康宏に対し、大学という社会の中で自身の正義感から闘争を続け、孤高の人となっていた紘子。気になる存在でもあり、愛していた時期もあるけれど、お互いのズレから、まるで寄り添えなかった時間の方が長かった気もする。
また、康宏の家族愛は、決して嘘ではなかったことも充分わかるし、妻・美枝子との充実した日々だっていっぱいあったのは確かなことなのだ。
愛情も憎しみも、寛容も怒りも、喜びも哀しみも…どんな感情であれ、1つの感情だけで生きていけるほど人生は短くない。逆に、忘れたり、執着がなくなったり、時間と共に辛い感情も薄れてきたり、そういうことがあるからこそ、生きていけるんじゃないかなぁ…などと感じました。
私個人としては、いわゆる“男に甘い”ということかもしれないけれど、康宏が亡くなった直後の美枝子の態度は、余りにも極端に冷たく感じてしまった…。
亡くなった人はもう言い訳も何も言えないのだから、心の中で気にかけてあげるのは、家族しかないんだなあなんて思ったり。
父の旅をなぞってみる碧と、康宏が実際に辿った道や心の中、それが交互に描かれ、人は自分が見ているものが真実だと思いがちだけど、それだけじゃない、ということを強く感じました。
私も、1番心に残ったのは若い住職の言葉でした。
『どんな経緯にあったにせよ、どんな亡くなり方をなさるか、などということは、最後の、最後の、ほんのささいな分かれ道に過ぎないのですよ。ご安心ください。』
こんな言葉に人は救われるのですよね。
印象に残ったフレーズを少し。
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大人の男女の出会いや別れに、告白も宣言もない。いや、色恋に限らず、日常的な人間関係もそんな風にいつとはなしに始まり、いつのまにか疎遠になって終わっていたりするものだ。
絵に描いたようなハッピーリタイアだった。にもかかわらず、異様なまでに空虚な気分に押し込められている。赤茶けた終末の風景の中に一人、立っているようだ。
結局のところ、人生とは背負った重荷なのかもしれない、と思った。自分を生かしてきたものは、背骨がきしむほどの荷物だった。それが推進力となって自分を生かしてきた。
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大人に読んで欲しい作品です。 -
家族は大事に思いつつ、自分の人生を生きる。はたから見れば好き勝手に精力的で良い人生を送っているのに、近距離で感じてみると切ない。
娘(次女)が父の足跡を追いかけてみて、父の生き方を娘なりに飲み込めたのも良かったと思います。
事実の認識は全て合っている訳ではなくて良い感じにずれていて。けど、残された側にはポジティブさが印象に残るラストで。
ある意味で複雑だけど、すっと読めるストーリーでした。 -
人は人を理解できない、家族においても。
ミステリータッチの、人間存在の危うさを問う小説。
四国遍路を終えた後、海から死体で見つかった父は自殺なのか、それとも事故なのか。
次女が真実を求め、父の足跡を辿り、遍路の旅に出る。
1章、4章、6章は、次女の視点で。2章、3章、5章は父の視点で。
読者は両方を俯瞰することで、表層でしか自分以外の人間を見ていないことに気づかされる。
解説からの孫々引きになるが、「現代社会における文学の役割は・・・”自分の主張のみが正しい”とする狂信主義へと人々が傾くのを阻止することだ」には、同感の意を強くする。 -
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なんだかなー。
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本当にどうしようもない男で、腹が立ちましたね。
おっしゃる通り、女性が書いたとは思えない感覚の作品でした。本当にどうしようもない男で、腹が立ちましたね。
おっしゃる通り、女性が書いたとは思えない感覚の作品でした。2025/07/19
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巡り合わせというか縁というか…父さん結構人生楽しんだんじゃないの?
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買って帰ったら
「それ、あるよ」と家族に言われて
悔しかったので急いで読んだ本
篠田節子のベストだ!
って感想を多く見かけたので
ワクワク読んだけど
個人的にはベストじゃない
全然、ない
あまりそそられるとこもなく
肩入れしたくなるキャラも出ず
パッパの貞操観念の低い感じとか
わりと上からなとことか
仲良くしたくないと思った
一番印象に残ったのが
トロ箱2つにいっぱいのサンマ
去年、サンマ一匹しか食うとらんな…
なんてこと思い出した
そんな感じの本
篠田節子なので
星は2つ
もっと好きなのあるからな -
家族が大事であるのには変わりないけど、忘れられない大事な人がいるのもまた人生だなと思っているのでわからんこともないのだが、それにしても女々しくて不器用で、良くも悪くも優しいおじさんだな
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以前どこかの本屋さんのPOPを見て気になっていた本。
人の行動にはそれぞれの理由があって、理解できることも理解できないこともある。
物語ではどうしても登場人物には光というか、正義を求めがちだけど、必ずしも感情移入させたりせず、淡々と人間って綺麗なところや理屈で説明つくところだけじゃないよねというのが書かれている気がした。
最後は救われるところもあってよかったです。
著者プロフィール
篠田節子の作品
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