亡国スパイ秘録 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2019年3月8日発売)
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  • 本 ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167912512

作品紹介・あらすじ

「スパイ天国・日本よ、眼を覚ませ!」

日本の危機管理を創った男、最後の告発。

ゾルゲ事件から瀬島龍三スリーパー疑惑まで。



『私を通りすぎたスパイ』を文庫化に際し改題。(解説・伊藤隆)



【目次】

はじめに 私とスパイたちとの関わりを書く



第1章 父弘雄とスパイゾルゲはいかに関係したか

ゾルゲ事件の尾崎秀実が身近におり、父も特高に逮捕かと怯えた少年時代。警察官になり直面したラストロボフ事件、香港でのスパイ運用、作家フォーサイスとの出会い――人生の奇縁を振り返る。



第2章 スパイ・キャッチャーだった私

アメリカ留学の実態は、CIAやFBIでのスパイ実践特訓だった。尾行や張り込みのノウハウから、警官ならではの「街の英語」まで、一流のスパイ・キャッチャーになるための研鑽の日々を明かす。



第3章 日本の外事警察を創る

敗戦後の混乱を見て「治安回復(ピース・メーカー)」こそ人生をかける仕事と決意しキャリア警察官に。だが北朝鮮やソ連のスパイ潜入し放題の日本で、外事警察建て直しの長い道のりが始まった。



第4章 彼は二重スパイだったのか?

架空の「ネグシ・ハベシ国大使」かつ米国スパイ? ロシアから西ドイツに亡命させた男は二重スパイだったのか? 中曽根ブレーン瀬島龍三はソ連のスリーパーなのに放置?――謎多き諜報の世界。



第5章 ハニー・トラップの実際

情報機関なき日本でも、海外の国王の愛人から情報を抜いてくる辣腕外交官もいたが、逆にやすやすとハニー・トラップにかかる政治家や官僚も多い。「人的情報」がすべての世界の生き抜き方とは。



第6賞 私を通りすぎた「スパイ本」たち

「スパイの回想録」から「スパイ実践術」まで――高度な学術書としての「インテリジェエンス」を論じる本にも、「スパイ小説」という形で舞台裏を描く作品にも、諜報の世界を知るヒントがある。



おわりに 一九六三年の危惧

感想・レビュー・書評

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  • 第6章『私を通りすぎた「スパイ本」たち』は、スパイ・インテリジェンスについて勉強するためのリーディングリストとして非常に有用。
    インテリジェンスオフィサーとしての人生を振り返っており、本書ではじめて明らかにされた話も多い。氏の最後の著作ともなってしまったようだ。

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著者プロフィール

1930年東京生まれ。東京大学法学部卒業後、国家地方警察本部(現警察庁)に入庁。「東大安田講堂事件」「連合赤軍あさま山荘事件」等に警備幕僚長として危機管理に携わる。86年より初代内閣安全保障室長をつとめ、89年昭和天皇大喪の礼警備を最後に退官。2000年、第四八回菊池寛賞を受賞。2001年、勲二等旭日重光章受章。著書に『東大落城』(文藝春秋読者賞受賞)等がある

「2016年 『重要事件で振り返る戦後日本史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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