ままならないから私とあなた (文春文庫 あ 68-3)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 222
レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167912543

作品紹介・あらすじ

先輩の結婚式で見かけた新婦友人の女性のことが気になっていた雄太。しかしその後、偶然再会した彼女は、まったく別のプロフィールを名乗っていた。不可解に思い、問い詰める雄太に彼女は、結婚式には「レンタル友達」として出席していたことを明かす。 「レンタル世界」成長するに従って、無駄なことを次々と切り捨ててく薫。無駄なものにこそ、人のあたたかみが宿ると考える雪子。幼いときから仲良しだった二人の価値観は、徐々に離れていき、そして決定的に対立する瞬間が訪れる。単行本に、さらに一章分を加筆。少女たちの友情と人生はどうなるのか。「ままならないから私とあなた」正しいと思われていることは、本当に正しいのか。読者の価値観を心地よく揺さぶる二篇。解説は、Base Ball Bearの小出祐介氏。

感想・レビュー・書評

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  • 「レンタル世界」

    「全てをさらけ出してこその信頼関係」も相当ながら、
    「自分たちは、パートナーがいても平気で風俗に行ける側の人間」
    っていう仲間意識・連帯感にげんなり。
    そういう空気から離れるには、どうしたらいいんだろう。
    違う価値観で生きる選択肢はあるはずだけど、
    誰もがそれを選び取れるわけではない。
    疲弊しながらギリギリで取り繕ってる人のためのレンタルサービス。

    そんなものおかしい!って主張する人達の存在で需要が強まるという皮肉。


    「ままならないから私とあなた」

    興味がある分野も、大事にしてるものも違って、
    真逆のような考え方なのに関係を続けてこれた雪子と薫。
    相手が嬉しそうにしてると嬉しい。これは共通してた。
    クライマックスの場面、どちらの意見も切実で、そこに優劣とかはなくて、だからこそ残酷だった。

    「相手が大切にしているものを自分の中の正しさで排除しないだけの想像力」
    マーカー引いてさらに付箋も貼りたい言葉。

  • 私は合理的なのか薫の考え方にとても共感した。
    とことんまでの合理性と、友達を想う気持ちは両立できるよね。私は自分の合理性をある程度隠して生きてるから、薫みたいな生き方が羨ましい笑

  • デフォルメされた人物造形ではあるけど、情緒的なものをとことん廃して合理性を追求する薫と、その人にしかできない唯一無二のものを大切にしたい雪子に現代社会の葛藤を見た気がする。雪子に共感するけど、薫の主張も尤もなところはある。あと朝井リョウが描く恋心が真に迫りすぎてて甘酸っぱくて苦しい。
    最後には2人の子供たちが出てくるけど、それぞれその親とは反対の価値観のもとに生きてて、結局合理性と情緒性はバランスが大事なんだと思った。

  • タイトルでもある「ままならないから私とあなた」と短編の「レンタル世界」を含む2つの物語が収められた一冊。

    ままならないから私とあなた。が衝撃的。
    最初は何を言いたいのかもわからぬなんてこと無い日常だが読み進めるにつれて雪子と薫の13年間にわたる「違い」が描かれている。

    AIが発展する中で「人間らしさ」が失われていく
    こういう議論は実際に起こり始めていると思うがこのお話を通して私自身考えさせられた。

    雪子と渡邊くんの恋愛という曖昧な、人間らしさが対比的に描かれていることで「違い」に深みが生まれているように感じた。

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著者プロフィール

朝井 リョウ(あさい りょう)
1989年、岐阜県生まれの小説家。本名は佐々井遼。早稲田大学文化構想学部卒業。
大学在学中の2009年、『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞しデビュー、後年映画化された。
大学では堀江敏幸のゼミに所属し、卒論で『星やどりの声』を執筆。2013年『何者』で第148回直木賞を受賞。直木賞史上初の平成生まれの受賞者であり、男性受賞者としては最年少。『世界地図の下書き』で、第29回坪田譲治文学賞受賞。
その他代表作に『少女は卒業しない』、映画化された『何者』がある。

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