上野千鶴子のサバイバル語録 (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (2019年4月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (176ページ) / ISBN・EAN: 9784167912680

作品紹介・あらすじ

著者、初めての語録集!



「相手のとどめを刺さず、もてあそびなさい」

「人は、自分の器に応じた理解力しかない」

「立ちはだかる壁は、迂回せよ」

「だれとでもいいから結婚すべきでない」

「『かわいいおばあちゃん』にならなくてもよい」

「女はすでに、がんばっている」



悪戦苦闘の人生から生まれた、140の金言を収録。



「いまを生きる女たちに、生き延びてもらいたい。そして、女であることを愛してもらいたい。人生の終わりに、生きていてよかったな、と思ってもらいたい。そのために、もしかしたら役に立つかもしれないことばを厳選しました」(上野千鶴子)

感想・レビュー・書評

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  • わたしの言葉なんかより、上野先生のお言葉を。

    P75
    現代のヒモには、家事貢献が求められる

    昔のヒモは、女に貢がせた金で遊んで歩いてたわけですよ。家事なんかしない。今はね、ヒモだけをやっているわけにはいかず、ちゃんと家事をやってサポートしないといけない。

    P77
    友だちとカップルの違い

    若い子に質問されたんですよ、「男女がいて、別居していて、たまに会って、ご飯食べて、セックスする。その関係を何て呼ぶんですか」って。で、わたしは、「それは仲のよいお友だちと呼ぶんです」と答えました。会ってないときにまで、相手の身体の性的使用に関して権利が発生すると思ったときに、カップルをか、恋人とか、夫婦などという観念が生じる。

    P96
    愛よりも理解がほしかった

    母親は娘に「おまえを愛している」と言うが、それは娘には「不条理」と聞こえる―お母さん、わたしはあなたから愛よりも理解がほしかったのよ。

    P97
    母娘対決のタイミングを逃すな

    私は、18歳で家を出て、できるだけ親元に寄りつかなかったの。私が43歳のときに母は乳がんで亡くなった。介護もしたけど、すでに母は弱者になっていたから追い詰められない。対決の機会を逃しました。だから若い娘たちに言いたいのは、親とちゃんとした大人の関係を作るためには、母が強者のうちに対決しなさいということね。

    P102
    子育てと介護は、非暴力を実践する場

    「いっそベランダから投げ落とそうか」という気持ちを一度も持たずに子どもを育てる母親なんていないはずなんです。~そういう関係の中で嗜虐性や暴力性を抑え、自分の力を使わないでいる経験を積むことについて、「ケアは非暴力を学ぶ実践」と、私は言っています。自分の嗜虐性と暴力性をどう抑制するのかは経験と学習です。その経験の場を男から奪うなと思います。

    P106
    時間を一緒につぶしてくれるのが家族

    時間を一緒につぶしてくれるのに、いちばん安直な相手は家族である。子どもたちは、自分の人生の時間を、20年間ばかりわくわくどきどきさせてつぶしてくれた相手だと思って、それ以上の期待をせずに感謝して送りだそう。

    P116
    相手にすべてを求めない

    一緒にいて気分のいい相手。しょっちゅう会いたい相手、ときどき会いたい相手、たまに会いたい相手、困った時に助けてもらいたい相手、助けてあげたい相手、気になる相手、気にかけてくれる相手…が、多様に自分の身のまわりをとりかこんでいればよいのだ。それをセーフティネットともいう。

    P145
    娼婦性も、母性も、売るのは一緒

    女が自分の女らしさを売り物にするしか、この社会のなかで自分の労働というものを認めさせていくことができないとするなら、娼婦性を売るのが悪くて、母性を売るのがいいなんていえない。

  • 読むというより、上野千鶴子の言葉を傾聴するという感じ。
    「東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ」も面白かったが、その冒頭に「これは、わたしの知らない人です」と。他人の目にとまった点を線でつないで作り上げられたわたしの輪郭は、自分自身にとって知らないわたしとの新鮮な出会いー今回もそんな気分だそうだ。
    好きな語録
    ・仕事はメシの種に過ぎない
    ・夢を語る人は、何もしていないー現実逃避しているだけ。証拠に夢を実現するために何をしていますの問いに答えられない。
    ・あたしのメシも心配してほしい
    風邪ひいて寝ている妻の枕元で、「メシの心配はしなくていい、オレは外で食ってくるから」こんな夫でも妻から離婚されずにきたのがこれまでの日本の男だった。
    ・かわいいおばあちゃんにならなくてもよい
    女が依存的な存在として生き抜いていくための生存戦略。年寄りがかわいくてもかわいくなくても生きていける社会を作る方が大事
    ・ピンピンコロリ推奨の残酷さ PPK運動⁉︎誰もが予定どおりの死に方ができるわけではない
    ・孤独死あらため在宅ひとり死
    ひとりで老いてひとりで死んでも孤独死と言われたくない
    ・老い、この未知なるもの
    私が「この老い方、いいな」とおもうのは、必ず「好奇心」を持っている人。「老いる」ということも未知なもの
    ・人生は壮大なヒマつぶしである
    どうせなら豊かにつぶしたい。
    ・年下の友人から作るコツ
    自分から与えたものは相手からは決して返ってこないと観念すること。おカネもエネルギーも時間も持ち出しで、寛大な話のわかるオバサンに徹するつもりなら友人関係は豊かに拡がります。
    ・縁は弱さでつながります、強い人はつながる必要がありません。弱さでつながるためには、自分が弱いと認めなくてはなりません。認めた上で情報公開が必要。女にはそれができるが男にはできない。
    ・原発事故の後に動いたのは女
    サスティナブルよりサバイバル。時代はそこまで来ている。国家が国民を守ってくれなかった敗戦の後も、行政が機能しなかった津波と原発事故のあとも、生きるために逃げたのは女たちでした。
    ・泥舟からは逃げ出してよい
    「明日の日本を担っていくのはあなたたちです」というのはやめた。日本が泥舟ならさとい小動物が真っ先に船から逃げ出すように、あなたがたも逃げたらよい。泥舟と一緒に沈没するのは船長だけでたくさん。世界中どこでもいいから、生き延びていってほしい。
    ・私が祈りを禁じた理由
    私は社会学者であることを選んだ時、一つ私に課したことがあります。祈りと超越を禁じたのです。
    ・マニュアル人間を量産したい国家
    学校教育がいかなる人材を育成してきたかー事態が予見できない状況になった時に対応できるような人材を求めてもいないし、育ってもいません。マニュアル通りに正解を答える人間ばかり育ててきた点で戦後半世紀にわたる日本の教育の文教行政の勝利
    ・人を教えることの醍醐味
    目の前で学生が、竹が皮を破ってバリバリと音を立てるように育っていくのを見る。親も見られない場面を、教師だから見ていられる。なんていい職業かと思います。

  • 99
    人生は壮大なヒマつぶしである

    人生とは、死ぬまでの壮大なヒマつぶし。どうせ同じヒマつぶしなら、豊かにつぶしたい。

    これわたしにとってだいぶパワーワードだった。
    その通りだと思った。豊かにヒマつぶそう。

  • 思わず吹き出してしまった文言多し。
    既婚者でも子持ちでもない上野氏ではあるが、当事者への寄り添いが感じられた。かつ、当たり前のことを分かりやすく表現されていることからも、上野氏の優しさがうかがえた。

  • "孤独を癒すのは「あなたはひとりじゃない」というメッセージではない。もっと正確にいえば、「あなたが孤独であることを、同じように孤独であるわたしが、理解はできないが、知っている」というメッセージである。"(p.113)


    "親業のゴールは、子どもからある日、「もうあなたは要らない」と言ってもらうこと。"(p.107)

  • 自分の言葉を書き残しておくと、こうして並べて、語録というものを
    つくることもできるのだということに気づいた
    自分の考えを書き残すってよいことだな
    共感できたのは
    ・ガクモンは極道だ
    ・夫を人間として尊敬できるか
    ・子育てと介護は非暴力を実践する場
    ・親業の最終目標
    ・人生は壮大なヒマつぶしである

  • 女性に力を与える本。本書はフェミニストの上野千鶴子さんが過去に書いた本の中から、女性として現代を生きるために胸に留めておきたい力強い言葉の数々を集めたもの。もし女性としてこの社会で生きることにやりづらさを感じたことがあるならば、読んでみると良いかもしれない。ただ、本書はパワーワードを単文ずつ集めたものなので、そこまで深い理解は得られない。本書に物足りなさを感じる部分については引用元の原書を参照したい。

  • まだまだ今みたいな時代になる前、男性優位社会でフェミニストとして戦ってきた上野先生。さすが、彼女自身の生き方を切り抜いたような、たくましさを感じる語録ばかり。上野先生のようなお方がいたからこそ少しずつ日本の社会も変わったように思う。しかし時代背景も変わった今、男性優位すぎない職場に身を置く私としては、ここまで強いフェミニスト思考は逆に、男性に対する攻撃性や危険性を孕んでいるのではないかと感じつつある。バランスって難しい。

  • 巷に流布されている言説に染まってしまった(染まりそうな)時に、正気をとりもどす気付け薬として。
    ただし、ときに劇薬注意。

  • サクッと読めて、読んだ人が一つは面白い!と思う語録に出会える、そんな本です。

  • 140の言葉をサラッと読んで、面白いと思ったらそれぞれの本を購入すればいい。
    上野千鶴子入門というか、大きな目次みたいな本。

    けど、上野千鶴子先生の著作は是非読んでいただきたい。

  • 「あたしのメシも心配してほしい」
    妊娠後期、夕食の料理中お腹が痛くなり「料理ができない」と夫に言った時「治るまで待ってるから大丈夫

  • 言葉と解説が140個載っている。
    サクサク読めるお手軽な本。

    終わりには「編集者の衣川理花編」だという説明がついていた。



    読みやすかったのだけど、いまいち私に刺さる言葉はなかった。
    どこかで見たような言葉もあるし、悪くはないのだけど……。おそらく私自身がそこまで上野さんのファンではないからかもしれない。

    むしろ私に刺さっているのは、新聞での言葉だ。
    米騒動に関する記事で『女というだけで、しなやかだといわれる』と上野さんの意見に記者が『手厳しい』と感想を述べていた。
    手厳しい? 手厳しいって何だろう?話題をずらさないためにそれだけに抑えたのかもしれないけど、うっすらと「めんどくさい事を言うな」というようなものを感じた。

    だったら、サクッとその部分を削除してもいいのではと思ったけど、そこは絶対に載せる契約でもしたのだろうか? でも、こんな形で? 謎だなと思ってしまって記憶に残っている。


    今だからこそ、気になったのは
    『78 家族とは一緒にご飯を食べる人のこと』
    という言葉。

    でもここでいう『一緒』は、一緒の部屋という事ではないし、一緒にいるだけでもないと思う。
    相手が何を食べて何を食べないのか、気にかける人のこと。
    一緒に今日あったことを話せる人のこと。かなと。



    そして、これらは私の家にはない。
    『一緒の部屋で食べる人』はいるけど、お互いに食べるものに興味はない。それくらいに心は離れている。

  • 弱りかけた時に読み直したい、手元にずっと残しておきたい本。まわりに目指したい女性の先輩がいなくて、困っていた時に出会えた方。生き抜いたからこそ出てくる、実直な言葉に惹かれてしまう。

  • 「あなたの先輩やオバ、姉の世代が経験した怒りやつらさが、あなたの世代には、もう少し軽くなりますように。女のサバイバルのために、こんな『語録』など要らない時代が来ますように。」

    あとがきに書かれた文を読んで、さいきん二人の叔母と話をしたときのことを思い出した。「(理由は伏せるが)やり直せるなら、もういちど戻りたいのが大学生時代」と話した私に叔母は「同意する」と言ったあと彼女たちがどれだけ不自由な学生・OL時代を過ごしてきたかを教えてくれた。彼女たちは自分の兄(私の父)が大学まで進学した一方で、経済的に苦しい、また女であるという理由から親に大学進学を許可されず就職しその後寿退社をしたという経歴の持ち主だ。

    この語録には、私自身が「なるほどなあ!」と納得するコトバと「そこまで言わなくても?」と棘を感じるコトバの両方が混ざっていた。しかし叔母が読んだらもしかすると「?」よりも「!」のほうが多かったりするのだろうか——。
    つまり何が言いたいかというと、私は「?」と感じたコトバが多かった分だけ、女が生きるのに幸せな時代を生きているのではないかとふと思った、ということだ。

    とはいえ、「!」のなかにはズッシリと心に刺さるものもたくさんあった。上野先生の残されてきた秀逸なコトバたちを抱きしめて、私は私の時代を真っ直ぐに生きていこうと思う。また機会があれば語録に出てきた先生の著書に目を通したい。

  • 《図書館》【再読】語録集。読んでいて前見向きになる本。

  • 上野千鶴子の著作の抜粋。
    いろんな本を摘んだ語録なので、評価不能。
    ただ、フェミニズムとか上野千鶴子に触れる入門としては良いかも。

  • 上野先生の生き方ってやっぱりカッコいい!
    サラッと読んじゃった
    また読み返す

  • ・桎梏(しつこく)行動・生活などの自由を厳しく束縛するもの。

  • 人生という軸で、上野先生の各書から選びぬかれた言葉がまとめてある。
    冒頭に「幸せな女性は私の本などとらない」と書いてあって確かに〜〜ってなったし、終わりにに、「女が女に贈ることばは、わたし自身にとってそうであったように、女にとって命綱の役割を果たすことになるでしょう」に関しても確かに〜〜ってなりました(笑)この本にまとめられてる言葉で救われる人もいるんだろうな。さくっと読める1冊。
    あとは個人的に大学院生をやってる身として、学問に対する姿勢の言葉が、結構刺さりました、ぐさっとね。(その研究は誰かにやれって言われたの?そうじゃないでしょう、とか特に)

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著者プロフィール

社会学者。東京大学名誉教授。1948年、富山県生まれ。認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク(WAN)理事長。女性学、ジェンダー研究のパイオニア。現在は高齢者の介護とケアの問題についても研究している。京都大学大学院修了後、平安女学院短期大学助教授、京都精華大学助教授、メキシコ大学院大学客員教授、コロンビア大学客員教授などを歴任。1994年、『近代家族の成立と終焉』(岩波書店)でサントリー学芸賞受賞。著書に、『家父長制と資本制』(岩波現代文庫)、『おひとりさまの老後』(文春文庫)、『女の子はどう生きるか』(岩波ジュニア新書)、『アンチ・アンチエイジングの思想』(みすず書房)など多数。

「2026年 『新版 女の本屋の物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

上野千鶴子の作品

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