明治乙女物語 (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (2019年6月6日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784167912963

作品紹介・あらすじ

選考会で圧倒的支持を受けた第24回松本清張賞受賞作!

新人とは思えぬ実力を本作で発揮した話題の青春ミステリーが、待望の文庫化です。



西欧化の波が押し寄せる鹿鳴館時代。東京・御茶ノ水の高等師範学校女子部(女高師)で学ぶ女生徒の咲と夏は、学校生活を謳歌していた。ある日、森有礼主催の華やかな舞踏会に出席した二人は爆発事件に遭遇。それは、明治を揺るがす事件の幕開けだった――。

東京、横浜、下田を舞台に繰り広げられる青春ミステリー。



「女性たちの困難を描いた小説ではなく、それに立ち向かう勇気と元気と友情を描いた、正真正銘の青春小説」(中島京子「解説」より)



「女が学問なんて」と一部から白い眼で見られる男尊女卑の風潮の中で、荒波に揉まれながらも、彼女たちは自分自身で人生の道を切り開いていきます。「実は何度も泣きました、女の子達がけなげで」と中島さんがおっしゃるように、美しき女生徒の青春を描いた傑作です。ミステリアスな展開に最後まで目が離せません!

みんなの感想まとめ

明治の時代背景を舞台に、女性たちが困難に立ち向かう姿を描いた青春ミステリーは、感動的な物語が展開します。主人公たちが学び、成長しながら、時代の波に抗う姿は、読者に勇気と希望を与えます。特に、女高師の生...

感想・レビュー・書評

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  • 本当に大好きな作品。明治の女学生の青春は永遠のあこがれ。

  • 会津の英雄、山川浩さんも姉の二葉さんも麗しき捨松さんもカッコイイ…
    明治の少女たちが必死で生きて、世の中に抗っていく姿に感動。

  • あらすじも何も見ずにただただジャケ買いした本作。すごい!想像していた以上に硬派。全ての「乙女」に薦めたい。

  • 明治時代の女学校に興味があり、この小説を手に取った。
    可愛い女学生が事件解決する青春ストーリーかなと予想したが、そのとおりの部分もあったし、伊藤博文、森有礼などの歴史人物が何人も登場して物語に関わってくるので時代小説の面白さも十分あり。
    とりわけ山川浩や山川二葉、大山捨松、藤田五郎といった会津の面々が出てくるとは思いもしなかったのでとても興奮した。

    現代にも通ずる、女性の生きづらさ、社会進出していく上での苦しみ悩みが描かれている。その面では日本って明治時代からあまり進化してないかも。
    強い意志を持って道を切り開いていく女学生たちがかっこいい。

  • ここにいる少女も女性も、令和という新しい元号に変わって変わらない私たち女性と同じだ。
    学問に秀でること、美しくあること、変えることの出来ない生まれ、性別。
    恵まれた環境にいるはずの彼女たちが、コンパニオンのように鹿鳴館に呼びつけられて、あろうことか総理大臣の伊藤博文にセクハラをされる理不尽。
    それなのに、自分に隙があったと、己を責め、男に生まれたかったと嘆く女性。
    上質なミステリーであると同時に鏡写しのように現代も写し出しているこの作品。
    素晴らしい一作です。

  • 明治21年の女高師(現・お茶の水女子大学)の女学生を中心に、爆裂弾事件の真相を追うミステリー。
    ミステリーとしての出来は単純で、謎解きの楽しみはそれほどでもないが、歴史小説としては素晴らしい。
    特に情景描写が上手いのか、当時の情景が浮かんでくるような、自分が明治の街を闊歩しているような気分になった。

    また、森有礼、大山捨松をはじめ、歴史上の有名な人物も多数登場するのが楽しい。
    主人公の二人にもモデルがいるとのことで、駒井夏のモデルはラストで安井てつだと分ったが、野原咲のモデルが誰か分からず、調べたら野口幽香という人物らしい。
    野口幽香、全く知らなかった。。。

    そして何と言っても藤田五郎!
    明治で藤田で警察官といえば!
    元・新選組三番隊長、斎藤一!である。
    この人も最後まで名字しか出なかったが、登場時からもしや?と思っており、終盤で事件の黒幕と対峙するシーンで確信した。
    明治維新を生き抜いた元・新選組隊長に、そこらの旗本のボンボン崩れが敵うはずもなく……。
    晩年は、女子高等師範学校の庶務兼会計係になったきっかけが、こんなところにあったとはw

  • 割とサラッと読めた。ミステリーとあるけれど、ミステリーより明治期の女学生の葛藤物語、という感じ。史実とフィクションを織り交ぜていて「もしかしたらこういうことがあったかもしれない」と思わせる雰囲気がある。洋妾はどこまで行っても洋妾なのだ…

  • 時代の狭間で、自分の足で立ち始めた乙女たちの物語。そして、時代の狭間に生まれその大波に翻弄されてしまった者たちの物語。
    何かあるとすぐバットを振り回す咲ちゃんが可愛かった。久蔵さんには本当に幸せになって欲しかった。つらすぎ。あと最初話のわかるやつかと思った森有礼が、国家の未来を見据える代わりに、激動の時代に翻弄される、小さき者たちへの視線に欠けていたことにガッカリだった。

    個人的に会津藩には思い入れがあるのでフタ婆、藤田警部、桂あたりの葛藤に涙。

    時々時系列と、あえて隠そうとする風景を描写する書き方のせいでよく分からなくなったとこもあるけど、全体的に好感触でした。

  • 文明開化して間もない、明治時代の女学生達の青春とミステリー。
    横浜生まれの野原咲は、女高師の舞踏会で爆弾事件に遭遇したことに端を発し、事件に巻き込まれていくのだが……。
    ミステリとしては薄味だが、時代や世間に負けまいと踏ん張る女性達は力強い。

  • 女性の地位が低すぎる。
    実在の人物が出てくるのでよりいっそう憤りを感じるけれど、その中で女子学生がそれでもいきいきと輝いているのが素晴らしい。

  • これは良作!
    明治乙女、高等師範学校の生徒たちと、彼女らを支える大人たち、そして時代の中で悲しい思いをして生きた人たちの話。
    ミステリーやサスペンスの要素もあり、楽しめた。
    登場する女生徒達が賢く爽やかで、元気をもらえる。

    明治といえば、まだ女性の権利などなく、馬鹿にされていた時代。高等教育を受ける女生徒には世間も冷たい。
    そんな中で学問をして、身を修め、生き方に悩む女生徒達が健気で、心から応援したくなった。

    そんな女生徒に、当たり前のようにセクハラ行為をして、女性に人間性を認めない古い頭のおっさん達の醜いこと! あんたらクソだよ。
    時代がら、多様性とは程遠い。
    閉鎖的な意識の人たちから、境界に生きる人達への差別的な言動ときたら、まったくとんでもない。が、これが悲しいかな、明治のころから令和の今でも通底する。

    健気な女生徒達の賢さ爽やかさはとても快い。時代物ではあるものの、登場人物たちが被る理不尽さは、令和の人でも共感できて楽しめる作品だと思う。

    戊辰戦争の敗者である旧会津藩出身者が、とても良い。凄惨な籠城戦を生き抜いた山川家の人々の言動には凄みがあり、どこまでもかっこいい。
    藤田警部……。知る人ぞ知るあのお方。

    幕末の会津や新選組が好きな人なら、二重に楽しめること請け合いの、おすすめ作品。

  • 碧みがかった瞳には、悲しいまでの失望の色があった。
    この人には決して声が届かないと悟った眼であった。

  • 明治という欧米化が進んでいく時代。
    鹿鳴館、舞踏会、女子教育、洋装、、、
    そんな時代を舞台にした小説でした。

    教師になることを志す女学生が、テロ事件に巻き込まれていくストーリー。
    フィクションですが、主人公の咲と夏にはモデルとなった人物がいるようです。また、伊藤博文や大山捨松など実在した人物も出てきます。

    明治時代になって暗殺された人達って実際けっこういるもんね。時代が変わるときは色んな人色んな想いがぶつかり合うんだろうね。
    そんな人の想いをテーマにした小説だなと感じました。

  • つい先ごろ、『先生と僕』のところで、ミステリーは嫌い、人の死ぬのは怖くて読めない、と言った舌の根も乾かぬうちに、読んだ本書は、…ミステリーだった。
    いや、時代小説だと思ったんだもん。

    とは言え、わりとさわやかな読後感だった。
    女子高等師範学校の生徒たちも、人力車夫の久蔵も、みな懸命に生きている感じがするからだろうか。

    森有礼の存在感が大きい。
    これまであまりいい印象がなかった人だった。
    留学経験があって、物腰が洗練されている上に、弁舌が巧みで、伊藤博文とも渡り合い、豪胆な一面もあった。
    これがこの本での有礼像だ。

    有礼が明治の光の部分だとすれば、久蔵は闇の部分を体現する。
    「らしゃめん」といわれた女性とか、混血児に対する差別は話には聞いていたが、いままでピンとこなかった。
    が、本書の描写で、少し感覚的に分かった気がする。
    そしてそういう視線にさらされた人のつらさが、少し感じられた気がする。

  • 第24回松本清張賞を受賞した滝沢志郎が2017年に発表した作品の文庫版。欧化主義が広まった鹿鳴館時代を舞台に御茶ノ水の高等師範学校女子部に通う女学生 夏と咲の2人を中心に、明治政府を揺るがす大事件に立ち向かう青春ミステリです。事件の真相を追いかけるのも本筋ですが、もっと大きな時代の波へと立ち向かった当時の女性たちに敬意を。本作は虚構と現実が非常にうまく組み合わさり説得力があります。ところで、作者さんもモデルにしましたって明言しているので、本作を「しましまコンビ」で映像化してみて欲しい。

  • 途中まで読んだんですが…
    封建的な時代に生きる健気な少女…みたいな帯の解説でなんとなく、うん、ちょっと今これ読む気にならないかも…と脇にのけてしまいました。そのうちよもう

  • 西洋文化華やかなりし鹿鳴館時代に、女高師で起こった爆発事件をめぐるミステリー。どこまでフィクションなのか分からないけど、史実がうまく織り込まれていて面白かった。警部の人、作中でははっきり書いてなかったけど!あの人じゃんね?!

    西洋にまだ慣れない時代だから、という描写になってるけど、ニッポンジンの排他性は今も変わってねーなっていう感想…。
    鹿鳴館時代の西欧化の反動から国粋主義が起こり戦争の時代に突入していく、という歴史の流れがよくわかった。なるほどなぁ。

  • 201906/

  • 【選考会で圧倒的支持! 松本清張賞受賞作】男尊女卑の風潮が強い明治。高等師範学校の女学生が、華麗な鹿鳴館の舞踏会に招かれるが、大事件に巻きこまれ…。青春ミステリー。

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