会津執権の栄誉 (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (2019年7月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784167913106

作品紹介・あらすじ

狙いはただひとつ。伊達政宗の馘(くび)――。

四百年の長きにわたり会津を治めながら、相次ぐ当主の早世で嫡流の男系が途絶えた芦名家。常陸の佐竹家より新たな当主として婿養子を迎えたものの、家中に軋轢が生じ、北からは伊達政宗の脅威が迫る。芦名家の行方は家臣筆頭の金上盛備の双肩にかかっており、ついに伊達との摺上原での最終決戦を迎えた。



東北の名家の存亡を描き、直木賞候補となった出色のデビュー作。

本屋が選ぶ時代小説大賞2017受賞!

みんなの感想まとめ

信頼と絆をテーマにしたこの物語は、東北の名家・芦名家の存亡を描きながら、読者を深く引き込んでいきます。初めは入り込みづらさを感じる方もいるかもしれませんが、物語が進むにつれてその魅力が際立ち、特に最後...

感想・レビュー・書評

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  • タイトルからして金上盛備がメインの、と思いきや数多いる主人公のうちのone of them、若き日の富田を救ったことや、白川芳正の主として凛とした姿を見せてはいるが。主人公は、滅び行く蘆名家といったところか、暗く重くるしい空気に満ちた。最後は、秀吉対面時の「慢心するな」が響いた形で、伊達政宗に臆病という噂を流され、「会津執権」の盛名に囚われるあまり、最後は政宗本陣と信じて突撃した先に影武者に嘲笑われ、完膚なきまでの敗北を喫す、と。最後の政宗側からの物語も添えられ。命令することだけしてきて、命令されることの何たるかを知らぬ者と見極められた上の、太刀を持たされた瞬間の歓喜と屈服。「伊達女」へとつながって行く物語。しかし、金上盛備、そこでなせる最善を尽くしたのではないか。蘆名盛隆を守り切れていたら?伊達から後継者を迎えていたら?無理な突撃をせず蘆名義広を支えて佐竹領に引いていたら?いずれも詮無きifであろう、と。自負を持って、滅びさろうとする主家をなんとか盛り立てようとして果たせなかった無念。

  • 私に物語の舞台の前知識が少なかったからなのか、初めは少し入り込みづらく感じたが、だんだんと引き込まれていき、最後の二篇には特に魅了された。
    最初の作品が発表されてから本が出版されるまで、4年程かかっているとのこと。時間の経過と連作の積み重ねにより、物語全体が熟していったのかもしれない。

  • 自分を信頼してくれる人がいて、自分もそういう存在であろうとする。
    信頼、それだけで命を預ける価値があり、自分の生きる力となる。
    人の信頼を強く信じる物語

  • 短編の連作仕立てなので読みやすいと思う。伊達政宗がとっても悪者です。。

  • 芦名家について詳しくなくても楽しめる内容でした。各章の話が間接的に芦名家の滅亡につながっていき、最後の摺上原の戦いに集約していく流れはまとまりがあり読みやすかったです。

  • 戦国時代の会津を領有していた名家の芦名家の、嫡流が途絶えた事に端を発した家中の軋轢と混乱から、伊達政宗との摺上原の合戦に至るまでを、家中の様々な視点から描いた、歴史物好きにはたまならない一冊。

  • 会津芦名家にまつわるものがたり。
    戦国武将達の悲哀と複雑さがみえて、現代とは違うストレスの多い大変な時代なのだと感じた。
    謀略、裏切り、意匠返し。鎌倉御家人の名家芦名は時代に飲み込まれて滅びていった。

  • 歴史小説の名著誕生。登場人物のきめ細かな感情の揺れまで表現されている。今後も読み続けたい作家。

  • 読みやすい。
    芦名家では後継者の婿養子選びを伊達家と佐竹家で意見が対立。佐竹家から選ばれたことにより後々の戦のなかで対立がおこったり血縁者の中や家来達の溜まった心のモヤモヤ感が決断を左右し、複雑ゴタゴタ面白い。
    まさに参議院選挙まっただ中、勝っても負けてもお互いギクシャクするもんだわね

  • 【きっかけ・目的】
    ずっと気になっていたのだが、文庫になったので満を持して購入。
    【感想】
    連作短編集だった。会津執権から蘆名氏の重臣を中心とした物語というのは見当はついたけど、長編小説だとばかり思っていたので連作短編だったので拍子抜けした。

    戦国時代も秀吉が関白となり終わりが近くなり、中央政権としての秀吉が全国に惣無事令を発した。
    そういう状況下での会津蘆名氏を舞台にした連作短編だ。
    富田隆実、蘆名家中のもの、蘆名家の陪臣、蘆名の足軽、金上盛備、伊達政宗がそれぞれ主人公の6短編集。
    簡単に言うとちょっと物足りなかった。
    特に以前、山岡荘八の伊達政宗を読み東北諸家の複雑な婚姻関係などを知っていると戦国期の蘆名氏の弱体化など色々な物語を期待していただけに連作短編の軸になるテーマが欲しかった。

    【終わりに】
    やはり時代小説はいいなぁと思った。会津盆地で繰り広げられたであろう人々の営みを思うだけで木や土のにおい生き物の息吹を感じられる。
    読んでほっとした。

    最近はこのような連作短編にする構成が多いのだろうか。はやり?

  • 数年に亘って発表されて来た5篇と、単行本化に際して加えた1篇の計6篇で構成されている物語だ。各篇が読み易い分量で、ドンドンと頁を繰ってしまい、何時の間にか読了に至ってしまっていた。
    本書の題名になっている『会津執権の栄誉』は、6篇中の1篇の題から採っているものだ。因みに“会津執権”というのは、芦名家が滅びて行ってしまう時代に家中に在った金上盛備(かながみもりはる)のことである。芦名家の当主が次々と交代して行く中で家中を支えた重鎮で、会津の“執権”と綽名されたのである。
    本作はこの金上盛備を含む、名前が伝わる将から、名も無き一足軽に至るまで、色々な人達を各篇の主要視点人物に据えている。そして各篇の物語が積み上げられ、5篇で芦名家が滅びて行く。第6の篇は、その後の伊達政宗の様子が描かれる。
    本作は<本屋が選ぶ時代小説大賞>という、時代モノの小説を愛する人達による選考で賞を獲得したという作品であると読後に知った。なるほど、味わい深い作品である…更に、作者は本作の舞台にもなっている地域を含む福島県の御出身であるそうだ…

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著者プロフィール

作家

「2020年 『伊達女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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