ヤギより上、猿より下 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2019年8月6日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784167913298

みんなの感想まとめ

シュールで下品なユーモアが光る短編集で、読者を驚かせる作品が詰まっています。特に表題作の意味を知ると、その意外性に驚かされ、また作品全体に流れる独特の雰囲気に引き込まれます。各短編は、ハードボイルドな...

感想・レビュー・書評

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  • 平山さんの4つの短編集が収められた本書。表題の短編の意味を知ると大いにたまげる。表題に気になった人は、ぜひ手にとって本書をお読みください。コメディ風の品のない作品(褒めています)。
    ただ、暴力に耐性のない人は苦手な作品も含まれているので要注意。
    私のお気に入りの作品は、「陽気な蠅は二度、蛆を踏む」。ハードボイルドな作品。

  • 2026.4/23〜28
    これは人を選びそう。シュールな設定にぶっ飛んだキャラ、下品でめちゃくちゃなのになぜか面白い。そして読後も悪くない不思議。あまり想像するのはよくないので、サクッと読むことをおすすめする。

  • ストーリー、文章の表現、言葉の選び方、読みながらずっと嫌悪感が付き纏いました。
    ここまで気分を嫌にさせる小説は初めてかもしれません。
    逆にいえば、それを狙っていると思いますし、そも意図が伝わってくるので、すごい事だと思います。
    ただ、自分には全く合いませんでした。

  • 【あらすじ】「パンちゃんとサンダル」「婆と輪舞曲」「陽気な蠅は二度、蛆を踏む」「ヤギより上、猿より下」の4編を収録した短編集。
    「パンちゃんとサンダル」…母親が父親に暴力を振るわれ、母親が子供と心中しようとする話。
    「婆と輪舞曲」…離婚し離れた娘が行方不明になったと元嫁から連絡がある話。
    「陽気な蠅は二度、蛆を踏む」…殺し屋とターゲットの話。
    「ヤギより上、猿より下」…50歳前後の女たちの売春宿に、猿とヤギが同僚として来る話。

    【感想】 「パンちゃんとサンダル」…もう本当に最悪。日本に関与してくる外国人が更に嫌いになった。前作「デブを捨てに」より遥かに面白い始まりの1作だったが、外国人に騙されたばかりの自分にはクルものがある作品だった。
    「婆と輪舞曲」…そこそこに面白かったけど、ジャンル分けができない内容だった。ミステリー?平山夢明=グロいというイメージだったが、まったくその要素が無く困惑した。
    「陽気な蠅は二度、蛆を踏む」…ハードボイルドな作品だった。殺し屋のターゲットが息子と知ったけど、仕事を全うする姿が『ハードボイルド』以外の言葉が見つからない。胸糞でも感動でもない初めての読後感で割と楽しめた。
    「ヤギより上、猿より下」…面白かったけど、ジャンルは何と断言出来ない。ホラーではない。コメディ?理由は分からないが、ホラーMの作品を読んだ後のような感覚で楽しめた。
    (2025年8月10日読了)

  • 相変わらずグロくて下品で倫理観がやばいのになぜか読後爽やかな気持ちになる本だった。
    読んでる途中はなんでこんな本読んでるんだろうっていつもおもうのに、読んだあとはなんだかスッキリするというか不思議と嫌な気分じゃなくなる。
    こういうところが毎度すごいなぁとしみじみおもう。
    解説も頷けた。
    ただしやっぱりまわりのひとに勧めようとは思わない。

    『パンちゃんとサンダル』は、初端からめちゃめちゃ辛くなる話もってきたな…って読むのやめたくなるくらいだった。
    一番きつかった。でもなぜかやっぱり締めは好き。

    『婆と輪舞曲』は、ミステリ要素もありシンプルに楽しめた。

    『陽気な蝿は二度、蛆を踏む』は、平山作品によくでてくるような殺し屋のハードボイルドな話だと思いきや、最後は切なくて思わずうるっときた。

    表題作の『ヤギより上、猿より下』は、アッこういう意味なんだ…って。
    これも女である私からするとかなりきついというかところどころ倫理観どうなってんだよ…ってとこもありつつ、ぶっとんでてギャグで最後はやっぱりスッキリする話だった。
    これもちょっとしたミステリ要素あり。
    "淫売"を馬鹿にしてるようにもみえるし、そういう生き方をしてる人達を肯定して救ってるようにもみえて、手放しで面白い!といっていいのかなんなのか複雑な気持ちではあるけど…読ませる力がすごいんだよなぁ…。

  • 表題作はちょっと長すぎる感じで冗長さを感じた。ドタバタドタバタしていて疲れるし。
    少年の話はDVの暴力描写や被害者が狂ってゆく様が生々しくおそろしくてよかった。子どもの無力感から一転、裏切りをきっかけに大切な存在を犠牲にして自分を守る強さを見せるラストは、淡々としていてすっきりとした味わい。
    探偵の話、殺し屋の話も、ともに面白く読んだ。殺し屋の話は少し出来過ぎで現実離れしているのだが、そういう世界の話として引っ掛かりなく読めた。

  • 単行本からの再読。
    「ヤギ」の印象が強すぎてあんまり覚えていませんでしたが、「陽気な蠅」の雰囲気がすごく好きです。全体的にカッコいい。
    「ヤギ」は、まあ、再読してもやりたい放題だなと。あらすじの”動物たちの活躍”で笑ってしまう。
    特典の「デブを捨てに」の無修正版が気になります。

  • 家族愛や親子愛、動物と人間の絆がテーマ。だけどそれを胸糞の描写で書いてる。だから引き込まれるし、イケナイモノを読んでる気持ちになる。
    「ヤギより上、猿より下」で女の子がポポロと甘汁のことを心の中では畜生って呼んたのがツボ

  • タイトル見て、「どうぶつ好きあつまれ~!」の帯見て、きっとアットホームなどうぶつものじゃないんだろうな、ろくなもんじゃないんだろうな(褒め言葉)と思ったらやっぱりw

    『パンちゃんとサンダル』はタクムにとって地獄の様な救いようのない話なのに、アレキサンダルの動向に平山さんらしさを感じて「やっぱりこう来たな」と思わずにんまり…。
    『陽気な蠅は二度、蛆を踏む』は泣いてしまった。
    こうしてやることがキジマのためと頭ではわかっていても、最後ガソリンスタンドでしたエンジンの行動がやるせなさと憤懣を感じて、ダークサイドで生きる人間の感情が浮き彫りになって悲しい。
    表題作の『ヤギより上、猿より下』はそれぞれのキャラクターの魅力とおかずの愛嬌ある語り口がいい。
    姐さんたちの床技名が平山さんらしい。ポポロも可愛いし、ロハンさんも魅力的。

    もうちょっと笑える話が増えてもいいかも。
    やっぱり平山さんワールドが大好き。

  • 平山夢明という作家は、不愉快のプロフェッショナルだなぁ、と改めて。
    内容がかなりエグいので誰にもすすめられませんが、最高でした。
    人を嫌な気持ちにさせるつもりのない、ふつふつと湧いてくる純度の高い不快って、一転して感動につながるのが怖い。
    最低な話ばかりなのに登場人物が魅力的で、とくに表題作のロハンさんが素敵。

  • 『デブを捨てに』に続いて2か月連続で文庫化された本書。短編4本という構成や本文のフォーマットなどは同じで、<イエロートラッシュ>シリーズと名付けられているみたいですが、話に繋がりがあるわけではないのでどちらから読んでもOKです。

    父親が母親に対して行うDVに日々怯える息子を語り手にした「パンちゃんとサンダル」。本作ではラストのサプライズにあたる、救いようのない状況の中から見えてくる真理の描き方が平山さんらしくていい感じです。本書の中では一番楽しめました。
    「婆と輪舞曲」「陽気な蠅は二度、蛆を踏む」はいずれもハードボイルド風の作品ですが、読後感はかなり異なります。いずれも面白いですが、平山作品としては水準作かなあと。
    そして表題作「ヤギより上、猿より下」。50代の姐さんたちが住みつく売春宿にやってきたのは、オランウータンのポポロとヤギの甘汁。2匹が行うのはもちろん人間の客の相手。まさか動物たちには負けるまいと高をくくっていたところ、動物たちがまさかの大活躍。ふがいない姐さんたちに経営者のオバチャンが吐いた言葉がタイトルになります。まったくもって凄い作品ではあるのですが、語り手は別の人にしたほうが良かったような気も。

  • 文庫化で再読。「パンちゃんとサンダル」父親が母親に向ける暴力が自分と妹に向かうことを確信したタクムが助けを求めた結果得た真実。「婆と輪舞曲」失踪した娘を探し続ける狂女に寄生する男が、自身の娘の失踪をきっかけにたどる道とは。「陽気な蠅は二度、蛆を踏む」手練れの殺し屋を待ち受ける数奇な運命。「ヤギより上、猿より下」わすが10歳で売春宿に売られた”おかず”と、オランウータン”ポポロ”との絆。夢さんワールド堪能。

  • 「デブを捨てに」に引き続き、読了。
    こちらも、なんとも言えない数奇な物語の連続…。
    「ヤギより上、猿より下」は、タイトルのシュールさに苦笑いするも、あまりスッキリしないラストで消化不良気味…。
    シリーズを通して、物語に登場する人や動物のネーミングが印象的な作品でした。

  • 不思議な本だった。胸糞悪くなるような設定や展開があっても読み進めてしまう。そもそもなんだこれ!?みたいな話もある。
    特に表題作。タイトルから連想するなんとなくのイメージなんて吹き飛ばされる内容。そういう意味のタイトルか!と、そもそも凡人の発想では思いつかない話だった。こんなの映像化なんて無理だろうな。
    でも、嫌な気分にはならず、むしろ読後感は清々しい。やっぱり不思議な本だ。

  • タイトルに好きな動物の「ヤギ」が入っていたので購入。表紙にも目を惹かれたしね。

    中身はタイトルを含む3編の小説が収録されている。どれも、中身がエグくて読んでいて気分が悪くなる。そういえば、著者の作品を読むのはこれで2作目になるけど、前に読んだ本も酷かった。

    暴力で肉体が破壊されるシーン、人を殺すシーン、その全てが生々しくて血の匂いがする。

    そしてタイトルの「ヤギより上、猿より下」の意味を知った時の衝撃たるや。帯には「動物好き、集まれ〜」ってあったのだが、「集まれ〜」ではない。確かに動物は出てくるけど、そんなポップな感じには扱われていない。

    だけど、この感じ、嫌いではないし、多分、また著者の作品を読んでしまうのだろうなと思った。クセになる1冊。

  • 相変わらず最高だ

  • シュール過ぎてグロいのにちょっと笑える。みんな底辺底辺簡単に口に出すけど、人生の底ってどこだろう。

  • 【どうぶつ好き、あつまれ〜! 二ヵ月連続刊行第二弾】淫売宿にヤギの甘汁とオランウータンのポポロがやってきた。彼女たちの活躍で姉さんたちが恐慌を来す表題作ほか〈最悪劇場〉第二弾。

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著者プロフィール

1961(昭和36)年、神奈川県川崎市生まれ。法政大学中退。デルモンテ平山名義でZ級ホラー映画のビデオ評論を手がけた後、1993年より本格的に執筆活動を開始。実話怪談のシリーズおよび、短編小説も多数発表。短編『独白するユニバーサル横メルカトル』(光文社文庫)により、2006年日本推理作家協会賞を受賞。2010年『ダイナー』(ポプラ文庫)で日本冒険小説協会大賞を受賞。最新刊は『俺が公園でペリカンにした話』(光文社)。

「2023年 『「狂い」の調教 違和感を捨てない勇気が正気を保つ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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