わが母なるロージー (文春文庫 ル 6-5)

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167913601

作品紹介・あらすじ

シリーズ累計120万部突破! 『その女アレックス』のカミーユ警部、ただ一度だけの復活。 連続爆破犯の真の目的が明かされたとき、残酷で美しい閉幕が訪れる。 パリで爆破事件が発生した。 直後、爆破犯は自分であると警察に出頭した青年ジャンは、爆弾はあと6つ仕掛けられていると告げ、金と無罪放免を要求する。 右腕のルイとともに事件を担当することになったカミーユ・ヴェルーヴェン警部は、青年の真の狙いは他にあるとにらむが……。 『その女アレックス』のカミーユ警部が、ファンの熱い声に応えて、富豪刑事ルイ、巨漢の上司ル・グエン、猫のドゥドゥーシュらとともに一度だけの帰還を果たす。『その女アレックス』と『傷だらけのカミーユ』のあいだに挟まる「カミーユ警部シリーズ」第2.5作。 残酷にして意外、壮絶にして美しき終幕まで一気読み必至。

感想・レビュー・書評

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  • カミーユにまた会えた!と嬉しかったんですが読後すぐに思ったのは、あーカミーユ三部作ってやっぱりクローズした物語なんだなぁってことです

    無理矢理差し込んだ感じが凄いです
    やるなら『傷だらけのイレーヌ』の前の時系列のほうが良かったん違うかな?と

    御本人もカミーユシリーズはもうやらないって仰ってるようですが…残念ながら自分もそう思いました
    三部作の作りが完璧すぎるんですよね、多分

    そして本編ですが、面白かったし仕掛けも見事だったんですが…せっかく思いついたから作品にしとこう!みたいな…もったいないわー

  • この物語は、ピエール・ルメートルのカミーユ・ヴェルーヴェン警部3部作の時系列でいくと『悲しみのイレーヌ』『その女アレックス』の次に入り、そのあとに『傷だらけのカミーユ』がくるそうです。長さはその中で一番短い中編小説です。
    三日間の物語で、時間が分刻みに進み、まず、一日目の17時にパリ十八区で大きな爆発事件が起きますが、死者は出ませんでした。
    そして、ジョン(ジャン)・ガルニエという28歳の青年が「爆弾を置きました」と自首してきます。そして「爆弾は七つ仕掛けました、まだ六つあります。毎日ひとつ爆発します」と言います。
    カミーユが目的を問いただすと「要求は殺人容疑で勾留されている、母親ロージーと自分を釈放してオーストラリアに逃がすこと」だと言います。
    カミーユらは爆弾を探し出そうとしますが、ジャン・ガルニエは口を割りません。
    そしてジャン・ガルニエと母親ロージーとの関係を洗い出すと、ロージーは大変重大な犯罪を他にも犯していることが判明します。
    ジャンはなぜ、そのような母親を助けようとするのか。
    そこはやっぱりルメートル、一体どんなどんでん返しがあるのか最後までわからずじまいでした。

    最後に、ジャンのしたこと、タイトルの意味を思うと、何ともいたたまれないというか、やりきれない気持ちになりました。
    表紙の彫像の写真が哀しみに満ちてみえました。

    中編小説としては、特に問題はないのですが、この長さで、定価税抜き700円は高すぎると思ったので、星は減らしました。

    • やまさん
      まことさん
      こんにちは
      いいね!有難う御座います。
      朝方は、すごい雨でしたが、いまは☼/☁です。
      やま
      まことさん
      こんにちは
      いいね!有難う御座います。
      朝方は、すごい雨でしたが、いまは☼/☁です。
      やま
      2019/11/11
    • まことさん
      やまさん♪
      こんにちは。
      こちらこそ、いいね!ありがとうございます。
      私のところは、これから降るらしいです。
      今、ブクログさんから、...
      やまさん♪
      こんにちは。
      こちらこそ、いいね!ありがとうございます。
      私のところは、これから降るらしいです。
      今、ブクログさんから、メールが入らなくなってしまっているので、コメントのお返事が遅くなるかもしれないです。
      2019/11/11
  • ピエール・ルメートル『わが母なるロージー』文春文庫。

    カミーユ警部シリーズ第2.5作。シリーズ番外編の中編作品。

    『その女アレックス』だけが抜群に面白く、後はまあまあ程度のこのシリーズ、本作もそこそこという感じ。にも関わらず、このおおはしゃぎな帯は何だろうね。

    パリで爆破事件が発生し、爆破犯は自分であると警察に出頭した青年ジャンは仕掛けた爆弾はあと6つで、爆弾の所在を知りたければ金と無罪放免を約束しろと無謀な要求を突き付ける。この事件を担当することになったカミーユ・ヴェルーヴェン警部は……

    本体価格700円
    ★★★

  • 『その女アレックス』と『傷だらけのカミーユ』の間になる第2.5作。
    パリで爆破事件が発生。

    薄いのに中身の詰まったお話です。最後は映画のようでした。

  • 久々のピエール・ルメートル作品。

    衝撃を受けた「その女アレックス」シリーズです。

    正しくは「悲しみのイレーヌ」「その女アレックス」「傷だらけのカミーユ」の三部作。

    身長145cmのヴェルベーン警部が活躍するシリーズは三部作だと思っていたら、出ました!続編となる本作。

    期待していた割に積読期間は長かったですが、前三作と比較すれば半分程度のページ数、サクッと読み終えた分どうしても前三作と比較した時に物足りなさを感じてしまいました。

    本作は著者が偶然道路脇に空いた穴を見かけ、すでに読み終えた「天国でまた会おう」を執筆中にインスピレーションを受け生み出された作品。

    もうヴェルベーン警部に会えないと思っていた読者にはまさにプレゼントとなりました。

    シリーズを通してヴェルベーン警部が登場する為、一見して彼が主人公のシリーズ物という見方をしてしまいますが、本シリーズの最大の魅力はそこに描かれる女性だと思います。

    アレックスのインパクトが強すぎたが故にその後も著者の作品を手に取ることになったことは事実です。

    そして本作にもきっちり影を纏った女性ロージーが登場します。

    今までとの違いは、アレックスを始めとする女性陣が主役を務める訳ではなく、爆弾を仕掛けたジャンの母親として登場します。

    まぁ、ラストに近づくとロージーも只者ではない事が明かされていきますが。

    内容的に時系列に並べれば「その女アレックス」と「傷だらけのカミーユ」の間に位置する本作。

    読み終えた瞬間に「その女アレックス」を再読したくなったのは私だけでしょうか…





    説明
    内容紹介
    シリーズ累計120万部突破!

    『その女アレックス』のカミーユ警部、ただ一度だけの復活。

    連続爆破犯の真の目的が明かされたとき、残酷で美しい閉幕が訪れる。

    パリで爆破事件が発生した。
    直後、爆破犯は自分であると警察に出頭した青年ジャンは、爆弾はあと6つ仕掛けられていると告げ、金と無罪放免を要求する。

    右腕のルイとともに事件を担当することになったカミーユ・ヴェルーヴェン警部は、青年の真の狙いは他にあるとにらむが……。

    『その女アレックス』のカミーユ警部が、ファンの熱い声に応えて、富豪刑事ルイ、巨漢の上司ル・グエン、猫のドゥドゥーシュらとともに一度だけの帰還を果たす。『その女アレックス』と『傷だらけのカミーユ』のあいだに挟まる「カミーユ警部シリーズ」第2.5作。

    残酷にして意外、壮絶にして美しき終幕まで一気読み必至。

    内容(「BOOK」データベースより)
    パリで爆破事件が発生した。直後、警察に出頭した青年は、爆弾はあと6つ仕掛けられていると告げ、金を要求する。カミーユ・ヴェルーヴェン警部は、青年の真の狙いは他にあるとにらむが…。『その女アレックス』のカミーユ警部が一度だけの帰還を果たす。残酷にして意外、壮絶にして美しき終幕まで一気読み必至。

    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    ルメートル,ピエール
    1951年、パリに生まれる。2006年、カミーユ・ヴェルーヴェン警部3部作第1作『悲しみのイレーヌ』でデビュー。同第2作『その女アレックス』でイギリス推理作家協会賞を受賞。日本では「このミステリーがすごい!」ほか4つのミステリー・ランキングで1位、「本屋大賞」翻訳小説部門でも第1位となった。『天国でまた会おう』でフランスを代表する文学賞ゴンクール賞、カミーユ警部3部作完結編『傷だらけのカミーユ』で、イギリス推理作家協会賞を受賞

    橘/明美
    1958(昭和33)年、東京生まれ。お茶の水女子大学文教育学部卒業。英語・フランス語翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

  • カミーユ・ヴェルーベンただ一度の復活!
    と言われては読まないわけにはいかない。

    中編だけれど、これまでの長編の密度に比べると、ファンサービスでちょっと書いてみた、くらいな読み応え。

    犯人には他人を害する意図がないのだということはかなり早く感じてしまい、母親の服役の理由を知るとほぼ同時に、本当のターゲットが彼女だと気づいてしまった。
    残念。もっとだまされていたかった。


    カミーユはもう書かないなら、ルイの活躍するスマートなミステリなんていかがですか。

  • カミーユ警部のもの。連続爆破事件。犯人は、爆発事件を起こした後まだ複数の爆弾が仕掛けられているという、金や母にまつわる要求を飲むのなら、爆発をさせないとのこと。
    時系列で滞りなく進んで行きますが、もう少し長くゆっくりと楽しみたかったかな。あっけなかったのでカミーユの一度だけの復活って、なくても良かっただんじゃないの。おまけなら出すのが遅すぎって感。犯人の母を見ながら、カミーユの母を回想する、それぞれの母親が出てきて。その流れで解決に向かう。母をテーマにした物語でもあるかもね。

  • パリで起きた爆破事件。犯人が名乗り出てあと6つ仕掛けてあるという。そこからタイムリミットサスペンスのような緊迫した展開に。犯人とその母親との関係性やカミーユの捜査とプライベート。短い作品ながら圧倒される。中盤からラストに至る駆け引きと追い詰められていくカミーユの焦りや緊張感がよかった。シリーズは完結していたのでまた読めたのが嬉しい。

  • 見つけるとすぐさま読むことにしているルメートル。帯にヴェルーヴェン警部の話とあり、巻頭には著者によるこの作品の位置付けなどについての覚書もありました。本来は三部作で完結していてもう書くつもりは無かったそうですがふとしたきっかけで物語の方からやってきたとのこと。事件は深刻で大変なものだしその背景もなかなか救いがたいのですが、時折著者の人格がもの申すような描写もあって、読後感は悪くないです。ちょっとだけ読むつもりが2ページくらいでもう引き込まれて、読むのを止められませんでした。視覚的映像的な描写が見事で、ラストシーンも印象的で一時間くらいの映像作品を見終わったような感じです。

  • 虚ろなミステリーだった。

    犯人は爆弾をしかけ、仕掛けた場所を明かすことを交渉の材料に、勾留中の母親の釈放を求める。

    物語は「穴」だらけ。
    爆弾であく穴、爆弾を仕掛ける穴、犯人の穴があいたような顔、ラストで何もかも消し去る穴。
    犯人の心における「母」という存在の穴も感じられた。

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