アンソロジー 妖し (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (2019年12月5日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784167914103

感想・レビュー・書評

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  • 読書疲れしていたため久々の短編。朱川先生の短編が一番好き。上品な怖さの作品が多くて良かった。どの作品も長編で読んでみたくなる魅力があった

  • 電車の乗り換え時に構内の本屋で購入

    「妖し」という固有名詞を題材にするとこんなにも作者のカラーが出るのかと…!

    大好きな恩田陸さんの作品のじっとり感がたまらなかったです。
    バナナの話は、一生忘れないと思います。
    情景描写が秀逸で、主人公視点の光景が目に浮かびすぎて怖い。そして情景は目に浮かぶのに主人公の感情が絶妙に言語化されないままそこにある感じが凄かったです。

    たまたま手に取った本でしたが大好きな一冊になりました。

  • 奇妙でゾクッとする、妖しいアンソロジー短編集。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    10人の作家たちによる“妖しい”短編集。
    ひとくちに妖しいといっても、作家さんたちそれぞれの考える妖しさがあり、短編映画を見ているようでした。

    特に印象的だったのは恩田陸さんの「曇天の店」と米澤穂信さんの「わたしキャベンディッシュ」です。

    「曇天の店」は、ラスト前の会話には「」(かぎかっこ)がついておらず、なんで??となってしまったのですが、それすらもラストでの妻の一言に対する助走でした。
    また「」がない言葉が続くことで、現実的のような、そうでないような、ふわふわとした“現実”に自分も居るような気がしました。
    最後の、さーっと風が通り抜けたような冷気が、すごく“妖し”かったです。

    「わたしキャベンディッシュ」は、オチはすこし予測がついたものの、それを淡々と文章にされ、しかもラストの登場人物が誰も驚かないところに“妖し”さを感じました。

    ただし、歴史時代小説がニガテなため、武川佑さんの作品だけは読み切ることができず、申し訳ないです。

  • 面白かった。
    なんとも言えない不思議な妖しい話ばかり。
    特に恩田陸さんの金沢の話が好きだ。恩田陸さんのユージニアも金沢が舞台だったな。なんとも印象に残る話だった。恩田さんの、金沢に対する特別な思い入れを感じる。
    ちょっと乙一さんのような妖しいオムニバスだった。

  • オール讀物2013年10月号阿部智里:李果を食む2018年8月号恩田陸:曇天の店、村山由佳:ANNIVERSARY、彩瀬まる:マイ,マイマイ、朱川湊人:フクライ駅から、武川佑:細川相模守清氏討死ノ事、9月号:小池真理子喪中の客、11月号乾ルカ:かぐわしきひと、2019年8月号窪美澄:真珠星スピカ、米澤穂信:わたしキャベンディッシュ、と2018,19年8月号の特集妖し競作が中心の10編のアンソロジー。村山さん、窪さんの不思議度が高く抒情的なお話が良い。米澤さんのバナナのお話は興味深く、ラストが怖いです。

  • 評価は三ツ星半と言ったところか。
    タイトルどおり「妖し」を共通テーマとした異なる作者による短編集であり、それぞれに異なる趣きの作品からなっており、飽きることなく読み終えることが出来た。

  • 現代劇ばかりかと思ったら歴史モノも収録されていて驚いた。
    すごく怖い!という感じではない、すこし鳥肌が立つ程度。幽霊の怖さ、異形の怪物の怖さ、人間の怖さ、少しの優しさ。
    色んなタイプが楽しめる本。

  • ちょっと怖い話のアンソロジー。
    どの作品も、良かったのですが、あえて1つというなら、風鈴が出てくる話かなあ。
    読んだことのない作家さんに出会えるので、アンソロジーはおすすめです。

  • 全編シンプルに怖い。どろどろしているわけじゃなくて、上品な怖さだけど、それ故に怖い…!作家さんたちがみんな巧みなんだな…

  • 十人の人気作家が作る、妖しげな世界。

    「ANNIVERSARY」は言葉の持つ明るい世界とは異なる、なんだか奇妙な、悲しい世界だ。
    世界がループするのだ。
    ちょうど今読み返している『D.Gray-man』にも、繰り返される日々の話が出てきていた。
    この漫画について語るのはまた別の機会として、とにかく元の世界においてきた子供のことが気になってしまう。
    愛する者との離別を考えると、胸が苦しくなる。

    『李果を食む」は、私が感じ取ったおぞましさは二つあった。
    どちらだ。
    どっちなんだ。
    いや、どちらでも構わないだろう。
    もうすぐ、スモモの季節。
    あの甘酸っぱいすももを、私はこの話を思い出さずに食べられるだろうか?

    「かぐわしきひと」「喪中の客」はどちらも気味の悪さで際立つ。
    前者は自分の思い込みに騙され、そして、終わりの凄惨さに胃液が上がってくる。
    後者は、自分の見ている世界が本当に正しいのか、わからなくなる。
    それにしても、あの客人は一体なぜきたのだろう?
    そちらの方が、より、恐ろしい。

  • 特に「マイ、マイマイ」と「李果を食む」が印象に残った。

    マイ、マイマイ
    過去の体験は今の自分を作っている。その事実を物理的なものに例えて、体からぽろっと抜け落ちる表現がおもしろかった。
    自分が持っている価値観に案外無自覚だったりするよなと思った。

    李果を食む
    兄弟それぞれの事実に基づいた認識が、同じものを見ているはずなのに、捩れの位置みたいに全く違うものとして突き進んでいく感じ、徐々にどれが真実が分からなくなる奇妙さが読んでいておもしろかった。

  • あまり「妖し」じゃなかったんですが
    一番良かったのは
    窪美澄先生の 「真珠星 スピカ」
    死んだ母親が娘を こっくりさんを使って
    守る話で 愛情に不意打ちされて
    かなり泣けました さすが

  • 【怪異】をテーマに描く奇譚小説。
    アンソロジーシリーズ。
    この面子だし、と思って読み始めたのが
    間違いだった…

    想像のはるか上の上をゆく怖さだった…
    夜、部屋で一人で読んでいられないページが
    何度もあった。

    大好きな米澤穂信の
    「わたしキャベンディッシュ」も、
    あーー、これが伏線でこうなる感じかぁ
    のんきに思っていたあたし。
    伏線は伏線でも回収先が違っていて
    安定の穂信のぞわぞわ感。

    乾ルカの「かぐわしいひと」なんか
    ここから先は、もう読めない……と
    次の日に
    持ち越したくらいなのに
    その怖さに上塗りされるように
    壊れていく人間の怖さがくる。
    えーーー??そっちーーー??!みたいな…

    そんな中、
    なんとも言えない感情と思いに溺れたのが
    窪美澄の「真珠星スピカ」
    母と娘、父と娘。
    このそれぞれの【2人きりの時間】には
    切なさとやりきれなさ、
    それに希望が詰まってる。

    まだ読んだことがない作家さんも多かった。
    少しずつ読んでみたい。

  • さすがのメンバーのアンソロジー!
    喪中の客、が一番のお気に入りかも。

  • 発売前からtwiiterでも反響!
    それは不思議な夢か?それとも妄想か?今見ている世界は本物ですかー。十人の豪華執筆陣による奇譚小説。

  • アンソロジーは結構当たり外れがあると思っていて、今回は当たりでした。
    怪異をテーマに10人の豪華な作家が描いた作品です。
    アンソロジーの短編集は作家が変わるが故に薄味になりがちなイメージですが、どの作品もしっかり味があって良かったです。
    個人的には、「わたしキャベンディッシュ」、「かぐわしきひと」が特に良かったです。
    アンソロジーは普段読まない作家に出会うので、定期的に読みたいなと思いました。

  • 怪異をテーマに10人の作家が描く短編アンソロジー。

    豪華な顔ぶれです!
    怪異がテーマだけあって、ちょっと怖い話や不気味な話が多め。

    亡くなったお母さんの幽霊が現れる、窪美澄さんの「真珠星スピカ」
    室町時代が舞台の武川祐さんの「細川相模守清氏討死ノ事」
    の二作が好きでした。

  • 最後の話の後味が…

  • 妖し 意味:不気味という意味もあるが、正体のはっきりしない様子、という意味合いの方が自分は強いかも。
    妖しい となるとさらに不思議・神秘的、という意味もあるのか。

    ◇恩田陸:曇天の店
    →正に正体のはっきりしない感じ。
    店主の「実は、この店を手に入れられたのも、以前ここにいた人たちがー」
    からの
    『主人と奥さんの視線が、つかのま絡み合う。どちらの目も、笑っていなかった。』
    が怖すぎる。。この夫婦、果たしてー

    ◇米澤穂信:わたしキャベンティッシュ
    →タイトル、わたしの、じゃないのはどういう意図なのだろう。
    本作、主人公目線だが、この女性を同僚や夫はどう描くだろうか。無表情なのだろうか、表情豊かなのだろうか。
    ラスト、夫への行為は激情にかられての突発的なものなのだろうか、それとも細身だが長身となるし、夫の告白後に計画的に実行したのだろうか。
    「百聞は一見に如かず」というけれど、主人公の日常や動いている描写をみたら、この文章から伝わるイメージは一変するかもしれない。
    言葉足らずのすれ違いだったのか、きちんと感謝や思いを口に出して伝えていてもダメな夫婦関係だったのか。。
    『「物足りないと思うのは仕方ないけれど、間違いなく進歩じゃないか。一歩も前に進まないより、はるかに、無限に進んでる。」』

    『「私は優れている、わたしは私自身をどこまでも増やす、だからわたしの「次」は絶対に作らせない。』
    →キャベンティッシュの想いが=主人公→タイトルだとしたら、なかなかな性格。。所長も。。他の同僚など、どういった人たちのいる職場なのだろう。

    ◇村山由佳:ANNIVERSARY
    →異世界転生ものが流行しているけれど、この主人公ほどの緊張感をもって人生を繰り返しているキャラクターはなかなかいなそう。。
    『「僕にとって…何も変わってないけど、…にとってはきっとそうじゃないんだろうと思う。僕が何をいったところで、言葉が追いつくような辛さじゃないんだと思う。そのことだけはわかっているつもりだよ。とりあえず、ゆっくり休もう。その間にだんだん慣れていこうよ。この機会に、僕ももうちょっと人生のペースを落とすから。」』
    →素敵な言葉。外見や名前が変わっていてもわかる、とあったけれど、いずれ年齢や性別が変わってしまう世界線は無いのだろうか。子供の性別は変わっているので。。

    『両手が開いているって素晴らしい。常に子供を気にして背後まで監視カメラを稼働させなくていいのも、自分の歩幅で歩けるのも、静かな店に遠慮なく入れるのも、混雑した場所を不安なく歩けるのも素晴らしい』
    →子育て、本当にお疲れ様。。

    ◇窪美澄:真珠星スピカ
    →両親や主人公やお隣さんや、それぞれのキャラクターが気になるので、1冊丸々の長さを読んでみたい。
    お母さんと主人公、父親がこれからどうやって過ごしていくのか。。お母さんはどうやって成仏するのか。したくないのか、したくなったらどうするのか。。
    『学校生活の日陰みたいなところにいじめが存在するのだ。いじめをする生徒は蛇のようなものだ。日陰にいる蛇が、こいつならいじめてもいい、という小動物を狙っているのだ。』
    『わたしはそんなにいじめられるような存在だろうか。ふと疑問に思う。…早く飽きてくれないかな、というのが本音だった。けれど、わたしへのいじめに飽きたら、その矛先は違う誰かに向かうのかもしれない、と思ったらやりきれない。』

    ◇彩瀬まる:マイ、マイマイ
    →映像を想像するとうあ゛~。。と鳥肌が立ってしまうけれど、自分には想像もできない発想。ラストの彼氏への選択がそっちかぁ、と。。年を経て、この時のことを後悔したりするのだろうか。

    ◇阿部智里:李果を食む
    →読了後の感想、感情はある意味強烈。これはどちらの視点が正しいのだろう?それとも、どちらも違うのか、はたまたどちらも正しかったりするのか。。バラを折る、という意味の本当の意味とか、本当は怖いグリム童話、とかを思い出す。。

    ◇朱川湊:フクライ駅から
    →二重にも三重にも怖い。。以前読んだ近未来小説の監視カメラ、その普及がダメな理由あるだろうか、と疑問に思ったが、この主人公、これからどうやって生活していくのか。。悪に対峙する時、それを超える悪人でないと、処理するのは無理。
    『ネットって、ホントに便利ですよ。すごく簡単に人を壊すことができるんですからね。』

    ◇武川佑:細川相模守清氏討死ノ事
    →毛色が違う作品。酒吞童子を思い出す。

    ◇乾ルカ:かぐわしき人
    →性別どうだろうな~と読み進めてしまう年の功。
    元々そうだったのか、性別を超えて綺麗だと感じたのか、どちらだろう??
    手塚治虫の戦争漫画に木の精霊の結婚式をしてあげた、という作品があったけれど、こちらの作品は禍々しい。。

    ◇小池真理子:喪中の客
    →要因が隣人や環境にある場合と、己にもある場合と。。
    認めたくなかったのか。。。でもそれが愛情というより、自己愛だとしたら、主人公はこれからどう生きていくのだろう。

  • 〈怪異〉をテーマに描く、奇譚アンソロジー。アンソロジーって色んな作家さんの話を読めるからお得感がある
    不思議な話もあったけど、一番最後の小池真理子の話は強さがぶっちぎりだった…
    背筋がぞぞーっとして鳥肌がすごかった。
    不思議と恐怖というのはグラデーションで、たぶん私がそんなに怖くない、特に不思議ではないというような感想をもつ話も他の人からすればすごく怖い!不思議すぎてわからん!ってなる話もあるんだろうな
    色んな人に読んでもらって一番好きな作品とか語り合うのが楽しい本だと思う

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