- 文藝春秋 (2019年12月5日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784167914141
作品紹介・あらすじ
もしあなたが今、このうえなく大切な何かを失って、暗闇のなかにいるとしたら、この本をおすすめしたい――(解説・俵万智)
宮沢賢治、須賀敦子、神谷美恵子、リルケ、プラトン、小林秀雄、ユングらの、死者や哀しみ、孤独について書かれた文章を読み解き、人間の絶望と癒しをそこに見出す26編。
「言葉にならないことで全身が満たされたとき人は、言葉との関係をもっとも深める」―-自らの深い悲しみの経験を得た著者が、その魂を賭けて言葉を味わい、深い癒しと示唆を与えてくれる。
日経新聞連載時から話題を呼び、静かなロングセラーとなった一冊。
文庫化に際して「死者の季節」「あとがき」を増補。
カバーと本文内を、世界的に人気の高いアーチスト・沖潤子の作品が
優しく深く彩る。大切な人に贈りたい、特別な一冊。
みんなの感想まとめ
心に響く言葉を通じて、悲しみとの向き合い方を教えてくれる作品です。失ったものや悲しみの奥に潜む新たな気づきを与えてくれ、読者は自然と受容していく感覚を得られます。多彩な著作からの引用によって、丁寧に生...
感想・レビュー・書評
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初めての若松さん。
心に響く言葉がたくさんあった。
私、丁寧に生きていきたい(◍•ᴗ•◍) -
昨年の夏、気に入って通っているカフェに併設された書店で、ふとこの本が目に留まり買い求めた。とはいえ、なんとなく読むのは今ではない気がして、そのまま他の本と一緒に積み上げていたが、年の暮れも押し迫ったころ、ふと今読もう、と思い立ち、1つ、2つと、ゆっくり噛み締めながら読む。書店で読みたい!と感じた勢いのまま、すぐ読み始めるのも幸福なひとときだけれど、こんなふうにゆっくりと手にすることも、本とのひとつの出会い方だな、と思う。
「同じ悲しみなど存在しない。そういうところに立ってみなければ、悲しみの実相にはふれ得まい。同じものがないから二つの悲しみは響き合い、共振するのではないか。独り悲しむとき人は、時空を超えて広く、深く、他者とつながる。」
「やわらかな日の光にふれ、小さな呼吸をする。全身を小さな力が貫く。そのとき私たちは今日も生きてみようと内なる言葉で自らに語りかけている。」
できることならなるべく先になりますように、と思っていた別れの扉が開き、恐る恐る目を向けてみると、終焉の象徴だとばかり思っていた「悲しみ」は、幾つもの色彩を持ち、広い場所につながっていく思いであることを知る。大切な人のことを考えながら、静かな時間を過ごすことを必要としている人の、伴侶になってくれる1冊だと思います。-
2024/01/11
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雷竜さん、こんにちは。本当に、良き本との出会いは、人生に喜びや深みをもたらしてくれますよね。コメントありがとうございました!雷竜さん、こんにちは。本当に、良き本との出会いは、人生に喜びや深みをもたらしてくれますよね。コメントありがとうございました!2024/01/12
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私が若松氏と出会ったのは(もちろん一方的な出会い)
100de名著「善の研究」の解説をされておられたとき
失礼ながらどういう方か存じ上げなかったのだがこの時の印象が圧巻で忘れられない
この人は一体どんな人生を歩んできたのだろう
第一印象は静かで穏やかな好感持てる方であった
しかしお話しをされると、悲しみも苦しみも全て受入れ、悟りの境地におられることがわかる
謙虚で控えめなのに、内なる秘めた強さを持っておられる
そして人に何も押し付けない
ちょっといないぞ こんな人
忘れられない出会いとなった
多くの著作をされているようなのでいつか読んでみたいと思っていた
そして本書
ああ、こういうことか
人生の伴侶を亡くされた氏は言う
悲しみとは絶望と同伴するものではなく、それでもなお生きようとする勇気と希望の証しであるように感じる
悲しみは自己と他者の心姿を見通す眼鏡のようにも感じる
悲しみを通じてしか見えてこないものがこの世には存在する
以下は個人的な覚書
今の自分に必要なものを…
・誠に他者とつながるために人は、一たび独りであることをわが身に引き受けなければならないのだろう
独りだと感じたとき、他者ははじめてかけがえのない存在になる
・考えるとは、安易な考えに甘んじることなく、揺れ動く心で、問いを生きてみることだ
・絶望のあるところには必ず希望が隠れていると人生は語る
人生は失望を飲み込み、希望という光に変じ、内なる勇者を目覚めさせる
・心を開くとは、自らの非力を受け入れ、露呈しつつ、しかし変貌を切望することではないだろうか
変貌の経験とは、自分を捨てることではない 自分でも気が付かなかった未知なる可能性の開花を目撃することである
心に響くことはたくさんある
孤独と絶望の中、それを咀嚼して自分の中に落とし込み、人生を生きることができるのだろうか
どれほどの理解と努力と時間が必要なのだろうか
そう自分の苦しみや悲しみは他人には引き受けてもらえない
独りで向かい合わなくてはならない
わかっていても追い詰められた時に、どう向き合えばいいのだろう
頭で理解できると同時に、時間がかかっても見つからない答えがあるのかもしれない
ただそれでも苦しみもがきながら逃げることなく、その生きる姿勢がその人の人生というものになるのだろうか…
今後の様々な場面で本書を広げたい
その都度新たなる気付きがありそうだ -
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猫丸さん。
今、言ったばかりなのに、ポチリました。
図書館では、まだ、文庫化されていない高い本を借りようと思います(^^;猫丸さん。
今、言ったばかりなのに、ポチリました。
図書館では、まだ、文庫化されていない高い本を借りようと思います(^^;2020/10/09 -
まことさん
便利な世の中ですよねぇ、、、と言いつつAmazonは使わない猫でございます。まことさん
便利な世の中ですよねぇ、、、と言いつつAmazonは使わない猫でございます。2020/10/09 -
ももすももすの『きゅうりか、猫か。』- #5 若松英輔/悲しみの秘義 - | OKMusic
https://okmusic.jp/news...ももすももすの『きゅうりか、猫か。』- #5 若松英輔/悲しみの秘義 - | OKMusic
https://okmusic.jp/news/4713632022/04/25
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この本を手に取ろうと思ったのは、悲しみとの向き合い方を知りたかったからです。30冊の本からの引用の言葉のなかに、心に響く言葉がたくさんありました。大切な人を失ったことがもたらすものは、悲しみだけではないことに気づかせてくれました。それ以上のことがあることにも気づかせてくれました。また、書物を読むこと、そして文章を書くことの大切さも書かれていました。
これからも折に触れて、この本を読みたいと思いました。小さくて薄い本だけれど、中身はとても濃いかったです。 -
日本経済新聞に連載されていたエッセイ。
一つ一つは短いのだけど、「奥行き」について考えさせられる、そんな一冊だった。
かなし、という言葉は元々、悲しみだけでなく愛おしさも含んでいる、根源的な言葉だった。
私の中のかなしさは、時間と共に深みを帯びてきたような、そんな類のものが多い。
徐々に、自分の一部になって、愛おしさが芽生えるような、また痛みを生み出すような、感じ。
様々な人が書いた文章を取り上げながら、かなしさを感じる自分にライトを当ててもらっていた。
「書けない履歴書」という話が入っている。
自分をアピールする履歴書を書き進めるうちに、項目に書き得ないことが人生を決定してきたと気が付く。
けれど、目の前の面接官は「分かりました」と言い、あっけなく面接を終えてしまう。
何も分かってはいないのに。
その人を分かるということ、分かって欲しいと思うことのテーマは「底知れぬ『無知』」にも登場する。
身体を通して、言葉を通して、私たちは見えないものとやり取りをしている。
自分の身体一つで受け止めて、感じて、どこか知らない場所に繋げていく。
そこは、どんな奥行きを持つ場所なんだろう。 -
先月の中頃、平日の17時ごろに母の入院している病院より連絡があった。
癌で緩和ケアを受けていた母の容体が思わしくないと。
看護師さん曰く、明日を迎えるのは難しいだろうとの事だった。
急いで準備をして電車に乗ったが、思考が停止してしまっており、病院の最寄駅に向かう最中も不思議と気持ちは凪いでいたのを覚えている。
ただどうにもこうにも心細くて、少しでも気の紛れるものはないかと近くの本屋さんに立ち寄った際、最初に目に留まったのがこの本だった。
悲しみの秘義とはなんだろう。
なんと無く、底の見えない悲しみを閉じ込める秘密が書かれているような気がして、ぼーっとした頭で購入した。
病室に到着して目に入った母は、いつもより少し呼吸が苦しそうだった。
ベッドサイドに椅子を移動させ、手を握り、声をかける。
癌は脳に転移していたので、暫く前から意思の疎通は図れない。
でも、こちらの声は聞こえていると信じて、今までの感謝と、もう頑張らなくて良いという言葉をかけ続けていた。3年弱も必死に闘病したのだから。
いざ今際の際にいる母を目の前にすると、悲しさとも虚しさともいえない感情が溢れてくる。
弟が到着したタイミングで、病室の前のベンチに移動し、お茶を飲んで、少し泣いた。
母の呼吸が落ち着いた際、何となく買ったこの本のことを思い出し、ページを開いた。
冒頭には、宮沢賢治が死に瀕する妹の事を想って詠んだ詩が登場する。
「もうけつしてさびしくはない
なんべんさびしくないと云つたとこで
またさびしくなるのはきまつてゐる
けれどもここはこれでいいのだ
すべてさびしさとかなしさとを焚いて
ひとは透明な軌道をすすむ」
僕はずっとどうすればこの悲しみから逃れられるのかと考えていた。
楽しいことや、好きなこと、子供達のことを考えては一時の安寧を得るが、次の瞬間寂しさが覆い被さってくる。
逃げて逃げて逃げきることこそ、自分の心を取り戻す方法なのだと思って日々の生活を送っていたのだ。
だが宮沢賢治は、さびしさとかなしさに向き合い、受け入れて、焚く。それすらも自分の一部にする。
そしてこうも語る。
「かなしみはちからに、欲(ほ)りはいつくしみに、いかりは智慧にみちびかるべし」
悲しみは力に、欲は慈しみに、怒りは智慧に結びつける。
失う悲しみすらも血肉とし、とにかく生きるだという強い気持ちに、ベンチに座って項垂れていた僕は一人静かに胸を打たれた。
この深い哀惜を力にするのだ。
そして、逝った母もきっとそれを望んでいる。
悲しみを通してしか見えてこないものはあるだろう。
この本で若松英輔は、巧みな文章と、様々な偉人の言葉を引用して、如何に人々は失う辛さと向き合い、受けれてきたかを教えてくれる。
深い悲しみの中、勇気を振り絞って生きている人はどんな場所にもいる。
自分は孤独ではないのだ。
あの日あの時、この本を手に取った自分に何か運命めいたものを感じた。
母を見送ってから1ヶ月経った今も、時折この本を読み返している。
パワーをくれるというよりも、沈んだ気持ちに寄り添いながら慈しんでくれるような作品だ。
もし友人や大切な人が深い悲しみの中にいるのなら、僕は躊躇いなくこの本をすすめる。
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若松英輔さんの文章には凛とした優しさがある。この本は一回でさらっと読み終えてしまってはいけない本。
若松さんの自己開示に、そんなところまで曝け出してしまって、いいんですか?大丈夫ですか?と心配してしまう。人に話せる、文章にする、言葉にするという作業は悲しみと共にあるために、必要な過程なのでしょう。その若松さんの悲しみは、誰かの心に響き、誰かの悲しみに寄り添ってくれるのでしょう。
最後、書くことの大切さを説いていた。拙い文でも、こうして言葉にすること、自分の内だけにとどめておかないことが、自分自身の糧になっていく。より物事を思考し、クリアにしていくことになるのでしょう。とても良い読書体験になった。 -
Eテレ「理想的本箱」を見て、気になって借りた図書館本。
心に留めたい言葉がじわじわと心に沁みて、読んだ本も、もう一度読み返したくなる。
悲しみと向き合うというより、自然と受容していけるような気がしてくる。
返却したけれど手元に置いておきたくて、購入することにしました。 -
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悲しみ、特に愛する人を喪った悲しみを知る人に、強くお勧めできる一冊。
悲しみを知ることで、初めて本当の生を知る。
悲しみを知ることで、本当の私に初めて出会う。
強い悲しみを経験することは、何か簡単には言葉にできない、ある種の究極的な真理に、気づく権利が与えられるということなのかもしれない。
この本では、悲しみについての様々な思索が、古今東西の哲学や文学、特に詩歌をよすがに、とても豊かな情感とともに、そしてとても優しい筆致で、したためられている。
「悲しい」と書いても、「愛しい」と書いても、「かなしい」とよめる。悲しみには、その深い深いところで、ただ悲痛なだけではない何かがあって、そしてそれは、容易に言葉にすることができないものだ。「悲しみ」が当然この本のキーワードであるが、それだけでなく、「言葉」や「読むことと書くこと」も、本書の重要なキーワードである。この思いは、決して言葉にして共有できない。
私の愛読書であるフランソワーズ・サガンの『悲しみよこんにちは』の、極めて美しい嚆矢の一文、「ものうさと甘さが胸から離れないこの見知らぬ感情に、悲しみという重々しくも美しい名前をつけるのを、私はためらう」に、相通じる麗しいものを感じた。なんとも名状し難い、けれども充実した読後感をもたらす読書体験だった。 -
本屋で目に入った時、なんとなく美しい本だと思って手に取りました。
タイトルは『悲しみの秘義』。
ぱらぱらとめくると、かつて日本人は、「かなし」を「悲し」だけでなく「愛し」または「美し」とも書いたのだとあります。
「悲しみを通じてしか開かない扉がある。」「孤独を生きてみなければどうしても知り得ないことがある。」
悲しみを照らしてくれるというよりは、悲しみに内在する愛しさ、自らのなかには光があることを思い出させてくれる、そんな本でした。
時には漱石を、時にはリルケを引用しながら綴られるこのエッセイでは、誰しもが詩人であり、読むということの重要性が重ねて述べられています。
「読むことは、書くことに勝るとも劣らない創造的な営みである。作品を書くのは書き手の役割だが、完成へと近づけるのは読者の役目である。」
「読むことには、書くこととはまったく異なる意味がある。書かれた言葉はいつも、読まれることによってのみ、この世に生を受けるからだ。比喩ではない。読むことは言葉を生みだすことなのだ。」
読書によって深い感銘を受けるということは、実はそれだけの創造を自らのなかで成し得ているということなのかもしれません。 -
うん、よかった。本当によかった。神谷美恵子、須賀敦子、小林秀雄、岩崎航…こうした表現者の言葉を紡ぎながら、悲しみとの向き合い方、言葉との付き合い方を深く考えることができる本だった。
こういうことかなと整理する。
人は言葉や詩、親しい人の死といった喪失体験を通じ、目に見えない内面の深さに触れ、自己や他者、世界とのつながりを深く認識する。人が言葉と出会うことは時空を超えた未知との共鳴することであり、内なる感情と呼応することでもある。言葉は深いレベルで私たちを揺さぶる。感情は言葉を通じ共感を呼び起こす。
しかし一歩引いてみると、言葉は内面への扉でもある。そこで向き合うべきは自己であることに気づく。その言葉は万能ではない。生きる意味は語り難いからこそ強く存在し、生を支えるともいえる。心を開くとは、自己の響きを受け入れ、変容を恐れぬこと。孤独や喪失もまた生きる力と深みを与える。語り得ない人生の出来事に気づけば、悲しみとの付き合い方にも気づく。親しい人を喪失した経験は、悲しみの中に豊かなつながりを教えてくれる。
存在は知りながらやっと読めた。人にも送りたい本ですね。 -
「あなたに出会えてよかった」と、相手を前にしなくても、心の中で伝えるだけで、何かが変わる。
人の生活の中に存在する悲しみと向き合うことは避けられないから、私も何度も傷ついて悲しんで、人との出会いの意味を考えようと思いました。 -
悲しいという感情は人間が持つ、崇高な感情だと思いました。以下の文。なんて暖かく、優しい表現なのでしょうか!
声をだに聞かで別るる魂よりも
亡き床に寝む君ぞかなしき
(意味)夫が仕事で遠くにいて、妻は病に襲われ亡くなろうとしている。その時に詠まれた歌。彼女は遠く離れた夫に向かって、あなたの声を聞くことが出来ずに逝こうとしている私よりも、私が逝ったあと、夜、独り寝るあなたの悲しみの方が耐え難いだろうと、 -
どこかの書評で気になって、文庫化に伴い入手。どこかで小難しく煙に巻くような内容を危惧していたけど、良い意味で裏切られた。一番気に入ったフレーズは引用したそれなんだけど、正直、どの章にも気付きが満載だった。表題通り、悲しみに対する秘儀開陳ってのが主題で、とてつもない悲しみに見舞われた自身の近況とも響き合い、そういう意味でもかけがえのない読書時間となった。
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この作品は、悲しい時の悲しみかたについて語っている。悲しみにも流儀があり、品格がありということ。
著者プロフィール
若松英輔の作品

とても心にしみる作品ですよね(◍•ᴗ•◍)
とても心にしみる作品ですよね(◍•ᴗ•◍)