終りなき夜に生れつく (文春文庫 お 42-6)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (307ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167914172

作品紹介・あらすじ

僕たちは、同じ種族だ。永遠に終わらない夜を生きていく種族。のちに何件もの大規模テロ事件を起こし、犯罪者たちの王として君臨する男、神山。市民に紛れて生きていた彼を追う雑誌記者が見たものとは――。強力な特殊能力を持って生まれてきた少年たちは、いかにして残虐な殺人者となったのか。『夜の底は柔らかな幻』で凄絶な殺し合いを演じた男たちの過去が今、明らかになる。

感想・レビュー・書評

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  • 「夜の底は柔らかな幻」のスピンオフ作品。真紅の表紙がとても美しい。この本を手にしたい。まずそこに魅かれた作品でした。

    「夜の底」で最後に恩田さんに振り落とされてしまった人間としては何とかすがる先を探してしまいます。そんな疲れた心を癒す作品がこれでした。800ページを超えても判然としなかった謎の数々があっけなく解決します。明かされなかった名詞の意味が明らかになります。『ソク』と『フチ』、こんなにもわかりやすい説明、本編でしてよ!とちょっとクレーマーな気分を抱くことになる、読むほどに納得感のある「夜の底」の解説本的なストーリー。

    4つの短編から構成されていますが、それぞれ、
    〈砂の夜〉『少女が宙に浮かんでいる。』一気に「夜の底」の世界に引き戻してくれる秀逸な一文。軍勇司と須藤みつきのアフリカでの医療ボランティアでの活躍。『あたしが先生を守ってあげる。』という言葉がとても印象的。

    〈夜のふたつの貌〉葛城晃と軍勇司の出会い。『意識下にある願望や真実は、人の口を使って顕れるのだ。』ゾクゾクするような驚愕の視点。「夜の底」で抱いた葛城晃の印象がくずおれる瞬間。

    〈夜間飛行〉葛城晃が入国管理官になるまでの心と身体の道程。そして、あの「彼』との再会と別離。『噂ってのはさ、どんなガセネタでも、どこかに一粒くらいは真実が含まれてるものなんだ。』そう、火のないところに煙は立たない。そして、葛城晃が別人格に感じるエンディングのある意味の爽やかさ。

    〈終りなき夜に生れつく〉途鎖を離れた首都で起きている連続殺人事件。あの大物の彼が登場します。『古くて新しい対立。どちらが新人類であるのか。どちらが人類の覇者であるのか、という対立軸。』古くて新しいこのテーマに、『新人類』の脆さを前面に押し出した描き方が新しい。でも、ニュータイプとオールドタイプはいつの夜もいがみ合い、自らの存在意義をかけて闘うしか道はない。誰が描いてもこの結論。『悲しいけどこれが人間なのよね。』

    永遠に終わることのない、終りなき夜を生きて行くしかない者たちの苦悩。特殊な能力を持って生れてしまったが故の苦悩。そして、能力を持たない者との間に生まれる相剋。
    本編+スピンオフという物量を投入しても描きたかったもの、恩田さんの強い熱意・想い、そしてこの世界観への深い愛情に触れた気がします。トータルで見て素晴らしい作品群でした。

  • スピンオフだったとは、、題につられて買ってしまった。

    本編を読み切ってから読み返してみると、当たり前だが初回とは違った面白さがあった。

    しかし知らない時でも物語の連続として十分に面白かった記憶がある。

  • これは本編読まないと…
    スピンオフだと途中から気がついたが、これはこれでおもしろくいっきに読んだ

  • あまり好きじゃないかも。登場人物も世界観も凄く魅力的だけど、私にはこの設定のSFが合わないのかもしれない。でも、一回読み終わってからまた2回目に突入しているので、苦手なだけで何回も読んでしまう。好きな人にはブッ刺さりそう。

  • 特殊能力者が多数住んでいる国『途鎖国』の隣国の産まれであることもあり、興味深く読んだ。本作はダーク・ファンタジー長編『夜の底は柔らかな幻』へと続く短編集(スピンオフ作品)だということを読み終わってから知った。恩田陸は様々なタイプの作品を書く小説家だが、本作のような作風も持っていたことに正直なところ驚いた。

  • 『夜の底は柔らかな幻』のスピンオフ

    軍勇司と葛城晃の友情、そして神山倖秀の覚醒

    「終わりなき夜に生まれつく。永遠の夜に生きる。」

    ウィリアム・ブレイクの詩からとられたタイトルが好き

    恩田先生、〈途鎖国〉シリーズは、まだまだ続けてくださーい!

  • 夜の底は柔らかな幻に登場する特殊能力「イロ」を持つ在色者たちが描かれている。
    先に終わりなき夜に生まれつくを読後「夜の底は柔らかな幻」を知り上下巻を読みました。
    先に読んでいなかったら本を読み慣れない私はついて行くのが大変だったかも。

  • 図書館で借りました!
    半分くらい読んだところで、ブクログで検索してみて、スピンオフだということを知りました。
    本編も一緒に借りてたので、そちらを読んで、戻ってきました。
    人となりがわかる、かな?
    本編の方が、最後、うわっと広がったまま終わった感があるので(私の理解力不足かも、ですが。)
    スピンオフとかで補完していただきたいです笑
    こちらは分かりやすく、引き込まれてさらっと読めました!

  • 本編読んだの昔すぎて覚えてないから気になる。
    もう一回読み直そうかなー

  • 読みやすい。
    短編だけど、夜の底は…の出て来た人たちの学生時代なので楽しく読めた。
    葛城の冷めた、人間らしくない人格だと思っていたが違っていた。もっともっと知りたい途鎖国の生活。
    何故独立した国となったのか物語として続いていってほしいけど、恩田陸ってそういう事しないよなぁ。。。

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著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

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